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2004年10月31日(日)


■「ベロニカは死ぬことにした」パウロ・コエーリョ
ポルトガル文学の棚にあったので、ポルトガル人だと思ったら作者はブラジル人でした。50歳を過ぎてからの作品だと思うのですが、若くて健康な女性を主人公にしているせいか、わりと爽やかでシンプルな作品で、なんとなく新鮮な空気を感じたり。

若くて健康、仕事もあってそこそこ素敵なボーイフレンドもいて、それでもベロニカは死ぬのである。彼女の立てた人生のシミュレーションにちょっとアイタタタと思いつつ、ベロニカが死ぬのだとしたら、わたしたちもみな死ぬこともあるかもしれない。結局、自分が唯一無二の存在であるというのは、自分でしか確かめようがないのかも。

ベロニカは死にきれず、けれども睡眠薬の影響で心臓が弱ってあと数日の命だと宣告され、最後の残り少ない時間を精神病院で過ごすことになる。いやすごい話だなと思ったのだけど、病院の患者たちはすごく普通な気もして(この病院自体が少し特殊なのだけど)、なんだかみんなで引きこもっているような、病気がどうとか死がどうとかというより、引きこもり小説のような雰囲気もある。

■「星の王子さま」サン=テグジュペリ
面白かったー。冒頭のうわばみの話でもうツボをつかれました。バラときつねの話は、まさに恋のようで切ない。トリィ・ヘイデンの本にこの話が出てきて、確かシーラだったと思うのだけど、彼女が文句をつけていて、それがずっと引っかかっていたのでようやく胸のつかえがおりました。

今さらわたしが言うまでもないのですが、いい本ですね。なぜかタイ語版だけは所有しているですが、まあ読めるはずがないので…。


2004年10月29日(金)


■ディープ・ブルー
観て来ました。お馬鹿なサメ映画の方ではなく、れっきとしたドキュメンタリーです。最低限の解説のみにとどめ、あとはただ迫力ある素晴らしい構図(と音楽)でダイナミックな海洋ドキュメンタリーに仕上がっている。難をいうならば、音楽はよしとしても、効果音はサービスしすぎ。楽しいけれども、どこまでが自然の音なのかわかりづらい。

さて、冒頭とラスト(同じ場面)の捕食シーンが素晴らしすぎてうなりました。何かに似ているなーと思ったら、インディペンデンスデイなどのSFですね。海と宇宙はどこか似ているような。えと、個人的にはNHKなどのの自然番組をかなり観ているので(笑)、全部知っているというか、うーん、そんなのは我が家ぐらいのもんでしょうが、内容に関しては海鳥から深海魚まで、広く浅くといった感じで、どういう視点で選んで編集しているのかは気になるところでした。純粋に野生かな。躍動感。カメラアングルはほんとに素晴らしかった。基本的には海の生物に興味があれば、純粋に楽しめると思います。今度はペンギン3時間とか観たいなあ。爬虫類とか、両生類も希望。


2004年10月26日(火)


■地震。
わたしの新潟の田舎では、昨日の夜に停電が直って、ようやく電話が通じるようになりました。でもこの大変ななかで、おばあちゃんの北海道にいるお姉さんが亡くなったそうで、大変だろうなあと思います。停電になると電話もダメなので、今回は携帯でなんとか連絡が取れてよかったです。3日間も音信不通とかだとやっぱりつらかったでしょうね。こないだ夏目さんが充電器を持ち歩いているのを見て、そういうのがあるのか、ほええと感心していたところだったのですが、買って置いた方がいいのかなあと思いました。

■顎関節症のはなし。
中学のときに、バスケでひとの肘がきれいにわたしの右顎に入って、痛いなあと思っていたら夜には顎が動かせなくって大変でした。噛み締めるというのは、なかば本能のようで、うっかりやってしまうと激痛が。開けるのも1センチぐらいしか開かなくて、まる一日ご飯が食べれなかったです。ゼリー丸飲みとかですね。このままでは(飢えて)死んでしまうと思って病院に行ってレントゲンも撮ったのですが、「うーん、ヒビとかは入ってないけど、ちょっとずれたんだろうね〜ははは」と、軟膏だけ出されて帰されました。はは。それ以来ときどき顎が痛くなるようになって、ストレスで無意識のうちに噛み締めているとか、片側ばかりを下にして寝ているとか、そういう理由でもなるらしいです。


2004年10月25日(月)


