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2002年08月29日(木) |
ピカレスク -人間失格- |
河村隆一のファンだからというわけではなくて、太宰治がどんな風に描かれているのか興味があったので見に行きました。太宰が東京に出てきて井伏鱒二を知る昭和五年あたりから、昭和二十三年に山崎富栄と入水自殺するまでの約二十年間のドラマ。 とはいえ、肝心の太宰の印象がちょっと薄かったなあ。どちらかというと太宰と関係があった女性達の方が主体となってる感じです。彼女達がどんな風に太宰に惹かれているかはよく伝わってくるのだけど、太宰自身の描写が淡白でもうひとつ物足りなかった。まあ、そもそも映画の構成自体が女性遍歴を時系列に追う形になってるので、これはある程度意図されたことかもしれません。河村隆一が悪いと言いたいわけではないです。 ただし納得いかないのは井伏鱒二の扱い。なんだか中途半端。「井伏さんは悪人です」という遺書の言葉を強調してたけど、それなら彼と太宰との関係をもう少し掘り下げてほしかった。逆に女性達中心に話を進めると決めたなら、こっちは潔く切り捨てても良かったんじゃないかと。
河村隆一は映画初主演とのことで、確かに演技は固いけど、なかなか健闘してたと思います。学ラン着てる時代(←御歳32歳の学ラン姿よ!ファンの方必見じゃない?)はそれなりに初々しく、ヤク中で病気も出る後半は頬もこけて憔悴していく。晩年の撮影時にはほとんど絶食して体重を落としたそうです。わあ大変だ。もともと細そうな人なのに。 あ、原作者の猪瀬直樹も特別出演してたけど、こっちは完全にご愛敬。
…うーん、でも、やっぱり河村隆一は太宰にしては小綺麗すぎるかなー。私のイメージする太宰はもっと汚れていて、…何というか、汚い色気の持ち主なんだよね。だってこの人は、人生何もかもが道化。道化と嘘。猪瀬氏が「太宰は性格的に弱いところもあるが作家としては非常に強い。作品はもちろん、それを生み出す状況まで創り出すクリエイターだ」というようなことをパンフレットで言っているのだけど、これは一部同感です。つまり太宰は、自殺も道化、女も道化。真剣に悩み熟慮の結果死を選ぶのではなくて、自殺もひとつのポーズにすぎないし、その時その時は自分の心に正直なつもりでいて、実は女性を芯から愛してるわけでもない。普通の人なら死ぬのは最後の手段だけど彼の場合そういう重要度のレベルをまるで無視して、全部が一緒。全部が道化。こうした道化に生きる太宰の色気に魅せられてしまった女の人は、彼と一緒に死んでみたくなるんじゃないかな。ただ単に放っておけない人だから、ということではなくて。映画の中でも、突然メソメソ泣き出したり、「ぼくと、死ぬ気で恋愛してみないか」なんて歯の浮くようなキザな台詞を吐いたりしてたけど、こういうの彼はきっと実際にやってたと私は思います。
何だか文句つけてた割に語っちゃったよ。いや、ほんと、すごい作家だと思います太宰は。久々に読んでみるか。
****** ピカレスク -人間失格-
2002年 日本 原作:猪瀬直樹『ピカレスク 太宰治伝』 監督:伊藤秀裕 出演:河村隆一、さとう珠緒、緒川たまき 朱門みず穂、裕木奈江、佐野史郎 (劇場鑑賞)
これはアレですね、いかにもクローネンバーグさんが好きそうなネタですね。脊髄に直接ケーブル繋げるバーチャルリアリティ(おお懐かしいなこの言葉)ゲームのお話。身体(しかも自分じゃ見えないところ)にそれ専用の穴開けて、プレイするたびにグロテスクなケーブルを差し込む(しかも潤滑剤とかつけて)という卑猥っぷりは、これぞまさしくクローネンバーグでしょう! いや、誉めてます!
