Deckard's Movie Diary
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2005年03月18日(金)  レイ

最終日の最終回で、ようやく観てきました。やっぱり立ち見が出ていました。テイラー・ハックフォード監督作品、ジェイミー・フォックス主演(アカデミー賞主演男優賞受賞)、レイ・チャールズの半生を描いた『レイ』。個人的な評価はチョー大甘ですが最高評価とさせていただきました。だって、レイ・チャールズと言えば、あの高倉健だってアンディ・ガルシアとデュエットしちゃうくらい有名な歌手ですからね(笑)。そんな偉大な歌手を描いた映画なんですから!観る前から最高評価に決っています。って、大嘘ですけどね。ただ、想像していたよりは断然良かったです。とても丁寧な作りに好感が持てたし、テンポも心地良かったです。ただ、難を言えば、もっとあざとい映画的なシーンが欲しかったかも?です。ちょっとキレイに作り過ぎているのかなぁ・・・事実を丹念に追っているだけで、いまいち監督の思い入れというか描きかったコトが感じられませんでした・・・それは、この映画にレイ自身が絡んでいたからかもしれないんですけどね。


2005年03月16日(水)  ローレライ ロング・エンゲージメント あずみ2

「あの(特技監督で名を馳せた)樋口真嗣でも、この程度かよ!」と友人はその稚拙な映像に落胆し、「あの(ミニチュア映像で名を馳せた)樋口真嗣が、CGばっかりかよ!」と友人はその安直さに激怒した、ある意味、皆が漠然と期待していた樋口真嗣監督作『ローレライ』。各言う小生もまた漠然と期待していた一人でした。友人達が指摘している映像部分の致命的欠陥はまさにその通りで、ただただ頷くばかりですが、映像に関しては今回の経験を次に生かしてくれそうな気もします。個人的には、映像の稚拙さや脚本のお粗末さよりも、相当にがっかりした部分がありました。「映画を作る意識の幼稚さ!」とでも言うのでしょうか、これはもう予算とかセンスとかの問題ではありません。単に作り手の意識の幼稚さとしか思えません。

<ネタバレしていますm(_ _)m>

映画が始まって暫くは「そんなに悪くないじゃん・・・」と思っていました。オープニングから、その後の展開に期待が持てるような作りでしたし、多少は映像的に無理があるなぁ・・・とは思いましたが、これで話が面白ければ十分じゃん!ところが、ローレライの秘密が暴かれた時に愕然としました。ローレライがどのような仕組みで動いているのかは問題ではなく(個人的には全くOK!でした(笑))、重要人物である女性の描き方に驚きを隠せませんでした。これはおそらく多くの方が漠然とは感じながら、わざわざツッコミを入れないだけなコトのですが、オイラには耐えられませんでした!アウシュビッツで育ち、様々な人体実験の対象になり、油塗れの潜水艦の一箇所に幽閉され続けて来た女性が、何故にあんなにも美しいのでしょうか?まるでこれから化粧品のCMにでも出演するのかと、見間違うばかりのサラサラ髪に健康優良児のようなツルツル素肌!幾らなんでもドッチラケ!ですよ。染みひとつ無い美しい手の甲に刻印された収容者番号のアップは悪い冗談かと思いました。その瞬間から、この映画を観る姿勢がマイナス方向に大きく傾いてしまい、最後まで修正出来ませんでした。こういう演出の部分というのはお金や時間が大してかかるワケでは無く、単に意識の問題です。どんなにも優れたテクニックでリアルな映像を作り出しても、どんなにも見事な演技を役者達が披露したとしても、こんなシーンが一発でも有れば全てはぶち壊しです!もっと不健康に汚して登場させ、少しずつ本来の女性らしい仕草や表情を取り戻していくような演出にしたら、どうだったんでしょう。「しょーもない言いがかり!」と言われても、個人的にはこの一点でこの映画を幼稚な作品!と評価します。


