Deckard's Movie Diary index|past|will
なんだか凄い事(混んでる)になっている『デリカテッセン』『ロストチルドレン』のジャン・ピエール・ジェネ、初の単独長編?『アメリ』。これは可愛くて、面白くて、毒もあって、大変良く出来ていて、さらぁ〜に!とっても素敵な映画でした。フランス小噺風な洒落たスタートを切って、小回りなコーナーを実に軽やかなスキップで♪♪ d(⌒o⌒)b♪♪ランランとクリアして、そのまま向こう正面からスルスルっと進出し、3コーナーから4コーナーにかけてチビっともたもたしたけど、直線に入って鮮やかに抜け出した映画!←みたいな感じ!?一つ一つの細かなどうでもいいエピソードが、映画の中で血となり肉となり、この作品をとても魅力的なマドモワゼルにしています。惚れてしまいました。やっぱり可愛いだけじゃないから魅力があるんですよねぇ。そんな奴に惚れるなんて、オレも成長したなぁ・・・・(バカ) 惜しいのは、ちょっとまとまりに欠ける。というか長いというか・・・
フィリピン・マニラ市郊外のスラムと化した巨大ごみ捨て場が撤去されて6年。第二の“スモーキーマウンテン”と呼ばれる「パヤタスごみ捨て場」に生活する人々に密着したドキュメンタリー『神の子たち』。大雨の影響で起きた崩落事故は1500世帯を飲み込む大惨事となり、政府はごみ捨て場を閉鎖。カメラはごみ捨てが再開されるまでの4ヶ月間、生活の糧を奪われ困難を極める3家族を軸に住民達に迫ります。フィリピンでは再生可能なごみを集めると、平均賃金と同程度の収入があるらしく、仕事のない人々がごみ捨て場に住みついてしまうようです。山のようなごみの中で暮らしているワケですから、当然生活環境は劣悪で、その苛酷な状況は次から次へと子供達の命を奪っていきます。これは泣けません!泣いてはいけない映画です!しっかりと見つめなければいけない現実。幼い子を虐めて殺す親もあれば、戦争に駆り出す親もあり、ごみに塗れた生活でも子供を育てる親もいる。世の中矛盾だらけ・・・。それでも人は生きていく。オレも生きていく。生と死だけがこの世で絶対的な事ならば、生きていく事に何らかの意味があるはずだ!と、信じたいしそれを見極めたい。幻想かもしれないけれど・・・・。生きたくても生きられなかった命の分まで、オレは生きられるだけ生きていきます。恵まれている環境に感謝すると共に、貴方達のことは絶対に忘れません。いつかどこかで会いましょう。
コリアン・バックドラフトと言われて、どうなの?『リベラ・メ』。この映画の感想を一言で言うと「監督が下手!」。テンポ悪いし、カットバックが下手だし、だいたい話しが見えないし!と、しーしーだらけ。まぁ、あんまり良い評判は聞いていなかったので、驚くほどではありませんでしたけどね。ストーリーは「バックドラフト+クロスファイア」みたいな話しです。「リベラ・メ」の意味はラテン語で「我を救いたまえ」らしいですが、自分に向けて言ったんじゃないのぉ?と勘ぐってしまいました。じゃ、何で観に行ったんだ?それはですねぇ、韓国での「火」を使った特殊効果の腕前を観に行ったんです。これは素晴らしかったですねぇ。日本では絶対無理!釜山に出来たフィルム・コミッションが全面協力したらしく、街中での火災シーンは、ちょっとビックリでした。こと撮影に関してはマジで日本はヤバいっす!犯人役の青年がちょっと良かったなぁ・・・。
巷で『女脳』を刺激すると評判のバズ・ラーマンの『ムーラン・ルージュ』。とても面白かったです。『ダンシングヒーロー』はマァマァで、『ロミオ+ジュリエット』はペケだった小生にとって半信半疑の鑑賞でしたが、予想を遥かに超える出来に大満足!「女脳」を刺激すると言われていたので、もっとベタな恋愛モノかと思っていたら、全てがロックオペラ調にデフォルメされたコメディな世界でした。ちょっと落ち着きのないのが残念ですが、今年のベストの1本になりました。おそらくバズ・ラーマンの最高傑作で、今後コレ以上の作品は作れないような気もしました。
「うわー!」「すげぇー!」「あ!」「マジかよ!」「あれ!」「おお!」「ほら!」「すげぇ・・・」「お!」「でっけぇー!」「火の玉じゃん!」「あちょ!」「・・・・・」しし座流星群来襲記でした。
朝も早からウキウキと 胸に溢れるこの想い 一目会ったあの日から 夢に見るほど逢いたい人に やっと逢える喜びを ナイスバディに飾りたい
「また大手が倒産しそうなんですよ」。牡蠣フライで油っぽくなっていた口の中をアイスティーがさらさらにしてくれる。「もう6000人リストラしたらしいですよ」。ストローは使わずに流し込む。久しぶりに昼食を共にした友人から聞いた話しだった。その時に、チャットでお世話になっているNさんの事が思い浮かんだ。もちろん理由が全くないワケじゃないけれど・・・・。アイスティーのレモン。渋いのは好きだけど、苦いのは嫌い。
