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2006年07月20日(木) イベントのお知らせ


■pp[session7-8]〜一行詩から始まる詩と写真のセッション
2006.07.22〜24 西荻窪 ギャラリーMADO
参加させていただきました。お近くの方はぜひ。
せっかくだからカレー食べてこようっと。
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/4401.html

■大巻伸嗣 Liminal Air -Descend-2006
http://www.a-quad.jp/main.html
竹中工務店内の、ギャラリーでの展示です。ロビーすぐ横というか、ほとんどロビーと一体化している感じ。近くで打ち合わせとかしていてへんな感じでした。

お手伝いに行って、そのときは一体どうなってしまうんだろう?と思っていたのですけど、全部が組み立てられ、下に鏡が敷き詰められているのを見ると、やっぱり圧巻。そして紐をかき分けて行ったり来たりするのがめちゃくちゃ楽しい!

大巻さんの作品は、アイデアだけじゃなくて、ものすごく綺麗で怖いので好き。

■小さな骨の動物園展
展示はいちおう見ることはできたのですけど、下のINAXの本屋さん(面白そう)を見る時間がなくて、たぶんまた行くと思う。海がめの骨とかすごいのだけど、ねずみとかすずめとか、小さな生き物の骨がやっぱり楽しかった。本もいただいた物を持っているけれど、いろんな角度から見れるのがいいな。

それにしても、牛と鹿の骨ってかっこいい。個人的にはやっぱり鳥の骨が好き(笑)。ペンギンが良かった。


2006年07月17日(月)


フランスのアニメをふたつ観ました。

■ケイナ
ファイナルファンタジーをイメージして借りてきたのですが、観終わったあとに調べてみるとやっぱりゲームとリンクした作品とのこと。絵とか世界観とかは文句ないのだけど、これ系の作品って、キャラクタ造詣がほんとに弱い。ゲームと違って自分でキャラクタを動かせないから、感情移入のハードルは高くなると思うのだけど、どこまでも(他人が遊んでいる)ゲームっぽい。

ひとつ関心したのは、芋虫にここまでスポットライトが当たっているとは!アクシスの住人は芋虫(1メートルぐらいある)を食べて生活しているのだけど、その芋虫というのが過去にアクシスに不時着した宇宙人らしい。なんかすごいんですけど。
http://namco-ch.net/kaena/index.php
映画版のサイトの方は休止状態みたい。

■ベルヴィル・ランデブー
こちらは打って変わってレトロな作風の作品。ジブリが配信しているみたいですね。ジブリが確かに好きそうだけど、ものすごくシュールで、それはジブリにはないもの。面白いです。実写でやったらかなり凄惨になりそうだ(笑)

誘拐された孫を追って、フランスからベルヴィル(たぶんアメリカでしょう)へ、愛犬ブルーノとおばあちゃんが冒険する話なんですけど、この犬が可愛いんだか不細工なんだか、紙一重。この孫がまた、子供の頃の姿と大人の姿のギャップにびびりました。とにかく10分に一回はうっわーと意表をつかれましたね。また絵がとても素敵。レトロでいかにも手書きという絵なのだけど、CGもうまく使っていて、とくに海のCGなど、ほんとに綺麗だった。大満足の作品でした。

物語の印象としては、「東京ゴッドファーザーズ」とよく似ていました。ありえないから!という怒涛の展開の真っ只中なのに、なんかしあわせ…みたいな(笑)


2006年07月14日(金)


■プライスコレクション 若冲と江戸絵画展
http://www.jakuchu.jp/
平日だったせいかもしれませんが、意外と空いていました。地下鉄で行ったら遠くて、着いた頃にはぐったり。上野公園、木がたくさんあるわりには妙に暑い。

