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2003年10月30日(木) |
キル・ビル Vol.1 |
うはーバイオレンス炸裂。やってくれたぜタランティーノ!イッちゃってるYO! 腕が飛び、脚が飛び、首が飛び、腑は弾け、噴水のごとく血しぶきがあがる。ヤクザとカンフーとマカロニ・ウエスタンへの執着、こだわりの音楽、ありえなさすぎる展開、暴走したB級テイスト…ああ目眩くタランティーノ世界。最高! これはね、問答無用のオタク映画ですよ。宣伝にのせられてクールでオシャレなエンターテイメント大作を観に来たつもりの方々には本当にご愁傷様でした(笑)。例えば「S.W.A.T」とか「パイレーツ・オブ・カリビアン」と同じような感覚でデートコースに組み込んだりするのはやめたほうがいいです。激しく観る人を選ぶ作品というか、同じオタク映画でも「マトリックス」なんかとは性質がまるで違って、これは予めタランティーノに対する理解がないとちっとも面白くないのね。興行的にもそれほどいかないんじゃないだろうか。いやむしろそれで当然だという気もするが。受け入れられない人の方が多数派だと思うし。
だいたいタランティーノも、6年ぶりの新作!とか、満を持しての復活!とか、発表前にこれだけもてはやされていながら万人ウケしようと下手な色気を出したりせずに、とことん徹底して自分の世界を追求したところがスゲェよな(笑)。オタクの鑑だよ。どの雑誌のインタビュー記事を見ても子供みたいなはしゃぎっぷりで「梶芽衣子は最高にクールだぜ!」とか「見て!見て!このシーンは撮っててマジで興奮したよ!」とか「千葉真一とデヴィッド・キャラダインを僕が演出できるなんて夢みたいだ!」とか相変わらずのマシンガントークを繰り広げてるし、なんか私はこの人のこういうところがすごく好きです。もう大好きだ。その少年のオタク魂をいつまでも失わずにいてほしい。
ストーリーは(今更言うまでもないけど)、結婚式当日に夫とお腹の子供を殺された主人公が、手を下した奴ら一人一人に復讐していくというお話。ほんとにそれだけ。ああ何書いてもネタバレにならない単純な話ってスバラシイ!(笑) 今日は思う存分語れるよ。 で、誰もが指摘してることですが日本刀抱えたまま平気で飛行機に乗ってたり全編に渡ってツッコミ所満載。ここまでやりたい放題だと爽快で気持ちいいです。ルーシー・リューとの対決の舞台である「青葉屋」(漢字は多分これでいいんだよね?)も、障子をスパーン!と開けたら突然しんしんと雪が降り積もる日本庭園が広がっていたりして(二階なのに!)、一体どういう構造だよ!!ってきっと誰もが心の中でツッコミを入れたであろう。おそらく真っ白な雪に赤い血が飛び散る様を撮りたかったんだと思うけど、とにかく終始一貫こんな調子で、前後の辻褄も常識もまるで無視して「これがやりたい!」「これが撮りたい!」という監督の趣味とロマンだけで二時間ずんずん突き進んでいく、そういう映画なわけ。
それにしてもユマやルーシーが喋るあやしい日本語は面白かった。片言なのに加えてヤクザ映画とか時代劇の影響丸出しの古風な言い回しだから、日本人でも聞き取るのに苦労するんだけど。例の「ヤッチマイナ!」で待ってましたとばかりに会場がどよめき、「マダ命ノアル者ハ持ッテ帰リナ、タダシ、落トシタ手足は置イテイケ」とかその辺の長台詞であちこちからクスクス失笑が聞こえ始め、そしていよいよ決戦のシーン、「サッキハ・馬鹿ニシテ・悪カッタ・ネ…。行クヨー!」「来ナ!」に至って有楽町丸の内ピカデリーは壮絶な爆笑の渦に包まれました(笑)。いやほんとに! アメリカ人が話す辿々しい日本語って日本人から見ると独特の面白さがあるわけですが、このあたりアメリカではどうなんですかね?みんな神妙な顔して見てたりするんでしょうか(笑)。なんか「ライジング・サン」のショーン・コネリーを思い出しちゃったよ。あの映画の「フザケルナ!」にも笑った笑った。(また古いたとえですみません) 蛇足ながら付け加えておくと、私は別にありえない日本描写を馬鹿にしてるのではなくて、というのはつまり、タランティーノが目指したのは現実に存在する日本社会を描くことではなく、あくまで彼が心酔した映画の中のイメージとしてのジャパン、ヤクザ映画や時代劇へのオマージュをやってるのね。だから「今時そんな日本語使わねーよ」とか、そういう日本のリアリティに関わるツッコミはこの映画では全て無効、ナンセンスこの上ない的外れな指摘になってしまうと思われます。
あとさ、やっぱタランティーノは音楽がいいよね! 思わずサントラ買っちゃったよ〜。布袋さんの「新・仁義なき戦い」とか超カッコイイし、ウイークエンダー…じゃなかった(年齢限定ネタ)、「アイアンサイド」は懐かしいし。とりあえず今度カラオケ行ったら「修羅の花」(by梶芽衣子)が歌えるくらいの勢いで聴いてます(笑)。そんな感じ。Vol.2が楽しみだ!
