■映画の感想です。映画館で観たもの中心。普通にネタバレしてるのでお気をつけください。
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2003年11月19日(水) エバーラスティング 時をさまようタック

ビデオで観ました。ディズニー製作の劇場未公開作品。レンタル屋さんで見かけて何となく借りてみたら意外と良かったのですよこれが。完全少女向け健全堅実ムービーではございますが、実はこういうの結構好きです。ほら、私って永遠の乙女だから☆

不死の少年と普通の少女の淡い恋のお話です。主人公のウィニーという女の子(実年齢15歳)がある日森の中でジェシーという少年(見かけ年齢17歳・実年齢推定100歳)に出会うんだけど、このジェシー君は実は永遠の命を持っていて、というか彼の家族タック一家全員が遙か昔に図らずも不死となった身の上で、彼等は世間に目立たないよう森の奥でひっそりと暮らしていたのでした。とりあえず出会って存在を知られてしまった以上簡単には帰せないってことでウィニーはタック家に連れて行かれちゃって、彼女の家では誘拐じゃないかと警察に連絡したりものすごい騒ぎになるんだけど、ウィニー自身はそこでジェシーと共にこれまでにない充実した日々を送るのね。一日一日が楽しくて仕方がない。でもやがてタック一家の秘密を知り、死ぬことと生きることの意味を考え、ジェシーとも離れなければならないのだと彼女なりに理解する。と、ちょうどその時、運悪く警察が彼等を発見してしまう。さあどうなるか。


“永遠に歳をとらない不死の家族”って、もうほとんど「ポーの一族」とか「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の世界なんだけど、そこはさすがディズニー、デカダンな匂いはキレイに排除して切なさだけを上手く際立たせた仕上がりになってます。わかりやすい(&ありがちな)話の割に最後まで目が離せない展開で、ラストシーンが特に良かったです。なんつーか、このきゅーんとした懐かしい切なさ、女の子だったらわかるよね? どうよ? こういう話って、決して新鮮ではないけれど廃れることもない、ある種王道だと思うなあ。あ、ちなみに、「100年も生きてるなら心が17歳のままなはずないじゃん!」というツッコミはどうかこらえてください。ファンタジーですから。ディズニーですから。
森の風景なんかもとても綺麗、どこまでも続く草原で「あははは!さあ僕をつかまえてごらん!」「待ってよー!」的な追いかけっこをしたりして(注:実際にはそんなこと言ってません)、なんか子供の頃に想像したおとぎ話の世界そのままなんだよね。さらに主演の二人がまたイメージにピッタリで、ウィニーを演じた彼女はちょっとヘレナ・ボナム=カーターみたいに顔がちっちゃい可憐な少女だし、一方ジェシーを演じた彼は、いかにも王子様フェイスの美少年です。この子がまた、「あと一日君と過ごせるなら死んでもいい」とか「死ぬまで君を愛し続ける」とか無垢な顔してサラリと殺し文句を吐くので意外と侮れません。他にウィリアム・ハートとかシシー・スペイセクなんかも出ていてなかなか豪華。そして監督は「マイ・ドッグ・スキップ」の人だそうですよ。あー何となくわかるなー。その他詳しくは公式サイトをご参照下さい。雰囲気伝わってきます。→コチラ

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あと、これは多分ビデオだけだと思うけど、何故か巻末に押井守の新作「イノセンス」(→公式→参考)の予告が収録されていてちょっとお得な気分でした。割と面白そうですよ。こっちは多分、健全とは程遠いと思うけど(笑)。




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エバーラスティング 時をさまようタック
【TUCK EVERLASTING】

2002年 アメリカ / 劇場未公開
監督:ジェイ・ラッセル
出演:アレクシス・ブレデル、ジョナサン・ジャクソン、
ウィリアム・ハート、シシー・スペイセク、ベン・キングズレー
(ビデオ鑑賞)