5部構成で、画家も少ないし、すっきりとした内容でした。プライスさんの趣味はわかりやすい。彼のコレクションは若冲が有名だけど、酒井抱一・鈴木其一(この二人はセット)との二本柱みたいです。わたしは鈴木其一は画家としてはそんなに好きじゃないのですが、絵によってはもちろんいいものもあります。個人的には彼の師匠の酒井抱一の作品をもっと見たかった。あと蕭白も見たかったー!←京都博物館の展示は一日差で見られなかったし。。

江戸絵画展といって、北斎が一枚もないのが気になりましたが、プライスさんは集めませんかね。今回わたしの中での掘り出し物は長沢芦雪。彼の動物画は最高。若冲ともまた違った捉え方をしていて、たとえて言うなら、野良猫と眼が合った時のような感じ。ちょっときゅんとなりました(笑)。おかしいなあ。今まで結構見ているはずなんですけど、なんであんなにときめいたんだろう。。

ちなみに森美術館のオープニングに持ってきたのは、プライスコレクションからでした。わたしは静岡の方と勘違いしてたみたいです。同じだった。森美術館で購入した横長の鳥獣花木図屏風のポスターはお気に入り。他の若冲作品は、んー、最近三の丸に通ってたから、ちょっと見劣りが。。もちろん好きなのだけど、紫陽花クラスの絵があともう一枚あったらなあ。もしくはもう少し異なるタイプのものとか。うむ。

5部は今回のハイライト、日常の変化する光のなかで見るという趣向。これはさすがに面白かった。金箔などが貼ってあると特に変化は顕著で、朝日と夕日と、あれだけ色合いが変わると唸ってしまいます。雪なども光って綺麗だし。こういう試みってやっぱりうれしい。この展覧会を一言でまとめると、若冲というより、江戸絵画というより、プライスコレクションだった…と思います。

■ホワイトプラネット
http://www.whiteplanet.jp/
北極圏の動物たちを追ったドキュメンタリー。いやーもう眠くて眠くて…。ディープブルーのときは寝ましたからね、わたし。また勘違いして、しばらく南極の話だと思ってました。シロクマって南極にはいないんでしたっけ…?

今回発見したのは、シロクマの子供って首が長くないんですね。犬みたい。いつ伸びるんだろうと思ったら、穴から出て2,3ヶ月後ぐらいには親と同じ形になってました。穴の中では首は長くないほうがいいってことかな。

自然物のドキュメンタリー映画を考えると、個人的にはあの演出が嫌いなんだけど、それでも皇帝ペンギンはうまく作ったという気がする。ホワイトプラネットもこないだのグレートビギンもやっぱり好きな人しか見ないだろうなとは思う。なんというか、すごく真っ当なんだけれども。

■カルティエ現代美術財団コレクション展
http://mot-art-museum.jp/special/cartier/
なんか不思議。思えば、わたしが絵を見始めたのは母親に時々連れて行かれたからなのだけど、そのとき見ていたのが何とか美術館展という感じのものが多くて、まあいわゆる印象派とか、ジャンルはよくわかってないのだけど、モネとかルノアールとかゴッホとか、ひとくくりにできそうな感じの、そういうのを見ていたのだけど、遠くへ来たもんだ、と思いました。はは。

この展覧会は、ヨーロッパの現代アート、カルティエの名にふさわしい作品の数々から始まって、最後の方に向かってカオス(!)になっていくのが意味不明ながら、ある意味印象的でした。メインといってもいいと思うのだけど、最初の方の、巨大な女性がとにかく迫力な「イン・ベッド」やビーズで作られた「裏庭」など、こういう本当に手間隙かけて職人のような仕事をしている作品はやっぱり力があるなあと思いました。好きか嫌いかっていうより、とにかくすごい。

長い長いテーブルの両端に座って、叫んでいる(CMのイヒみたい)白いひとと黒いひとの「テーブルピース」も面白かったけど、なんだろう、あの叫びもずっと聴いていると慣れてしまう。他の部屋にいても聞こえてくるのがちょっとうるさいし(笑)

