Deckard's Movie Diary index|past|will
名古屋から帰って来てそのままレイトの『贅沢な骨』に直行。『GO』の行定監督の前作です。う〜ん、コレは、この映画はイタかったなぁ・・・。『GO』の成功は、原作もしくは脚本が良かったというコトがハッキリしました。どうも、行定監督が描く男女関係は子供っぽくていけませんなぁ。永瀬と麻生を使って、こんな薄っぺらい映画を作っっちゃって、なんだか淋しくなってしまいました。
連城三紀彦原作、奥田瑛二初監督作品『少女』。なんでも、亡き神代辰巳監督の意志を引き継いでの映画化らしいのですが、全く観る気がありませんでした。まず原作(何故か読んでました。)が嫌いだし、予告編を観る限り奥田が如何にも!って感じのオマワリ役だし、若い娘に刺青なんかしてるし、胡散臭そうで敬遠していました。ところがチャットでお世話になっている邦画好きのMGさんに「これ、けっこうイイよ^^」と言われたので、ドッコイショ!と行ってきたワケです。な〜るほど!この映画は只者ではありませんでしたなぁ・・・・!胡散臭さの裏づけはキッチリとなされていました。また、原作の一番いい部分だけを抜粋して、それが男と少女が深く関わっていく出だしとして最高のシーンになっているんです。そういう意味では、原作がありますが全く別の物語りです。この作品を見る限り奥田瑛二は神代の、イヤ、ひょっとしたらATG系エロス班の正当な後継者かもしれません!ただ、この手の映画を欲する層ってのが、今の映画ファンに存在するのでしょうか?答えは否!です。まさか男女のファンタジー物なんて捉えてくれないでしょうし、昔だったらキネ旬ベスト10には絶対入ったでしょうが、おそらく大した評価もされないでしょう。だからこの映画は古い映画です。もちろん古いからって、悪い映画ではありません。少なくとも日本人にしか描けない世界です。それにしても助演、夏木マリは凄まじいッス!少女役の小沢まゆも頑張ってましたねぇ。ちなみに美術は、出演もしています日比野克彦(たぶん地元P)。奥田瑛二の次回作が楽しみになりました。
本日までだった『サイアム・サンセット』。不思議な映画でした。空から降ってきた?冷蔵庫の下敷きになって妻を亡くした主人公ペリー。悲しみのどん底から抜け出す為、ビンゴで当たった豪旅行に参加。まぁ、この旅行が、いい加減の固まりを燃やして走っているようなバス・ツアーで、とんでもない事件が次から次へ!観ていて「なんだろ、この映画!」とあんまりイイ感じではなかったんですが、最後の最後で「ぶはははは!」と苦笑してしまい、一瞬にして「いいかも!好きかも!」と、妙な惚れ方をしてしまいました。プロデューサーは大好きな映画『プリシラ』のアル・クラーク。ペリーの職業が色作りのプロっていうのも面白いです。
久々のテアトル水曜1000円狙いで「忘れられぬ人々」。この映画は困ってしまうパターンでした。どうしてあのようなラストになるのか、全く理解出来ません。地味〜なストーリーを、ゆっくりゆっくり進めていって、あの結末ですか!太平洋戦争で生き残った人たちの心の葛藤を描いているのかなぁ・・・と思っていたら、途中から老人を食い物にする怪しげな団体が絡んできて・・・・。今に生き残った意味があのラストではあまりに酷すぎる。この映画も後味の悪さばかり残りました。朴訥な語りのテンポは慣れるほどに味が出ていたのに、もったいない!
東京在住47年、またまた初めて降ります東武練馬!マイカル系でしか上映していない映画『ターン』。『愛を乞う人』で一躍名を挙げた平山秀幸監督最新作です。実に丁寧に作っています。大根・牧瀬里穂の中性的なルックスは現実感がほどよく抜けていて、はは〜ん!こういう意味で起用したのか・・・と納得!まぁ、相変わらず喋ると滑りそうになりますが・・・。ストーリーは、事故がきっかけで毎日同じ時間にリセットされてしまう世界に迷い込んだ女性の話しです。明日が延々とやってきません。そしてそこは自分以外に誰もいない世界。で、結局何が言いたかったのでしょうか?ご都合主義の脚本が全てを中途半端にしてしまいました。北村一輝は何の為に出て来たんだろう・・・・。
とにかく観たかった2本を観にいきました。まず、黒人の良心から、今やアメリカの良心にまで登りつめたと言っても過言ではないデンゼル・ワシントンが悪役を演じる『トレーニング・デイ』。ハッキリ言って後味が悪かったです。相手役のイーサン・ホークも良かったですよ。全体としても良く出来てはいるんですけどねぇ。この手の米映画はどうして、こうもワンパターンなんだろうか?