うーん、しかしながら、映画としてはいまひとつ引き込まれるものがなかったというか。ゲームの世界(という言い方は厳密には語弊があるかもしれないけど便宜上)がもう少し魅力的だと良かったと思うんだけどなあ。何となくグロい描写だけで押し切られた観があります。 余談ですが、これ見て岡嶋二人の傑作小説「クラインの壷」を連想したのって私だけ? 似てるよね? もちろん切り口は違うけど、描きたい世界は同じだと思います。でも小説の方が全然面白い。今となっては古い作品ですが初めて読んだときは衝撃的だったなあ。
じゃあこの映画を楽しめなかったかというとそうではなくて、だって私の目当てはジュード・ロウだもん。ジュード! Heyジュード! この前の「クロコダイルの涙」以来、僕はすっかりキミに夢中さ。(誰だオマエ) 主演っつーことで終始出ずっぱりなのでとりあえず満足でした。いつもの美貌もさることながら、今回ちょっと弱気な感じがカワイイなあ。くす。バイオポートあけるってだけでそんなにビビっちゃって、ああんもう、何なら私がやってあげるってー。大丈夫、痛くしないから。ね?(だから誰なんだオマエは…)
ジェニファー・J・リーも上手かったですね。最初のうちは何だこの人?とか思って見てたのですが、ラストでオチがついて非常に適切な演技だったことがわかりました。 それと、相変わらずの存在感で異彩を放っておきながら最後に自分の出番が少ないと宣うデフォー氏にはわたくし失笑を禁じ得ませんでした。しかもその後微妙に恥じらうし!(笑) なんて素敵なんだ! 最高! やはりただ者ではないよこの御方。
さて次は何のジュード・ロウ見ようかなー。オスカーワイルドにしよっかなー。リプリーかなー。こういう、気に入った俳優さんの、見てない作品がまだたくさんある状態、というのは個人的に非常に楽しいです。
****** イグジステンズ 【eXistenZ】
1999年カナダ・イギリス / 日本公開:2000年 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:ジュード・ロウ、ジェニファー・ジェイソン・リー イアン・ホルム、ウィレム・デフォー (ビデオ鑑賞)
・「スクービー・ドゥー」の主役の犬、あれオールCGなんだってね! すごくない? と友達に言ったら、「いや、ああいう演技は普通の犬にはできないから」と真顔で冷静に返されてしまってちょっと切ない今夜の私でございます皆さんこんばんは。そりゃ確かにその通りだけどさ…そういう意味じゃなくてさ…。
・ええと、今日は本屋さんで「FLIX」10月号を立ち読みしました。“これぞイイ男!誌上ノミネート”っつー特集、これの「美形」としてカテゴライズされてる面々には、いやあ思わず垂涎でございますな! こと外国人俳優に関しては己が真性の面食いなのだと改めて自覚。
・中でも最近目覚めたジュード・ロウには我ながらかなりのイカレっぷりなんですけども。おっかしいなあ。美形は美形でも私のタイプではないと思ってたんだけどなあ。「オーシャンズ11」だった壁紙とかスクリーンセイバーとか今頃やっと変更して目下私のマシンはジュード・ロウ一色です。わざわざスクリーンセイバー起動させてうっとり画面を見詰めちゃったりして、いい歳こいてそれはどうよ自分。ていうか今まで「オーシャンズ11」だったって、それもどうよ自分。
・それはそうと先日感想書いた「クライム&ダイヤモンド」(→公式サイト)って、どうやらおすぎも絶賛してたらしいじゃないですか。うーんやっぱり何故かおすぎとは気が合う私。いや、この映画ほんと、意外と良かったですよ。もう東京では公開終わっちゃったけどさ。近頃のCGとアクションだらけの映画に食傷気味な方、軽快なご都合主義に賛同出来る方、旧作名映画お好きな方、そして特にクリスチャン・スレーターファンの方(い、いませんかどこかに)、おすすめです是非。早くビデオにならないかなー。
・ビデオと言えば「イグジステンズ」見ました。ジュード!愛してるよジュード! 感想明日アップします。おやすみなさい。
こんな天気だし中止かなあと思いつつ行ってみたらちゃんと上映してくれました。雨の中出かける我々も物好きだよな。先日の「ムーランルージュ」に続いて二度目の恵比寿スターライトシネマです。いやあ寒かった!!