潜水艦も潜水艦という時点でもちろん好きなのだけど、中に入りたいよな…やっぱり。トリエンナーレの牛乳パックで作られたクジラ型潜水艦?、あれは素敵だったなあ。

一番好きなのは、「立ち上がるものは全て収斂する」。日用品たちが突然ごごごごとくっついて立ち上がって固まった…というようなオブジェ。学芸員が座る椅子に、ちょこんと鉢植えが置いてあるのが可愛くて、ほほえましく見ていたら、細いものが足元に伸びていて、吹き抜けの下まで続いて巨大なオブジェになってました。大きいのだけど、キッチン用品などでできているのでカワイイ。

こないだアフリカリミックス展を見てきたばかりだったので、作家の何人かはかぶっているのに気づきました。幅が広いです。あと日本人も何人か。エビチリは何がカルティエの琴線に触れたのか…。

うーん、後半、かなり統一感がなくて、なんとなくすっと入り込めなかった感じがします。よかったものもあるのだけど、気をそがれるものも同じくらいあるというか。時間がなくて、ゆっくり回れなかったのも反省。


2006年07月10日(月)


■文学の教室(『火車』 宮部みゆき)
初めて参加してきました。噂には聞いていたけど、下北遠かったしなー。本の中に自分の知っている場所が出てくるとやっぱり面白い。某ハードボイルド小説では、冒頭で死体発見の場所がうちの実家の近くだったりして、あのへんに捨てられたんだーとか思ってました(笑)

火車はこわいです。ホラー小説より怖い。わたしがカードをずっと作らなかったのはたぶんこの本のせいだと思う。高校生の課題図書とかにすればいいのに。

ここに出てくる様々なタイプの女の人たちは、誰もそんなに人生をうまくこなしていなくて、かといって別に痛いキャラとかでもなく、ただ10代の頃に描いていた生活とは違うんだなと漠然と思っているようなひとたち。たぶん時代がバブルがはじけてすぐの頃で、ちょうど「あれ、なんか違ってた」と一番思っていた世代なんじゃないかと思います。わたしはどちらかといえば、苦しい時代をちょうど育ってきた感じで、今は結構景気がよくなっているから、ある意味隙間の世代かも。

この本の中でいちばん怖いのは、ラストだと思う。犯人のことを知りたいと思って主人公たちはただそれだけのために奮闘するわけですが、それは読者も同じで、どうしてここまで…と、それだけが気になって最後まで読み進めるのだけど、でも結局どこまで行ってもわからないんですよね。

たとえばニュースで殺人犯の動機が語られたりするのだけど、それでわかるのってほんとに全体の一部しかなくて、やっぱり殺人を犯すひとの気持ちなんてわからない。そういう漠然とした恐ろしさをうまく捉えた作品だと思う。「模倣犯」は逆にそういう部分に迫ろうとしていますね。たぶん。


2006年07月08日(土)


■銀河ヒッチハイクガイド(映画)
やっと見ました〜。面白かった。キャラクタはヴォゴン人以外はみんなイメージと結構違っていたのだけど、ぜんぜん気にならなかった。ここ大事なんだけど(笑)、ノリが小説と一緒なんですね。すごくいい感じ。悪く言えばイカレていて、よく言えば酔狂、みたいなあのノリが(笑)

ユーリちゃんが言っていたイルカの歌は、わたしはピーピーイルカ声で歌っているのかと思い込んでいたので、ようやく意味がわかってすっきりしました。ごめんねー。あの歌やばい。そうやってオープニング曲で笑わせつつ説明をちゃんとかねていたりして、ほんとよくまとめきったなと思います。ヒッチハイクガイドの画面の、カワイイのにどこかダサい感じとか、ヒッチハイクガイド自体はあまり活躍していなかったけど、細かいところまで面白かったです。

ただ、前半に比べて、最後がちょっと盛り上がらなかったような気はするかな。本読んでて、何が悲しかったかといえば、クジラのシーンがものすごく悲しくて、あと最後に出てくる惑星の案内役のひととのエピソードなども物悲しかったのだけど、映画のほうはかなりカラッと終わった感じでした。うろ覚えだけど、ラストちょっと変わってますよね…?

