count down to the end/A[mail]
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昨日書ききれなかった分■2002年10月31日(木)
(30日分が長くなったので、二日に分けて書く。)
「私さ、いかんいかんと思いつつ、またやっちゃったんだよねー。」
なにがー?
生徒は別の高校に通う中学の元同級生と何度か遊んでいるうちに、その男子高校生に告白されたそうだ。
で?
「いや、いいよって言っちゃった。あ、でもそっちの方に手を出すような子じゃない から。うぶなんだって。」
この娘…。
さすがにツッコミを入れた。
「いやー、男3人も扱うのって大変だね。彼氏は忙しいし、○○君は学校違うし。先 生が一番おいしいんじゃない?必ず会えるし。」
おいしいのか?
「でさ、彼氏も○○君もすっごい私のこと心配するの。私がメールを返さないと何かあったんじゃないかって心配になるんだって。」
あーそー。僕はいい加減だな、そのへんは。電話が繋がらなかったら、料金払ってなくて携帯止められたなとか思うし。
「そうだよー。なんなんだよもう。で、どう?付き合うべき?○○君と。」
僕に訊くのかよ。
「いや、たまには先生の希望も聞いてあげようかなって。」
あのねー…。
「ね、どっちがいい?」
んー、まあ、友達として付き合っていくことも出来るんじゃないかな。
僕がそう言うと、生徒はにいいと笑った。
かわいいよな。
count down to the end■2002年10月30日(水)
昨晩は数学の指導だった。
厄介な設問があり、それの解説のために指導時間の大半を費やした。
お互い、一所懸命、一所懸命だ。
「堕ろしたことを言うと、みんなやたら心配するんだよね。もういい、ほっといてよって感じ。」
心配するなと言う方が無理だろ。
僕はどういう表情をしたら良いか分からなかった。
ただ、顔をこわばらせていたと思う。
「それに、“あんたは冷たい人だ”って言うんだよ。私はさ、そりゃ子どもには悪いと思うよ。でも、大学には行きたいし、その先やりたいと思うことはあるし。大体、今産んでもお金とかないしちゃんと育てられないわけよ。産んだら産みっぱなし、育児もしないなんてそっちの方が無責任で冷たいと思うじゃん?」
そ、か。
「うん、だからね、私は頑張ります。」
生徒はにっと笑った。
そっか、そっか。
僕は彼女の目を見て、辛かったな、でも、君のことは応援するよ、と言った。
生徒は、 「そういえば、先生、私が妊娠してたっていった時、“おめでとう”とか言ったでしょ。」
ああ。
「あの時、ほんっとムカついた。好きじゃなかったのか!なんなのこの男ー、悔しいとかないのか!って。」
うーん、まあ、一人の家庭教師としてはおめでたかったんだよ。最も、男としてはへこむ感情はあったよ、でも、落ち込んでるのを知られたくなかったからさ、ここは大人として対応しなきゃなって。
「ふーん、まあ、私も先生の顔見ると勉強、勉強とかそんなことしか思い浮かばないんだけどねー。」
あっそ。
「もう後少しだね。」
2月いっぱいか、そんなところだな。
「受験終わったら、会う理由がなくなっちゃうよ。どうする?先生。」
生徒は僕の顔を見ていた。
そうだな、必要とされるなら、君にとっての何者かでありたいと思うよ。
「ふーん。」
明確な恐怖■2002年10月29日(火)
電車の中で携帯から更新。
このところの更新は全て携帯だ。
家に帰ってからは自宅でバイトの予習。
日曜日の電話で生徒に言われたように、きちんと勉強しておかないと教えられない。
特に数学では最近、生徒が僕を凌ぐ勢い。
彼女が涙しない日はいつまで続くのだろう。
このまま忌まわしき記憶は徐々に薄れていってしまえばいいとすら思うこともある。
僕は事の重大さをようやく実感し始めている。