映画の方はタイトル通り、27歳で夭折したアーティスト、バスキアの物語。無名時代から次第に注目され有名になっていく過程を追い、それに伴うバスキアの葛藤とかアンディ・ウォーホルとの友情などが描かれてます。 しかしこの映画、静かな作品なのにキャストがすごい。見よこの錚々たる顔ぶれを。ベニチオ・デル・トロにデニス・ホッパーにゲイリー・オールドマンにクリストファー・ウォーケンにウィレム・デフォーときた!怪演奇演凄演キレ演がトレードマークの愛すべき強者俳優大集合! …の割には皆さん普通でしたけどね。いやもう、これだけ勢揃いしてるからにはどこかで誰かが何かやってくれるんじゃないかと妙な期待をしてしまいました。特にデフォー氏の出番があれだけだなんてちょっと勿体ないような。
それにしてもゲイリー・オールドマンは普通にしててもどことなく色気があるというか、スクリーンに映ってるとつい目で追ってしまうなあ。単に好きだからかもしれないけど。でもやっぱり素敵だ。あと、途中で死なないベニチオ君も珍しい気がしました。エンディングまで五体満足に出演してる彼は私「トラフィック」以来です(笑)。この映画にはノーギャラで出たらしいのですが、なかなか重要な役柄を好演してました。けど、どうでもいい話だけど、どうして彼はいつも上衣の裾をズボンに入れてるのー? 私服におけるTシャツ+Yシャツの重ね着と共にこれは彼のこだわりなのだろうか。くす。バスケしてるシーンでタンクトップまで律儀にズボンにたくしこんでる姿はなんだか微笑ましかったです(笑)。
****** バスキア 【BASQUIAT】
1996年アメリカ / 日本公開:1997年 監督:ジュリアン・シュナーベル 出演:ジェフリー・ライト、クレア・フォーラニ、デビッド・ボウイ デニス・ホッパー、ベニチオ・デル・トロ、ゲイリー・オールドマン、 クリストファー・ウォーケン、テータム・オニール、ウィレム・デフォー、 …うああああ豪華すぎて書ききれないよ! (イベント鑑賞 @恵比寿ガーデンプレイス)
2002年08月21日(水) |
クライム&ダイヤモンド |
今のところ東京お台場・シネマメディアージュ(しかもその中で一番小さい劇場)でしかやってないマイナー作品でございます。全然話題にもなってないよなあ。寂しいなあ。「スコーピオン」といい「ウインドトーカーズ」といい最近クリスチャン・スレーター出演作が続々日本公開されて嬉しいわー、とか思ってるのって私だけ?…だろうね、多分。ちぇっ。 いや、確かにクリスチャン・スレーター目当てで観に行ったのですけど、意外と良かったですよこの映画。派手なアクションもCGも全くないけれど、“この先どうなるんだろう?”って興味を惹かれるストーリーテリングの面白さ。
場所はホテルの一室。椅子に縛り付けられて銃口を向けられたクリスチャン・スレーターが、映画マニアの殺し屋にここに至るまでのドラマティックな経緯を語り始めます。その話の中身がこの映画の主な内容で、他に共演は、マジシャンの強盗役でリチャード・ドレイファスとか出てます。あと彼の娘役が「アリーmyラブ」でネル・ポーターを演じてるポーシャ・デ・ロッシ。アリーでのクールな役柄とは打って変わって純粋な感じが新鮮でした。その他詳細は→コチラ(公式サイト)
