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2004年01月27日(火) |
(ミニ感想:「ピーター・グリーナウェイの枕草子」「カントリー・ベアーズ」「解・放・区」) |
今更だけど、年末からお正月休みにかけてビデオやらDVDやらそれなりに見ていたので思い出してミニ感想書いてみることにしました。個人的にインパクトの強かった三本。
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■ ピーター・グリーナウェイの枕草子
何じゃこりゃあぁ! こんなの作っちゃってあんた、枕草子は日本版カーマスートラだとか清少納言は人肌フェチだったとか西洋人が誤解したらどうするんですか監督!(笑)
めっちゃくちゃな時代性とか日本か中国かよくわからん描写とか色々激しく意味不明。ま、「枕草子」はモチーフ(あるいは一種のイメージ)として使われてるだけなのでいちいち律儀につきあう必要はないです。むしろユアン・マクレガーのお宝ビデオクリップだと割り切った方が腹も立たずに楽しめるかもしれません。いやあ美しかったですユアン!ユアンの美しさのおかげで個人的には「ベイビー・オブ・マコン」よりはまだ見やすかった。妙な流し目使ったり、それにあの俗っぽい髪型といい(笑)、こういう路線もなかなかイケますね。そして服着てるより全裸でいるシーンの方がずっと長かったのではないでしょうか。いつもながらお見事でありますユアン殿!どうもご馳走様です!美味しかったです!
しかしなんだな、ほんとに、こう、筆で字を書いたらうまくのりそうなきめ細かさだったなぁ、ユアンの肌。脱がせて一筆書いてみたい気持ちもわからなくはな……あ、いえ、ええと、こういう一種の倒錯プレイめいた世界って、江戸川乱歩とか谷崎潤一郎あたりなら嬉々として表現してくれそうですね。
あと、ユアンが日本語喋ってるのは私初めて聞いたかも。後半ナギコに閉め出されドアを叩いて絶叫するシーンでは、「開けてくれー!」が微妙に「開けてくれぃ」に聞こえて、思わず「江戸っ子かよ!」とツッコミ入れてしまいました。(いや、だってほんとにそう聞こえるんですって!!)
■ カントリー・ベアーズ
ああ、貴方ほどの天性の迫力の持ち主が、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」であれほど渋い魅力を見せつけてくれた直後だというのに、今更クマ相手に何をムキになってるんですかウォーケン様!(そんなところがス・テ・キ☆)
クリストファー・ウォーケンはやっぱりただ者じゃないですね。何でもやるよこの人は(笑)。ファン必見!…いや、ファンなら見ない方がいいのだろうか…? うーむ、とりあえず私は惚れ直しましたけど(笑)。 そんなウォーケン様、この映画のちょっと後に公開された「カンガルー・ジャック」とかいうカンガルー映画にも出てたって聞いたんですがほんとですか。やはりクリストファー・ウォーケン級の役者になると何か一種の境地に達してしまって、もう人間相手の演技じゃ物足りなくなるんでしょうか(笑)。
■ 解・放・区
何でもやる! という点ではウォーケン様の上を行くジュリアン・サンズの登場。私はジュリアン・サンズが結構好きなので、というか、そういえば昔結構好きだったんだよな〜、ということを最近思い出したので、無関心でいたブランク期間を埋めるべく密かに近年の出演作を漁りにかかっておるのです。 で、この映画、TSU○AYAで“洋画・エロティック”の新作コーナーに並んでいた時点でかなり不安なものを感じたのですが(しかも劇場未公開)、案の定C級でした。いちおうジャンルとしてはエロティックサスペンス?だけどたいしてエロティックじゃないし。 しかーしジュリアン・サンズは期待を裏切りません。やってくれました。