****** キル・ビル Vol.1 【KILL BILL: VOL.1】
2003年 アメリカ / 日本公開 2003年 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、デヴィッド・キャラダイン、 千葉真一、栗山千明、ジュリー・ドレフュス (劇場鑑賞)
2003年10月27日(月) |
一言感想(「私の男」「ハモンハモン」「不思議惑星キン・ザ・ザ」) |
ということで最近おうちで観た三本、一気に行きます。
■ 私の男
実はしつこくまだ続いていたオリヴィエ・マルティネス祭り。これで現在ビデオで観られる彼の出演作はあらかた制覇したのではないでしょうか。すごいじゃん私!ええ、いい男のためなら努力は惜しみませんから!(きっぱり)
無職でフラフラしてるところを見初められて(笑)「あなたの子供が欲しいの」って、いやあ実に面目躍如な役でしたね。チンピラとかヒモとか胡散臭い優男をやらせたら右に出る者なしだな。「運命の女」がもう一回観たくなってきたよ…。
■ ハモンハモン
何がびっくりしたって、ちょっと、ハビエル・バルデムさんってこういう人だったんですか! いいいい色気むむむむムンムンじゃないですか!(ハァハァ) 「夜になるまえに」とのギャップの激しさに本気でうろたえてしまいました。本物のフェロモンてこういうことなんでしょうか。頭のてっぺんから足の先まで全身がセックスアピール。これに比べたらオリヴィエ・マルティネスなんて淡白この上ないですよ! アンナ・ガリエナとかペネロペ・クルスとか出てて、女性陣も負けじと色気振りまいている映画です(笑)。いい感じ。なかなか面白かった。
しかし、前回の「六月の蛇」も含めて、「私の男」「ハモンハモン」と比べてみると、日本とフランスとスペインの性に対する構え方の違いみたいなのが感じられてちょっと興味深いですね。もちろんこの三作だけで国民性をどうこう言うなど早計であることは先刻承知でございますが、でもやはりそれなりにお国柄が垣間見えるのではないかと。(って全然感想になってませんね。すみません。)
■ 不思議惑星キン・ザ・ザ
クー!!何だこりゃ!気に入ったぞクー!教えてくれたへつさんありがとうクー!クー!!
不思議惑星っていうより猛烈に不思議映画です。それも脱力系。およそ私の知る限り最も気の抜ける映画でした。クー! いちおうジャンル的にはコメディだと思うんだけどいわゆる普通のコメディとは全然違って、テンポも遅いし無駄に長いしネタを仕掛けて笑わせようとするわけでもない、それでいて間合いは絶妙でキャラは可笑しいし小道具大道具のデザインがまた独特でクセになるというか、あーもう何て言えばいいんだろう、この素晴らしいナンセンスぶりはちょっと言葉で説明できないよ。知りたかったらとりあえず観て!(このあたりご参考に)
ある日モスクワの街角で異星人らしき人に道を聞かれて(まずこの唐突な出だしからしてスゴイよな…)、たまたまその場に居合わせた主人公二人(←見知らぬ他人同志)がその異星人の瞬間移動装置でキン・ザ・ザ星雲に飛ばされてしまうという話。この惑星では変な格好して「クー!」って言うのが基本挨拶で、これ見ると絶対マネしたくなります(笑)。っていうか挨拶以外もほとんど「クー」なんだけど。わずかな単語以外は全て「クー」で事足りる。そんな摩訶不思議素敵世界キン・ザ・ザ。 あと、ここでは自ら檻に入って芸をやらなければならなかったり、異邦人は鼻に変な鈴を付けなければならなかったり、何故かマッチが珍重されていて一本(一箱じゃないよ!一本だよ!)で宇宙船の加速器が買えたりする。そしてキン・ザ・ザ星人は結構嘘吐きで薄情なのに憎めなかったりとか、主人公のおじさんはこんな状況なのに妙に冷静でちょっとカッコイイじゃんとか思っていたら実は結構情に厚いタイプだったりして(笑)、とにかく何だかよくわからない(けど妙にツボな)意味不明設定満載です。あと、宇宙船のデザインとかがめちゃくちゃレトロ。ヴィジュアルが全体的に、なんか前衛芸術みたいなの。
ほんとに上手く言えないんだけど、カルトとかシュールっていう言葉はこういう映画を表現するためにあるんじゃないかと思いました。かなり異色。でも面白かった! クー!