そして、目を背けてはいけない、怖じ気ついてはいけないと自分に言い聞かせる。
自分を奮い起たせなければ、ともすると、深入りするのを避ける方向へ逃げてしまいそうだ。
彼女に共感できる自信が持てなくて、始めから一貫して突き放してしまおう、と。
弱い人間ほど強がる、という言葉を聞いたことがあるけれど、その意味がよく分かった。
そんな態度の自分が怖く、また憎い。
今夜は数学の指導だ。
過剰適応糞食らえ■2002年10月28日(月)
朝、大学へ行った。
教官に卒論の進行状況を報告。
図書館で本を借り、帰り道に本屋をぶらぶらとしてきた。
あれから一週間。
生徒に対して、何もしてやれないと思う一方で、自分こそが何かできるはずだと思い込んでいる。
無力感と過剰な自意識が交代で現れ、下手するとこのまま疲廃してゆきそう。
つぶれていられないんだよ、今は。
日曜の電話■2002年10月27日(日)
昼過ぎに生徒が電話してきた。
今日は模試があるのだけど、彼女は体調に配慮して休んだ。
日曜なので彼氏と過ごしてると思っていた僕は、電話を受けたて驚いた。
彼氏は仕事で忙しいそうだ。
英文の和訳で質問を受け、その後しばらく話した。
「最近になってさ、先生って案外勉強できる人なんだなーって思うようになった。」
じゃ、最近まではどう思ってたんだよ…。
このまま、傷が静かに癒えてゆくなんてことがあるのだろうか。
分からないよな。
辛くなったら、いつでも来なよ。
その気持、僕にぶつければいいんだから。
とりつくろい (25日分も更新)■2002年10月26日(土)
昨晩、久々に生徒の指導があった。
彼女の家に行く前、「気持ち悪くて夕飯食べなかった」と言っていた彼女のために、好きな寿司を買っていった。
「上だけ食べたい。」
生徒はネタだけ食べ、下のご飯を僕に食べるよう言った。
食えよ、食べて元気出せ。
この日も涙はなく。
生徒は平静で、僕も何事もなかったかのように振る舞った。
むしろ、から元気で笑ったりして。
「ここんとこ、ずっとベッドで寝ててさー、暇だったから英語に目覚めました!」と彼女は張りきっていた。
勉強している間は全てを忘れられた。
帰り際、生徒はベッドに仰向けになった。
「こういう格好で台に乗せられて、麻酔かけられたらすぐ記憶がなくてさ、気付いたら別のベッドにいたんだよ。」
そんな格好するんじゃない、馬鹿。
僕はベッドの脇に立ち、彼女が上げた両足を下ろさせた。
数秒のあいだ視線がかち合った。
二人とも何も話さなかったが、僕の脳裏にはここ数日の出来事が浮かんだ。
その思いは、たぶん、表情に出ていただろう。
沈黙を破って「キモーい。何かされそうだったー。」と彼女は起きた。
子どもの頃の思い出■2002年10月25日(金)
子どもの頃、空き地で生まれたばかりの子猫を見つけた。
なぜだか分からなかったけれど、3匹ほど目の見えない状態で子猫が散開してた。
一緒に遊んでいた友達が抱き上げ、彼の妹に渡した。
その妹は喜び、母親に子猫を見せに行った。
その子の母親は、返してきなさいと命じた。
僕らは子猫を拾った場所に戻った。
子猫を放そうとしたとき、捨てられた犬小屋の中からこちらを凝視する母猫の目に気付いた。
暗がりの中で目は黄色く光っていた。
自分の子に危害を加えさせなまいとする目つきに、僕らは威嚇された。
僕らは子猫をその場に置き、その場から逃げ、近所の家の壁の陰に隠れた。
しばらくして、母猫が周りを警戒しながら現れたた。
子猫の母親は、僕らが開放した我が子を口にくわえ犬小屋へと戻っていった。
今あるべき自分■2002年10月24日(木)
今日、生徒と連絡を取っていない。
一日中、ずっと彼女のことが頭から離れないけれど、自分から近付く気になれない。
今、一番辛い思いをしているのは生徒。
僕は、もし必要とされるならば、彼女を守ってやるんだ。
