What I want■2003年01月31日(金)
木曜の夜、電話で話していた時に、生徒は、この前からよく提案するのだが、「金曜は合宿!そうすればずっと一緒に勉強できるでしょ?」と言っていた。
「ホテルに…する?」
あーほ。
夜遅くまでやらなくてい、朝一で一緒に勉強始めるぞ。
君は入試期間中は学校行かないだろ。
えー?という生徒の口答えは却下、翌日は朝から図書館へ行くことにした。
それは、お別れの挨拶かい?
やめてくれよ。
その程度のことは、欲しくないよ。
今朝。
迎えにいくと、生徒はテンションが低かった。
低血圧かー?起きろー。
「…なんかね…なんでか分かんないけど、また生理になった。」
大変だね。
「なんなんだろう…。」
昼間の勉強は17時ごろに切り上げ、生徒を家へ送り届けた。
今夜は彼女の自宅で指導。
そして、ミュージック・ステーションにはアヴリル・ラヴィーン。
"Party Hard" なノリで■2003年01月30日(木)
解き方やら対策問題やらで頭をひねっているうちに、簡単に一日が過ぎてしまう。
やべえよ。
生徒と僕の携帯は色違いで、着信音はお揃いの"Party Hard"(Andrew W.K)。
彼女いわく、
「激しくパーティー!みたいなノリが受験には必要!」
だそうだ。
今日、Andrew W.K.のアルバムを買った。
すんげえテンション高くて笑える。
このノリで最後まで駆け抜けます。
対数関数■2003年01月29日(水)
今日は夕方までガストで勉強していた。
数学で僕が解説しきれない問題があったけれど、雪が降り始めたのを見て早々に帰ってきた。
んー、なんだこりゃ、まだ解けねーぞ。
いよいよ、本当にカウントダウンだ。
話し方■2003年01月28日(火)
昼間、マック。
「準備完璧です!」
生徒は染めたばかりの髪を指ですくってみせた。
ほんとに黄色くなったねー。
かわいいよ。
「これで完璧に気合が入りました!受験でもなんでも来いっ!って感じ。」
僕が問題の解説をしている時、生徒は「そうか!分かった!」と言った。
ん?解き方が分かった?
「そうじゃなくてー、わたし、前々から先生の話し方は変わってるなーって思ってたんだけど。」
変わってるんだ?
「あのね…ドラマとかで堅い役を演じてる人がしゃべってるみたい、考えてしゃべってる感じだ!そーだ、そういう感じだ!」
そうかー?
「うん!あー!やっと上手く説明できた!始めてあった時から、先生のこのおかしさをどう言い表そうかずっと考えてたんだよね。いやーっ、スッキリしたー!」
そっか…で、解き方は分かった?
アヴリル■2003年01月27日(月)
日曜は生徒とマックで勉強していた。
「わたし、受験の日、何着ていこうかなー?って最近はそればっか考えてるんだけど、ヤバイかなー?」
受験に服ってそんな重要かー?
「そりゃもう、気合入れていかなきゃ。わたしのかわいさにみんなの気を引き寄せて、テストに集中できなくさせる!」
んだそりゃ…。
しかも、髪は限りなく金に近くする!とか。
「金髪にして、だぼっとしたズボンとかはいちゃえば、アヴリル・ラヴィーン!どう?この計画?」
生徒は同い年であるアヴリルはかなりお気に入り。
そういやあの娘、ミュージック・ステーションに出るんだよなー。
「ねー、早く見たいねー!あ、でも金曜は先生が来るから、ビデオ撮らなきゃ。」
彼女は、なんなら先生も一緒にわたしの家で見る?と笑っていた。
未来は閉塞していない。自分で開け。■2003年01月25日(土)
金曜の夜、生徒は、もうほとんど学校へ行く必要がなくなった、と言い、高校での3年間と中学での3年間を振り返る話をした。
「ほんとキレ気味だったなー。」
やられたらやり返す、そんな感じだったらしい。
負けないね、君は。
「あったりまえでしょ。先生は?自分が嫌なことされたら、相手に言い返すほうだった?それとも黙ってるほう?」
んー、黙ってるほうだった。
「なんで?自分が嫌だったら、嫌って言わなきゃそのまんまじゃん。」
めんどくさいんだよ、言い合うの。
部活のなかで、後輩の僕らにやたら言いがかりつけてくる先輩がいたけど、いっつも無視してたな。
ま、無視するたびに「無視するな!」とか絡まれるんだけど。
「えー?わたしだったら、みんなを代表して言い返すよ!」
ははは、僕はただ、嫌な奴と関わるのは最小限にしたいんだよ。
担任の教師が気に食わなければ、出席の返事と個人懇談のとき以外、話もしなかったしな。
自分から関わろうとしなければ、相手も自然と去ってゆく、そんなもんだろ。
「え…?じゃあ、わたしとも…?」
生徒は、目をまるく開き、上目遣いでそう言った。
僕は彼女のその表情にはっとし、ここ週間抱いていた閉塞感から抜け出した気がした。
そして、我に帰って、ああ、嫌な奴に限った話だよ、と否定した。
「先生、そうゆうのかっこわるいよ!なんて言うか、あー、もう最低だ!そんな奴は。」
彼女は、もっと何とかしようとしないの?とたばこを吸いながら言った。
そうだな。
確かに、僕は消極的すぎるかもしれない。
もう少し、自分でまわりを変えてゆけるようにするよ。
「そうだよ。やりたいことはやる、いいたいことは言う、そうしなきゃね!」
※メールを下さった方々へ
メール有難うございます!皆様からのメールは全て読ませていただいています。
このところ、私が読ませていただくばかりで返事が滞っており、申し訳ありません。
状況が少し落ち着いてからお返事いたします。
また御感想等、お寄せください。
A
中期、後期■2003年01月24日(金)
いつもの、学校帰り、車の中。
「私さー、受験終わったらどこ行こうかな?」
生徒は受験のあと、どこかへ旅行するつもりでいるらしい。
「試験受けた日の次の日にしようかな。」
あのな、楽しみにしてるだろうけど、少なくとも発表が出てからにしろ。
それと、結果によっては中期とか後期の受験もありうるんだから、それまで勉強さ
ぼっちゃいかんぞ。
「イヤですー、ようやく終わると思ったのに、めんどくさいー。」
僕が、ま、発表が出るまでは気を抜かずに勉強しとけよ、と言うと、彼女はえ?という顔をした。
「勉強しとけって・・・私1人で勉強するの・・・?先生は?」
あ・・・そか。
僕は、発表までの期間のことをすっかり忘れていた。
「最後まで教えてくれる、よね?」
もちろん、最後までやるよ、一緒に。
少しは延びる、が、どの道そんなに長くない。
求めている■2003年01月23日(木)
ふと、思考が止まる。
受験受験、そればかり考えている毎日。
家庭教師なのだから当たり前なのだけれど、受験のことを考えている限り、生徒との別れに対する感情は押し殺せている。
改めて確認されたその感情があまりに強く、僕は打ちのめされる。
失う。
僕は彼女を失う。
失いたくないのだ。
でも、終わるのだ。
誰でもいい、彼女を失って生じるこの空白を埋めてくれ。
本当に誰でもいいんだ、他の誰かを愛していたい。
分かってるよ、今の僕はただ、代用の人を求めているに過ぎないのだということを。
僕自身が本当に求めている相手は誰なのかなんて承知してるさ。
でも、どうしようもない気持ちなんだよ。