Deckard's Movie Diary
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2002年11月25日(月)  バースデイ・ガール

 『ムーラン・ルージュ』『アザーズ』と立て続けに話題作へ出演しているニコール・キッドマン最新作『バースディ・ガール』。場内は平日の昼間にも関わらず老若男女を問わず、けっこう入ってました。もちろん!ニコール人気でしょう!考えてみれば、脇を固める役者はベン・チャップリン、ヴァンサン・カッセル、マチュー・カソヴィッツと揃ってますし、上り調子のニコールの映画が何故に単館なんでしょう。それは、映画を観ればわかります。すっげぇ、中途半端(苦笑)。予告編で感じた危険な雰囲気はチビっとだけでした。最初の発想は面白いのに、ストーリー展開がデタラメです。つまり、この手の映画は観客(っつーか、オイラだけですけど(>_<)アチャ!)に「そんな事はしねーよ!」って思われたらダメだと思うんですよねぇ。結局、この監督はどんな映画にしたかったのかなぁ・・・全く意味不明!


2002年11月22日(金)  ラスト・キャッスル

 『スパイ・ゲーム』はショーもない映画だったなぁ・・・ボソ。そのロバート・レッドフォード最新作『ラスト・キャッスル』。これは面白かったぁ!中盤ちょっとダレたのが残念でしたけど、映画全編が古き良きアメリカのワッカリやす〜い正義感で満たされています。久しぶりに痛快な娯楽映画。この「痛快」って部分が大事なんです。男の子が心揺さぶられるツボが満載!憎たらしい奴がドッカーン!とやられちゃうシーンでは手を叩きたくなりましたよ。人種も宗教もバラバラな上に教育水準もピンキリのアメリカでは、国旗や国歌というのはある意味、宗教における神よりも大きな力を持っているということでしょう。しっかしアメリカという国はこういうアっという間に一致団結!ってのが似合いますなぁ・・・。まぁ、それがアメリカの良いところでもあり、悪いところでもあるんですけどねぇ。監督は『ザ・コンテンダー』でアラン・J・パクラ賞を受賞したロッド・ルーニー。この映画もまさにアメリカの正義を描こうとしていましたね。


2002年11月20日(水)  ラスト・シーン

 『リング』に続き、『女優霊』も米でリメイクが決まった中田秀夫監督が初めて撮った一般映画?『ラスト・シーン』。小生はこの監督とは相性が悪くて『リング』『カオス』『仄暗い水の底から』のどれも、別段なんとも思わなかったんです。もちろん怖がらせるのは上手いですけどね。それだけです。いつも見終わった後に「だから、何?」と言いたくなってしまうのです。毎回、人物描写が平板で深みが感じられないのが不満でした。そのホラーばっかり撮っている中田監督が『映画』に想いを捧げた作品がこの『ラスト・シーン』ってワケです。で、やっぱりねぇ〜。薄っぺらいんですよ!良いシークエンスもあるんですけど、如何せんキャラに深みがありません。TVドラマの映画化や売れっ子タレントを描いている部分が、あまりにワザとらしくコミカルなので、いくら「『映画』は素晴らしい!」と叫んでみても、ちっとも輝いて見えてこないのです。逆に言いたいのですが、そんな相手がいないと「映画の素晴らしさ」が描けないのでしょうか?TV界を揶揄していながら、平凡な2時間ドラマ程度の出来にしかなれなかった寂しい映画でした。トリュフォーの『アメリカの夜』が懐かしい・・・・ボソ


2002年11月19日(火)  REM

 『REM』です。渋谷でレイト!ってのが足枷になって、パスするつもりでいたら、美貌の友人から「早く観てきて!そしたら○○ましょ!」と言われ、○○に勝手な妄想を思い浮かべながら早速行って来ました。すみません、バカで!(ホっといて下さい)