そう心構えているなら、腰を据えて彼女を待っていればいい。
けれど、彼女と話して、自分の不安を彼女に和らげてほしがっていたりもする。
弱い男だ。
馬鹿だな、俺。
内向的な思索なんか、今は役に立たない。
明日は生徒に会うのだから、しょぼくれて自己嫌悪してる場合じゃないんだよ。
彼女を、しっかりと受け止めてやるんだ。
なにも出来ない自分■2002年10月23日(水)
今日は大学へ行く気になれない。
今頃、何事もなければ、生徒の処置は終っている。
この数日、僕は事が進んで行くのを傍観するだけだった。
処分されたのは人間ではない。
母体の血だ。
彼女に刻まれた傷を残して。
昨夜、僕は心配で彼女に電話したとき、彼女は落ち着いていた。
恐怖を感じないように、そして彼女によくあることだが、周囲に心配をかけまいとしているようだった。
強がってるんじゃないよ、馬鹿。
僕は何をしてやることもできない。
情けない。
僕は余りに無力だ。
訳わかんねえよ、なんでだよ。■2002年10月22日(火)
「なんか、私の知ら無いところで決まってたー。」
携帯から聞こえる生徒の言葉に、僕は耳を疑った。
「昨日と今日病院行ってきてさ、明日手術だって。」
「良かったね、先生。私、受験するから先生の指導は続くよ。」 と彼女は言った。
彼女の話し方からは感情が抜けていた。
彼女は、2ヶ月なんだって、、お腹の中の写真撮ったんだよ、血が沢山出て大変らしいよ、と語った。
電話が終わるまで、生徒は少しも泣いたりしなかった。
ばかやろう。
安産のお守り買ってきてやったのに。
今夜渡すつもりだったのに無駄にしやがって。
なんでだよ。
誰にこんなこと決める権利があるんだよ。
ばかやろう。
涙、涙。おめでとう、おめでとう。■2002年10月20日(日)
生徒には、子どもが出来ていた。
土曜の夜、電話で知らされた。
検査薬で2度調べ、いずれも陽性だったとのこと。
おめでとう。
僕がそう言うと、生徒は泣き出してしまった。
馬鹿、おめでたいのに泣くやつがあるか。
「…だって、急すぎて何がなんだかわからなくなって…。」
彼女はそう言うのが精一杯。
後はもう、涙、涙、涙。
彼女は今の気持ちを弱々しく語った。
堕ろすか産むか悩んだこと。
母親に報告したら、「子どもを育てようなんて甘い」とあしらわれたこと。
彼氏には、大学進学を駄目にして申し訳ないと謝られ、結婚しようと言われたこと。
自分がまだ子供なのに、子ども育てるなんて出来ない、学校もこのまま通う気になれない、親にも迷惑かけてしまう、と心配事を言い、また泣いた。
でも、産むと決めたんだもんな。君がその子どもを君が守らなくちゃ。いや、君一人じゃない、頼れる人がいるだろう?
「うん、嬉しかったことなんだけどね、彼氏は始めから私に産ませることしか考えてなかったんだ。」
よかったな。
「でも、受験できなくなっちゃった…。ごめんなさい…。」
彼女は泣いていた。
気にすんな、僕は嬉しいんだよ。
「あれー?妬いてないの?人のものになっちゃいました、えへ。」
咽(むせ)ながら、彼女は笑っていた。
僕もまた、逆転のチャンスはあると思ったんだけどな、とか軽口を叩き。
電話を切るとき、僕は、
おめでとう、本当におめでとう。
そう彼女に送った。
おめでとう、おめでとう。
妊娠してるかもしれない。■2002年10月18日(金)
昨日の夜、近くの陸上競技場でジョギングしていた時のこと。
生徒から電話が来た。
僕は走るのを止めて電話に出た。
「もしもーし。」
鼻声だった。
こんばんは、具合良くなさそうだね。
「明日(金曜の指導)お休みにしてもらってもいーい?」
彼女は学校を早退し、内科へ行ってきたそうだ。
ここ半月ほど、彼女は体調を崩していた。
そして、
「私ね、妊娠してるかもしれないって。医者に言われた。」
生徒はそう言った。
え・・・?