ナンジャタウン・ロールケーキ博物館
行ってきました。友達が激痩せしていてびっくり。仕事つらかったみたいです…。ロールケーキは予定通り苫小牧のルーロー・オ・フリュイという中にフルーツが入ったものを食べました。美味…。ほえ。しかしこれってケーキだろ。

食にあまり執着がないので、これしか食べなかったのですけど、入場料を払って、ロールケーキを一切れ食べるわたしはちょっとお馬鹿なのでは?と後で思いました。お土産に北海道興部町のロールヴェールという、小さいけれどずっしりと重いやつを買ってみました。明日のおやつにします。

■打ち合わせ。
焼酎飲んで、トークを飛ばしすぎました。ごめんみんな(笑)。

■「海の仙人」絲山秋子 「オーデュボンの祈り」伊坂幸太郎
このふたつは、ある意味とっても似ていて、面白いなあと思いました。ファンタジーという名の神様と、預言者として崇められている喋るカカシ。どっちもいるだけで、何もしない。正確には後者は『カカシはなぜ自分の死を予言できなかったのか?』というのがミステリになっていて、何もしないというのとはちょっと違うのですが。それから、両方とも会話が面白い。

違うのは、着想の場所が、前者は物語の最初にあって、後者は物語の最後にあるところじゃないだろうか。絲山さんは絶対に、ファンタジーという名のごくつぶしの神様のことを思いついて、そのままなんとなく最後まで書いてみた、という書き方だと思う。ラストに向かってどんどん大雑把になっていくので、もったいないなあと思いました。収拾がつかなくなって、とりあえず殺しとけ、みたいな感じかな。ひどいなー。

伊坂さんは、ミステリだからあれだけど、とにかくカカシの謎解きが最初にあって、場面設定等はあとづけ。人物はみな面白いが、島の描写はあまりにひどい。まあ、どちらもデビュー作とか、2作目なので、仕方ないのかなあ。とはいえ、なかなか面白かったです。


2004年10月23日(土)


■地震
うちは震度4ぐらい。結構揺れました。おばあちゃんの家が震度6で、電話が通じなくなって親族の連絡網が回ってきました。家の中は結構ぐちゃぐちゃという話でしたがみんな無事で、でも今日は車の中で寝るそうです。阪神のときはと知り合いもいなくて遠かったけれど、思い出して心配になりました。

■ありえない…。
予想外の出来事に対応できないタイプなので、あたふた。昨日は昼間に新宿で偶然近藤洋一さんに出会い、芋づる式に最後には6人で酒を飲んでいるという、わけのわからない展開にびっくり。うわー。でも楽しかったです。

■韓国映画「ハッピーエンド」「ラストプレゼント」親が借りてくるので…。次はぺ・ヨンジュンの「スキャンダル」とイ・ビョンホンの「恋愛中毒」を借りてくると息巻いている…。

「ハッピーエンド」はつまらないわけではないのだけど、不倫の話で、主要登場人物の誰にも共感できず。ラストは”ハッピーエンドだけど…”の”…”を言いたいがための作品という感じで、それはよくわかるのだけど、気持ちとしては、愛人の彼もそこで※※しておけば、共感できたかもなー。ロミオアンドジュリエット的に。ふーむ。

「ラストプレゼント」、こちらは死を迎える妻のために何ができるかという話で、こちらもよくある話。でも、これが案外面白くて、ずーと小競り合いしているのが可愛らしくてよかったです。ちょっと泣けた(笑)。「何それ、私に対する嫌がらせ?」「それが俺の生き甲斐なんだよっ!」とか。ヒロインのイ・ヨンエ可愛い。最後まで展開は王道なのだけど、可愛い作品でした。友達に借りた「しあわせ団地」を思い出しました。それから冬ソナのキム次長が大活躍で二度おいしい感じ。


2004年10月21日(木)


■エンピツくん。
ええと、これを文芸に登録してみました。ついでにポイント入れたり、お気に入りに入れられたり、エンピツからHPに飛べるようにもしてみました。ふたつ持っているので、何がなにやらわからなくなって、うまく表示されているのかわかりませんが、更新のお知らせになって便利かも、とか。


写真屋さんで撮った証明写真がピンぼけ気味であまりにひどかったので、スピード写真で撮り直してみました。親に見せたら、写真写り悪いね、と言われて落ち込み気味です。本当に綺麗なひとは、どの角度から撮っても綺麗に写真に写るものなんですよね。うーむ。