****** 私の男 【MON HOMME】
1995年 フランス / 日本公開 1996年 監督:ベルトラン・ブリエ 出演:アヌーク・グランベール、ジェラール・ランヴァン、 オリヴィエ・マルティネス (ビデオ鑑賞)
****** ハモンハモン 【JAMON JAMON】
2002年 スペイン / 日本公開 1993年 監督:ビガス・ルナ 出演:ペネロペ・クルス、アンナ・ガリエナ、 ハビエル・バルデム、ジョルディ・モリャ (ビデオ鑑賞)
****** 不思議惑星キン・ザ・ザ 【KIN-DZA-DZA:Кин-дза-дза!】
1983年 ソ連 / 日本公開 1991年(2001年リバイバル) 監督:ペペ・ダンカート 出演:エフゲニー・レオーノフ、スタニスラフ・リュブシン (DVD鑑賞)
この日たまたまメガネを家に忘れてしまって、うわーしまったー!字幕が見づらいー!と一瞬焦ったのですが、よく考えたら別に大丈夫じゃんね、邦画なんだから(笑)。珍しく邦画が続いてます。(ってたった二回だろうが)
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六月、鬱陶しい梅雨の東京。サラリーマンの夫と平凡な生活を送っていた主人公のりん子のもとに、ある日突然、彼女の自慰行為を隠し撮りした写真が送られてきた。差出人は以前仕事で電話相談を受けたことがある男で、彼はその後もりん子にストーカー的に電話で接触し、さらなる恥辱的行為を要求するのだった。妻の官能的な一面に気付いて戸惑う夫もやがて事態に巻き込まれ、三人が関わり合って性が、欲望が、六月の雨の中で解放される。
全編青みがかったモノクロ映像、セリフも少なく展開に十分な説明があるわけでもなく、無論ストーリーはあるけれどもどこか感性に訴えるような雰囲気というか、つまり普段の私だったら「あーもう!だから邦画は苦手なんだよー!わかんないよー!」とか言ってるだろうと思われる(笑)仕上がりなんだけど、本作に限ってはすごく納得で満足だった。というのは、実は夏頃映画より先に本の方を読んでいて(感想は→こっちの日記7/9に)、今回の映画はこの小説から受けた印象をそのまま映像化してくれたという感じだったのね。非常に良い意味でイメージ通りだった。この単行本は、塚本監督自身の作で「六月の蛇」の活字版といった趣なのですが、ストーリーはあくまで映画に忠実、それでいて映像に馴染まない部分がさりげなく言葉で説明されていて、映画の理解に役立ちます。何て言うか、本と映画が絶妙に補完し合っている。いわゆる“原作”でも“ノベライズ”でも“脚本”でもない、こういうのってちょっと珍しいんじゃないかなあ。
このお話は、表向きりん子の性の解放が主軸になっているのだけれども、同時にりん子と夫とストーカーという、その三人の関係性が非常に重要だと思いました。りん子夫婦の過去だとか男がどうやってストーキングに至ったかとか、映画ではそういうことには一切触れられず、ただ彼等が相互に関わり合ってからの展開だけをひたすら描く。そうして三人揃って迎える雨の中のクライマックスはものすごい引力、圧倒的な絶頂感でありましたよ。その後全裸ずぶ濡れのままで微笑した黒沢あすかの美しいこと! 欲望果てた直後だというのにいらやしさは微塵もない、ベネチアもあの凛としたアルカイック・スマイルに打たれたのではなかろうか。
ひとつ残念だったのは、今が十月であること。どう考えても爽やかな秋空が似合う映画ではありません(笑)。やっぱり頑張って六月中に観ておけば良かったよ! 常に息苦しく、じっとしていても汗ばむような東京の梅雨にこそふさわしい一品でありました。
****** 六月の蛇 【A SNAKE OF JUNE】
2002年 日本 監督:塚本晋也 出演:黒沢あすか、神足裕司、塚本晋也 (劇場鑑賞)
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と、ちょっとアジアンな顔ぶれの映画が続いただけで実はもうすっかり金髪碧眼禁断症状が出てしまっているわたくしでございますが。あああ笑って眺めてツッコミ入れて楽しめる荒唐無稽なハリウッド映画が観てーよ! 求む娯楽! とりあえず今狙ってるのはですね、リーグ・オブ・レジェンドと、あとはやっぱり、キールービール〜! 近いうちに絶対観に行きます! 期待してるぜタランティーノ!
