Deckard's Movie Diary
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2002年02月27日(水)  コンセント

 田口ランディ原作、中原俊監督、市川美和子主演、『コンセント』。風変わりな映画でした。一人の女性が兄の死をキッカケにシャーマンに目覚めていく話しなのですが、多分にオカルト系な匂いとホラー風味の味付けが妙な空気感を生んでいました。原作を読んでいないので、ハッキリした事は分かりませんが、映像化が難しかっただろうコトは容易に想像出来ます。ちょっと原作も読んでみたくなりましたねぇ。ただ、もうちょっと映画としての迫力というか、緊張感というか欲しかったかも・・・・。それとこの手の邦画にありがちなインチキ臭い出演者達の部屋。もっとちゃんと仕事しようよ!あんな殺風景な部屋に住んでいる女なんて絶対的に少ないと思うよ。そろそろ脱却しよう!「それなり」の出来から・・・もう少しだよ。中原さん!


2002年02月26日(火)  バスを待ちながら ジーパーズ・クリーパーズ

 『苺とチョコレート』のファン・カルロス・タビオ監督作、『バスを待ちながら』です。キューバのとある町のバス停に集まってきた人たちが、バスが来ないことから妙な連帯感が出来てきて・・・という内容です。予告編を見る限り、「ほとんどバレバレの話しだなぁ・・・。ビデオスルーにしようかなぁ・・・」と、思っていたら、いつも有力な情報をくれるNさんが「イイですよ〜♪」と言うので行ってきました。なるほどねぇ!上手い!実はこの手のオチ(というか禁じ手)って大嫌いなんです。この映画でも最初「え、マジっすか?そういうコトなのぉ!」とちょっとガッカリしたのですが、その後の描き方がシッカリしているので、かなりツボにきました。そうそう!人生はそんなに甘くないけど、考えようによっては悪くないです。やはり人間は、生きている間は「夢」を見ることを忘れてはいけませんねぇ。

 『ジーパーズ・クリーパーズ』。ツッコミ所満載のおとぼけホラー・コメディ。誰が言ったか知らないが「羽ばたけ半漁ドン」(爆×99) 話しにならん!


2002年02月25日(月)  地獄の黙示録(完全版)

 やっと観てきました。『地獄の黙示録(完全版)』。オリジナル版でカットされていた部分が加わって4時間近い大作なんですが、全く長さは感じませんでした。自分の思考能力が当時よりも多少なりとも向上しているのか、オリジナル版よりも面白かったですねぇ。追加されたシークエンスもフランス人絡み以外は効果的で、『戦争が生んだ狂気』という意味では分かりやすくなってたような気がします。だけんどもしかし!オリジナル版でもそうだったんだけど、どうも最後のカーツ大佐のセリフが語り過ぎなんですよねぇ。あれさえ、無ければなぁ・・・・。それでもこの映画は間違いなく『愛』評価です。


2002年02月22日(金)  マルティナは海 WASABI

 今日こそは仕事しないとイケないんだよなぁ・・・・と、分かっているのに本日で終わっちゃう『マルティナは海』へ。監督は最近元気のいいスペイン映画の巨匠、『おっぱいとお月さま』のビガス・ルナ。ストーリーはSEXに狂った男女の悲劇。まぁ、自業自得だから、な〜んも同情出来ません(笑) ただね、このヒロインを務めてレオノル・ワトリングという女優が良かったですねぇ。健康的なヘザー・グラハムのようでした。このビガス・ルナという監督は『ハモンハモン』でペネロペ・クルスを見出したので有名だそうですが・・・。彼女の次回作はアルモドバル監督作だそうです。

 別に観なくてもイイんですけど。『WASABI』。仕事柄、「外人が撮る日本」っていう物に興味があるので観に行ったんですが、どうってコトなかったですねぇ。映画の内容は最初から期待していませんでしたけど、それにしても酷いです。小生は日本では数少ない広末ファンですが、ますますドツボにハマッテルかもねぇ。だいたい今時、あんなファッションでパッパラパーな「女」なんかイねぇーし。いいかげん日本人もベッソンから目を覚まそうぜ!