キーパーソンはティム・アレン扮する殺し屋・毒舌ジム。彼が随所で口にする映画に対するこだわりの数々、例えば「近頃の映画はアクションばかりで唐突に終わってしまう。昔の映画にはストーリーがあった」とか「回想シーンは大好きだ。回想の回想も」などが何気なく本編に反映されてこの作品のコンセプトになっているんだよね。脚本も手がけたという監督さん(これが初監督作品だそうです)の映画好きぶりがうかがえます。 そうして長い物語を話し終え過去と現在が繋がったところで、今度は毒舌ジム自ら演出する映画フリークならではの大団円。これがなかなか笑えます。うん、軽快で、コミカルで、ちょっとだけロマンチックで、私はこういう映画好きだなあ。上映時間も適度に短くて(92分)疲れない。ただひとつ、自分の無知が残念でした。往年の名作映画のことをきちんと知ってれば、もっと色んなところでニヤリとできたんだろうな。
ちなみに東京での公開は明後日、つまり今週の金曜までです。うえーあんな小さいところでたった二週間かよっ!クリスチャン・スレーターが主演なのに!(しつこい)
****** クライム&ダイヤモンド 【WHO IS CLETIS TOUT?】
2001年アメリカ / 日本公開:2002年 監督:クリス・ヴァー・ヴェル 出演:クリスチャン・スレーター、テイム・アレン リチャード・ドレイファス、ポーシャ・デ・ロッシ (劇場鑑賞)
うわーうわーうわーこれはヤバイYO! ごめんなさい今回マトモな感想書けません。(いつも書いてないけど) だってジュード・ロウ美しすぎ! ていうかめちゃめちゃ私好みだ!!
いやはやジゴロ・ジョー(@「A.I.」)にも「ガタカ」にもそれなりに心惹かれていたワタクシではありますがこれで完全にノックアウトされました。何たってジュード君、血を吸うんですよ女の喉首に噛みついて! 端正な顔を切なげに歪めて、唇を相手の血で真っ赤に濡らすんです。そのめくるめく耽美っぷりときたら…ふ…ふふ、…ちょっ…とコレ、…もう…たまらないものが……ハァハァ…。(参考:→コチラ) それに美貌の青年医師だし。女優さんより睫毛長いし。なんか変なガウン着てるし。いきなり詩とか詠み始めるし。叫んだり呻いたりがいちいちオーバーアクションだし(ぷぷ)。ホチキスで指を怪我するシーンは超わざとらしいし(ぷぷぷっ)。極めつけに「僕は愛で生きている。…君の血の中の愛が欲しい」とか言っちゃって、参ったなぁもう、どうしましょうこの人! 「僕は愛で生きている」ってアナタ、いくら映画とはいえ今時そんなセリフ恥ずかしげもなくサラッと吐いて平然としてる役者が他にいるかっつーの。ああダメだ。完全に惚れた。好きだジュード! ただし映画そのものは、いまひとつ不完全燃焼な気がします。全体的にセリフが少ないので説明不足な印象。うーん、こういう話、私は嫌いじゃないんだけどなあ。勿体ないなあ。解説を読んだりメイキングを見たりすれば言いたい事はとても良くわかるんだけど、それらが映画の中で満足に表現できてないような。 ……。…はっ。でもそんな風に感じたのはひょっとして私がジュードばかり見ていたからだろうか。…そ、そう言われれば確かに否定はできないが。だってだってほんとに彼のプロモーションビデオみたいなんだもんー。本編開始から最初の女性の血を吸うまでの12,3分が特にお気に入りでそこだけ3回くらい巻き戻して見ちゃったよ(馬鹿)。 関係ないけど、この人は前髪下ろしてる方が絶っっ対イイよね?