具体的に何をやってるか書いちゃうとネタバレに繋がるのでアレなんだけども、まあ言ってみれば「処刑人」のウィレム・デフォーを軽く凌ぐ勢いでしたね(笑)。私はジュリアン・サンズのこういうところが大好きで、つまりこの人って顔立ちは非常に私好みの貴族的な美形なんだけど、そのくせヘタレ男とかアホとしか言いようのない役とかエキセントリックで意味不明な役とかやらせたらもう右に出る者なしなのね。というか好んでやってるとしか思えない(笑)。「裸のランチ」とか「ワーロック」とか「ボクシング・ヘレナ」とか。「眺めのいい部屋」なんて、あんな小綺麗な役はほんの一面にすぎないのであるよ。
ああ、ついジュリアン・サンズについて熱く語りすぎてしまいましたが、そういえば、エレン・バーキンとは「シエスタ」以来の共演になるのかな(あんまり一緒のシーンなかったけど)。ストーリーについては→こちらなどご参考に。
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以上、えーと、ぜんぜん「ミニ感想」じゃなくなってしまった点についてはツッコミ禁止の方向でお願いします(笑)。書いてるうちに長くなっちゃうのよー。
****** ピーター・グリーナウェイの枕草子 【THE PILLOW BOOK】
1996年 イギリス・フランス・オランダ / 日本公開 1997年 監督:ピーター・グリーナウェイ 出演:ヴィヴィアン・ウー、緒形拳、 ユアン・マクレガー (ビデオ鑑賞)
****** カントリー・ベアーズ 【THE COUNTRY BEARS】
2002年 アメリカ / 日本公開 2003年 監督:ピーター・ヘイスティングス 出演:クリストファー・ウォーケン、スティーヴン・トボロウスキー、 あとドン・ヘンリーとかエルトン・ジョンとか(一瞬) 声の出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント (DVD鑑賞)
****** 解・放・区 【MERCY】
2000年 アメリカ / 劇場未公開 監督:ダミアン・ハリス 出演:エレン・バーキン、ジュリアン・サンズ、ペータ・ウィルソン (ビデオ鑑賞)
2004年01月26日(月) |
(雑記:ゴールデングローブとかキアヌの新作とか) |
→ゴールデングローブ賞結果(映画部門)
◆ うーん謙さん残念だったっすね〜。でもまあ、ノミネートされたこと自体が快挙だし、これからまたいずれチャンスはあろうよ。あ、あと砂の器見てます頑張って下さい実はちょっとハマりそうです。(いきなり次元の違う話ですいません)
◆ それでティム・ロビンスはあの素晴らしい老け込みっぷりが讃えられたという解釈でよろしいでしょうか?(笑) …だってほんとショックだったんだもんー可愛らしいイメージがあったのにーあんなに歳とちゃうなんてーうえぇーん。
◆ ところでダイアン・キートンが「サムシング・ガッタ・ギブ」で受賞してますね!うわ〜いおめでとう〜。この作品、何を隠そうキアヌの新作なんです! もう一回言いますよ、キアヌの新作なんです!! もちろん主役じゃないけどさ、でも久々のラブコメだし、しかもダイアン・キートンに恋する役らしいんですよ!うっわーたまんない。まさか40歳目の前にして年上に恋する役を演じてくれるなんて思ってもみなかったよ〜もうすっげぇ嬉しい。ほらほら、ちょっと「ラジオタウンで恋をして」っぽくない?(いやだからあくまで脇役だって…)
真面目な話、私はあまりマトリックスが好きではないので、マト(リロ&レボ)よりもむしろこっちを楽しみにしてたんです。それはもう一年以上前から(→証拠1、→証拠2、→証拠3)。 日本ではいつ頃公開なのかなあ〜。まだ邦題も決まってないあたり少々不安ですが(笑)、とりあえず楽しみ楽しみ。白衣姿も楽しみ楽しみ。
→「SOMETHING'S GOTTA GIVE」公式
→ギャラリー (うわほんとに白衣着てるよ!!)