 何気なくサクサクと始まった映画は、「あ〜・・眠たくなりそう・・・」という感覚が寝不足の身体を覆いそうになる頃から、小生の精神を引き摺り込んでしまったようで、いつのまにか、映画の世界にドップリと浸かっていました。どちらかというとオーソドックスな作りですが、かなりの恐怖を味わえました。次に来る恐怖シーンを観客に想像させるのが巧みというか、とにかく演出が上手く、特に音の作り方が良く出来ているので、ビデオでは完成度は半減するかもしれません。不眠症の表現は『インソムニア』を明らかに越えてます。何処までが現実で何処からが妄想なのか?もちろん途中から話しの行く末は見えてきますが、それでも、監督(マイケル・ウォーカー、初監督作)の力量が評価されるべき映画ですし、観て損はない仕上がりになっています。観客はたったの10人でしたが・・・(>_<)アチャ!しか〜し!あのヨケイナモノ(個人的には「ヨケイナモノ」でした)は、一体なんざんしょ?やっぱ、アレですか?だったら、もう少しセンスの良い見せ方もあったんじゃないのかなぁ・・・。○○さんと被る見せ方とか・・・・。


2002年11月18日(月)  ストーリーテリング ウェイキング・ライフ

 人間の愛すべきダークサイドを描き続けているトッド・ソロンズ最新作『ストーリーテリング』。前作の『ハピネス』が強烈な印象だったので、期待にダークサイドを膨らませながら観ました。さてさて今回は・・・見事に外してくれましたなぁ(苦笑)。登場人物やセリフなどは相変わらずの毒気ですが、映画としてのまとまりが悪いんですよ。全体がダラダラ続いてるというか・・・、脚本も面白いし、キャラも悪くないのに、映画としての完成度はとても低い!みたいな感じでしょうか。この辺りが映画の難しいところなんでしょう。しかし!この毒気は捨て難い!次回作に期待します。

 『ウェイキング・ライフ』。監督・脚本リチャード・リンクレイター。2001年サンダンス映画祭で絶賛されたアート・フィルムです。この映画は革新的な映像とトスカ・タンゴ・オーケストラの演奏する音楽。これが全てです。それだけで観る価値を見出せるかどうかがこの映画の評価になるんじゃないでしょうか?オイラはOK!この際、映画の内容はどうでもいいです(苦笑)。まぁ、色んな人が色んなコトについて、しょーもない御託を並べているだけですから、映像に興味を持てない人は心地よく眠る事が出来るんじゃないでしょうか?じゃ、そういうコトで(笑)


2002年11月13日(水)  太陽の雫 ザ・リング チェンジング・レーン

 今週、来週、再来週ってほとんど映画を観る機会がなくなりそうなので、本日は頑張っちゃいます!(やっぱ、バカですかね?)

 まずは“3時間”っつー上映時間から、なんとなく敬遠していた『太陽の雫』です。監督は『コンフィデンス』『メフィスト』でハンガリーを代表するイシュトヴァン・サボー。あるユダヤ系一族の19世紀末からの100年に渡る激動の物語。3時間を飽きさせる事無く見せてくれます。だけんどもしかし!観終わって思うことは「だから、何?」って感じなんですよ。困っちゃうんだよなぁ・・・・こういう映画。別に悪くないけど・・・だから何?まぁ、レイフ・ファインズは素晴らしいですけどねぇ!なんてたって、一緒に観に行った友人はレイフの1人3役が気がつかなかったみたいだし!ってマジかよー!(爆)

 さてさて『ザ・リング』です。「ハリウッド完全リメイク」っていうコピーが散々TVから流れてましたなぁ。いやぁ、まさに看板に嘘偽りなし!良くぞココまでコピーしました!ある意味偉い!本家と比べていいところもあれば、ダメなところもありました。でも、個人的には妙に気に入ってます・・・理由はワカリマセン(苦笑)。ただ、アメリカ人には「怨念」っつー感覚が希薄なんですね。だから、サマラ(貞子)の恨みがわかり辛いのが難点。馬のエピソードがもう少し上手に絡めば良かったのになぁ・・・『世にも怪奇な物語』くらいね。さて、ナオミ・ワッツです。・・・・いいですねぇ(苦笑)。巷で話題になってる誤訳(66回or66年)なんですけど、個人的には「回」のが面白いなぁ・・・・ボソ。