2003年11月12日(水) マトリックス レボリューションズ

 ※内容に触れてます。まだ観てない人注意。




今回のポスターがこの絵柄なのって、きっとネオの見せ場がこのシーンしかなかったからだよね(笑)。
と揶揄りたくなるほどキアヌの出番が少なかった、のに、なぜかシリーズ中今作が一番抵抗なく楽しめてしまったのだった。私は本当にキアヌが好きなんだろうか。相変わらず天の邪鬼なファンでごめんねキアヌ。

つまり今作は、私のようにこれまでの話に全然ついていけてなかった人でも観ててそれなりに楽しめる、いわゆる普通のアクション大作的要素が強い。だから逆に、きちんとストーリーを理解して前作までの哲学ワールドに魅力を感じていた人は激しく失望してしまうかもしれません。序盤を除いてほとんど戦闘シーンがメイン、主演救世主不在のままガンダムかと思うようなギア操って大戦争始めちゃってもう趣味丸出しお金かけまくり、監督あんたら結局これがやりたかったのか!やっぱり普通のオタクじゃん!と、私は三作目にして初めてウォシャウスキー兄弟に親近感を覚えました(笑)。もちろん劇中随所に暗喩的コードが散りばめられてるあたりは今まで通りなんだけど、一方でミフネ+キッドとか果敢に戦うジーの姿とかベタでありがちなプチ感動煽りエピソードを挿入したりして、もうほとんど何の映画だかわからなくなってるところが素晴らしいです。いや、皮肉ってるわけじゃなくて、ほんとに。これで終わりだやりたいようにやってやるぜ!という熱意が感じられたというか、なんかRPG強制擬似体験みたいだったリローデッドよりも、私は断然こっちが好きだ。
結末もね、もっと荒唐無稽に意表を突いてくるかと思ったら意外と正攻法で、そこも好感持てました。ああいう救世主のあり方って私は嫌いじゃないヨ。これってそもそも、ごく普通の冴えない会社員が実は救世主だった!ウソだらけの現実を抜け出して本当の世界で人類を救うんだ!そして大事なのは愛なんだ(笑)!っていう話なわけで、本質的には結構王道ファンタジーなんじゃないかなあ。切り口がサイバーSFなだけで。


それにしてもあのザイオンでの戦闘シーンはすごかった。というかミフネ隊長がすごかった! まじびびった。ちょっとあの気合いの入り方は半端じゃないです。神風特攻隊かと思いました。観てるこっちが迫力負けっていうか、なんだろうあれは…日本人てやっぱああいうイメージなんですか…?(笑) いろんな意味で見どころ満載です、このシーン。
それから、これは前作でも思ってたんだけど、ナイオビが超かっこよかった。ジャダ・ピンケット=スミスって線が細くて小柄な人なのにどうしてあんなにカッコイイ雰囲気が出せるんだろう。惚れた〜。

で、キアヌ。や、今回は良かったですよキアヌ! 前作よりも抱き締めたさ7割増(当社比)。私はもともとバシッとキメてるキアヌにはあまり興味がないので、不安げだったり泣きそうだったり(実際泣いたり)してるシーンが多い今作は個人的にたいへんツボでありました。マトリックスで初めてキアヌをイイと思ったよ。序盤で船を貸してと頼む時「上手く説明できそうにないから、ひとことで言う」って言ったのが、ネオの台詞じゃなくてまるでキアヌ本人の言葉みたいでなんか微笑ましかったなあ(笑)。


あー他にも、モニカ・ベルッチの胸はすげーな!とか色々ツッコミたいことや笑えたところがあったのにもう細かく憶えてなくて悔しいです。もう一回、今度はアイマックスで観てやろうと目論み中。あ、あと余談ですが、ドラゴンボールの映画化はぜひウォシャウスキー兄弟にやらせるべきだと思いました(笑)。きっと天下一武道会を忠実に映像化してくれることでしょう。




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マトリックス レボリューションズ
【THE MATRIX REVOLUTIONS】

2003年 アメリカ / 日本公開 2003年
監督:アンディ&ラリー・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、
ヒューゴ・ウィービング、ジャダ・ピンケット=スミス
(劇場鑑賞)


2003年11月11日(火) インファナル・アフェア

うーむ、やられた。これは面白かった。見応えあります。

警察に潜入したマフィア組員とマフィアに潜入した警察官、10年に渡って仮の姿で生きてきた二人の男の運命が、ある大きな麻薬取引をきっかけに動き始める。内部スパイの存在に気付いたそれぞれの組織は、まさに潜入者である彼等に裏切り者を探し出すよう命じるのだった。そうして互いにがんじがらめの状態のまま対立することになるトニー・レオンとアンディ・ラウ。かっ…カッコイイ…!

