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2008年03月13日(木) |
「バンテージ・ポイント」 |
舞台はスペイン、白昼堂々群衆の目の前で起きたアメリカ大統領狙撃事件。を、視点を変えて何度も描くというちょっと変わった構成のサスペンスアクションです。いやもう何回繰り返すのかと!(笑) このまま延々11:59:58に戻され続けるのかと不安になりましたが中盤以降は普通に話が進むので一安心です。いっそ戻され続けたまま事件解決でも面白かったかもしれないけど(笑)。
とにかく展開がスピーディで間延びしないのがよかった。前半は登場人物それぞれの視点をリプレイすることで話が進み、それはつまり見ている我々にとっては同じ20分間の出来事を何度も何度も繰り返すことになるのですが、一人の視点が終わって次の人に移ると新たな事実がわかったり人物同士の繋がりが見えてきたりするので同じ20分間でも飽きることがありません。この引っ張り具合というのかな、新情報を少しずつじりじりと小出しにするやり方はずるいけど上手いと思った(笑)。目が離せないもん。 途中でデニス・クエイド演ずるシークレットサービスの視点に落ち着いてからは、いわゆる普通のアクション映画という感じ。特にカーチェイスにチカラ入ってた。全体で90分という短い映画なので、普通のアクションぽくなってからもサクサク進んで一気に終わる、その潔さが個人的には良かったです。
ただストーリーそのものはどんでん返し系というか、思いっきりご都合展開ですが(笑)。え、そんなタイミング良く?!そんな上手くいくかよ!と随時ツッコミ入れつつ楽しませていただきました。 あと人間ドラマ的な部分は極力抑えられてる印象。たとえば犯人グループの背景や思惑にはほとんど触れられてないし、本当に事件だけを、起こったことだけを写実的に描いてる。そんな中で光ってたのはフォレスト・ウィテカーかなー?単なる一観光客なのに最後までおいしい役回りで印象深い。さすがオスカー俳優。どうでもいいけどフォレスト・ウィテカーって笑福亭鶴瓶に似てるよね。笑うと特に、こう、タレ目の感じが…。(ほんとどうでもいい話だな)
それとデニス・クエイドの不死身っぷりがすごかったです。病み上がりという設定なのにあんなにタフでいいんでしょうか。ジャック・バウアーもびっくりだよ!びっくりといえばアメリカ大統領にまつわる秘密もすごかった。だってそんな、レーガン以降ずっとですか…!(笑) ヒラリーさんもオバマさんも今から早めに見つけておかないと!いや見つけるっていうより、作るのかしら?(怖!)
****** バンテージ・ポイント 【VANTAGE POINT】
2008年 アメリカ / 日本公開 2008年 監督:ピート・トラヴィス 出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、シガーニー・ウィーヴァー、 フォレスト・ウィッテカー、ウィリアム・ハート、エドゥアルド・ノリエガ (劇場鑑賞)
現代風おとぎ話。見た目も中身も可愛い映画でした!
※ネタバレしてます!↓↓
5代前の先祖の所為で呪いにかけられ、豚の鼻と耳を持って生まれてきたペネロピちゃん。名家に生まれ見るからに美少女なのに鼻と耳だけ容赦なく豚なんです。なんて大胆な特殊メイク…!(笑) 両親は表向きペネロピが死んだことにして屋敷の中に閉じこめてこっそり育て、彼女が年頃になると呪いを解くため良家のお坊ちゃんを呼び寄せ秘密裏にお見合いを繰り返すんだけど、どの候補者もペネロピの顔を一目見たとたん驚いて逃げ出してしまう。そのうち候補者の一人が新聞記者にペネロピの存在を密告し、スクープを狙った記者は没落名家の青年マックスをお見合いに送り込みます。こうしてお金で雇われた形のマックスでしたが、いざ屋敷に潜入してみると意外にもペネロピといい雰囲気に…… などと説明するとまるで男女逆転美女と野獣?と思われそうですがそうではなく、ここで単純にマックスと愛し合って呪いも解けてめでたしめでたし、な展開にならないところが現代風なのです。いやぶっちゃけ最終的にはそうなるんだけど(笑)、そこまでの紆余曲折が面白い。終盤で再会したときの「きみ、呪いは…」「自分で解いたわ!」っていうやりとりがとっても可愛かった。これラブストーリーでありつつペネロピの成長物語だよなあ。あと、自分で自分を愛してあげないと!っていうメッセージ。
全てが明らかになると、ペネロピが求婚したときなぜマックスが拒んだのかがわかって切ないです。自分では呪いを解いてあげられない、明らかに資格がない、それを胸に秘めたまま「解けなかったらどうする?」と聞くと、「解けなかったら死ぬわ。あなたに迷惑はかけない。約束する」と断言したペネロピ。そんな風に言われたらそりゃ結婚できないよ〜〜〜。だからこそ、愛してるからこそ身を引いて拒んだ、このテのすれ違いは王道ラブストーリーっぽくてすごくいい。個人的に大好物。
口うるさいお母さんも誰よりペネロピのことを考えているし、新聞記者も根本的には悪い人じゃないし、のほほんと構えてるお父さんも面白いし(リチャード.E.グラントです)、嫌な奴があまり出てこないところも良かったです。全体的にコメディタッチで楽しく観てられるしね。なんかリース・ウィザースプーンが製作に加わってるそうです。姉御っぽい役で出演もしているよ。 それからペネロピの服とか部屋の内装とか持ち物とか街の風景に至るまで、全てがおとぎ話風で可愛かった!ちょっとディズニーランドみたいな雰囲気というか、建物の中も外も景色も全部ファンタジックな感じ。可愛いといえばペネロピを演じたクリスティーナ・リッチも美人だなあと改めて思いました。子役のときはあまり意識しなかったけど久々に見たらものすごく綺麗〜。 しかし豚の鼻がなくなってしまうとそれはそれで物足りない気がするのが不思議…(笑)。いやでも呪いが解けて良かった良かった!マックス(本名違うけど)と末永くお幸せにね!と自然に思えてニッコリできる、可愛いお話でした。
※公式サイトも可愛いよ! http://www.penelope-movie.com/
****** ペネロピ 【PENELOPE】
2006年 イギリス・アメリカ / 日本公開 2008年 監督:マーク・パランスキー 出演:クリスティーナ・リッチ、ジェームズ・マカヴォイ、キャサリン・オハラ、 リチャード.E.グラント、サイモン・ウッズ (劇場鑑賞)
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