Deckard's Movie Diary index|past|will
初めてこの映画の話しを聞いた時は「どうせ、ツマンネェんだろうなぁ・・・」でした。ところが予告編を観てから、「ひょっとして面白いかも・・・」に変わって、最終日だった2本『パルムの樹』と『恋ごころ』をパスして観てきました。その名は『ミスター・ルーキー』!(爆) いやぁ、面白かったわ!懸念された野球シーンも迫力があり、スケール十分。そして、この映画はスポ根モノなんですが、邦画には珍しく、“ロッキー”してるんですよ。え、どういう意味か?って。つまりですね、この手の邦画ってのは昔から男の世界であり、男の友情モノだったりするんですが、『ミスター・ルーキー』は、な、なんと夫婦愛がど真ん中なんです。だから鶴田真由扮する奥さんが、一番美味しい役で、たぶん鶴田真由(もっと上手い役者)じゃなかったら、助演女優賞が獲れそうほどの美味しい役柄でした。で、欠点もそこにあります。つまり、役者がヘタなんですよ。一茂と駒田が上手く見えちゃう(笑) ヘタというより、ザルって感じでしょうか。まぁ、全体にヌルいってのかなぁ・・・・冷水でしめるの忘れてるみたいな・・・。脚本が良かっただけに惜しまれます。映画のワンシーン、ワンシーンに「おお!八木や!」「藪―!頼むぞー」「桧山―!!」と叫んでいた阪神ファンの貴方!素敵な掛け声でした(笑)
恐ろしいほど評判の良いピクサー制作のディズニー映画『モンスターズ・インク』。ハッキリ言って、コレを語る権利はアッシにはありませんな(笑)何を隠そう・・・超爆睡してしまいました(自爆)ブーを巡るドタバタが始まりだした辺りから強烈な睡魔が襲ってきて、うつらうつらしながら、意識が戻ったのは・・・・誰か(もちろん誰だか知ってます)がとんでもないコトになっちゃってて、「げげ、そういう展開なのぉ?」と、ちょっとビックリしたのですが、もうアフター・フェスティバル!でも、ラストのオチは、何だかちょっとなぁ・・・・ま、いいや。たぶんもう観に行かない。上手いですけどねぇ。
ズーっと迷ってて、今日も行く直前に「どうしようかなぁ・・・」と躊躇しながら、「だってミュージカルだぜ!」と自分にツッコミ入れながら、今週で終わってしまう・・・という強迫観念にかられて観に行った三池崇史監督作『カタクリ家の幸福』。ふぅ、長い前置き。で、結果は?ジャジャーン!!今のところ本年度邦画暫定1位。三池って監督は以前も書いたけど、人間を描くのはヘタだけど、その世界を作るのは上手い。今回のミュージカル映画にはそんな三池が養ってきたあらゆる映画のエッセンスが実に生き生きとバラ巻かれているんだわ!おそらく三池は「ミュージカル?ミュージカルなんてナニやったっていいんだからさぁ、もうハチャメチャやろうぜ!」みたいなノリだったんじゃないかなぁ。登場人物はどいつもこいつも胡散臭そうな連中ばっかりだし、音楽もかなりワザとらしくて良かった。それもそのはず歌謡ポップスの第一人者、馬飼野康二(まだ御健在だったんですねぇ(笑)オレとしては、この映画は三池の最高傑作だと思いますけど・・・。あーあ、行って良かった。
今日で終わってしまう『うつくしい人生』に朝から(と言っても11時半だけど・・・)行ってきました。素晴らしい映画でした。南フランスの田舎町。主人公のニコラは何の目的もなく、ただ漠然と都会への憧れを抱きながら、友人達と週末に大騒ぎをしている青年。ところが、ある出来事から彼の運命が大きく変わっていき・・・・。最初、観ていると、この映画は一体どうなってしまうのだろう?と、心配になるほど、あまりに地味に淡々を進むのですが、途中からボディーブローのように、その描写がゆっくりと心の中に染み込んで来て、ラスト30分は、ほとんど涙が止まりませんでした。この映画には人間が生きていく上で本当に大切なものは、そんなに多くないんだよ。と、優しく語りかけて来ます。だから当然の如くストーリーはベタです。でも、そんなコトはこの映画の重量感ある真摯な表現の前では何の意味もありません。人が写し出されている美しい自然も素晴らしく、琴の音色も印象的でした。自然の中で生活出来ないだろう自分は、こんな生活に憧れてしまいます。実際に生活していく事は大変だろうけど、ニコラに嫉妬している自分もいるんですよねぇ。
スパイク・ジョーンズ、チャーリー・カウフマンの『マルコヴィッチの穴』コンビが、ミュージック・ビデオの監督ミッシェル・ゴンドリーを迎えて製作した『ヒューマン・ネイチュア』。予告編で思い描いていた通りの映画でした。そこそこ面白い。もちろんシリアス・ドラマでもなければ、コメディでもありません。毒も中途半端な風刺映画。それでもけっこう面白い。そんな映画です。