仕事の合間を抜けてドミニク・セナの『ソード・フィッシュ』です。ハリウッド映画と邦画の大きな違いのひとつに「SEの違い」というのがあります。「SE」とは「サウンド・エフェクト」の略で効果音のコト。このテクニックはハリウッドは凄いです。先日『ローラー・ボール』の予告編を観ましたが、真っ黒の画面にSEだけが鳴り響くのですが、これが素晴らしい出来で、映像なんかナイ方がイイんじゃないか!と思ったくらいです。で、この映画はCMでも流れている爆発シーンの映像(タイムスライスの進化型)もスンゲェなー!と感心してしまうのですが、その時のSEがまた素晴らしいんです。モノが飛んで空気を切り裂く感じとか、現場音(ホワイトノイズ)等のセンスが抜群です。映画の内容はその手の素晴らしさ以外は、どうなんでしょう?全く魅力のない連中が、さも魅力があるように見せているような映画でした。
どういうワケか物凄い人気の『メメント』。クリストファー・ノーラン監督作品。かなり面白い!かなり面白いのですが・・・。主人公は特殊な記憶障害(前向性健忘)で、古い記憶はそのままなんですが、近い記憶は10分しか持たず、その為次から次へとポラロイド写真を撮って記憶を記録していきます。まぁ、ツッコミを入れだすと破綻しますが、そんなコトを露とも思わせないほどトップシーンから「面白そうじゃん!」と引き込まれます。妻殺しの犯人を追っている主人公。どんどん時間を遡りながら謎解きしているように見せているのですが、主人公の不安は逆に増長していき、それを見ている観客はパズルのコマがピタっと合っていくのを見せられているのにも拘らず底なしの迷路に入り込んでいく感じがします。これはスゲェや!どんなラストが待ってるんだぁー!と期待にビンビンになってると、「ありゃ?」って、「ウソよねぇ〜」と、「(・_・)ヾ(^o^;) オイオイ そりゃねーだろ!どうしてくれるんだい!このパンパンになったオレの○○○はよー!」みたいな・・・。で、オヨヨ!となっている時に、今年公開された某サイコ映画と同じ歌がエンディング・テーマで流れるのですが、それもちょっとなぁ・・・・イメージが重なっちゃって・・・。もう少し最後までキチっと煮詰めようよ!マジで惜しい!!!でも、この監督は素晴らしい才能を持っています。確かな演出力に、実に巧みな編集のタイミング!もう脱帽モノ!で、同監督のデビュー作「フォロイング」も、ちょっと面白そうなんですよ。レイトで公開されるそうですので、それも観に行くつもりです。
新幹線・のぞみが東京駅に到着したのは19時ジャスト!それは、お隣の有楽町マリオン9Fで『クローン』の最終回が始まった時刻。誰もいない劇場ロビーから重いドアを開けてソロリと侵入すると、少年が箒に乗って何処ぞへ飛んでいくシーンが!セーフぅぅぅぅ。本編が始まると、いきなりスピィーディな展開で、さらに世界観も「どうですかぁー!」みたいなノリで、とても気持ちよく入っていけましたが、主人公が捕まった辺りから、ツッコミ所が満載!何もそんな風に取り出さなくてもいいだろう!とか、だったら捕まえるだけでエエやん!とか、ワンパターンな短気野郎とか、お定まりのキャラもワンサカ登場。それでも後半にいくほどそれなりに面白さは増します。ただ上っ面ばかり取り繕ってもねぇ!話し自体は面白そうですし、もっと深く考えて作って欲しいなぁ・・・全体的な雰囲気が良かっただけに悔やまれます。
この日は映画サービスデイ。タイ映画の『少年義勇兵』を観に行きました。タイ映画の話題作『ナン・ナーク』はパスしてしまったので、たぶん意識して観る初めてのタイ映画かもしれません。話しは第2次大戦勃発後のアジア、きな臭い時代の中で国の為に兵隊に志願した高校生達の物語。愛国心と好奇心が入り混じった幼ない精神は戦争を実感として理解出来ず、まるで戦争ごっこのような訓練の日々。やがて日本軍の脅威が、そして・・・・。まずタイと日本軍の接触がこういう形であったという事実は全く知りませんでした。また、映画の中で描かれる戦闘シーンがあまりにタイ側に都合良く出来ているので、なんだかなぁ・・・と思っていたら、それが事実であったことも驚きでした。映画としては清々しく凛々しい青春物として良く出来ていますし、日本軍はヨーロッパ戦線におけるドイツ軍のように侵攻してきますが、ラストのちょっとしたヤリトリがお互いを尊重しているので救われます。さらにタイ映画に無知な小生は意外に思ってしまったのですが、綺麗な画(エキゾティック風味)や心に残るシーンが少なくないです。欲を言えば戦闘シーンが無駄に長いのが残念!映画全体にタイの大らかな国民性を感じてしまったのはオレだけでしょうか・・・・。
ウッディ・アレン新作『おいしい生活』。面白いです。特にウッディ・アレンとトレーシー・ウルマンの夫婦が成功するまでの前半部分は往年のアレンの才気を感じさせます。ところが成功してからが、ちょっとねぇ・・・・。スノッブなネタが、前半部のバカウケネタに比べると物足りないですし、歯切れも悪いです。全体の出来としては悪くありませんが、アレン映画としてはどうなんでしょうか。個人的にはもっと手作りクッキーをたくさん食べたかったです。あ、そうそう!トレーシー・ウルマンって、上手いですねぇ。かなり魅力的でした。
デッカード
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