この映画はもう完全に脚本の勝利っていうか、一種のエンターテイメントではあると思うんだけど、でも純粋にドラマ性だけで勝負している(そして実際そのドラマに引き込まれてしまう)ところがすごいです。例えばこの前の「リーグ・オブ・レジェンド」のように、内容は薄っぺらいけどとりあえずアクションとVFXで押し切っちゃえー!みたいなハリウッド映画とちょうど正反対。あるいはまた、「マッチスティック・メン」「閉ざされた森」のようにどんでん返し的意外性で観る者を驚かすシナリオとも違う。派手にCG使ったり奇を衒った演出は一切せずに、純粋にストーリーの面白さだけで最後まで引っ張るわけです。現実にこんなことあるわけないじゃん!とかそういうツッコミ方もできるけどこういう映画でリアリティをどうこう言うのも野暮な話で、あくまで物語として素晴らしい出来映えなのだからそこを満喫すべきでしょう。出だしはスピーディな切り貼りショットでちょっと戸惑うかもしれませんが観てるうちにぐいぐい引き込まれるから大丈夫。サスペンスとしても十分楽しめるし。


二人の極秘潜入は若い頃から10年に及ぶんだけど、10年もあると身を置いている方の組織での生活がしっかり構築されてしまうわけで(ボスや上司との関係とか部下からの信頼とか)、その辺の自我の葛藤が何とも切なかった。二人とも、素質があるからこそ潜入者に抜擢された切れ者なわけですよ。本来ならば自分らしく生きているはずだった、そんな彼等の誰にも言えない孤独と苦悩、やるせない哀しみ。最後まで観ると原題「無間道」が胸にズシンと響きます。運命に翻弄されつつも男が自ら身を置く地獄、絶え間ない責め苦が続き、死すら許されぬ無間地獄。うう、泣かせる〜。


しっかしまあ、アンディ&トニー、二人ともいい男です。ちょっと甲乙付けがたいものがありますが、でも強いて言うなら私はトニー・レオン派かなー。だってこの人上目遣いするんだよ!それがまた捨て犬みたいな哀しげな瞳でさ、あんな目をされちゃったらもう、映画館にいた女子は全員身の程知らずにケリー・チャンになりきって心の中で彼を抱き締めたに違いありません。警部が目の前で殺された時の、今にも泣き出しそうにわなわなと震える瞳とかたまらなかったです。ああトニーーーラブーー!
いやもちろん、演技は二人とも素晴らしいですけど。そして素晴らしいと言うならば双方のボスを演じた二人も迫力あってすごく良かった。普段ハリウッド映画に毒されてる私みたいなミーハーにとっては色んな意味でたいへん新鮮な一作でありました。




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インファナル・アフェア 【INFERNAL AFFAIRS:無間道】 

2002年 香港(中国) / 日本公開 2003年
監督:アンドリュー・ラウ
出演:アンディ・ラウ、トニー・レオン、
アンソニー・ウォン、エリック・ツァン
(劇場鑑賞)



2003年11月10日(月) 恋は邪魔者

舞台は60年代ニューヨーク。街に来たばかりの新進女流作家と超プレイボーイジャーナリストの恋の駆け引きを描いたラブコメです。主演レニー・ゼルヴィガー&ユアン・マクレガー。