『ストレイト・ストーリー』で一息ついていたデビッド・リンチが帰って来ました。これまた巷で話題の『マルホランド・ドライブ』。リンチって、あんまり好きじゃないんですが、観てきました。相変わらず、観客を飽きさせない(煙に巻く?)凝った演出も素晴らしいし、今回はいつもよりワかりやすく作っている分(相変わらず無駄な謎も多いけど・・・)、苦手な小生もそれなりにリンチ・ワールドを堪能することが出来ました。たぶん・・・個人的にはリンチ映画の最高傑作かも。この手の映画にハマる人が多いのも納得出来ます。え、オレですか?オレはいいですよ。どうぞ皆さん「あーでもない!こーでもない!」と、どんどん先に進んじゃって下さい。オレはそんなコトを考えられるほど、脳みそに余裕がないので・・・。
“みんな自分のカタワレを探してる・・・” 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。オフ・ブロードウェイで2年以上のロングランを記録したミュージカルの映画化です。性転換手術の失敗から不完全な身体を持ってしまったヘドウィグの半生を描いたストーリーは、はっきり言って胡散臭く(話しを作りすぎ!元々が舞台劇なので、仕方がないかも・・・)消化不良気味のエピソードも満載ですが、そんなコトはどうでもよくて、この映画の魅力はナンと言っても主人公演じるジョン・キャメロン・ミッチェルの猥雑で妖しいカリスマ系オーラを感じられるかどうかです。とあるロックスターがローリング・ストーン誌に語った『謎に包まれていた半生』の映画化だと思えばいいんじゃないでしょうか。そういう意味では全ての楽曲の詩が素晴らしく、主人公のアングリーインチな怒りも悲しみもすんなり受け入れるコトが出来ました。カルト・ムービーの歴史にまた新たな傑作が・・・。
ハーレイ・ジョエル・オスメント最新作『ぼくの神さま』。ナチス占領下、ポーランドの小さな村が舞台。過酷な現実が子供たちにのしかかって・・・。メチャメチャ重たい映画でした。重すぎて、泣けない・・・・。だって、あまりに悲しすぎる展開なんですもの。ま、ストーリーは置いといて。とにかくトロを演じるリアム・ヘスが素晴らしく、その表情はまさに天使と見間違うような、無垢な美しさに溢れています。また、他の子供たちの表情もそれぞれに個性的で自然なので、ハーレイ君がちょっと浮いてるような気も・・・・。映画の出来としては、監督ユレク・ボガエヴィッチの演出が拙いので、まとまりに欠けています。話しがアッチコッチに飛んでしまって・・・・。
巷でやたら評判の宜しい『ロード・オブ・ザ・リング』。東銀座で朝いち11時からの回で6分の入りでした。3時間の長丁場。結論は「どうってコトありませんでした。」なんでそんなに評価されるのかワカリマセン。テンポも判で押したようなワンパターンで、上映中、何度も欠伸を噛み殺しておりました。まず説明、んで、ちょこっと盛り上げて、はい休み!さぁ、美しい風景をどうぞ!←コレの繰り返し。9人の仲間の何人かは人数合わせの為だけにいる感じだし、説明ばかりのナレーションや取ってつけたようなセリフ回し。新味のないストーリー展開(これは仕方がないけど。)映像にしても、大騒ぎするようなモノはひとつもなかったです。あの終わり方もなぁ・・・・どうなんだろう?
日本の週刊誌だったら、「あのヘザー・グラハムが惜しげもなく脱いだ!」みたいなキャプションが付きそうな『キリング・ミー・ソフトリー』。監督は巨匠チェン・カイコー。で、映画はツマンネェー!三流サスペンス映画。女優がヘザーじゃなかったらマジでキれてましたよ!
アメリカから友人が来ていたので久しぶりに会って、話したところ「アメリカではソルトレイク・オリンピックはアメリカ人しか出てないような報道だったよ」とコトも無げに言うのでビックリ!韓国の怒りも日本の怒りも全く知りませんでした。とにかくライブ中継は無く、1位3位がアメリカ人で2位が外国人の場合は2位の人が映らない・・・と言ってました。「恐るべし!」のアメリカは、やっぱり、どアホ!なアメリカでした。
3月に入って最初の映画は『しあわせの場所』。母親と5人の兄妹が狭い所帯で暮らす家族の物語。しっかり者の長男は家族の面倒を見つつ、喜びも悲しみも幾歳月・・・・。山田洋次というよりは森崎東に近いかも・・・・っていう雰囲気の邦画みたいでした。悪くはナイです。でも。ちょっと食い足りないカンジかなぁ・・・。でも、それが大陸的な中国と島国・日本の違いかもなぁ・・・。
デッカード
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