ふうこの英国留学日記-その後

2002年03月31日(日) 復活祭

今日は今年の復活祭=イースターでした。
といっても、私はパーティーをすることもなく、友達と会っておしゃべりして何も特別なことをせずに過ごしたのだけれど・・・

でも、イースターエッグ(チョコレート出来た卵のなかにおもちゃが入っている)
は買ってあるので、お楽しみに開けてみようかしら?

先日、アフガニスタンの映画「カンダハール」を観たあと、もんもんとしていたときに、フラットメイトのパキスタン人とムスリムにおける女性の地位について話す機会があり、また、さらに考えさせられた。

彼によると、一夫多妻制は戦争によって、男女の比率が崩れた社会において、必要な制度であったこと。これがなかったら、多くの女性が夫・子供を持てなくなってしまうとのこと。一夫多妻制は女性に対する、救済措置でもある。
さらに、カンダハールで描かれている女性像は(常にベールを被り、夫以外の男性には顔をみせることも、口を利くこともままならない)極端なものであり、タリバン政権を批判するためのキャンペーンとして、彼女たちのイメージが使われているという。実際は、イスラム圏でも、ベールを被らないで済む地域は数多くあり、進歩的な女性たちはかなり自由に振舞っているという。

しかし、一方で、イスラム法によると夫の許可が無ければ、妻は国外に出ることはできない、妻からは離婚を請求できないというような情報もあり、実際の状況は、多様性はあるものの、女性の地位が欧米より低いというのは、(彼がいかに女性は我々の社会で尊重されていると主張しても)確実に言えることなのだと思う。

しかし、現在、私の友達の日本人女性の1人はムスリムの男性と恋をし、結婚を考え初めている。しかも、そのきっかけは、私が彼女に彼のことを紹介したことらしいのだ。私は彼女の行く手にある困難な状況を考えると、応援したいのはやまやまだが、複雑な心境。愛しあっていることは素晴らしいと思うが、それですべてが収まるほど世の中は甘くはないことを私は知っている。

しかしながら、恋愛において外野がなにか干渉するほど、無粋なこともなく、彼女が本気で選んだ道ならば、私にはその恋がうまくいことを願うしかないのだ。と思う。

ああ、季節は春です。 
私の愛する人たちがよい季節をもてますように!!



2002年03月24日(日) スペイン病

まだ、スペイン旅行の雰囲気が抜けなくて、のんびりだらだらすごしてしまったこの三日間。毎日オレンジジュースが飲みたくて仕方ないという、スペイン病にかかってしまっている。

トイレは無事翌日の午後に修理の人が来て直してくれました。
でも、それまではいつ直るのか不安だった。寮の管理をしているところに、翌朝一番でトイレが壊れた旨の書類を申請しに行ったが、修理の人を頼んでみるが、いつくるかわからないというので、出かけることもできず、ハラハラした。

トイレが壊れると、こういう文化的生活に普段いかに慣れているかということが良く分かる。開発学をやってる友達には、インドでは手で水を汲んで流してるんだから、なんか自分でバケツに水汲んで来て流せばいいじゃん。と言われたけど・・・私は、この部屋にバケツすら持っていないのだった。

今日は、シネマシティーで石井總互監督の「五条霊戦記」とアフガニスタンの映画「カンダハール」の二本をぶっつづけで観てきた。

「カンダハール」は見ていて辛かった。見た後もずーんと重く心にのしかかってきた。学ぶことを許されない少女たち、医者にも顔や体をさらすことができない女性たち。銃を握る少年や男たち。

一対一の恋愛や婚姻関係に慣れている私にとっては、「私の第4夫人は・・・」と男性が語る一夫多妻制にすごく違和感を覚えた。その地域にはそこにふさわしい制度や慣習があり、それを欧米的近代的視野から見て判断するのは危険だということはわかっていても、この映画の中で見られる、女性のありかたに私は腹立ち、苛立ちを覚え、なんともいえない嫌な気持ちになった。