『アメリ』で世界を席巻したジャン=ピエール・ジェネ&オドレイ・トトゥの新作『ロング・エンゲージメント』。う〜ん、つまらなくは無いんだろうけど、面白くも無い!例えば、どんなに面白い話だって、話下手の奴が話したら面白くないでしょ?欠伸しているのに気づけよ!みたいな・・・簡単に言ってしまうと、そんな印象の映画でした。ジェネのやりたかったコトは分かりますが、致命的なのはオドレイ・トトゥ演じるヒロインに全く思い入れが出来ないコトです。その原因は明らかで、二人の絆があんまり感じられないからです。つまり、もっと素直な時間の流れで作った方が良かったんじゃないでしょうか?そういう意味では“策に溺れた”演出のかなぁ・・・( ̄。 ̄ )ボソ…それでも観て損はないでしょう。ジェネが作りだす映像世界は相変わらず魅力的ですし、肌理の細かいストーリーも良く出来ています。疲れますけど(苦笑)。『アメリ』以前のジェネと比べると、明らかに『アメリ』の成功によって一皮向けた印象もしました。 それにしてもジョディー・フォスターってフランス語が上手いんですねぇ!ちょっとオ・ド・ロ・キィ〜!


『あずみ2/Death or Love』・・・とにかく緊張感に欠けるヘッポコ映画でした。映画監督なら親よりも大切にしないといけないファーストシーンから、これだけ緊張感が無い映画も珍しいのではないでしょうか。観終わって冗談ではなく「なんなんだこれは!」と叫びたかったです!監督は金子修介。金子と言えば平成ガメラシリーズで一気に評価を上げた監督ですが、前作を監督した北村が“剛”の娯楽系だとしたら、金子は“柔”の娯楽系監督と言えます。戦国の美少女剣士“あずみ”・・・ともすればキワモノになりかねないキャラクターを、北村監督は硬派な感覚で切れ味鋭く、あずみの強さを描いたのですが、そのキワモノっぽいキャラクターを柔のセンスで料理するとどうなるのか?おそらく、あずみの女性らしい部分や優しい部分が強調されるのは想像に難くありません。また、平成ガメラシリーズで、その周囲の人間模様を上手く描いていた金子なので、今回は集団の中でのあずみが描かれるかもしれない・・・などと想像していたら、まさにその通りでした。まさにその通りだったのですが・・・あまりに薄っぺらい人間描写&関係には呆れてしまいました。まるで子供向けの戦隊モノを観ているような気分です。だらだらと垂れ流されるようなストーリーは盛り上がりに欠け、魅力的なシーンのひとつもありません。陳腐としか言いようのない脚本、そして古臭く安っぽい演出の数々。平成ガメラシリーズでオイラを興奮させてくれた金子修介の輝きは見る影もありません!『恋に歌えば!』の後遺症があまりに大き過ぎた!というコトなのでしょうか・・・ちょっと悲しくなりました。


2005年03月02日(水)  セルラー

信頼出来る友人が「面白いでっせ!」と薦めてくれたので観てきました。予告編だけでは「スルー!」と決め込んでいただけに意外でした!だって、いかにもご都合主義の脚本&設定になりそうな気配がプンプンじゃないですかぁ!確かに多少そういう部分もあるのですが、そんなコトが全く気にならないほど魅力的な作品に仕上がっています。中盤、アクションシーンが多過ぎて(まぁ、ハリウッドですからね)もたもたしているので「B級サスペンス・ファン向きだなぁ・・・」とか思っていたら、後半からグングンと加速して行きます。その加速の仕方が気持ち良い!っつーか、それぞれの気持ちの部分も一緒に引き連れていくので、観ている方は感情移入がし易いですし、細かく絡んでくる脇役やちょいとしたユーモアなセンスもこの映画に広がりを与えています。ホンの数カットを加えるか否かで説得力が断然違ってくるんですよねぇ。とにかく細部まで練られた脚本が本当に上手い!携帯電話の機能や、シチュエーション、現象などが実に上手く散りばめられており、( ^o^)ノ◇ ザブトン!を何枚投げたか覚えていません!オイラなんてラストの呼びかけに思わず涙がツ〜っと流れてしまったくらいです。なんだかねぇ・・・急に気が抜けた(´―`)┌ ヤレヤレ…みたいな・・・(苦笑)。最後の言葉も気が利いており「映画を堪能した」気分にさせてくれます。まさに、時間が空いた時に「ちょいと映画でも観て行くか!」っつー気分には最適な一品!ジェシカ/ライアンはオイラにとってはジャック・ライアンよりもよっぽど素敵なキャラクターでしたわ!って、なんじゃそりゃ(笑)これで『卒業の朝』『ニューオーリンズトライアル』そして今回の『セルラー』を加えて“東宝昼間3部作”(テレ東の映画は昼間がゴールデンタ〜イム♪的解釈!分かるかなぁ・・・分かってね!)の完成です!


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