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2004年11月29日(月)


■ff
フォルティッシモ。昨日は歌人の伊津野重美さんと田中槐の朗読会でした。横浜って数えるほどしか行ったことがなくて、何がなんだかわからないのですが、桜木町から倉庫街の方に向かっての水辺が開放的で綺麗でした。ちょっと夜のディズニーパレードのような電飾は苦手でしたが。

古い銀行の建物を利用したホールで、白くてまばゆい会場。普通のひとでは負けてしまいそうですが、このお二人はきちんと溶け込んで綺麗でした。反響がものすごくて、常に自然なエコーがかかっていて、たとえば朗読者が後ろを向いたときに反響だけを聴くようになるので、言葉は聞き取りずらいのですが、それはそれでよいものだなと思いました。朗読は雰囲気を楽しむのを優先しているので、わたしには耳馴染みがよかったです。

朗読のタイプは全然違うのですが、書く世界がふたりともわりと似通っていているために、まとまりがよくて、全然違和感がなく聴けました。短歌がやっぱりよくて、深い。不思議不思議。

ひとつだけ残念だったのが、衣装。伊津野さんが駆け降りる場面で、リハでは黒服で、裾が綺麗になびいていたのですけれど、本番では白服で、少し重たい素材の服だったので、印象が薄らいでしまっていました。背景も真っ白だったので余計に。お客んさんにもリハのシーンを見せたい!と思いました。

贅沢なイベントでした。詩人も美しい舞台をやるといいのに!(笑)

わたしと小夜ちゃんはお手伝いで、黒子を。ポケットから凧糸がびろーんと出たまま舞台のなかを歩いてしまって、ううと思いました(笑)風笛をお土産にもらったのですが、どこで回そう…。

■就職決まりました。
派遣でしか勤めたことがないので、正社員としての条件は良いのか悪いのかよくわからないのですが、がんばります。遠いので毎日10時ぐらいに就寝していると思います。夜中の電話は勘弁してくださいませー(笑)。メールは平気です。


2004年11月28日(日)


■さがな。
詩を書きました。問題なければ27日(…昨日ですね)配信されていると思います。もいっこ書いているのは、すっごく気合をいれているのですが、気負いすぎてから回りしてたらどうしよう…。こちらは来年の掲載になると思います。詩の依頼もらうのがいちばん嬉しい!

あと、ポエケット用に作った詩集が、増刷分も完売しました。ありがとうございました。もう増刷はしませんです。モリさんがせっせとぽえざると文学フリマで売ってくれたのでした。感謝。

もし作るときには、自費でも自主でもよいのだけど、とにかくちゃんと印刷屋さんに出そうと思います。インクジェットは色落ちが激しい!紙選びも難しい!紙によってずいぶん色が変わるのです。


2004年11月23日(火) リンク追加。


■リンク(個人詩)
塔野夏子さんと、容さんの詩のサイトを追加しました。

■ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
今週までだったので慌てて観てきました。紀伊国屋裏だというのに、何を思ったかコマ劇場の方に行ってしまい、ぎりぎり滑り込み。すごくちいさなスクリーンだったので、家でビデオで観てもいいかも。おまけで短編2本を観れたのはよかったけれど、パンフレットは完売していたので残念。

ティム・バートンて可愛いいなあと思う。そしてジャックは思っていたよりもずっと素敵で、ちょっと熱が出そうです(笑)。やばい。

■FANTASTIC WORLD 試写会
例のエキストラで出演した鈴木さんの映画です。試写を観てきました。簡単にいうと新しい世界を探すという物語です。

■さがな。
27日発行のものに詩が掲載されます。てんぱり気味…。でもがんばる。

■「段ボールハウスガール」萱野葵
読了。段ボール?と思っていたら、映画化や文庫化のときにはダンボールに代わってました。がんばって貯めた200万を泥棒に盗られて、ホームレスになった女性の物語。たくましい生きざまは確かに立派だけど、ひとを騙し、ものを蹴り、結局金に人生を左右されているので、同情する気にはなれないのである。こういうのはがんばって生きているとは言わないのだ。


2004年11月21日(日)



ナイトメアー・ビフォア・クリスマスのカレンダーを買ってしまいました。いひひ。映画は見ていないくせにジャックが好きで、大学生の頃は携帯にシールを貼ったり手帳を使っていたりと、微妙に長い付き合い。クリスマスまで上映しているのかと思ったら、ほとんどが終わっていて、残すは新宿だけのようですね。ああ観たいなあ…。

■「魔法使いの弟子」ロード・ダンセイニ
訳は荒俣宏。これは古典の域に入るようなファンタジーでした。胸躍る冒険ものというよりは、地味なサクセスストーリーになっていました。可笑しいのが、塔の主が息子に、妹の嫁入り費用が足りないからちょっと魔法使いのところで錬金術の修行をしてきなさいと旅に出すのです。錬金術を教えてもらう代わりに影を差し出したところへ、妹から金は要らないから惚れ薬をちょーだい、と手紙が届き、修行をあっさり中断。その惚れ薬を飲まされた殿方は腹痛で昏倒したり。掃除女とのやりとりは「坊ちゃん」の清との関係みたいで、妙に面白いのでした。


2004年11月20日(土) 祝!