まあ、戦国時代はもちろん、明治維新以前まで一夫多妻制に近い状態が許されていたのだから、もちろん中近東だけの話ではないのだが・・・。

しかし、イスラム圏での宗教的しばりのきつさ、特に子供と女性に対する扱いのきつさ、を目にするとなんともいえない複雑な思いがした。



2002年03月21日(木) スペイン・ポルトガル旅行

すいません。しばらく日記更新してませんでした。というのも
この一週間、イースター休暇がはじまるや否や、翌朝6時の飛行機で
バルセロナに飛び、一週間のホリデーを満喫していたのです。

バルセロナでは、ガウディのサグラダ・ファミリアを見物。
その後日本から来たKと合流し、ピカソ美術館へ。

スペインはかなり治安が悪いと聞いていましたが、なんのトラブルもなく
無事に過ごせました。しかし、マドリッドの夜の駅はちっと怖かった。
なんか、バルセロナと違って、マドリッドは場所によって、NYチックに
街が荒れていて、ああ、いかにも犯罪が起こりそうという街角を目にしました。
地下鉄に乗ると、人々はかなり騒々しく、大都市でも、ロンドンとはおお違い
みんなが大声でおしゃべりしているので、それをかき消すかのような、アナウンスも自然と音量が大きかったよう。
しかし、プラド美術館は良かった・・・、今、日本でプラド美術館展が開催中で
いくつか、東京にいっているので、展示されていない作品もあったけど、それでも、ありあまる、ゴヤとベラスケスの傑作の数々。

ソフィア王妃芸術センターのピカソのゲルニカが見れたのも嬉しかった。
私は中学生のとき、開校10周年のゲルニカ制作委員会というのをやっていて、巨大な模作を制作したので、この作品には思いいれがある。
実際の作品は想像以上に大きく、迫力。同じ部屋に泣く女の連作の展示もあり、なかなかぐっと来た。戦争で、夫や子どもを失しなった女たちの悲痛な叫びが、聞こえてくるようだった。

三日も滞在したリスボンではのんびーり。
魚介類が豊富でレストランも安くておいしくかった。イギリスの食事に比べると日本人好みの味付けだった。
あと、日本で数年前から人気になったエッグタルトの発祥地。スナック−バーに行くと、魚のてんぷらや、カスタードプリン、エッグタルト、などのお菓子やスナックが2ユーロくらいで何種類も食べられる。

リスボンは坂の町、市電やケーブルカーに乗って、テージェ河を見渡す城壁や教会
をめぐった。
国立美術館に南蛮屏風の傑作があったのにはびっくり。
ポルトガル人は日本人が初めて出遭った西洋人だったのね。ポルトガル人が当時使っていたという地図に、長崎の地名が記してあった。

ああ、しかし、今は楽しみにしていたホリデーが終わって
しまったことが悲しい・・・・

帰るなり、やらねばいけないことが山積み。

しかも、今日の夜、部屋のトイレが壊れてしまった。とほほ・・・

まあ、人生楽ありゃ苦もあるさ ね。





2002年03月14日(木) Finish of Spring Term


この数日、毎日3時間ぐらいしか寝ないで、今日の夕方仕上げたエッセイを提出してきました。
今回は今までの中で一番、時間がかかったけど、結果はどうでるかしら?

本日にて、イースター休暇前の授業および、課題はすべて終了。
一ヶ月の春休みが始まります。私は4月3日からイタリアアートのゼミ旅行でイタリアに行くので、正味は三週間。

ああ、でも、ほっとすると同時に、疲労と頭痛に見舞われている。

とりあえず、しばらくはゆっくりします。






2002年03月11日(月) 一気呵成


ああ、ほぼ、今日だけでエッセイのドラフトを書き上げた。昨日の段階でアウトラインからやり直し、日曜の午前中に、友達と話した話が刺激となって、クロノロジカル=時代順でかきはじめたら、すんなりいった。でも、自分が好きな作品の解説や意味のところばかりが、長くなり、非常にバランスが悪い。
でも、気になる作品じゃないと、かたる気も失せる。