これは良かったです! っていうかコリン・ファレルが良かったです! コリンちゃんがー、かっ、かわいくて…っ!(悶絶) いや、別に可愛らしいことしてるわけじゃないんだけどさ、なんつーか、相変わらずの熱演ぶりにお姉さんはもうメロメロですよ。何度も言うけどコリン・ファレルという役者はいつでもどんな役でも決して手を抜かないところが魅力なのです。走る場面は全力疾走、パソコンに向かう目つきは真摯そのもの、やさぐれシーンでは徹底的に飲んだくれて、落胆する時は思いっきりしょんぼり。いきなり指笛でタクシー呼んじゃうし!(それは関係ない) とにかく、冒頭からラストまで一瞬たりとも手を抜かないこの120%全力投球演技をとくとご覧下さい皆の衆。コリン万歳。ビバコリン。
MITでトップ成績を誇る若者がCIAのベテランリクルーターからスカウトされるお話。と、内容についてはその程度知っておけば十分。ほんとはその先も説明したいんだけど予備知識がない方が楽しめる作品だと思うのでこれ以上は申しますまい…フフ…。や、実際、映画としての仕上がりも想像してたよりずっと良かったですよ!コリン・ファレル贔屓の分を割り引いても(笑)。最初のうちはちょっと「S.W.A.T」とかぶってるなーとか思ってたんだけど、観終えてみれば内容も話の進み方もこっちの方が断然良かった。中だるみしないし。それはそうとCIAってほんとにああいうスパイ養成講座めいたことしてるんですかね。なんか水に溶ける紙みたいなの実験してるシーンがチラッと見えたけど、あんなの昔のスパイ手帳についてたスパイメモみたいじゃん。(ご存知ですかスパイ手帳/笑)
いやあ〜それにしてもコリン・ファレルは良かったなあ〜(まだ言うか)。「S.W.A.T」「フォーン・ブース」とここのところ主演作続きでしたが私は今回の役が一番好きだな。だって頭脳明晰でスポーツ万能で咄嗟の機転もきく天性のCIA体質でね、その上すげーいい人なんだよ! 優しくてさ! あああいっそ私がリクルートしたいです。アル・パチーノなんかに負けてられるかってんだ。さあこっちにおいでコリン。そして私にもチーズエッグを作っておくれ。 ちなみに一番可愛かったのは(まだ言うか!)ラストシーン。車に乗って中からヒロインに手を振る場面があるんだけど、この時の弱々しい笑顔がもう超絶プリティでした。全コリンファン必見!一瞬だから見逃すなよ! って、ふと気付けば長々とコリン・ファレルのことしか書いてませんが、まあたまには(たまには?)こんな感想も許して下さいごめんあそばせ。アル・パチーノもヒロイン役のブリジット・モイナハンもそれぞれ良かったでーす。
****** リクルート 【THE RECRUIT】
2003年 アメリカ / 日本公開 2004年 監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:コリン・ファレル、アル・パチーノ、 ブリジット・モイナハン (劇場鑑賞)
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ところで、今回上映前に初めて「21グラム」の予告編を見たYO! つい先日トロ好きの友人からチラシ(無論トロバージョン)を強制支給されたところだったので気になっていたんですが、なかなか面白そうですね。“2004年初夏公開”ってなってるけど、具体的にいつ頃観られるのかなあ。
2004年01月21日(水) |
ブルース・オールマイティ |
うーーーーーーむ、すいません、これは何となくイマイチでした。冷静に客観的に考えれば悪い映画じゃないってことはわかるんですが、やはり私はかつてジム・キャリーが苦手だった過去があるので(笑)、いや、一昨年前に克服したとは思ってたんだけど、…でもやっぱりダメかもしれません…(弱気)。なんでかなあー。まさに苦手としていた頃に近いテンションのジム・キャリーだったからだろうか。
何をやってもツイてないTVレポーターが一週間だけ神様になるお話。神様力でやりたい放題やった挙げ句、本当に大切なモノは何かに気付く…っていう流れなんだけど、なんだかねえ、身勝手な一個人のために無関係な人々が被害をこうむってるようにしか見えず(笑)。だって自分はツイてないツイてないって嘆いてるけど結局出世のことしかアタマにないだけじゃんー。いいのか神様、こんな男のためにあんなに多くの犠牲をはらって!日本でも洪水おきてたぞ! まあコメディなんだからいちいちストーリーにケチつける方が間違いだってことはわかってるんだけどさ、…っていうか、もしも主演がキアヌ・リーブスかレイフ・ファインズだったならきっと私はひとことも文句を言わないであろう(笑)。(いやキアヌやレイフにはこの役は多分無理であろう。<論点がずれてます) 要するに私の不平というのは所詮その程度の言いがかりにすぎず、だからジム・キャリーが好きな人(あるいは嫌いじゃない人)なら全然問題なく楽しめる映画だろうなー、っていうこと。現に一緒に観た友人(←ジム・キャリー好き)は横でゲラゲラ笑ってえらい楽しそうでありましたよ。 かく言うわたくしも決して終始シラけて見ていたわけではなく、トータルで考えれば結構あちこちで笑わされてたんですけどね。特に可笑しかったのはあのアナウンサーの人!あれは熱演だったなあ。それと、最後のNG集も面白かったです。確か「ライアー・ライアー」の時もこんな感じでNG集つけてたよね?