「いや、別に決まったわけじゃないけど。また病院行ってくるけどね、今度は婦人科に。私、産もうかなあ?」
本当?
僕はあっけにとられていて、言葉が浮かばなかった。
「だから―、出来てるかどうかは分からないってば。」
僕の驚き様が気に食わなかったのか、生徒は面倒くさそうに答えた。
「ま、とりあえず父親は誰かな?ってところから始めないと。」
あほなこと言うな。
時期から判断して、僕ではなかった。
彼氏なんだろう?
「きまってんじゃん、冗談だって、冗談。」
話があまりに唐突すぎて、僕は上手く会話を続けられなかった。
また連絡して、と彼女に伝え、僕は電話を切り、トラックの脇に座った。
汗が冷えて、寒かった。
妊娠してるかもしれない、と彼女の言葉を何度も反芻した。
その言葉が頭の中をめぐるだけで、あとは何も考えられない。
自分の好きな女が他の男の赤ん坊を身ごもったかもしれないというのに、僕は呆然とするだけで、明確な感情は出てこなかった。
一日たった今も、事実(といってもまだ不確定だが)の重みだけを感じていて、今の自分の気持ちを表現する的確な感情を選ぶことが出来ない。
今日の学校帰り、僕は何事もなかったように本屋へ寄り、今後の彼女の指導に使えそうな数学の問題集を選んで家に帰ってきた。
嘘つき (15日分も更新)■2002年10月17日(木)
友達とトレーニングしていた。
僕はジョギングが好きで、余裕のある日は一時間くらい走る。
僕は、運動神経が悪く、体つきも上へ伸びるばかりで細く、かなりの非体育会系。
(そう言えば、小中高、どの体育教師にも「ヘラヘラしている」と嫌われていたなあ。)
それでも、走るのは好き。
タイムが上がっていくのを実感できるのが快感だ。
高校の時はこの友人を含め何人かで毎日マラソンコースを走り、タイムを競っていた。
この友人(7月18日)には、半年ほど前、生徒を会わせたことがある。
浮気ではなく、“普通に”付き合っていると嘘をついて。
「いや、お前達がどんな付き合いしてるのか、いまいちイメージ沸かなくてよぉ。」彼は僕と生徒のことを僕に尋ねることを避けていたそうだ。
無理もない、僕はあまり話そうとしないから。
それで僕は、夕方に会うのが常だけど最近は勉強が忙しくてそれどころではいとか、電話で解き方を教えていて喧嘩になるとか、いくつかのエピソードを伝えた。
「そっかー、いいなあ。あの子が大学入ったら周りの男どもに取られちゃうんじゃねえ?負けるなよ。」
ああ、それが心配でね、と僕は彼氏面をして答えた。
親友と呼べき人にすら余裕で偽りを言えるのだ、僕は。
(15日分も更新)
Everybody needs somebody and I need you.(*)■2002年10月15日(火)
20021015
夜遅く、去年の11月まで付き合っていた女の人から電話が来た。
彼女は僕よりも年上で、会社ではしかるべきポジションを手に入れている素敵な人。
当時の僕は、そんな彼女にのぼせていて、一時期は彼女のマンションで半同棲みたいなことをしていた。
ガキは彼女の愚痴を聞き、慰め、毎晩何回も何回もセックスした。
電話でその女の人は、「ちょっとね、訳もなく不安な気持ちになったりするの。」と言った。
そう、いつ頃から?