10/20・21の二日間、新宿のシアターアプルで上映されてました。友人が招待券を持ってるというのでちゃっかり便乗。いやあナレーションが入ったり誰かが登場するたびに“三代将軍 徳川家光”(←毛筆フォント)とかばばーんとテロップが出たりする時代劇を久々に観たよ。まあそうは言っても完全な時代劇というよりほとんどSF、山風大先生の同名原作の映画化です。島原の乱で命を落とした天草四郎が甦り、彼が用いる妖しの秘術によって宮本武蔵やら柳生但馬守やら歴史に名立たる剣豪達が一同に集結!…って、あれ?もしかして和製「リーグ・オブ・レジェンド」…?(違います)
たしか窪塚君が主演の映画でしょ?程度の予備知識しかなかった不届きな私ではございますが、比較的エンターテイメントな感じに仕上がっていたのでそこそこ楽しめました。キャストも豪華だし。ただ、全体的に説明不足で大味です。アクション(チャンバラ)がすごい!とかCGがすごい!とか(部分的にはすごい所もあったけど)、ストーリーが上手い!とか、どこかひとつでもおおっ!と思わせる面があればよかったのに。 特に窪塚君は主役なのにいまいち影が薄くて残念だった。でもこれは別に彼が悪いわけではなくて脚本が弱い所為じゃないかと思うんだけど、つまりバランス的に柳生十兵衛vs.魔界の刺客達の戦いに比重がおかれてしまったために、じゃあ天草四郎って何だったの?結局何がしたかったの?単なる錬金術師?みたいな疑問がちょっと残ってしまうのね。しかもラストは割とあっさり成敗されてしまうので少々物足りない。その辺原作ではどうなってるんだろう。原作ちょっと読んでみたいな。面白そうだよ。 あーそういえば全然関係ないんだけど、観てて何となく篠原烏童の「セフィロト」(むしろ「不法救世主」の方か?)を思い出したなあ。話はまったく違うのにどことなく雰囲気が似てるというか、「いずれまた必ずや相まみえようぞ!」とかそんなセリフこっちにもあったような。
えーとそれで、魔界側の刺客達でいい味出してたのは、まず加藤雅也。目つきがワイルドで素敵。私やっぱこの人カッコイイと思うんですけどどうかしら。「マッスルヒート」の時もそうでしたが、あんまり歳をとらない気がします。二十年前近く前から印象がほとんど変わらない。あとは、古田新太が良かったです。「恋に唄えば♪」の時はう〜んなんだかなあ〜って感じだったけど今回すごくハマり役だった。時代劇特有の大仰なセリフがサマになっていて、これって発声・発音がしっかりしてるってことだろうなあ。 最初のこの二人が良かったからこの後の魔界人はいまいちインパクトに欠けてしまった感じでした。あ、でも麻生久美子はなかなか良かったな。インパクトという点では家康を演じた麿赤兒もかなりのものがありましたがね(笑)。ハンニバルのゲイリー・オールドマンといい勝負ですね!(嘘です) それから杉本哲太って髷が似合うじゃん! ちょっと意外な発見でした。
****** 魔界転生
2003年 日本 監督:平山秀幸 原作:山田風太郎『魔界転生』 出演:窪塚洋介、麻生久美子、 佐藤浩市、杉本哲太 (劇場鑑賞)
これはねぇ、公開してる時からもう気になって気になって、絶対観たいと思いつつも確か新宿の映画館でしか上映してなくて、それで何となく見逃しちゃったんですよ。その後しばらく経ってから今度は大森で上映され始めたんだけどこっちはあっという間に終わっちゃうしさ。で、このたびDVDになったところでやっと悲願達成と相成ったわけですが、…いやはやこりゃまたえらい私好みの一品でありましたよ。無理してでも映画館で観とけばよかったぜチクショー!