祝!浦和レッズ初優勝!

以前にも似たような祝!をやった記憶があるのですが、なんだったっけな…。あのときは首位だったかしらん…。サッカーはほとんど見ないのでファンというわけでもないのですが、12年間とにかく心の隅で応援してきたので、めでたいです。


2004年11月16日(火)


忙しいのか暇なのかよくわからないのですが、なんだかいっぱいいっぱいで、気づいたらMCの一行詩は終わっているしでとほほです。書いたのに!

断水明けです。鍋に汲んで置いた水で、顔をぺちぺちと洗いました。うーん、すこし被災者の気持ちになりました。毎日はつらいです。

■先週末は玲さんの朗読会へ。短歌のイベントってたくさんあるのですね。雰囲気のいいゆったりとした会場で、玲さんの声にも広がりがあるものだから、なんというのかな、隅ずみまで満ちるというか、行き届いた朗読だったと思う。聴こえる聴こえないではなくて、詩がってことになるのでしょうか。ちょっと酔ってたせいもあって、こまかいところは上手くいえないのですけれど。ワインがなー。一杯で結構ほろ酔いになって、すごくいい気分でした(笑)

■「アルケミスト」パウロ・コエーリョ
「ベロニカは死ぬことにした」が結構気に入ったので、続けて読むことにしました。アルケミストというのは錬金術師のことで、彼が颯爽と登場する姿がとにかくかっこいいのだった。アラビアのロレンスをちょっと思い出してほろほろしました。スペインの羊飼いが、夢に従ってエジプトのピラミッドを目指す冒険物語。基本的にはテーマが先んじていて、すこしそれが見えすぎかなあ。自然のもたらす前兆を見逃さないこと、夢を諦めないこと、でしょうか。オチにはちょっと笑いました。

■「ダロウェイ夫人」ヴァージニア・ウルフ
映画「めぐりあう時間たち」は未見ですが、それ以来気になっていたウルフ。ロンドンの一日を描いた群像劇で、描写の瑞々しさに打たれました。描写の美しい小説を読んだのはひさしぶり。それにしても気になるのは、ニコール・キッドマンの付け鼻で、馬鹿にしてんのか?と思うのはわたしだけでしょうか。

■「枕草子REMIX」酒井順子
「負け犬の遠吠え」の作者だったんですね。知らなかった。枕草子を解体して、好きなようにまとめなおしています。作者の訳と、それに対比させた現代で言うならばこんな感じねっというのが中心に構成され、あとは作者の清少納言や当時の風習などの解釈、作者と清少納言の(架空の)対話など。

原本通りの構成で、普通に訳と解釈をつけるだけで十分面白いとは思うのですが、このひとはエッセイストなので、やっぱり色々やらずにはいられなかったのだろうなあ。でもはっきりいって野暮だ。

ただ、酒井氏のエッセイを他に読んでいればまた違うのかも。枕草子、というよりは、枕草子をネタにしたエッセイという感じでした。


2004年11月08日(月)


■「カンバセイション・ピース」保坂和志
文庫本が出たら、持ち歩いてぱらぱらと読むのに向いている本。根を詰めて読むと疲れます。読みながら他のことを考えてしまったりするので、いつまでたっても同じところを読んでいる気分に。古い家に集う人々と猫たちの日常を、会話を通して描いた作品。

この本に出てくる家の感じは、わたしにとっては新潟の家で、他の家では駄目なのが端的に本質を示しているような気がする。ひとが永く住み、死人も生き人も、その存在が染み込んでいる家。これはだからマンションなどでは全然駄目で、一軒屋でも快適な造りだったりすると駄目だと思う。新潟の家には20年以上生きた猫がいて、もう死んでしまったのだけど、訪ねていくと彼女の存在感がまだ家にはあって、そしてそれが時とともにだんだん薄れていくのも感じられる。この小説でテーマにしているのは、ひとつにはそういうことである。こんなことを芋づる式に思い出していくものだから、本当に読み進まなくて困った。面白い本だと思う。

この家には19歳のゆかりちゃんから、44歳の主人公(作家の分身だな)までが住んでいて、それぞれずれた会話を展開する。いろいろ小難しいことを皆考えてはいるのだが、どうもまとまりが悪く、結局よくわからないということになる。知っていることと知らないことは比例するっていうのと、主観を越えたところで、いい音楽とダメな音楽があるという話はそうだよなあと思いながら、それに反発するゆかりちゃんの気持ちもよくわかるのだった。