もっと唄あり踊りありのハチャメチャなラブコメを想像してたらそういうわけでもないのね。というか、下手にオチがあるストーリーにせずとも、単純な話でいいからミュージカル仕立てみたいな感じで華やかに盛り上げた方が楽しかったんじゃないかなーとちょっと思いました。せっかく実績のある二人が主演なのにデュエットがエンドロールだけなんて勿体ないじゃんよ。
いや、基本的には楽しかったんです。けど、でもやっぱり今このタイミングでレニーとユアンの顔合わせとくれば観る方は(無意識的にせよ)「シカゴ」+「ムーランルージュ」的なノリを期待してしまう部分があるでしょ。だからその分観賞後の物足りなさが割り増しされてしまうのではないかと。豪華なキャストで逆に損をしてしまったというか、あれ?もっと踊らないの?もっと唄わないの?と、この二人だからこそ思ってしまう。


個人的に良かった点は、ユアンのシャツの脱ぎっぷりです(笑)。こう、ババーッ!と、ボタンちぎれ飛ぶくらいの勢いで(実際飛んでたかも)、実に豪快、潔い。やはりユアン・マクレガーたるもの潔さで勝負していただきませんとね。自分のセールスポイントをよく分かっていらっしゃる。
いや、真面目な話、ユアンって、私そんなに積極的ファンなわけじゃないので普段は何とも思わないんだけど、こうしてスクリーンで動いてる姿を見ると突如好き度がアップしてしまうというなんか不思議な人なのです。あの目つきが、恋する眼差しがいいんだよなー。今回も女たらしの役だというのに瞳がやたら純真だったと思いません?…って、あれ?私も騙されてますか?(笑) それもプレイボーイの手口なの?
そしてレトロな髪型も素敵でした。…くふ(含笑)。

あとは、街の風景やファッションやインテリアなんかがカラフルで見ていて楽しいです。雰囲気を楽しむ映画かな。





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恋は邪魔者 【DOWN WITH LOVE】

2003年 アメリカ / 日本公開 2003年
監督:ペイトン・リード
出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、
サラ・ポールソン、デヴィッド・ハイド・ピアース
(劇場鑑賞)



2003年11月08日(土) “アイデンティティー” (+ジョン・キューザック克服)

※ 内容に触れてます。予備知識なく観た方が楽しめる作品だと思うので、未見の方は下の■■■まで飛ばしてください。






豪雨によって閉ざされたモーテルに集まった10人の人々。互いに面識はなく、ここで出会ったのは完全に偶然であるはずの彼等だったが、なぜか一人一人次々と殺されてゆく。しかも奇妙に猟奇的だったり、殺された人は皆番号札を持たされていたり、突然死体が消えたり、状況は非常に不可解。一体何が起きているのか?そして犯人は?

「マッチスティック・メン」とか「閉ざされた森」のように“結末は言わないで下さい”系の作品なんだけど、オチを明かして観てる人が呆気にとられてるうちにさっさと切り上げちゃうタイプとはちょっと違って、どういう事態だったのか真相が解明されてからもしばらく話が続くところが面白かった。謎解きミステリに見せかけて実はサイコサスペンス、この辺クローネンバーグの「スパイダー」なんかとちょっと通じるものがあるんじゃないかなあ。純粋な推理モノとして観てしまうと「何それズルイよー!」ってことになるんだけど(笑)、入り組んだ精神ドラマと受け取れば凝ってて(むしろ凝りすぎ!)なかなか面白いのではないかと。よーく思い返すと各所に伏線がはられていたりして最初からもう一回見直したい感じ。しかしそれはそうと、このポスターはどう考えても見るからにネタバレなのでは…(笑)。まあ観た後じゃなきゃわからないことだからいいけどね。