主役はソウルで殺し屋をやってる4人の青年、彼等はどんな仕事も失敗したことがない殺しのプロフェッショナルなんだけど、ある日かつてないほどの難しい依頼が舞い込んでくる。折しも警察も彼等に気付き厳戒態勢が敷かれ始める中、4人はこの仕事をどう成功させるのか。 …とか書くと、まるでハードボイルドかと思うでしょ?クールな犯罪サスペンスかと思うでしょ? ところがどっこい全然違うんですよ。はっきり言って、ストーリーは全然ダメです。お話になりません(笑)。二時間ドラマのようにチープな演出、おまけに冗長、展開のありえなさ度はほとんどマンガの域です。コメディに分類してもいいくらい。
でも、でもね。それら全ての難点はウォンビン君の可愛らしさによって帳消しになるのです。ちょっとやばいですよこの子のカワイ子ちゃんぶりは! いっそあざといくらいにキュートというかなんというか、4人の中では一番下の弟分なんだけどさ、もう見るからに弟キャラで「疲れたよー」とか「ぼくも銃が撃ちたいよー」とか駄々こねたりして、それで拗ねるし泣くし甘えるしあああこの可愛らしさは反則だっつーの! “コンピューターが得意な最年少”という触れ込みの割にパソコンいじってる場面なんか一度も出てきませんでしたが(笑)そんな些細なことはノープロブレム無問題です。わたくしの万国可愛い男セレクション韓国代表に決定。いや、「これが愛というものなんだ!」のシーンでは大笑いさせてもらいましたけど。 彼は、若かりし頃のキアヌを彷彿とさせる可愛らしさだというウワサを以前小耳(小目)に挟んだことがあったので、実は結構前から気になっていたんだよね。ま、あんまりそういう感じはしませんでしたが。キムタクとV6の三宅君を足して二で割ったような、なんつーか典型的な子犬顔の人ですね。(→参照)
あとウォンビン君だけでなく、主演の4人全員がなんかキャラ的に妙にかわいくてその辺もグーです。だって殺し屋のくせしてニュースキャスターのお姉さんに憧れてたりするんですよ。4人揃って毎日テレビの前でうっとりしてたりするんですよ。普通ありえないだろそんな設定! でもかわいい!(萌)
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****** ガン&トークス 【GUNS & TALKS】
2001年 韓国 / 日本公開 2003年 監督:チャン・ジン 出演:シン・ヒョンジュン、チョン・ジェヨン、 シン・ハギュン、ウォンビン (DVD鑑賞)
2003年10月13日(月) |
マッチスティック・メン |
これから観るつもりの人は以下読まない方がいいです。予備知識がないほど楽しめる。できれば予告編も、テレビCMすらもシャットアウトした上で鑑賞に臨まれることをおすすめします。(今更無理かそれは)
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えーとまず不満だったところから率直に言ってしまうと、ラスト(というか本当のオチ)がちょっと気にくわなかったです。なんか後味があまり良くないというか、私は甘チャンなので最後にニヤリとできてあー楽しかった!とハッピーに終われる詐欺モノが好きなんだけど、これはそういう感じとは少々違う…、…ってそれは単に私が個人的にニコラス・ケイジの味方だからかしら。まあそう言われればそうかもしれませんが。いや、誰がなんと言おうと好きですよニコラス! それと、途中から筋書きが読めてしまうのね。おそらく予告でさんざん“騙される騙される”と刷り込まれていたために最初からそういう構えで観てしまった所為だと思うんだけど、何も知らなければもっとキレイに意表を突かれたのではないかと。その辺が残念だったなあと。