さてそんなわけで、今後しばらくジュード・ロウ強化月間に突入の予感。敬遠してた「リプリー」もいよいよ見てみるか。
****** クロコダイルの涙 【THE WISDOM OF CROCODILES】
1998年 イギリス / 日本公開 2000年 監督:レオン・ポーチ 出演:ジュード・ロウ、エリナ・レーヴェンソン (DVD鑑賞)
2002年08月16日(金) |
ムーランルージュ(恵比寿スターライトシネマにて) |
恵比寿ガーデンプレイスで開催されている夏のイベント「スターライトシネマ」(日程など詳しくは→コチラ)に行って、二度目の「ムーランルージュ」を鑑賞。いやー結構混んでました。無料だから?「ムーランルージュ」だから?それともいつもこれくらいなのかな。
野外の会場なので音が散ってしまうのが残念でしたが、やっぱりこういう作品は大きいスクリーンで観た方がいいですね。公開時に一度観たきりだったので細かい内容を程良く忘れていて、ちょっと新鮮な気分。 しかしこのニコール・キッドマンは、本当に何度見てもキレイだなあ。身体が美しいだけじゃなく、仕草とか表情とか、全てが可愛い。一方でユアン・マクレガーの恋する眼差しも非常に良いです。彼が「ユア・ソング」を歌うシーンが大好きなのでじっくり浸ってきましたよ。(そして現在再びサントラCD聴きまくり中)
愛あり笑いあり涙ありの豪華絢爛な大芝居、たっぷり二時間の上映だけど退屈せずに楽しみました。途中遠くで稲妻が光ったりしてヒヤヒヤしたのですが最後まで雨も降らなかったし。涼しい風も吹いていて何だか肌寒いくらい。もう秋が近いんだなー。 次は来週の「バスキア」に行ってみる予定。雨が降りませんように。
****** ムーランルージュ 【MOULIN ROUGE!】
2001年アメリカ / 日本公開:2001年 監督:バズ・ラーマン 出演:ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン ジョン・レグイザモ、ジム・ブロードベント (イベント鑑賞 @恵比寿ガーデンプレイス)
イーサン・ホーク殿、初監督です。チェルシーホテルに暮らす人々の模様をスケッチした作品。話らしい話もなく、また誰が主役ということもなく、ただチェルシーホテルを舞台にそれぞれの人物が自分の事情で生きている様子を組み合わせて見せるだけ。退屈だと言ってしまえばまあその通りなので、人によって好き嫌いが分かれるでしょう多分。 (公式サイトは→コチラ。映画の雰囲気が上手く出ていてなかなか素敵なページです。)
もっと露骨に退廃的なんじゃないかと勝手に予想してたんだけど、考えていたよりも上品で、詩的な印象でした。過激な性描写も人が死ぬ場面もない。あくまで人々の、孤独で繊細で不器用な面だけを静かに描くんです。そうして「詩人ていうのは定義するのが難しいからね」なんてセリフを、突然子供に言わせたりする。 イーサン・ホークは数年前に小説も書いていますが、(その出来映えがどうかということはひとまず置いといて)ああ確かにあの小説を書いた人が映画を撮ったらこうなるだろうなあという感じでした。何だか納得。ボヘミアン的というかアーティスティックというかロマンチックというか、頑なに青臭い部分を固持している人だと思います。
奥さんのユマ・サーマンは相変わらず美しかった。イーサンもインタビューで触れてるけど、芯の強い女性を演じることが多い彼女が繊細な詩人(のタマゴ)の役っていうのはちょっと珍しいんじゃないかな。あと、作中に歌がたくさん挿入されるのですが、ジミー・スコットが歌うジョン・レノンの「ジェラス・ガイ」がすごく良かった。オノ・ヨーコが曲の使用権を無料で提供したのだそうです。 そういえば、IMDbのデータで見るとキャストにクリストファー・ウォーケンの名前があるんですけど、一体どこに出てたのー? 全然気付かなかったよ。