久しぶりにスピード写真を利用したら、3枚撮って、一枚選べるようになっていて感心しました。目をつぶる率が高い人間なのでうれしい。

■「クレイジー・コック」ヘンリー・ミラー
読了。よくわからなかったです(苦笑)。


2004年10月20日(水) 映画レビューを更新。


■5作品。
フリークスも人間も/悦楽共犯者/永遠のマリア・カラス/
藍色夏恋/インファナル・アフェア

です。今年はアジア映画が多いなあ。それぞれ面白かったけれど、台湾映画の「藍色夏恋」をお薦め。とくに奈緒ちゃんと小夜ちゃんに(名指し)。

■リニューアルしました。
やっぱり白背景が落ち着くー。トップがごちゃごちゃしてきたので、ほとんどのバナーを取ってしまいました。結構便利なんですけどね。


2004年10月19日(火)


うーん。力が出ない…。そろそろまた走ろうかな。走ると頭がよくなるそうですよ。ほんとだよ。

■ナンジャタウン
ロールケーキいいなあ。髪を縦ロールに巻いていくと、入場料がタダになるそうですよ。ほんとだよ。

さがな。に原稿書きます。
10/23配信の、「眠れぬ夜の過ごし方」という特集です。コラムなのですが、今度は詩の依頼が欲しいでーす(笑)。草稿は暴走気味だったので、これから書き直しです。相変わらずぎりぎりだなあ。


2004年10月16日(土)


最近読んだ本に何度か名前が出てきたので、ヘンリー・ミラーを読み始めたのですが、なかなか終わりません。海外ものは何が面白いのか全然わからなくて手探り。どこか書評サイトなどあるとよいのですけれど。とにかく日本以外なので、広すぎてどこから手をつけていいのか。あれかしら、海外文学全集かなー。厚すぎて読みきれる気がしないけれど…。

「整形美女」姫野カオルコ「ラッシュライフ」伊坂幸太郎
読了。ふたつともひっそりとかなり期待していたのですが、ふつうでした。ラッシュライフはエッシャーの絵がモチーフになっていて、群像風に登場人物の時間軸がぐるぐる連鎖していて、構造的には非常に面白いです。

整形美女は、うーん。ふたりの女性の変身具合が極端すぎてそうかな?そうかな?とひっかかりが。美女とかモテる女の定義が少し甘いような気も。

■韓国ドラマ
「天国の階段」というチェ・ジウのドラマが始まったのですが、怖いよーう。日本でいうところの昼メロですね。愛と憎が渦を巻いています。

わたしはイ・ビョンホンが結構好きなのですけれど、来日の様子を見ていると、ぺ・ヨンジュンやパク・ヨンハよりひとまわりファン層が若いですね。ほっ(笑)

「美しき日々」はこれからしばらくはイ・ビョンホンのいいところが見られるので、ぜひ見て欲しいなあ。仕草がいちいちやらしーのだ(笑)。すごい色気。身のこなしの綺麗なひとは見ていて楽しいですね。ちなみに彼の妹役のシン・ミナ(火山高に出ている)がとても可愛いです。えくぼの威力がすごい。


2004年10月12日(火)


■「上海ベイビー」衛慧
20代でこれだけのものを書けるとは、すばらしいです。読むひとを選びそうだけど、年齢的にちょうど適齢期(?)だったので面白かったです。ええと、共感したというより、インスピレーションを得た!という感じ(笑)。社会に出て毎日似たような日々が続くとどうしても生活そのものに倦怠感が生まれてくるもので、具体的な将来のビジョンもないし、あれだな、りっとさん言うところの第2の思春期というやつかもしれない。自分を含め、どつぼにはまっている友人たちが結構いて、なんなのかしら、そういうものなのかしらとちょっと悩ましいです。

それはさておき、上海とか香港とか北京とか、日本とかドイツとか、いろいろなものが細かく区切ってあって、興味深かったです。ニューヨークなどの雑多な感じともまた違っていて、上海、とても面白く描かれていました。東京ともまた違っている。


2004年10月10日(日)


■コトバコ
ご来場くださった方々、ありがとうございました。雨漏りしたのに驚いていたら、庄屋の柱が看板を下敷きにして倒れていたので二度びっくり。さらに酒の席で泣いてしまい、なんだかなあと思うのでした。泣き上戸だったのか(笑)。帰りは雨もあがり、なんだかプールから上がったときのような気分でした。