 賛否両論です。『チェンジング・レーン』。うーん、ダメだった!映画としては楽しめます。ちょっとした事故が引き金になってそれぞれの人生(ベン・アフレック&サミュエル・L・ジャクソン)が狂っていくというのは面白いですしね。ただ、その狂い方がねぇ・・・なんちゅーか、ワザとらしい!その上、彼らのやってる事と言ったら、もうバカ丸出し!さらに、周りにいる連中までお話しにならない奴らばっかり!この映画に出てくる人の何人もオイラの人生に近づいて欲しくないですねぇ。挙句の果てにちゃっかり「いい人」になっちゃってるし、まぁ、勝手にやってれば!っつー感じでしょうか(苦笑)。決して、つまらない映画ではないんですけどねぇ・・・・ボソ


2002年11月11日(月)  たそがれ清兵衛 国性爺合戦

 山田洋次、初の時代劇だそうで・・・『たそがれ清兵衛』。これはイイ!監督が隅々まで気を遣っているのがわかります。演出はもちろん、撮影、照明、美術、衣装、音楽。ほぼ完璧です。脚本やキャストには好き嫌いが出るでしょうけど・・・例えば「語り」の形式が良かったのか?とか、ラストはコレでいいのか?とか、宮沢りえはどうなの?とかね(苦笑)。個人的には全く問題なかったです。描かれている世界はいつもの山田洋次の世界です。親子、家族、友人、秘めた恋心。いつもはその要素ばかりでヌルくなりがちな作品も多いのですが、今回はそこに壮絶な果し合いが用意されていて、それが今までの山田にはない緊張感を生んでいます。もう少し、ラストに向かって凝縮されれば良かったのですが・・・。地味ですけど地に足がついた真摯な態度の映画。こういう映画は好きですねぇ。今回の出来を見る限り、山田にはもっと時代劇を撮って欲しかったです。ひょっとすると黒澤並みだったかもぉ♪〜( ̄ε ̄;)。で、敵役の世界的舞踏家・田中泯ですが、素晴らしいです!予告編から「こいつ誰だぁ?」とは思ってたんですが、その迫力たるや、尋常ではありません。今まで何故に映画に出なかったのかなぁ・・・・。欲を言えば、もう少し笑わせて欲しかったです。それにしても相変わらず丹波はいい味出してるなぁ(笑)。

 母親が日本人だからと言って、「日本の英雄」ってのは言い過ぎでしょ(苦笑)。台湾をオランダから開放した英雄・鄭成功の半生記を描いた『国性爺合戦』。この映画のチラシが好みだったもんですから、観に行っちゃいました(苦笑)。監督はチェン・カイコー(陳凱歌)とチャン・イーモウ(張芸謀)と並び称されるウー・ヅーニィウ(呉子牛・『晩鐘』『南京1937』ともに未見)だそうですけど・・・ストーリーテーリングが下手ですねぇ。映画にまとまりない!っつーか、無駄な部分が多いというか、ドッシリした芯がありません。もっと鄭成功の人となりを掘り下げないとねぇ。まぁ、全体的な演出も大時代的ですし、撮影も照明も魅力ないです。だいたい、もっと面白い話になるんじゃないですかぁ?それでもお金はかかってるし、見せ場もそれなりにあります。もったいないですよー!しっかし!鄭成功って大陸を追い出されて、台湾を攻略したもんだとばっかり思ってました。ま、いいか!(爆)