「ライアー・ライアー」といえば、監督が同じトム・シャドヤックだそうで、やはりそれなりに息が合ってるというか、ジム・キャリーの得意分野を生かしつつテンポ良く進む感じが良かったと思います。脚本のスティーブ・オーデカークも「エース・ベンチュラ」シリーズで組んでますし、ジム・キャリーのコメディ映画としてはベストな製作陣ではないでしょうか。ちなみにこのスティーブ・オーデカークという人は「サンタvs.スノーマン」みたいな映画も作っていて、なかなか多才な人ですね。これアイマックス用の3Dアニメ映画ですが私結構お気に入りです。可愛かったです。(→その時の感想)
あと、ジェニファー・アニストンも良かったです。なんだかとってもいい人に見えました(笑)。それと犬!犬がとってもおりこうさんでした〜。
****** ブルース・オールマイティ 【BRUCE ALMIGHTY】
2003年 アメリカ / 日本公開 2003年 監督:トム・シャドヤック 出演:ジム・キャリー、モーガン・フリーマン、 ジェニファー・アニストン (劇場鑑賞)
さあやっと三本目だ。(ゼエゼエ)
ホラーです。女性刑務所の精神病棟に勤務する精神医(ハル・ベリー)が、ある豪雨の夜、車で帰宅途中に橋の上に立ちつくす謎の少女(←これがもう見るからに霊!ほとんど貞子!)を轢きそうになる。慌てて車から降りて少女の安否を確かめ…たところで何故か突然記憶が途切れ、次に気付いた時には自分の勤める病院に患者として収容されていたのだった。聞けば院長である夫が惨殺され、その犯人が自分なのだという。夫を恨んだことなどないし、殺人なんてまるで身に覚えがない。一体何が起こったのか? …というお話。チラシにも出てる「Why me?」と、もう一つ「not alone」がキーワード。
私全然知らなかったんですが、監督のマチュー・カソヴィッツって「アメリ」に出てたあの人なんですってね!ニノ役の!(グリグリさん色々ありがとうございましたー!) 監督する人だって知らなかったからびっくり〜。とはいえこの作品、フランスではちょっと評価が芳しくないご様子。っていうかIMDbでも芳しくないご様子(笑)。うーん、こうなると自信なくなるなあ。いや、私はそれほど悪くないと思ったんですよ。まあ絶賛するほどではないけれども、少なくともダークキャッスル作品として見た場合、例えば去年の「ゴーストシップ」なんかに比べたら断然きちんと話を作ってるんじゃないかなー、と。
ダークキャッスルって、ジョエル・シルバーとロバート・ゼメキスが立ち上げたホラー専門の製作会社ですが、「ゴーストシップ」だとか「13ゴースト」だとか、何となく“VFXだけは異様に素晴らしいくせに肝心のストーリーは拍子抜け”っていうイメージがあったんです、個人的に。だけど本作はCG使ってビックリさせる手法にあまり頼らずオーソドックスな怖さを追求していて(実際に怖がれるかどうかはまた別の話ですが/笑)、話もミステリアス路線に仕上げている、そこが非常に好印象だったというわけです。…あーでも、やっぱり直前の「ミスティック・リバー」が予想に反して気に入らなかったから反動でこっちが好印象だっただけなのかなー。いずれにせよ半分ウトウトしながら観ていたラストの一本なので(上映時刻AM4:00〜5:30)あんまり信用しないで下さい。てへ。(逃げ腰)
ところでハル・ベリーは意外とホラーが似合うかもしれませんね。さして必要性の感じられない水着姿やシャワーシーンなどを程良くはさんでサービスしつつ(笑)、ちょっとオーバーアクト気味な驚愕演技がいい感じでした。共演がペネロペ・クルスってことで、「HOTEL」のサルマ・ハエックvs.ルーシー・リューの如く我の強い女優対決あわや一触即発!なシーンが見られるのかと思いきや、ペネロペちゃんの演技が抑えめだったのでそういうこともなく(笑)上手く調和がとれていましたよ。ペネロペ・クルスってあんまり好きだと思ったことなかったけど今回は良かったです。不思議ちゃんが似合うね!