■■■ (以上ネタバレ終わり) ■■■


ところで今回我ながら意外だったのが、ジョン・キューザックを抵抗なく受け入れられたこと。実をいうと私は前からこの人が苦手で、なぜならば、彼は昔「トゥルー・カラーズ」という映画の中で私のジェームズ・スペイダーを騙して裏切って陥れたからです(笑)。相変わらず本人と役柄の区別がついていないバカ女ですみません…。っていうかそれを言うならスペイダーだって他の映画では比べモノにならないほど恨み買いまくりのえげつない役をやってるんですけど。ええわかってますとも、ハイ。
誰も知らないと思うからちょっと説明しておくと、「トゥルー・カラーズ」('91米/未公開)っていうのは、男同士の友情と裏切りを描いたドラマで、キューザックとスペイダーは学生時代からの親友なんだけど、金持ちのボンボンでいろいろ恵まれてるスペイダーにもともと劣等感を抱いてたキューザックが、次第に彼を欺き裏切って政界でのし上がっていこうとするのね。素知らぬ顔でスペイダーの恋人を奪ったり買収に応じたりするキューザックの憎たらしさがあまりに絶品だったので(誉めてます)、その時以来私はジョン・キューザック=腹黒い人・信用ならない人・胡散臭い人というイメージを持ってしまい(バカだなホント…)、それで何となく出演作を敬遠していたわけです。
でも今回久々に見てみたら意外と平気だった。なんだろう。不思議。なんか克服できた感じ?ていうか結構いいじゃんジョン・キューザック。実はキューザックだから避けていた「セレンディピティ」も今度借りてみるかなあ。


それでまた唐突に「“アイデンティティー”」に話を戻しますが、この監督って「ニューヨークの恋人」の人なんだってね!全然ジャンルが違うじゃん!びっくり〜。でもどっちも面白かったし、この監督とは相性いいかも。次作が楽しみです。



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“アイデンティティー”
【IDENTITY】

2003年 アメリカ / 日本公開:2003年
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、
アマンダ・ピート、レベッカ・デモーネイ
(劇場鑑賞)


2003年11月06日(木) リベリオン

あー実は映画館で観てまだ感想書いてない作品がずいぶん溜まっていて、ほんとはDVDの感想なんか書いてる場合じゃないんだけど、でも!でもこれは何を差し置いても先に感想書きたくなるくらいに私好みだった! カッコ良すぎますベール王子! ああん絶対スクリーンで観たかったよ〜。っていうか実際観るつもりでいたのにどうして見逃しちゃったんだろう私のバカ!バカ!

えーと、ジャンルはアクションでいいのかな。舞台は第三次世界大戦を経験した後の近未来、ここでは新たな戦争を回避するという名目で人々が感情を持つことを禁止しているのね。感情を抑制する薬があって、その摂取を国民に義務づけている。クリスチャン・ベール扮する主人公も毎日せっせと薬を打ってる無感情人間、しかも〈ガン=カタ〉という銃と拳法を融合させたみたいな特殊な武術を駆使して違反者を摘発するエリート中のエリート警官なんだけど、ある日ふとしたきっかけから感情を取り戻してその大切さに気付き、以後は密かに薬をやめて体制への反逆の機会を狙う。

「全ての感情を抑制する」って結構無理がある設定だと思うし他にも展開的につっこみ所はあるんだけど、とりあえず細かいことは気にせず一気に楽しめます。勢いがあってスタイリッシュで、何と言っても“ガン=カタ”がカッコイイ〜! ただ銃を撃つだけじゃなく、相手の立ち位置とかを即座に計算し、自分のダメージは最小限・相手への攻撃は最大限になるように動く最強の武術。って、なんかわかったようなわかんないような理屈で(笑)言葉だと上手く説明できないんだけど、実際目にするとこれが何とも新鮮なのよ。こういうの初めて見たなあ。ジャキンジャキーン!とまるでマジシャンのように袖口から銃を出し華麗に戦うベール王子の勇姿、ぜひ貴方自身の目でじっくりとお確かめ下さいフフ…(誰)。 そしたらこの映画、製作にヤン・デ・ボンが絡んでるんだってね。へえー。なるほどねー。


んで、ガン=カタとともに見どころなのが、主演のクリスチャン・ベール王子の無表情ぶりです。いや惚れるって!まじで!(笑) なにしろ感情がない役だから(序盤は特に)徹底して無表情を決め込んでいるんだけど、このポーカーフェイスが超coooooool!