****** チェルシーホテル 【CHELSEA WALLS】
2001年アメリカ / 日本公開:2002年 監督:イーサン・ホーク 出演:ユマ・サーマン、ロザリオ・ドーソン ヴィンセント・ドノフリオ、マーク・ウェバー (劇場鑑賞)
2002年08月14日(水) |
ノンストップ・ガール |
本当はお兄ちゃん主演の「トータル・フィアーズ」を見る予定だったのですが諸般の事情により変更。代わりにアフレック家弟・ケイシー君が出演してるこの「ノンストップ・ガール」を見て参りました。なかなかの混雑ぶり。結構人気なんですね。
これはねえ、女の子が楽しめる映画なんじゃないかと。もう少しドタバタハチャメチャ系かと思ってたらそうでもなかったです。 永遠の愛を信じて幸せな生活を送っていた(と信じていた)主人公が突然夫に逃げられてしまうのですが、病的なほど前向きでアクティブな彼女はめげずに一枚の絵はがきを手がかりに彼を捜す旅に出る、というお話。主演のヘザー・グラハムはこの役ピッタリだったと思います。とてもキュートで可愛らしいし、誠実なので見ていて気持ちいい。それにしてもバナナをあんな風に使うとは。笑いました。 ケイシー・アフレックはヘザー・グラハムの弟役です。シスコン気味で、何だか違う意味でちょっと可愛いなあ、…とか思ってたら、あらら、結局最後に一番美味しい思いをしたのは貴方なんじゃん?(笑)
場内で近くに座ってた若い女の子達がケイシー君のファンだったらしく、スクリーンに映るたびに反応してたのが印象的でした(半裸の時とか特に)。確かに彼、うわーカッコイイ!ってタイプじゃないけど(ファンの方すみません)、何だかほのぼのしてて妙な魅力があります。個人的には兄より好きだ。もう一回「オーシャンズ11」見てみようかな。
****** ノンストップ・ガール 【COMMITTED】
2000年アメリカ / 日本公開:2002年 監督:リサ・クルーガー 出演:ヘザー・グラハム、ケイシー・アフレック ルーク・ウィルソン (劇場鑑賞)
2002年08月12日(月) |
ライアー・ライアー/グリンチ |
先日から微妙に続いている“苦手だったジム・キャリーを見直そう!”フェア。だいぶ好きになってきましたよー。今回は「ライアー・ライアー」「グリンチ」の二本。
まずは「ライアー・ライアー」、これ良かったです! ジム・キャリーのあのテンションが許容できる人ならきっと楽しめるんじゃないかな。 特技の嘘で要領良く仕事をこなしてた弁護士が、息子のお願いの所為で一日だけ全く嘘がつけなくなってしまうというコメディ。コメディなんだけどファンタジーでもあって、何というか、そのストーリー性とジム・キャリー特有の大げさなお笑いとのバランスがちょうどいい。彼がやってこそこの映画だと思いました。ちなみに最初の方の「エース・ベンチュラ」と同じ監督さんが撮ってます。確かにノリはあのままで、そこにきちんとしたお話がついたという感じ。 しかしすごいよねジム・キャリー。ペンの色が「blue」ってだけで、何もあそこまでやらなくても(笑)。ジェット機に靴は投げるし。可笑しすぎ。思わず最後のNG集からメイキング、その後の未公開映像に至るまで余すことなく見てしまった。
そして「グリンチ」。 これはねえ、特殊メイクで完全に素顔を隠されちゃってるんだもん(参考:→コチラ、日本版は→コチラ)、ジム・キャリーだって予め言われなきゃ誰だか絶対わからんよ! …と最初は思ってたのですが、しばらく見てたらなるほど確かに動きや仕草がジム・キャリーでした。何だかなあ、動きだけで判別できるってことは、私も相当彼に慣れてきたらしい。 映画の方は、CGをあまり使わず、セットや役者の技術中心で徹底してファンタジーの世界を創り上げています。Dr.スース「グリンチはどうやってクリスマスを盗んだか」が原作。私は読んだことないのですが、かなり忠実にこの世界が再現されているそうです。うん、こういうの、いいなあ。とても丁寧に作られていて、私は好き。 この映画に関しては、どちらかというとジム・キャリーのことよりも監督がロン・ハワードだってことに惹かれてしまった。例えばデヴィッド・リンチなんかと対極にあるようなこの人の正統普遍的標準エンターテイメント性を私は非常に愛しているのだけども、そういうロン・ハワードらしさが色濃く現れた作品だと思いました。メイキング見てたら、「僕も一日だけジムと全く同じグリンチのメイクをして監督をしたんだ。現場は大混乱だったよハハハハ」とか言っちゃって、そりゃそんなことしたら混乱するだろうよ監督…。お茶目さん。 あ、ジム・キャリーも普通に良かったです。次は「トゥルーマン・ショー」あたり見てみようかな。