あ! あと、あと、ロバート・ダウニー・Jrが出てたので嬉しかったです! 私この人昔から結構好きなんです。割と重要な役どころで、最後の方まできっちり出てきてくれたので満足でしたー。…って、そうか、そこが良かったのか私?だとしたら我ながら単純…。
****** ゴシカ 【GOTHIKA】
2003年 アメリカ / 日本公開 2004年 監督:マチュー・カソヴィッツ 出演:ハル・ベリー、ペネロペ・クルス、 ロバート・ダウニー・Jr、チャールズ・S・ダットン (劇場イベント鑑賞・「カウントダウン映画でお正月2004年!」)
2004年01月11日(日) |
ミスティック・リバー |
うっわティム・ロビンス歳とったなあぁ! っていうのがこの映画の最大の衝撃だったりしましたけど(笑)。役作りも入ってるとは思いますが、それにしても彼はいつの間にこんなに疲れたオヤジになり果ててしまったのでしょうか。結構好きだったのにー。「未来は今」とかすっごい可愛かったじゃんー。って古すぎか。いつまでもそんな昔のイメージを抱いたままでいるのがそもそもの間違いだと言われれば返す言葉もございませんが。
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※ 以下ネタバレ含むので未見の方注意!
少年時代の遊び仲間だった3人が、25年の時を経て偶然に再会することになる。一人は娘を殺害された父親ジミー、一人は事件の担当刑事ショーン、一人は事件の容疑者デイブ。3人は昔、一緒に遊んでいた時にデイブ一人が誘拐されて性的暴行を受けるという忌まわしい事件を体験しており、その出来事が25年経った現在でも彼等の間に暗い影を落としているのだった…。
アカデミー賞大本命作品らしいですが、なるほど全てが手堅いな、という印象。CGとか派手なアクションなんか一切使わず、巧みな演出だけで冒頭からラストに至るまで緊張感を見事に持続させています。この話は表向きジミーの娘が殺された現在の事件を題材としているんだけど、実は3人が過去に受けた心の傷、たまたまデイブ一人が連れ去られ残りの二人はそれを見ていることしかできなかったという共有体験が今回の殺人事件にどう影響を与えるかというのが見どころなのね。だから肝心の娘殺しの真相は少々あっけな…、あ、いやいや(いいんですよこれはこれで!笑)、つまり、少年時代に起こった出来事から結局は逃れられない彼等の悲しい運命、人間の弱さみたいなものをテーマに描いているという、その辺が非常に奥深いと思いました。ところどころで十字架のモチーフを出してきたりして細かい演出もぬかりない。
主役3人の演技もまず文句のつけようがないです。3人とも芸達者な人だけどそれに加えて適材適所というか、各人の特性を上手く生かしたキャスティングになってるという気がしました。ショーン・ペンはほら、やっぱり「アイ・アム・サム」みたいな役よりもこういうゴロツキ演じた方が断然似合うと思うし(笑)。ショーンもティムも監督やる人だからそのあたりは心得て……はっ。監督で思いついたんだけどもしかしてこれってショーンがティムに「デッドマン・ウォーキング」の時の報復をした映画なんじゃ…(違・い・ま・す)。←大嘘な上にネタバレなので未見の人は絶対反転しないように。
ただ、ここまで持ち上げておいて今更ですが、私はこの映画、あまり好きではないです。なんかこの完璧臭さが鼻につくし(笑)、重いし暗いし救いがないし、それに脚本がちょっとなー。ラストは余韻を残すというよりは放り出されたような印象だったし、ケビン・ベーコンの奥さんも思わせぶりに登場する割に結局話に絡むわけじゃないし、ティムはまだいいとしてショーンとケビンの子役の子供はあんまり似てないし(笑)、…ってだんだん脚本と関係ない話になってきましたが、とにかく非常にレベルが高く見応え十分な作品であることは良くわかるけれどももう一度観たいとは思わない、そんな感じでした。
****** ミスティック・リバー 【MYSTIC RIVER】
2003年 アメリカ / 日本公開 2004年 監督:クリント・イーストウッド 出演:ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコン、 ローレンス・フィッシュバーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローラ・リニー (劇場イベント鑑賞・「カウントダウン映画でお正月2004年!」)
2004年01月10日(土) |
レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード |
さあやっと書き始めます年越し映画の一本目。
主演アントニオ・バンデラス+サルマ・ハエック+エンリケ・イグレシアスというラテンの血を煎じて煮詰めて燻したようなメンツに加えて怪優ウィレム・デフォーに懐かしのミッキー・ローク、そして忘れちゃならないジョニー・デップ! いやはや超個性派濃厚メンバー勢揃いで一体どうなることやらと思いましたが、映画そのものは馬鹿馬鹿しさ満載のエンターテイメントに仕上がっていて(誉めてます)なかなか面白かったです。何も考えずに見て楽しめて観終わったらすぐに忘れられてわたくしこういうの大好きですよサンキュー、ロドリゲス。最初からこんなこと言うのもなんですが今回上映された三本の中ではこれが一番楽しかったなあー。まあ、残りの二本はそもそも楽しいジャンルじゃないんだけども(笑)。
バンデラス扮する伝説のガンマン、エル・マリアッチが、メキシコの情勢鎮圧のために派遣されてるCIAジョニデに暗殺者として雇われるの話(だったと思う)。クーデターを目論む将軍にバンデラス自身の私怨が絡んでいたり、ジョニデがCIAとはいえかなり悪徳で食わせ物だったり、黒幕にデフォー氏がいたり、なんかそういうような話です。って、あーもう実はよく覚えてないんだよ!すみませんね!
