-殻-

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2002年08月06日(火) 名前

僕らは名前を付ける。
僕らの共有するもの全てに、名前を付ける。

それは果たして、僕と君の間で同じものを意味するのか、
僕らには実は知る術がない。
それでも僕らは、名前を付け続け、その名を呼び続ける。


いまこのむねのなかにあるもの、


こいつがもし全くこの姿のままで君の心に届いたとしたら、
君は何と名付けるだろう。
僕はそれが知りたい。

しかしそれはできない。
不可能なのだ。


そう、つまり、
僕らが何と名付けようと、「それ」は共有されない。
同じ名前で語られることだけが、僕の「これ」と君の「それ」を繋ぐ。

君は、そんなものは持っていないと言うけれど、
君が名前をつければ「それ」は「それ」になる。
定義は君が持っている。
君が決めていい。
君が決めていいんだ。


だから、名前を付けよう。
僕と君を結ぶ、そのたった一つの言葉で、
共有する僕らを演じよう。

それが、正しい姿なのだから。
それが、きっとあるべき姿なのだから。


名前を付けよう。



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