****** ライアー ライアー 【LIAR LIAR】
1997年アメリカ / 日本公開:1997年 監督:トム・シャドヤック 出演:ジム・キャリー、モーラ・ティアニー ジャスティン・クーパー (ビデオ鑑賞)
****** グリンチ 【THE GRINCH:HOW THE GRINCH STOLE CHRISTMAS】
2000年アメリカ / 日本公開:2000年 監督:ロン・ハワード 出演:ジム・キャリー、ジェフリー・タンバー クリスティーン・バランスキー (DVD鑑賞)
今年初めの「RAIN」以来の試写会鑑賞です(しかもまたしても友達が当てたチケットに便乗)。 一緒に行った友人はあまり面白くなかったと言ってたけど、ニコラス・ケイジもジョン・ウー監督もそしてクリスチャン・スレーターも大好きな私としては、お金も払わず公開前に見せてもらえて大満足だったなあ。
1944年6月、日本軍の占領するサイパンを進攻しつつ、ナバホ族の通信兵を護衛する任務を受けた兵士(達)のお話。詳しくは→コチラ(公式サイト) 確かに戦争モノなんだけど下手に反戦メッセージみたいのを込めたりせず、あくまで闘う男達の姿を描いてる、ってところがジョン・ウー監督らしいと思いました。キャストは恐ろしく男性率高いです。ていうかほとんど男の人。 そしてアクションはもう、さすがの迫力だねー。ただし戦闘シーンが非常に多いので、それが苦手だとちょっとツライかもしれません。
ニコラス・ケイジはこういう役柄珍しいんじゃないかなあ。もちろん悪役ではないけれど、ヒーローというのとも違う。とても人間臭いというか、…うーん、上手く言えないんだけど、難しい役だったろうなと思います。 そういえば、この映画には絶対的な悪役がいないですよね。対戦相手としては日本兵達がいるわけだけど、彼らも同じようにただ戦地で闘う姿が描かれてるだけです。敵はいるけど悪人はいない。だからラストも、悪を倒して一件落着すっきり終了!、というパターンにはなっておらず(戦争映画ですっきりさっぱり終わったらそれはそれで問題だけどさ)、その辺もジョン・ウー的に新鮮な感じがしました。私はこのラスト、ちょっと感動してしまった。やっぱり好きだなあニコラス・ケイジ。 (↑内容に触れてるので反転表示。)
ナバホ族のアダム・ビーチもとても良かったです。実質この人の方が主役?っぽいよね? クリスチャン・スレーターも、私が期待してたほどの活躍はなかったけど(何を期待してたんだよ…)、とりあえずこの前の「スコーピオン」よりは出番が多かったのでまあいいや。これから「クライム&ダイヤモンド」見に行くし。こっちは主演だもーん。
ところで、隣の席に大学生とおぼしき男の子二人連れがいたのですが、そのうちの一人が上映が終わるや否や言い放ったひとことがすごかった。
「なあ、東条東条って何度も言ってたけど、東条って誰?」
…君らね、中学校の歴史の教科書読み直してからもう一度見に来なさい。
****** ウインドトーカーズ 【WINDTALKERS】
2002年アメリカ / 日本公開:2002年 監督:ジョン・ウー 出演:ニコラス・ケイジ、アダム・ビーチ クリスチャン・スレーター、ピーター・ストーメア (試写会鑑賞)
悲願の「陰陽師」。やっと見られたよー。レンタル屋さんに行くたびにいっつもオール貸し出し中だったんだもん。ちょうどいいタイミングで返却された一本を、昨日すかさずゲットしてきたのです。やった!