2004年11月06日(土) 詩のページ、いただきもの3


■いだたきものの詩をUPしました。
北爪満喜さんが、わたしの書いた「さがな。」のコラムを受けて書いてくださったもの。テーマは眠れぬ夜の過ごし方でしたが、カモミールには鎮静作用があると書きました。

ハーブティについては詳しいわけではなくて、以前ものすごくストレスが溜まっていた時期に、これはいかんと思って、ハーブティだ!とやみくもに4種類を試せるパックを買ってきて試してみたところ、カモミールの効きにびっくりしたのでした。カモミールって肌の保湿にもよいらしいですね。

わたしの水分補給はだいたい珈琲で、一日に3杯程度です。5杯だったか、6杯だったか、それ以上飲むのは身体に悪いそうです。最近仕入れた知識では、珈琲と紅茶のカフェインの量はどちらが多いか、という話で、紅茶の方が多いのは知っていたのですけれど、一杯の使用量が違うので、結局は珈琲の方が多く摂取することになるそうです。ふーむ。一見健康マニアっぽいのですが、実は珈琲3杯では全然水分足りてないんですねー。


2004年11月03日(水)


■IQ
テレビ朝日の「テスト・ザ・ネイション」というIQを調べてみよう!という番組があって、面倒だからイヤとか言っていていたのですが、母親に丸め込まれてやってしまいました。なぜかゴールデンタイムに放送なので、ご飯食べながら。世のご家族はお食事はどうされていたのでしょう?(笑)

ときどき自分はものすごく馬鹿なんじゃないかと思うときがあって、就職活動でよく受けさせられるSPIなんかも非常に苦手で、免許を取るときの適性検査で落とされたこともあって(普通落ちないらしいですね)、自分はすごく馬鹿なんじゃないかと思うのは結構怖いことです。なにしろ普段は賢そうに振る舞っていますから(笑)

その点、兄なんかは自分の賢さに自信があって、ありすぎて他人を馬鹿にする傾向があるので、人間的価値はまた別問題ということでとりあえず自分を納得させてみる。途中からやってきてちょいちょいと30問ほど解いていた彼の正答率は8割で、その頭をなぜ社会のために使わないのだ、と思ったり。うーむ。わたしは80ぐらいだと思って長いこと生きてきたのですが、まあ普通でした。

ちなみに適正検査のときには、「これって普通のペースでやってはダメなんですか?」と訊いてみたところ、「一生懸命やらないとダメだよ」と言われました。参考までに(笑)。あ、免許更新に行かなきゃ。

現代詩フォーラム
某氏がわたしの書いた「夏近し」を取り上げて評を書いています。リライトコーナーに出された渦巻さんの俳句をもとに書いたものですが、時間切れでコーナーには出していません。リライトというよりは、インスパイアされて書いたものという感じでしょうか。「midnaight expressions」は、投稿者さんの詩の、こちらは完全にリライト。リライトというのがよくわからなかったので、わたしの勝手な解釈で、要素のみをを取り出して、自分の詩にすると思って書きました。でも、もとの詩は忘れてしまったなー(苦笑)。

リライトコーナーに関しては、幸せな記憶ばかりが残っているのですが、あれはひとつに読む喜びがあったからだとも思う。普段、ろくに読めていないくせに、それで好き嫌いとかすぐに判断してしまいがちで、もちろんそれで悪いことはないのですが、深く深く読み込んでいくことの醍醐味というものもあるんですよね。疲れるのであまりやりませんが、群青などで選者をさせていただいたときも同様で、ものすごく面白かったし(未熟さを露呈する結果にもなりましたがっ)、わたしは書くよりはむしろ読むことで成長したような気がするので、巧くなりたいひとには読み込むことをオススメしたいです。

※大事なことを書き忘れていましたが、上記の評はとても素晴らしいものでした。なんといっても対象への愛があるのがいいなあと思うのです。


2004年11月01日(月)


■「慟哭」 貫井徳郎
前日に、マツモトキヨシで工藤静香の曲が流れていて、母とこの曲なんだっけ?とずっと言っていたのですが、家に帰ってふと手に取った本がこれ。”友達なんかじゃないと一晩中泣いて泣いて”…慟哭? 結構コワイ曲ですね。

幼児誘拐殺人事件をめぐる物語で、骨組みは2段構成になっていて、ひとつは警察サイド・佐伯の話。もうひとつは宗教団体サイド・松本の話。警察サイドは最後までなにひとつ動かないので、よく持たせたな…と思う。佐伯の心理面をわりと丁寧に書いてあるだけに、最後の最後のオチに、そんなことしている場合じゃないだろとツッコミを入れたくなる。そんなわけで、タイトルのような底の暗さというよりは、単に後味がよくない。宗教団体の方も、松本が入会するまでは面白かったのだけど、その後はちょっと大味すぎて残念。

これがデビュー作なんだそうで、24歳の作だとか。まとまりがよくて、描き方もよい感じなので、年取って深みがでたらものすごく面白いものを書きそうな気も。それにしても解説の北村薫氏はいいひとだなあ。