けれども!しかし! この映画にはこれらの気に入らない点を相殺して余るだけの面白さがあったことを認めなければなりません。何だかんだ言いつつ楽しめた。先が読める展開とはいえ、例えばこないだの「閉ざされた森」なんかに比べたらケタ違いにしっかりした脚本だし、それになんと言っても、俳優陣の演技が完璧なのね。特にニコラス・ケイジの潔癖症ぶりがもう最高だった。言葉に詰まった時の「あーーーー…あーーーー…」とか、ラマーズ法かと思うような「ヒッ!ヒッ!」とか、あとはアレだね、「イッチ、ニー、サン!」。「ウインドトーカーズ」の時よりも断然きちんと日本語に聞こえました(笑)。 ニコラス・ケイジって、銃持って走ってるようなアクション系もいいんだけど、こういうちょっと変わった役とか情けないキャラとかで真価を発揮すると思うなあ。存在感が違う。あー「アダプテーション」を見逃してしまったことが悔やまれます。さっさと観に行っとけばよかったー。
あと観たいと思いつつ見逃してしまったといえば「コンフェッション」なんですけど、こっちもさっさと観ておけばよかったと後悔しました。いや、サム・ロックウェルも良かったのよ! いかにもペテン師っぽい軽佻浮薄ぶりが絶妙。今まで全然意識したことなかったけどなかなかいいじゃんこの人! 「グリーンマイル」に出てたって?「チャーリーズエンジェル」にも出てたって?えぇー憶えてないよー。 そして娘役のアリソン・ローマンちゃんもまた文句ナシの演技でございました。っていうかこの子、いや彼女、実は24歳ってほんとですか!もうびっくりですよ!この事実が何より一番詐欺なんじゃ…(笑)。
****** マッチスティック・メン 【MATCHSTICK MEN】
2003年 アメリカ / 日本公開 2003年 監督:リドリー・スコット 出演:ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、 アリソン・ローマン (劇場鑑賞)
2003年10月08日(水) |
永遠のマリア・カラス |
これはちょっと評価に困る映画だったなあ。いや、嫌いではないです。けど、観賞後の後味がね、何というか、映画を観たというよりも、まるでコンサートに行った後のようだった。観終わって強烈に印象に残ったのは、映画の内容じゃなくてカラスの歌なんですよ。本編中に使われていたカラスの歌声がしばらく耳に残って離れない。こういう感覚は決して嫌いではないんだけども、じゃあ映画としてストーリーはどうだったかと聞かれると、こちらは少々中途半端だったと言わざるを得ないわけです。
でも主演のファニー・アルダンはすごく良かった。パリで隠遁生活を送る晩年のカラスの元に昔なじみのプロデューサーが現れ、彼女の全盛期の頃に録音された歌声を使ってリップシンク、要するに口パクでオペラ映画を撮影する企画を持ちかけるというお話で、カラスはかつての自分の歌声に合わせて唇を動かす練習をしたりしてそれはもう入魂の演技をするわけだけど、これってつまり、この映画の中のカラスとまったく同じことをファニー・アルダンがやったということなんだよね。いや何だか当たり前のことをわざわざややこしく表現しているようで申し訳ないのですが(笑)、これがたいへん素晴らしいのですよ。カラス本人よりも本人らしい不思議なオーラが出ているというか、歌ってるシーンは迫力があって圧倒されました。それと、豪奢なシャネルを見事に着こなす貫禄もさすがだと思う。
ストーリーは一見伝記風ですが、事実ではありません。事実と創作とを融合させたフィクションだそうです。ジェレミー・アイアンズが演じたプロデューサーも、実在はしていない。ただ、カラスと親しかった監督の発案で、当時こういうような企画が実際にあったらしいです。でも実現しなかった。あの時もしも実現していたら…という監督の愛と幻想と捏造が(笑)確かに感じられました。ひしひしと。