今期のドラマですが、どのドラマもあんまりそそられませんでしたなぁ・・・。その中でも見始めた1本は田村正和が高校教師役の「さよなら、小津先生」。まぁ、あの田村正和が問題児を扱うワケですから一筋縄ではいかないでしょう。で、脚本は君塚良一。初回はかなり期待を持たせる出だしでしたが2回目を見て、ちょっとありきたりの展開になりそうなので、チビっと不安かも・・・。もう1本は村上龍初脚本の「最後の家族」。かなり崩壊しつつある家族が舞台で、あの村上龍がどういう風に料理するのか楽しみです。そして最後にどういう形の救いを持ってくるのか興味ありますねぇ。
あの久石譲初監督作『カルテット』です。全く面白味のない映画でした。どうして初監督作で、こんな誰が撮っても同じような映画にしかならないんだろう。ホンマ日本人って、どうしようもなく器用ビンボーだなぁ・・・。テキトーな映画にしかならないんだったら、破綻している方が面白いんだけどなぁ・・・・。音楽はもちろんいいですし、画もキレイです。で、脚本はありきたり。だから「こんな映画かなぁ・・・」と思い描いた通りの映画です。
サンダンス・NHK国際映像作家賞 日本部門 ‘99 を受賞した脚本を映画化したらしい矢崎充彦監督の『GO!』。全く紛らわしい事に今週末から始まる行定勲監督、窪塚洋介主演の『GO』と「びっくりマーク」がアルかナイかの違いです。で、こっちはアル方!だから「!」に分だけいいのかなぁ・・・と期待したりして・・・・。ま、そんな戯言ぐらいしか云うコトがありません。どうしようもなくお粗末な映画でした。主人公の高校生が好きになった年上の女性に東京から長崎までピザを届ける話し。何の説得力もなかったです。良かったところは、美保純に会えたコトだけかなぁ・・・・。あ、そうそう!『殺し屋イチ』の予告編をやってました。これがけっこうアブない感じで、かなり期待しちゃいました。
未だに、何て読むの?って聞く人がいる『陰陽師』を観てきました。漫画や小説で話題の原作の映画化です。出来は可もなく不可もなく。監督が滝田洋二郎ですから。衣装やメインヴィジュアル担当に天野喜孝とかを抜擢して、けっこう頑張っていますけどネ。安部清明役の野村萬斎はなかなか魅力的でした。でも、もっと若い監督で映画化して欲しかったなぁ・・・・。あたりまえすぎちゃって・・・・トホホ。
昨日夕方に半分まで進んでいた仕事が、全部仕切り直しになっちゃって、この3週間やってきた事が全て水泡に帰してしまいました!もうホントにトホホな状態!夕方の打合せまで観るぞー!まず『タイガーランド』。『評決のとき』『バットマン&ロビン』『8mm』とか撮ってるハリウッドのジョエル・シューマッカーが『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアーが主唱する[ドグマ95]に賛同して手持ち16ミリで撮った映画。ここまで聞いたら、小生としては「別に見なくてもいいや!」って思ったんですけど、友人のStephen Duck さんが「いいですよ〜」というので観てきました。観て良かったです。これはとってもイイ映画でした。どうしてこういう映画がなかったのか不思議です。コリン・ファレル演じる主人公・ボズのキャラクターがとっても新鮮でした。ボズは小生にとって、忘れられないキャラになりそうです。
始まってから暫くは「大丈夫か?この映画・・・キワモノかぁ・・・」と内心感じていたら、意外と楽しめちゃった『ロック・ユー』。最初は70年代に時々流行っていた「ロックとクラシックのコンサート」みたいな違和感があったのですが、物語りが進むにつれて、けっこうイケてるんちゃう!後でチェック入れたら、監督はブライアン・ヘルゲランドといい、あの『L.A.コンフィデンシャル』でアカデミー脚色賞をとった人なんですねぇ。なるほど!登場人物のキャラ設定が良く出来ているし、泣かせどころもあるし、アホみたいな恋愛ドラマもあります。様々な青春ドラマの要素を含みながら、甲冑に身を包んだ1対1の対決を見せ場にしたロックコンサート仕立ての、この映画は、アイデアの勝利!でも、どうせなら衣装にしてもメイクにしても美術にしても、もっとギンギンにパンク(古る!)しちゃえば良かったのに!そうすれば、かなり人気の高い?カルト・ムービーになったかも?それにしても甲冑ってかっこエエなぁ・・・・。そう言えば『猿の惑星』の甲冑も、けっこう見惚れちゃったなぁ・・・うーん、甲冑フェチなのかも・・・・・・じぶん!