■鉄腕ポエム
そんなわけで、起きられなくて少し遅刻してしまいました。コトバコの打ち上げですきっ腹にビールを飲んだせいか、今日はお腹が痛くて飲み物もほとんど飲めず。ドリンクをテーブルに置こうとしたら、それが前回の席と同じだったもので、そのときの光景がフラッシュバック。一口しか飲んでいないドリンクをひっくり返してしまい、それを初めてお会いした鈴木もとこさんが布巾をもらってきて全部拭いて下さって、わたしは呆然として指をくわえて立ち尽くしていたのでした…。うわー恥ずかしい。で、ユーリちゃんにドリンクチケットをもらったのだった。うわー情けない。どうも急な事態に対応できない性格みたいです。自覚はあるので、危険に備えてすごくいろいろなものを持ち歩いているので、たいてい荷物が多いです。地下鉄遭難用のペンライトとか持ち歩いていたしね。

会場ではわたしと相性がとってもよいというつばきさんにお会いしました。かわいらしいけれどしっかりしているので、少し下なのかしらと思ったら、ずいぶん下だったのでちょっと照れました。大人っぽいなあ。

感想はいいかな…。ジュテさんが読んだひとつの詩に思わず拍手をしてしまったのだけど、弱い自分、ダメな自分をぐいぐい晒して言って、けれども最後に聞き手(読み手)に、これはフィクションであると宣言することによって、さらに強度が増したと思う。よい詩だったし、聞き手に考えさせる隙を与えないぐいぐいと押し切るような朗読はとてもよかったと思う。寺田町さんもよかったし、やっぱり人間はどんどん深みを増していくんだなあと思いました。まあ退化していく人もいっぱいいますけど(笑)。

道はひとつではなくて、上へ下へ横へ後へ先へと、かぎりなく続いているので、自分すごいとか、自分だめだとか、思ってもしょうもないことかもしれません。理想も価値観もひとそれぞれで、さらに方法論にいたってはその何倍も多様だと思うし、それぞれが信じるやり方で試していくしかないのかなと思う。その理想や価値観を知ってもらって理解してもらうことはとても重要なことだけど、それはどれも唯一のものではないことを知っていて欲しいと思う。詩にしても、何にしてもたくさんのもので満ちていなければいけないと思う。高校生の頃に観た映画で、「人生とは選択すること」というような台詞があって、その言葉だけ妙に印象に残っていて、そのときは人生がとてもシンプルなもののように思えたのですけれど、実際は難しいですね。突き詰めればするかしないか、の二者択一なんですけれどねえ。


2004年10月06日(水)



久しぶりの晴れ。カメハメハの末裔としてはやっぱり雨だと低調気味になるので、低いテンションがますます下がってしまう。晴れたので、油断していたら寒くてしんどかったです。もうそろそろ耳が痛いです。イヤーウォーマー出さなくちゃ(笑)

今日はコトバコの打ち合わせ。今回の表紙は個人的にはどうかと思うよモリさん…。女性客がますます逃げていきそう(苦笑)。ついでに詩のタイトルを直してきました。感想もらえたらうれしいです。


今日は大きな地震があったようですね。電車が止まりました。すぐに動き出したものの、徐行運転でした。地震でというのは初めてだなあ。しかし近くの川が溢れそうになっているので、次の雨でまた電車止まるかも。コトバコ大丈夫かなあ。日本の電車は時間通りに来る、とかよく言われますけど、なんだかんだと結構遅延しますよねー。

家に帰ったら、近所で地震直後に火事があったそうで、まだもくもくと煙が上がっています。火の元にはみなさま気をつけてくださいませ。


2004年10月05日(火) 詩を一篇UPしました



まだ感じを掴みきれていない気もするけれど、形になったのでUPしてみます。

■昨日の補足。
博士の愛した数式の特徴。記憶障害が抜けてました。博士は80分しか記憶できないのでした。ストーリーのうえでは重要なのですが、わたしのなかでは二の次三の次というか、おまけみたいなもので忘れてました。


2004年10月04日(月)


■「博士の愛した数式」小川洋子
最近すごい発見をしました。文芸誌にはときどき長編が載るのですねー。というわけで、図書館で「新潮」から見つけだしてきました。彼女の本はいくつか読んだことがあって、これだけ特別に傑出しているというわけでもないと思うのですが、舞台が日本で、老人で、数学に目をつけたのがよかったのでしょうか。数式の話の持って行き方がとても上手く、物語だけでなく数式の話も面白かったです。数字を見るだけで目眩がするようなタイプこそ、とくにたまらないと思う。数字というものが本当に崇高なもののように思えました。小川洋子の本はいつでも愛情たっぷりで、読むと変な言い方だけど、安心します。