僕は彼女にとってのセラピスト役。
どうすれば彼女を落ち着かせられるか知っている。
しばらく話し、その女の人は僕に、「ありがとう。気が楽になったよ。」と言った。
そして程なく電話は終わった。
触媒のようなものなのだ、僕は。
物質Aと物質Bが上手く化合するよう、橋渡しとして第三の物質を用いる。
化学反応の結果、化合物ABが出来上がるが、触媒である第三の物質はなんら変化しない。
あの女の人は「結婚なんて考えた事もない」と言い、僕を必要としていた。
そしてある日「貴方のことは好きだけど、私もそろそろ結婚したいの。いつまでも子どもとは付き合っていられない。」 と言い、僕を置いていった。
そして今、彼氏のいる生徒の浮気相手。
毎日のように世話をして、受験が終われば、サヨナラ。
誰かに必要とされているならそれでいい。
僕は誰を必要としている?
(*) "Everybody" / Primal Scream
学生と高3生、それぞれの休日。■2002年10月13日(日)
連休最終日。
怠惰な一日。
自宅で桜井亜美の本を読んだり、My Little Loverを懐かしみながら聴いたり。
「えっとさー、分からない問題があるんだけど。」
20時頃に生徒から電話があった。
今日は朝からずっと数学の問題集に取り組んでいたらしい。
朝からってことは、10時間ほぼノンストップだろう。
すごいよ。
僕の頭には、多分、生徒は彼氏と一緒にいるという前提があったので、これは意外。
いや、でも受験生なんだよな、甘く見てたよ、ごめん。
よしよし、よく頑張ってるね。じゃ、質問に答えようか。
生徒が疲れ気味(無理もない)で、少しでも僕の説明が下手だとキレられる始末。
大変だったけど、なんとか問題は解決した。
肩の荷が下りてホッとしているところだ。
僕と彼女は、家庭教師と生徒として、とても息の合った仲だと思う。
間違ってはいない、これはこれで。
合コン行ってきた。■2002年10月12日(土)
昨日の合コンは行ってよかった。
飲んで、しゃべって、笑って。
充分に盛り上がったところで、じゃ、ってお開き。
楽しく飲む以外何も求めてないし、きっと相手も求めてきてないし。
気楽でいいや。
中には携帯の番号やアドレス交換してる人もいたけど、僕はそういうことは鼻から考えてなかった。
ま、いいいだろ、そんなんでも。
今日は叔父さんの家へ行ってきた。
この間の友人代表挨拶を考えるとき、この叔父さんにアドバイスを頂いた。
お礼はもう先週渡してきたけれど、その時叔父さんが留守だったので、今日改めて報告してきた。
「次は自分の結婚式で喋ることを考えないとな?」
そう笑う叔父さんの家には、孫の写真が所狭しと飾ってあった。
ああ、うちの親父も孫の誕生とか楽しみにしているのかな?
すみません、相手を探すわけでもないのに合コン行くし、浮気相手もやっている放蕩息子です。
のど飴■2002年10月11日(金)
生徒の家へ教えに行く途中、コンビニでのど飴を買った。
火曜日、彼女はひどく咳き込んでいた。
咳が始まってもう10日以上になるはずだ。
勉強を始める前、彼女にのど飴を渡すと、
「なーにー?買ってきたの?同じの家にあるよ。」
そっか。ま、持っておきな。
「んー、これはうちの近くのコンビニで買った?」
僕は、それまで彼女のことを気遣っていた事がなんとなく悔しくて、
ああ、如何にもついでに買ってきたってふうだろ。
と素っ気無い言い方をした。
「そう、ごちになります。」
昨日は英語の長文を読み、休憩のときにその飴を二人で食べた。
今夜はこれから合コンに行く。
今週は疲れたし、こんな息抜きの仕方も良いか。
頭が疲れた・・・。■2002年10月09日(水)
頭が疲れた。
卒論めんどくさい…。
まだ19時だというのにすごい眠い。
生徒は明日、定期テストの最終日を迎える。
今夜も質問の電話が来るだろう。
けれど、僕がこの調子では、上手く説明できそうにない。
また喧嘩になる…。
寝させて…頼むから…。
愚痴っても仕方ない、コーヒーでも飲むか。
焦る男、余裕の女。■2002年10月08日(火)