でもはっきり言ってストーリーなんかどうでもよくて、私はこの映画、結構残酷にドンパチやってるのにどこか笑いを誘うところが良かったと思います。下手な小道具(腕/笑)とか、いきなりギターケースが火炎放射器だったりとかして、そんなのあるかよ!っていうツッコミ所がいちいち面白かった。 あと何と言っても、出演者全員が大真面目に役になりきってるところが最高。これがこの映画を好印象にしている重要なポイントだと思うなあ。みんなノリがいいというか結構その気になってるというか、楽しんでやってる感じが非常に良いのね。バンデラスは突然酒場で弾き語りを始めたりして哀愁漂うヒーローになりきってるし(その神妙ぶりが笑える)、ウィレム・デフォーは日焼けメイクで口髭つけて白いゆったりシャツ着てボタン3つくらいはずして(笑)思いっきりメキシカンになりきってます。 そしてジョニデ。この人が涼しい顔して飄々とエキセントリックな役柄をこなすことは数々の実績で明らかですが、やはり今回もさすがの存在感。バンデラスとどっちが主役だかわかりません。ていうか実際バンデラスよりも人を殺してたんじゃないだろうか。ちょっと人撃ちすぎです。あとしつこく言わせてもらうけどちょっと用意が良すぎです例の腕! いつの間に用意してたんだよ! それにファッションショーのように次々お召し替えしてくれるところも良かったです。“CIA”とかプリントされてるTシャツ着てるのには笑ったけど。後半はマイケル・ジャクソンかと思ったけど。いやそれどころじゃない大変なことになってしまうんだけど(笑)。<笑うな
サルマ・ハエックは出番が少なくてちょっと物足りない感じだったかな。この人はこのシリーズだと抜群に映えるというか、やっぱ美人なんだなあと思いますね。そういえばエンディングの歌はサルマが歌ってるんだって。あとバンデラスも歌はもちろん、作曲もしてるらしいですよ。みんなヤル気満々(笑)。ロバート・ロドリゲスが監督兼脚本兼編集 兼音楽 やってるのは前作通り。 (←※追記:ごめんなさいちゃんと調べたところ前二作では音楽やってませんでした。適当なこと言ってすみません。)
ただこの映画ね、幸か不幸か、予告編で見どころを全てキレイに見せてしまっている。私がせっかく反転表示にしたところまで見せてしまっている(笑)。ので、決して予告編以上のものを期待してはいけません。過剰な期待をしなければそれなりに楽しめると思います。そんな予告編が見られる公式サイトは→コチラ!
****** レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード 【ONCE UPON A TIME IN MEXICO】
2003年 メキシコ・アメリカ / 日本公開 2004年 監督:ロバート・ロドリゲス 出演:アントニオ・バンデラス、ジョニー・デップ、ウィレム・デフォー サルマ・ハエック、ミッキー・ローク、エヴァ・メンデス (劇場イベント鑑賞・「カウントダウン映画でお正月2004年!」)
2004年01月05日(月) |
(雑記:2004年上半期話題作 予告編の感想) |
どうもあけましておめでとうございまぁ〜す!ってもう5日じゃん!と一人ツッコミなどしてみる2004年の初更新。年末は老体に鞭打ちつつ歌舞伎町で映画観ながら年を越し、公開前の三作品を徹夜で一気に脳内に押し込めて参りました。ので、忘れないうちにさっさと感想書くべきなんですが(ていうかもう既に忘れ気味)、その前に予告編の感想から。このイベントって、今年上半期話題作の予告編をズラッと一気に見せてくれる時間があるんですよ。これが結構楽しかったので(憶えてる分だけ)一言感想です。念のため繰り返しますが、以下は映画本編の感想じゃなくて、予告編の感想ですからね(笑)。
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■「リクルート」 →公式 さあみなさんコリンちゃん主演です!コリンちゃんをよろしく!(宣伝) ということで、軽いノリなのか意外とシリアスなのか予告編だけでは雰囲気がいまいちよくわかりませんでしたが、とりあえず楽しみな一本。アル・パチーノがコリン・ファレルを見出して育て上げたりするような話?ってちょっと「スパイゲーム」っぽくないか?違うか。でもこういう新旧スター共演!みたいなの多いよね最近。
■「ハリウッド的殺人事件」 →公式 ほらほら!ね?これもそうじゃん!新旧スター共演! とはいえこちらはコメディ色が強いのかな。どうでもいいけどジョシュ・ハートネットって若いのに声がちょっとおっさんぽいよね。
■「トルク」 →公式(英語) なんだろうこれ。初めて見たよ。アドレナリン放出系スピード映画らしいです。「ワイルド・スピード」みたいな。
■「タイムライン」 →公式 そんな「ワイルド・スピード」といえばこの人!のポール・ウォーカーが主演。この人やっぱり見た目ちょっとジュード・ロウ系じゃない?似てるよね、なんていうか、顔の造作の暑苦しさが(笑)。認めたくないけど結構タイプかもしれませんチクショー。
■「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 →公式 初めて見るロングバージョンの予告編だった!予告なのに引き込まれてしまう相変わらずのスケール!04年上半期大本命作でしょう〜。 それにしても(M.さんしつこくてごめん/笑)アラゴルン様はどうしていつもあんなに小声で喋るんですかね!標準で囁きボイスの罪な男。すげえセクシーだよなあ。わたくしのレゴラス君はあんまり出て来なかったので寂しかったです。あと、ヒューゴ・ウィービングが真面目な顔してなんか喋ってたけど顔見るとどうしても「出たなスミス!何言ってんだスミス!」とか思ってしまう。公開されるまでにこの癖を直そう。
■「トロイ」 →公式 あーでも、レゴラス君はこっちに出てたね! ブラピとオーリィ君の共演なんてちょっとどうします奥さん! 美形共演。いや美形饗宴。むしろ美形狂艶。去年の「パイレーツ・オブ・カリビアン」に引き続き、二人一緒にスクリーンに出てきたらどちらに焦点をあわせてよいやら迷うこと必至でありましょう。
■「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 →公式 うーんこのシリーズはもともと観てないので何とも。主演のダニエル・ラドクリフ君はすっかり大きくなって、初期の頃とずいぶん印象が違いますね。もう子供って感じではないですね。
■「シービスケット」 →公式 アメリカ中が涙した!とか、感動のドラマ!とか言われると萎えるんだよな…。あまり期待しないでおこう。トビー君は好きです。かわいいから。騎手が似合うね!
■「キューティーハニー」 →公式 これ子供の頃大好きでよく見てたなあー。懐かしい。 実写なのにアニメみたいな印象の、ちょっと不思議な予告編でした。って、え?監督が庵野秀明?そうか、なるほど。 そういえば「デビルマン」も映画化されるんだよね。これも子供の頃大好きでよく見てました。
■「ホーンテッドマンション」 →公式 なんかディズニーランドのアトラクションの予告編のようでした。映画の内容がよくわからん(というかディズニーランドのアトラクションそのままのストーリーなんだろうなきっと…)。主演はエディ・マーフィーらしいです。
■「クイール」 →公式 こう見えて犬には弱いわたくし。予告だけでもうメロメロ。個人的には、「さよなら、クロ」のように犬映画のフリして蓋を開けたら青春ノスタルジィ話!ではなくて、ストレートに犬!主役は犬!っていう映画がいいです。
■「ラブストーリー」 →公式 「猟奇的な彼女」の監督の最新作。またしても韓国中が涙したらしいですよ。ちょっとコメディちっくな出だしで、後半は感動的に盛り上げる予告編。「猟奇的な〜」とプロット似てますね。観に行くかどうかは微妙。
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そんなところでしょうか。憶えてるのだけでも結構あったなあ。長くなってすみません。次回はちゃんと感想書きます。「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」の予定。
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