それにしても、映画でクジラのシーンを見ながら我に返ったのは、この話の中で、このシーンが一番悲しいとか思ってしまう自分の感受性が痛い(苦笑)。家どころか地球を破壊されたひとのお話ですからこれは…。でもやっぱり、そういう思考回路のねじのどこかがちょっと緩んでしまうような変な面白さが魅力の作品だと思う。


関係ないけど、早く梅雨明けないかな…。


2006年07月03日(月)


■ドゥ・ザ・ライト・シング
スパイク・リー監督作品。おそらく、黒人が白人警官に殺害されたのを受けて暴動になった事件を元にしていると思う。この監督で今まで見たのは「ゲット・オン・ザ・バス」と「10ミニッツオールダー」だけで、両方ともわりと好きな作品でした。ただ、これはなー、狙いなのかもしれないけど(もしくはわたしの頭が悪いのか)、スパイク・リーの主張が見えづらかった。これはなんだろ、善悪の問題で言ってしまうと、イタリア系のひとたちがあんな目に合わなければならない理由がどこにあるんだろう。音楽を鳴らしただけで殺されたとはいうのだけど、それとこれは一緒か? 心が貧しいなあと思う。黒人たちも、サルの息子たちもみんな。苛立ちを転嫁しているだけ。でも、この映画に登場するような立場の人々がこの作品を見たとして、たぶんそんな風に受け取らないと思う。もっとスパイク・リーは自分の主張をはっきりさせた方がいいと思いました。

■テルミン
テルミン博士の半生を追ったドキュメンタリー。よくよく思い出してみると、ちゃんとしたテルミンの演奏を聴いたことがなかったです。博士に愛されたという奏者クララさんの演奏が巣晴らしかった。博士は途中で拉致されるし、半分はクララさんのドキュメンタリーでもあるような感じ。テルミン博士、幸せだったかな…。


2006年07月01日(土)


■向田邦子
彼女が出版社勤めをしていたのは知っていたのですが、その会社が最近わたしが贔屓にしている雄鶏社と知ってびっくり。前に友達がカツヨ派かケンタロウ派か、なんて言い争っていて面白かったのだけど、わたしはクニコ派で(笑)。て、たぶん話に参加できない…。

■樋口一葉
これが意外と進んでいます。あと大変そうなのは長めの「たけくらべ」と「わかれ道」くらい。時々誰の台詞かわからなくなるけれど、かなり読み慣れてきました。この勢いで、泉鏡花も再読したい。

一葉を読み始める前に、『樋口一葉「いやだ!と云ふ」』という集英社新書をぱらぱら見ていて、前に内山理名で彼女の一生をドラマ化したものがありましたが、その時の印象より、一葉はもっとかっかしていた人のような気がします。それで、彼女の小説を読んでいると、時代も文化も変わったけれど、男も女も、心の内というか、力のバランスというか、この頃からあまり変わっていないなあと思うのでした。

確かに、時代的な制約は色々と無くなってきてはいるけれど、かといって、ひとは皆自由になった、幸せになったというのは躊躇われる。飢えないだけまし、とは言えると思うけど…。

一葉の小説を読んでいると、登場人物の服装が必ず書かれている。それで注釈を見るとやっぱり、服装で職業や豊かさの程度が必ずわかるようになっている。そういう世界ってどんな感じだろうなあと思う。わたしとしては、プチセレブとか、幻想だと思うのだけど。同じように振舞おうとするのはなんだか恥ずかしい。だって違うのに。真似しても、歴然とした差はあると思うのですけどー。ブランド品なんて買わなくても、美味しいお菓子を自分にちょっとご褒美…ぐらいで楽しんだほうが幸せな気がするけどなー。