2002年02月21日(木)  化粧師 ソウル

 まるまる1週間、映画を観てませんでした。さあ!片っ端から片付けるぞー!(そういう見方してんのかよー!)まずは『化粧師kewaishi』。石の森章太郎原作コミックの映画化です。最初に言っておきますが、この映画は好きです。撮影・浜田毅、美術・横田与志、音楽・大谷幸の3人の仕事が素晴らしく、初監督作だった田中光敏も、ちょっと淡白でしたが及第点です。ただ、脚本がねぇ!って、思っていたら東京国際映画祭で最優秀脚本賞なんだそうです。マジっすか?そりゃ、ナイだろ!いくらなんでも語りすぎていると思いましたけどねぇ。椎名演じる化粧師も、もっと魅力的な人物になった思うのですが・・・。因みに「化粧師とは人の内外面まで気を配ること」だそうで、「気配」→「けわい」というコトらしいです。

 『ホワイトアウト』と『シュリ』のスタッフが製作!という触れ込みの『ソウル』。けっこうヨク出来てます。少なくとも『オーシャンズ11』よりは脚本を練ってますよ(笑) でも、コレってホメ言葉じゃないですから!だから、もうちょっとなんですよ。もうちょっと頑張ろうよ!特にラスト近辺のデタラメさって、悲しくなります。チェ・ミンスは良かったですけど、長瀬智也はまだまだでした。って、アタリマエか!監督が『ココニイルコト』の長澤雅彦ってのがねぇ、不思議!『ココニイルコト』で活かしていた「間の良さ」は長瀬と通訳の女性(オフィシャルHPにも名前が出ていない!)のやりとりでチビっとだけ!だいたい向いてないですよ。監督も韓国の方にやっていただいた方が絶対面白かっただろうなぁ。


2002年02月13日(水)  アモーレス・ペロス

 東京国際映画祭でグランプリと監督賞を獲得したメキシコ映画『アモーレス・ペロス』。まず、知らなかったんですが、この映画は3話(若者、不倫、老人)からなるオムニバスでした。トホホ。その3つのストーリーは交差していますが、別に交差しなくてもどうってことはありません。とにかく長すぎます。2時間33分。もっと短くなるでしょうに!この映画が持っている雰囲気や映像、空気感は好きですが、正直なところかなりカッタるかったです。1話50分のTVドラマを3本観た印象でした。「犬のような愛」という日本語訳のタイトルの方が良かったかも・・・。


2002年02月08日(金)  ジェヴォーダンの獣

 宴会セットを頼んだら寿司とステーキと蒲焼とスイカが出てきたみたいな映画でした。何を隠そう『ジェヴォーダンの獣』です。18世紀フランス・ジェヴォーダン地方、100人を越える女と子供が忽然と姿を消した・・・狼の仕業か?それとも呪いか?フランスの歴史における最大の謎(ホンマかいなぁ・・・) 伝説が遂に明かされる(パンフレットより) 監督が『クライング・フリーマン』のクリストフ・ガンズ。編集がウー兄弟のデヴィッド・ウー。そんなスタッフですから、フランス映画らしい雰囲気は全くありません。もう香港&ハリウッドのようなケレン味タップリのアクション・エンタに仕上がっています。出演陣もサミュエル・ル・ビアン、ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ、エミリエ・デュケンヌ他、一癖二癖もある上に獣でしょう。盛り沢山過ぎちゃって、片っ端から食べていたら、全部少しずつ残しちゃった・・・みたいな映画でした。映像は綺麗でしたよー。ちなみにクリーチャー・デザインがジム・ヘンソン!オマケに梅干かいー!でも、この映画の原題はどういう意味なのかなぁ?


2002年02月06日(水)  ダブル・タップ カンダハール ピアニスト

 今日は映画の日〜♪ というワケで1発目は『ダブル・タップ』。この映画はイイです。でも惜しい!それは、傑作になっていた可能性が十分に感じられるからです。競技で何年も続けて優勝しているガンの名手がある時、仕方なく人間を射殺したコトから、歯車は狂っていくのですが、きっかけの描写がヌルいので、イマイチその気分がワカリマセン。その辺りがちょっと弱いんです。動物でも人間でも相手を殺傷する為に銃を撃つという行為は人間にとってとてつもないプレッシャーを与えるようです。『ディア・ハンター』でも描かれていたように、その1発で人の性格まで変えるものなのかもしれません。この映画は。その辺りを狙っているんでしょうけど、その狂っていく過程の描写が弱すぎるんですねぇ。もったいない!

 『ダブル・タップ』から、そのまま7Fの『カンダハール』へ。色々話題を提供した映画ですが。内容はカンダハール近辺の様子がワカッタだけの映画でした。モフセン・マルマフバフ監督作という気持ちで行くとガッカリします。映画としては気の抜けたコーラのよう。

 ラストは銀座で『ピアニスト』。カンヌ映画祭グランプリ。あの『ファニー・ゲーム』で小生を激怒(笑)させたミヒャエル・ハネケ監督作。基本的に日記にはネタバレをしない主義なのですが、今回はネタバレします!