無表情ベール王子・黒服バージョン 無表情ベール王子・白服バージョン いつもとちょっと印象が違ったエミリー・ワトソン


そして中盤から徐々に感情を取り戻してゆく過程がまた非常に良い感じ。無表情だと思って油断してると突然豪快に泣き出したりするので終始目が離せません。あああ素敵です王子! 一見優男に見えて脱ぐと意外と筋肉もりもりだったりするところもグー!です。あと声がちょっとキアヌに似てる気がするところもグー!です。(それは個人的事情)

こうしてナイスなクールガイに徹していらしたベール王子ですが、普通に笑うと素顔はこんなに可愛いことも発見。うひゃーこりゃまたえらい男前じゃないすか王子!たまらん!


キャストは他に、最近よく見かけるテイ・ディグス(「シカゴ」とか「閉ざされた森」に出てたよね!)、ヒロイン役でエミリー・ワトソン、あと冒頭ちょこっと(でも結構美味しい役どころだと思う)ショーン・ビーンも出てきます。面白かったー。DVD買っちゃおうかなー。




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リベリオン-反逆者- 【EQUILIBRIUM】

2002年 アメリカ / 日本公開 2003年
監督:カート・ウィマー
出演:クリスチャン・ベール、テイ・ディグス、アンガス・マクファーデン
エミリー・ワトソン、ショーン・ビーン
(DVD鑑賞)


2003年11月05日(水) リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い

ていうか別に時空は超えてないじゃん!とまず始めにつっこんでおきますけれども(笑)。


つっこみ所はそれだけにとどまらず、何というかこれは、期待していた通り(むしろそれ以上)の娯楽映画でしたよ。ノーチラス号が出てきたり「ハルク」が出てきたり(<違います)、もう見るからにお金かけまくってる感じなんだけど、如何せん肝心のストーリーがヌルい。古典名作のヒーロー達が集結するというお話で、まあ考え方によってはこの設定だけでそれなりに魅力的なのかもしれませんが、でももう少し観てる人を引き込む話にしてほしかったなあーというのが正直な感想。不死身のキャラを登場させる時点で緊張感は半減してしまうわけだし(だって「死なない」人が戦ってたってハラハラしないもん)、その分割り増しするくらいの勢いで脚本にチカラ入れていたら結構ヒットしてたかもしれません。しなかったかもしれません。どっちだ。

ただ、ハリウッド万歳!派な私としては、これで十分楽しかったです。全然オッケー。とりあえず派手なら満足。ブラボー娯楽。そして予想通りドリアン・グレイ萌え。スチュアート・タウンゼントのドリアンっぷりにもうメロメロでございました。「暴力の次は快楽に耽る」とか言っちゃって、いやあこれにはシビレたねぇ! それでこそドリアン・グレイ、放蕩と退廃に身を委ね背徳も享楽も意のままに弄んだ19世紀最後の美の殉教者。オスカー・ワイルドが世に生み出した永遠の美青年。剣に長けていたとは思えないけどこの際細かいことはいいでしょう。Bomb! Bon voyage! きゃ☆
そういえば目の前で“食事”をしているヴァンパイアを見守る目つきがいかにも意味ありげな気がしたんですけど、あれはやっぱり血の味が恋しくなってしまったということですかレスタト王子! もうねえ、レスタト演った後にドリアン・グレイだなんて、どこまで私のツボをえぐれば気が済むんでしょうかこの人は。素顔の状態でいるよりもゴシックなコスプレに身を包んだ方が絶対映えるタイプだと思います。是非ともこのまま耽美路線を突っ走ってくれタウンゼント!

でもそんなタウンゼントの次回作は「コール」。うっ…全然普通の人じゃんよ…残念…。(いや多分観に行くけどさ)





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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
【THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN】

2003年 アメリカ / 日本公開 2003年
監督:スティーヴン・ノリントン
出演:ショーン・コネリー、スチュアート・タウンゼント、ペータ・ウィルソン、
シェーン・ウェスト、ジェイソン・フレミング、トニー・カラン、
(劇場鑑賞)



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