2002年11月06日(水)  至福のとき マドモアゼル

 映画の日です。混んでるのが予想されたので、朝からル・シネマに行き『至福のとき』と『マドモワゼル』の2本を予約してから仕事へGO!お世話になっているエージェンシーが引越ししたので挨拶に!綺麗になってましたねぇ(って、アタリマエか!)だけんどもしかし!守秘義務を優先しているので外来者が簡単に入室出来なくなってるんですよ。最近の流行のパターン。これで、ますますお伺いの出入り業者はヤリ辛くなるワケですな。トホホ。まぁ、なんとかやって行きましょう(苦笑)

 そういうワケで、チャン・イーモウの『あの子を探して』『初恋のきた道』に続く幸せ3部作(だそうで・・・)のトリを飾る『至福のとき』。5万人の中から選ばれた美少女ドン・ジエ(19歳)が主演です。ハッキリ言って相当ヌルいです。ヤッツケ仕事のようなスカスカさとでも言いましょうか、人物描写や話の展開など、ほころびだらけなんですよ。古典落語の人情話のようなストーリーなんですが、古典落語は舞台が江戸時代とかですからねぇ、そんな話は現在では成り立ちませんよ。もちろん(最近の)イーモウらしい素朴な美しさもありますが・・・、気になってしまうのは、あまりに多いドン・ジエの下着姿なんです。どうにもこうにも痛々しくて・・・彼女の下着姿にどのような意図があるのか全くわかりませんでした。チャン・イーモウの美少女趣味が度を越しているような気がしたのはオイラだけでしょうか?

 『パリ空港の人々』のフィリップ・リオレ監督最新作『マドモワゼル』。キャッチ・コピーは「たった、24時間だけの愛のぬくもり。」で、主演は真田広之を野性的にしたような『クリクリのいた夏』のジャック・ガンブランと『イースト/ウエスト 遥かなる祖国』のサンドリーヌ・ボネール。まぁ、要するに・・・見知らぬ大人同士の単なるアバンチュール(最近使わないなぁ・・・)の話。コジャレた雰囲気で繕ってはいるけど、中身はそこら辺に転がっている恋愛映画。もの凄く嘘っぽいんだよねぇ。強引にやらされる結婚式のスピーチとかさ!行きずりのバイクの二人乗りとかさ!


2002年11月01日(金)  ゴスフォード・パーク マッスル・ヒート

 アルトマン新作『ゴスフォード・パーク』!もう素晴らしい!としか言いようがありません。上手くて、洒落ていて、大人っぽくて、ちょっぴりHで、シニカルさはスパイス程度に効いていて、まさに、上質の素材を五つ星の腕で料理したフル・コースのようです。非の打ち所のない衣装や調度品の数々、そして完成された完璧な演技。惚れ惚れするような演出の妙を十分に堪能させられました。全てに無駄がなく、ウットリするような時間の流れ。これぞ映画!これぞアルトマン!まぁ、今さらどーでもイイですが、アカデミー作品賞、監督賞はコレでしょう!最後は泣かせてもくれます。

 あのケイン・コスギ初主演作『マッスル・ヒート』。TVバラエティ『筋肉番付』での貢献度を考慮してTBSが作ってくれたような映画です。もちろん、どんな経緯で作られたって構いません。面白ければ関係ないです。監督はCMやクリップ(サザン、B’s)等を手がける下山天。アクション監督は香港のサム・ウォン。ロケーションがいいですねぇ。中々魅力的な場所を使ってます。で、もちろんアクションは見せ場ですから、キチンと見せてくれます。内容はねぇ・・・キャスト的には問題は多いでしょうけど、それでも演出が良ければ誤魔けちゃうんだけどね。中途半端なんだよなぁ。どうせならもっとハメ外しちゃえばいいのに!漫画でいいんだからさぁ。『デッド・オア・アライヴ』のデタラメさを見習った方がいいですなぁ。ナ〜ニ、真面目に作ってるんだか(苦笑)。「感動」とか「涙」とか、誰も求めてない!っつーの(爆)え、ケインですか?まぁ、これからでしょ。


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