夢枕獏さんの原作もちょこちょこ読んではいますが何と言っても岡野玲子さんの漫画(←これも獏さん原作)の大ファンな私。真田広之が悪役と聞いていたのでてっきり菅公でもやるのかと思ってしまった。(それじゃ悪役っていうより怨霊だよな…) いやあそれにしても真田広之! この人の素敵な悪人ぶりには参りました。もともと嫌いじゃないんですが、久方ぶりに惚れ直しましたよ私は。小汚い格好して髪もヒゲもボサボサだというのに、時折浮かべる不敵な笑みのその魅力的なことったらアナタ! さすがはロイヤルシェイクスピアカンパニー。 主役の野村萬斎にもまず文句のつけどころがないです。だってあの立ち振る舞い。上半身微動だにせず林の中を走り抜ける身のこなしは見事と言う他ありません。狩衣着てても全然違和感ないし。さすがは狂言界のプリンス。 そしてそんな個性派二人に囲まれた伊藤英明くん、…かっ、可愛い…! やっぱり好きだ! 彼には『YASHA』の頃から目を付けておりましたが、このたび完全に私のツボだということが判明いたしました。子犬みたいな顔つきが何ともたまりません。なかなか博雅っぽかったと思うんだけどなあ。うん。博雅は良い漢じゃのう。
というわけでキャストで大満足の映画でした。元方&祐姫親子を演じた柄本明と夏川結衣も良かったし。CGや演出なんかはかなり物足りないんだけど、下手に平安の世を貫こうと徹底せずどこか現代風な要素が漂っているところは、逆に良かった気がします。スタッフに“キービジュアル・コンセプトデザイン”として天野喜孝の名前があったけどその辺関係あるのかなあ。そう言われればキョンキョンや今井絵理子が着てた衣装はどことなく天野喜孝っぽいかも。しかしどういう仕事なんだ「キービジュアル・コンセプトデザイン」っつーのは…。
この映画もパート2が決まってるそうですね。今度は映画館に見に行こうっと。
****** 陰陽師
2001年 日本 監督:滝田洋二郎 出演:野村萬斎、伊藤英明、 小泉今日子、真田広之 (ビデオ鑑賞)
2002年08月02日(金) |
赤ちゃんはトップレディがお好き |
先日の「プリティ・イン・ピンク」、「レス・ザン・ゼロ」に引き続きまたしても懐かしい作品が放映されてたので思わず見てしまった。今回はCM入らないし字幕版だし大満足だ!ありがとうBS2!
マンハッタンの一流企業でバリバリ働く(死語)キャリア・ウーマンのダイアン・キートンが、遺産相続で従兄弟の赤ちゃんを受け取ってしまってさあ大変。仕事と育児と両立させるべく大奮闘するんだけど、子供嫌いの恋人には逃げられ、目の前にあった昇進の話も消え去り、挙げ句の果てに恩を忘れて彼女を蹴落とすイヤミな部下(←出たよジェームズ・スペイダー!:後述)にまんまと先を越され、とうとう会社を辞めてしまう。貯金をはたいて家を買い片田舎でひっそり暮らし始めるのですが、その後は意外な展開が待ち受けているのでした。
コメディタッチだし話がどんどん進むので見やすいです。初めて観たのは随分前ですが今見直しても普通に楽しかったなあ。ダイアン・キートンの演技もいいけど何と言っても素晴らしいのは赤ちゃん役の女の子! まだ言葉も話さないくらいの乳児なのに笑ったり泣いたりの表情&仕草が絶妙で、自分の役を理解して演技してるんじゃないかと疑いたくなってしまうほど。本当に可愛いんですよ〜。
そして鼻持ちならぬ陰険部下(言い過ぎ?)を演じてるのがジェームズ・スペイダー。やっぱり嫌味な脇役っていうのはこの頃の彼の定番だよなあ。でも若くてちょっと初々しくてパリッとスーツも着てるし私的にはなかなかお気に入りです。出番が少ないのが少々残念だけどね(脇役だから当たり前だろうが)。 若いと言えばサム・シェパードも若い! もちろん主演のダイアン・キートンも若い! そりゃあ15年前の作品だもんねー。うん、久々に懐かしくて楽しかったです。
****** 赤ちゃんはトップレディがお好き 【BABY BOOM】
1987年アメリカ / 日本公開:1988年 監督:チャールズ・シャイア 出演:ダイアン・キートン、サム・シェパード ハロルド・ライミス、ジェームズ・スペイダー (TV鑑賞)
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