と、そんなところでそろそろいい男の話に移らせてもらいますけど、この映画の劇中劇「カルメン」でホセ役を演じていた男前、皆さんご覧になりまして? 近頃急速にワールドワイドな規模になって参りましたわたくしの美形発掘プロジェクト(←最早開き直り)、そのイタリア人部門代表が何を隠そうこのガブリエル・ガルコ君なのでございます。「ティント・ブラス/秘蜜」で目を付けたんですけど、いやはやあの熟女泣かせ軽薄エロ中尉がこんな好青年に変身しているとは思いも寄りませんでした。でもやっぱり年上キラーなところがグーだね! いい感じよガルコ! しかも、前作軍服で今回はタイツですからね。もうコスプレ帝王に決定。そういやオーディションのシーンはアレほんとに歌ってたのかなあ。だったらちょっと尊敬だなあ。 ちなみにどんな人かというと、→こんな人です。オトナのお姉さま方向けにはこんなショットもございますが、えーと、もしもお仕事中にご覧になってる場合はなるべくウィンドウを小さくして後ろに人がいないのを確かめてからこっそり開いて下さいね。18歳以下のうら若きお嬢さん方はクリック禁止です。うふ。
****** 永遠のマリア・カラス 【CALLAS FOREVER】
2002年 イタリア・フランス・イギリス・ルーマニア・スペイン / 日本公開 2003年 監督:フランコ・ゼフィレッリ 出演:ファニー・アルダン、ジェレミー・アイアンズ、 ジョーン・プロウライト、ガブリエル・ガルコ (劇場鑑賞)
♪シィ〜・アプォーンザモーメン、…ステ〜イ・ゴーーールド♪ ってことで昨日から頭の中ではスティービーワンダーがエンドレス鳴り響いておりますよ。予告通り張り切って初日に鑑賞。懐かしき青春映画、ニュープリント+字幕新訳で二十年ぶりのリバイバルでございます。さあ思わず「ステイ・ゴールド」を口ずさんでしまった同世代の同志達よ、共に懐かしもうぞ! 公式サイトは→コチラだ!
いやあ懐かし面白かった。実は私は当時リアルタイムにスクリーンで観てはいないんだけど(その頃映画なんて全然観てなかったので)、それでもやっぱり懐かしかったです。だってみんな若い。若すぎる! 話の内容なんかそっちのけで、「出たマット・ディロン!」「出たエミリオ・エステベス!」「出たトム・クルーズ!」と誰かが登場するたびにいちいち心の中で合いの手を入れてしまいました(笑)。いや、でもこういう見方もあながち間違ってはいないんですよ。これって当時の駆け出しアイドル達を一束にしてパック売りしたことで話題になった作品なわけで、だから見どころはストーリーよりもキャストなのです。
中でもこの時代の青春映画にかかせないのはやはりマット・ディロン様でしょう。永遠の不良少年、常に斜めに構えた視線で少女の心を鷲掴み。なんか毎日500通のラブレターが届いてたらしいですよ!すげーな!(公式サイトキャストのページ参照) それで友人とも話してたんだけど、この頃のイメージを前提としてこないだの「デュースワイルド」を観ると、時の流れがしみじみと実感できて楽しいかもしれませんね。世代交代が行われています。一匹狼だったあんたが牛耳り役かい!と(笑)。っていうかあの映画、もしも70〜80年代に公開されていたら案外ヒットしたんじゃないでしょうか(え?ダメ?)。あの時はブラッド・レンフロの太りっぷりがあまりに衝撃的でそこまで考えなかったけど。
ダイアン・レインも同じくこの時代の映画にかかせない存在ですが、…しかしこの人は老け顔だよなあ。いや、無論ものすごく美人なんだけど、印象としては今とほとんど変わらない。そのまま「運命の女」に出ても違和感ないんじゃないかと思わせる落ち着きぶりでした。あとは、トム・クルーズの声の高さに驚き。若い!でも動きや仕草は今と同じ。芸風変わってませんね。天下のトムクル氏もこの映画では全然脇役です。それと、これは前から指摘しようと思ってたことですが、トーマス・ハウエルとロブ・ロウとパトリック・スウェイジが三兄弟ってよく考えたらありえなくない?(笑) だって全然似てないじゃん!