「どう?今度の髪型。かわいい?」
昨晩、指導に来た僕に、生徒が最初に発した言葉。
美容院を出るのが遅くなったために僕の指導開始も遅れていた。
生徒はセミロングからショートへと髪型を変えた。
耳がようやく隠れるくらいの長さ。
髪に覆われる部分が減り、彼女の顔の可愛らしさが全面に押し出されていた。
可愛さがアップしたね、うん、こっちの方がかなり可愛い。
「でしょー?成功成功。あ、今日遅れてごめんねー。」
生徒は機嫌良さそうに新しい煙草に火を付けてそう言った。
それに、大人っぽく見えるんだな。
「そう、短くしても子どもっぽく見えなくなったんだよね。私も歳かなあ。」
ははは・・・っていうか、明日もテストだってば。
ほら、やるよ。
生徒は先週体調を崩した時の名残か、のどを痛めている様。
声がガラガラ声になっていた。
声がいつもと違う、と僕が指摘すると、生徒は、
「あゆです、音楽も聴ける…長瀬。・・・似てないかな?ほら、髪もおんなじくらいの長さになったし。」
ははは。
キレ気味でテスト対策 (追記あり)■2002年10月07日(月)
昨晩、23時過ぎに、生徒が電話してきた。
数学の問題が解けない、と彼女は言っていた。
定期テスト前で焦っている模様。
解き方を教えるが、板書なしでは全部を伝えきるのは難しかった。
生徒は、僕の説明がわかりにくいと、キレ気味になる。
そして僕は解く事に集中していて口調がきつくなっていた。
お互いにピリピリしながらの質疑応答だった。
余裕、全くなし。
これから英語の指導。
(追記)
彼女の家へ指導に行く準備をしていたら、電話が来た。
「美容院行ってたらさー、遅くなっちゃった。家に着いたら連絡するから、待っててねー。」
・・・って、おい・・・。
明日もテストがるにも関わらず美容院へ行くか、高校生。
ええっと・・・。
confusion of emotions■2002年10月03日(木)
友人に、彼の友人が自殺したという話を聞かされた。
奥さんと生まれたばかりの子を残し、ダムの底で発見されたそうだ。
面識のない人の見に起きた事とはいえ、もらい泣き、ではないが憂うつ。
てゆうか、何で死ぬんだよ。
憂うつな感情がようやく収まってくると、なぜか苛立ちを覚えている。
そして、その怒りの矛先は死者ではなく、僕自身?に向けられている。
何を一人で混乱しているんだ、僕は。
訳がわからない。
受験の季節はすぐそこに■2002年10月02日(水)
昨晩の指導。
玄関で出迎えた生徒は、手にご飯茶碗を持っていた。
おかしな格好。
「来るのが早すぎる。」
そんなことない、定時だ。
生徒は茶碗と箸を持って、僕を部屋へ招いた。
僕は、彼女がおかゆを食べ終わるのを横で見ていた。
体調はまだ良くならないようだ。
それにしても、18にしてはやることが子どもっぽい…。
最近、勉強に対する生徒の姿勢はかなり真剣。
受験生らしくなってきた。
そろそろ赤本の研究を始める時期。
The girl's attitude iritates and confuses me.■2002年10月01日(火)
今日から後期が始まった。
4年間で最後の学期。
僕と生徒が一緒にいるのを見た人がいた。
帰り道、二月ぶりに会った別の大学に通う女子学生に言われた。
控え目で優しい、それでいて芯の強そうな女性だ。
かつて僕はこの人に思いを寄せていた。
僕は、浮気とか家庭教師の生徒だとか面倒な部分を省いて、相手は高校生だ、と答え た。
その女子学生に、
「女の人に放って置かれないんだね。前の彼女と別れて何ヶ月だっけ?」
と言われた。
僕は笑って受け流したけれど、この人にしては珍しくとげのある言い方が気になっ た。
なんなんだ、この気分は。
ひどく不安定なのだ。
あの人がどういう気持ちであのせりふを言ったのか気になって仕方ない。
僕はまだ、彼女の魅力に惹かれている。
でも、僕はその気持ちをこの人に伝える気にならない。
なんなんだ、はっきりしろ。
だめだ、混乱している。
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