3連休が終わり、すっかり秋の気配。まずは猿顔のマーク・ウォールバーグがロック・ミュージシャンを演じる『ロック・スター』。これは大好き!もう、のっけからノリノリ!若い時にロック・ミュージシャンに憧れた自分には、たまらなく可笑しかったし、面白かったし、愛すべき作品でした。コピー・バンドのヴォーカルだったマークが、本物のバンドのヴォーカルに抜擢されて、一夜にして大スター!そして・・・。みたいな話です。マークが初めて1万人の観衆の前に出て行くときには、ちょっと興奮してしまいました。『あの頃ペニー・レーンと』という70年代ロック・シーンを扱った映画がありましたけど、あんまり好きになれなかったんです。なんだかキレイ過ぎて!小生はこの映画や、架空の70年代人気バンドの再結成ストーリーを扱った『スティル・クレイジー』、KISSファンの奮闘ぶりを描いた『デトロイト・ロック・シティ』のが方が圧倒的に好きです。やっぱりロックってのは下世話で、汚くて、不健康で、アホじゃないと!
渋谷の変な場所にあるアップリンク・ファクトリーという、かなりマニアックなシアターで、もちろんマニアックなドキュメンタリー映画を観てきました。60年代から70年代にかけてのサブカルチャー史を描いたピーター・ホワイトヘッドの『APOCALYPSE :A REQUIEM for the SIXTIES』です。かなり期待していました。自分の青春と重なる時代の話ですし、若かりしミック・ジャガーや故ブライアン・ジョーンズなども出演しているというコトだったので、ところがドッコイ!なんだかヘタクソなエセ・ドキュメンタリーみたいな作りでガッカリでした。まぁ、良かったところはアカデミー女優のグレンダ・ジャクソンのスピーチが迫力ありましたなぁ・・・・。以上!
PFFスカラシップで制作された熊切和嘉監督の『空の穴』です。不器用な男の恋愛モノ。別にどうってコトなかったなぁ・・・。空気感を大事にしたいのはワカルけど、無駄に長いです。なんだかこういう邦画って多いなぁ。特に悪くもないし、良くもない。良かったのは北海道の空でしたね。雲といい、光りといい、これだけ気持ちのよい空は北海道だけですから!
来週忙しそうだったのに1週ズレちゃって、なんだか気が抜けてしまいましたが、本日は映画の日。朝も早よから天気がいいぜぇ!まずは大森へ。高校生の時、オレをグーで殴った大森くーん!生きてるー?都心で生活するようになって35年!そんなコトを考えながら初めて降ります大森駅。『ザ・ミッション/非情の掟』。まず縦書きのオープニングタイトルがいいじゃん!でも、前半、音楽がでしゃばり過ぎかも・・・。同録でけっこういい音拾ってるシーンもあっただけに、もったいないかも。映画は結構良かったッスねぇ!アクションものだったら止めとこうと思ったんですけど、男の友情モノだと聞いて観にいきました。ただ、ラストはアレがいいんだろうか?ちょっと甘い感じがしました。オレ的には、そのまんまのが良かったです。最後に一言!親分のブンさんの家の天井低すぎ!(笑)
来週は忙しそうなので本日は頑張りました。朝からひと仕事済ませて『夜になるまえに』。キューバの亡命作家であるレイナルド・アレナスの自伝「夜になるまえに」の映画化です。とてつもなく悲しく、何とも言葉がありません。全くその手の知識がない小生には良くわからない場面もありましたが・・・。主演のバビエル・バルデムは凄まじいリアルさで迫ってきます。改めて自分の恵まれた環境に感謝した次第です。
今日から10月、朝から雨がシトシト月曜日。ボクは一人で『スコア』を観ました。まぁ、今月の絵にブランドがいるからってワケじゃないけどネ!参っちゃったなぁ・・・・。なんなのこの映画!ブランド、デ・ニーロ、ノートン!すんごいメンバーで、このテイタラク!だいたいこんな脚本でヨク出演するよなぁ!全くもってベタなストーリーで、ラスト・シークエンスなんて「マジッすか?」ってツッコミ入れてしまいました。今年のワーストかも!
デッカード
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