そんな感じで楽しめたわけですが、ひとつひっかかったのが字幕。なっちゃーん。せっかく新訳にする機会だったのにもう少しなんとかならなかったですかー。“黄金のままでいて”って、まあ確かにその通りなんだけど、でもちょっと芸がないと思うなあ。中学生の英文和訳じゃないんだからさ。あと“ヨタ公”なんて言葉、今の若者には通じないんじゃない?(笑) わざと時代性を演出したんでしょうか。それとも若者は見に来るはずがないという前提?(乾笑) そういえば先着特典でカクテルを貰ったんですけど(二回目の上映だというのにまだ残っていた先着特典/笑)、特典がアルコールってことはやはり、未成年はまず来ないだろうと見込んでいたのですかね。この映画館にはスクリーンが二つあるんですが、隣でやっていたのがたまたま「ロッカーズ」だったので、ロビーで待つ客層も見事にまっぷたつに分かれていましたよ(笑)。元気いっぱいのお嬢さんチームと、薹が立った思い出追憶チーム(=我々)。どちらを観に来たか一目瞭然なのがちょっと面白かったです。
****** アウトサイダー 【THE OUTSIDERS】
1983年 アメリカ / 日本公開 1983年(2003年リバイバル) 監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演:C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン、ラルフ・マッチオ、 ダイアン・レイン、ロブ・ロウ、エミリオ・エステベス、 パトリック・スウェイジ、 トム・クルーズ (劇場鑑賞)
はじめから娯楽作と割り切って楽しみましょう。手に汗握る硬派深刻アクションと思いきや、意外と肩の力を抜いて観てられるというか肩の力が抜けるというか(笑)。いや、私はこれでオッケー。面白かったです。だって映画は娯楽派ですものハリウッド万歳! 元はTVシリーズということで、本当にドラマをスペシャル版にしたような感触でした。普通のアクション映画のようにひとつの大きな事件を主軸にして話が進むのではなくて、中心はあくまでS.W.A.Tの隊員達なのね。彼等が仲間になるきっかけから訓練する様子までいちいち描かれる。その辺が散漫といえば散漫かもしれないですけど、でもアクションシーンは超ド派手だしメリハリ効いてていいんじゃない? 私は楽しかったです、ほんと。大きいスクリーンで観て良かったって感じ。あーでもエンドロールは目がチカチカして見づらかったな。ポケモン現象起きそうだったよ!
で。 それでー、オリヴィエ・マルティネスなんですけどー。
まあそんな顔しないで聞いてやってくださいよ。自ら催した祭りの効果でわたくし今かなりのオリヴィエフィーバー状態、スクリーンに出てくるたびに胸ときめいてしまってもう大変でした。ああんステキよオリヴィエ! まず胡散臭い笑顔振りまいてアメリカに乗り込んで来るや否やくだらない理由で逮捕されちゃう間抜けぶりが最高。留置所で一人いじけてる様子も愛しい。「俺をナメると死ぬことになるぜ!」とか、使い古されたようなベッタベタな脅し文句で凄んでる姿にすら胸キュン☆で・し・た。今ハリウッドで最もオレンジのつなぎが似合うフランス人に決定。 MARRY ME! MARRY ME! そうやって観る前からオリヴィエオリヴィエと騒いでいたところ、上映後に友人が言うには、この人はどこかキアヌと共通する部分があるそうです。顔が似てるとかそういう細かいことではなくて、分類すると同じ種類に属するのだそうです。だから私が好きになるのも納得できるそうです(笑)。そうかなあ。あんまりそうは思わないけどなあ。そしてさらに、「昔はアメリカン専門だったみたいだけど最近はイギリス人だろうがフランス人だろうが誰でもいいんだね」と素朴に鋭いツッコミが入りました。くっ…さすが友…痛いところを…、…い、いや、愛に国境はないのだ!(苦し紛れ)
あと、(当初の目的だった)コリン・ファレルも良かったです。コリンちゃんはいつでもどんな映画でも全力投球なところが魅力だね!S.W.A.Tの戦闘服よりも冒頭の警官制服姿が可愛かった〜。
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この日は有楽町で観ましたが、何やら会場が全席指定になっていたので「パイレーツ・オブ・カリビアン」の時のような大混雑もなくて快適でした。やけに男の人が多いなあと思っていたら、水曜だけど映画の日でもあったんですね。映画館に慣れてないようなサラリーマン風のおじさん三人連れとか見かけてちょっと微笑ましかったです(笑)。
****** S.W.A.T 【S.W.A.T.】
2003年 アメリカ / 日本公開 2003年 監督:クラーク・ジョンソン 出演:コリン・ファレル、サミュエル・L・ジャクソン、 ミシェル・ロドリゲス、LL・クール・J、オリヴィエ・マルティネス (劇場鑑賞)
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