                  ★

 「ぼくは あなたが どんなに哀しい 秘密を持っていても 愛しています」というのが、この映画の宣伝文句。でも、コレは真っ赤なウソ!その「哀しい秘密」と呼ばれているのはイザベル・ユペール扮するエリカの性癖のコトで、それはマゾ性です。美貌の青年ワルターは年上のエリカに求愛するのですが、彼女の秘密を知って・・・。この映画は『SM』を歪んだモノと捉えています。エリカは母親の過剰な愛に応えんが為に、男性と普通に付き合えなかった女性として描かれており、『SM』は、そんな不遇な状況で身についてしまったようなオカシナ性癖と描かれています。見世物としてはヨク出来た映画なのかもしれませんが、世の中にはエリカと同じような性癖に苦労している人も少なからず居るというコトを忘れて欲しくありません。どのような家庭環境がそのような性癖を生むのか知りませんが、少なくとも「病気」だとか「変態」とか言っていいものではありませんし、現実に『SM』癖を持つ人々は相手を見つけられず、とても苦労しているという事実もあります。また相手に話した方がいいかどうか悩んでいる人たちもいます。そんな人々がこの映画を見たら・・・。哀しいのはエリカの秘密ではなく、人と違った性癖を持っているだけで、まともに相手にしない人たちの事じゃないでしょうか。エリカの手紙を笑い、道具を笑った人々は、もう一度考え直して下さい。もちろん『SM』が出来ないコトは構いません。ただそういう性癖の人々を認めて、普通に接して欲しいだけです。本当に愛しているのなら、少しくらい努力しろ!とも言いたいです。もちろん一般的な性癖の持ち主のワルターの戸惑いもわかります。でも、自分が愛した相手だからこそ、もっと優しく接して欲しかった。分かろうと努力して欲しかった。実際そのような夫婦もいます。努力した上で悲恋に終わってもいいのですが、この映画のエリカは最初から変態扱いされ、間違った暴力を振るわれ、笑われて終わります。この結末は哀しすぎるし、ある意味マイノリティへの迫害ともとれる映画でした。人は人の数だけ個性があるというコトを、もう一度考えて下さい。あまりに人の気持ちを無視した暴力的な映画、それが「ピアニスト」の正体です。


2002年02月05日(火)  オーシャンズ11 ラット・レース

 これまた豪華キャストでリメイクの『オーシャンズ11』。監督は昨年のアカデミー賞受賞監督、今一番ノっているソダバーグ!だから当然!面白いはず!だけんどもしかし!コレが笑っちゃうほど冴えない出来なんです(笑) ありふれたストーリーにありふれた演出&演技!究極の駄作。コメディなのかサスペンスなのかワカランし!一番ダメなのは楽しくないんですよ。これだけのメンバーを集めているのにネェ!まぁ、監督をソダバーグにした失敗ですかね。もちろん受注したソダバーグも身の程を知らなかったってコトでしょう!娯楽エンター系の監督じゃないですからネ!

 なんだか萎んだ気分で2F下の『ラット・レース』へ。やっぱ悪いコトがあるといいコトがあるモンですねぇ。これはメチャメチャ面白いです!この映画は当初、観に行く予定はありませんでした。ところがコメディ好きの友人が「抱腹絶倒モノですぜい!」って言うので仕方なくチェックしに行ったんです。そしたら今年3本目の(愛)評価でしたぁー♪(大安売りじゃん!) まずオープニングのタイトルからいかにも「これはねぇ!そんじょそこらのコメディですよ〜ん!」っていう姿勢が、まず気に入りました。そして、話しが進むにつれて増殖していくコメディ菌が重箱の隅までビッシリ蔓延!『ジュラシック・パーク』のウエィン・ナイトや『ミザリー』のキャシー・ベイツが脇でキラっと光ってますし、濃い〜いローワン・ワトキンスは控えめで、ルーシー・ショウはタップリと!もう、言うコトなしの最高評価!この数年のコメディで一番笑ったかも・・・・。満員の『オーシャンズ11』より20人の『ラット・レース』に軍配!


2002年02月01日(金)  フォルテ

 「なんだか寂しくなっちゃう映画だったなぁ・・・・」 これが正直な印象でした。映画は豪華キャスト!豪華キャスト!2回ぐらいは平気で言いたくなる豪華キャストの『フォルテ』。映画に興味を持った頃から活躍していた人々がたくさん出ていて、それだけで嬉しいんですけど、やはりツマラナイものはツマリマセン!笑えないコメディって、ホントに哀しいですねぇ・・・・ボソ


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