もう、今は読み返すのも嫌な気分。とにかく、どうにか、文字数は突破したし、一応、序論と結論はあるので、小論文となっていることを祈る・・・

ガーっと、書きあげて、こういうときこそ、一気呵成って使うのでは?と頭をよぎり、広辞苑で調べてみると、まさに

一息に文章などを作りあげること。また、物事を一気になしとげること。

とある。これって、いい意味なのかしら? 
ああ、ともかく、今回も提出前に、ライティングハイが一度でも来て良かった。。。書けない時は一日中かかっても、200ワードくらしか書けないのに。
なので、毎回、ライティングハイが来てくれるかすごく心配なのよね・・・・

まあ、今はもう、夜中の3時、エッセイが進んだのはいいけど、明日のプレゼンの準備を全くしていない。

ああ、エッセイで書いた知識を使いまわしします・・・それで、大丈夫なのか?

とりあえず、今は寝るべきか、胃が痛いのは気のせいではない。




2002年03月10日(日) 嬉しいこと


今日も、昨日もエッセイにために缶詰状態のはずが、朝起きてすぐに、同じゼミの日本人と問題点を話すために出かけた。昼に帰ってきて、キチンでお昼を食べていると、フラットメイトと会って、また楽しい話題でもりあがる。

2時からやっと、勉強に戻ったけど、4時ごろに飽きて、ビョ−クを大きな音でかけながら、ストレッチ。
5時過ぎに、BGMをバッハに変えてもうひと頑張り。

さらに、エッセイで疲れ果てた夜8時すぎ、元気づけのために、ご飯でも炊くかと思ってお米を持ってキッチンに行ったら、私の疲れた様子を見かねた香港人の友達が、ご飯が食べたいなら、私のを半分あげる、と言って、まだまだホカホカの中華風炊き込み御飯をわけてくれた。

これには、干し貝柱と、海老と椎茸と、きんかハムみたいなハムが入っていて、美味しいったらなんの・・・

昨日の夜は、彼女の海老と白菜と春雨の煮物(これも、すごく美味しかった)を分けてもらったのに、毎日こんないいものを食べさせてもらって、いいのだろうか?

しかし、おいしい中華料理をながらく食べていない私にとっては、最高のプレゼント。テスト終わったら、今度は私がつくるねーと思いつつ、彼女の料理のほうが断然おいしいので、どうお礼をしていいのか、と悩む。

私が、彼女にしてあげたことといえば、日本製の家電や食品の説明書きを英語で解説してあげたことくらい。

この場を借りて、Cに。いつもありがとう。。。食べ物の恩は忘れません。いつか必ずお礼をします。。。

私を泣かせるのも人だし、私を幸せにするのも人だなあとつくづく思う。テンパってるけど、なんだか幸せな気分の一日でした。



2002年03月09日(土) 魅力的な人間でありつづけること


相変わらず、エッセイを書かなければいけないというプレッシャーのもとで
もがいています。

金曜日の夕方に、マギー(私のゼミの先生)に会って、アウトラインを見せて、こういうことを書こうと思っている・・・と話したら、
「そこはポイントね。まさに、そういう議論をもとめているの」
、と言われでも安心。しかし、
「この問題に関して述べている文献が見当たらないのですが」
というと、
「そこは、あなた自身の認識や、考えを述べていいのよ」
「えっつ?私の考えを書いていいんですか?でも、証拠がないとだめですよね」「ええ、そこはきちっと背景になる資料を押さえてね」

はあ、自分の考えを述べていいと言われ、嬉しいような、余計大変なような。
まあ、結論に導くための論理として、自分で考えたことを書かなくてはいけないのは当たり前なんだけど、専門家が明言していないことを指摘するのは・・・・
私にできるのだろうか。

まあ、こんなマギーとのセッションのあと、日本人学生と一緒に、いかに、中世ヨーロッパを勉強することが日本人である私たちにとって、難しいか?
ということを話あった。出てくる、ラテン語、イタリア語は意味わかんないし、地名や人物名も知らないものが多く、日本語では知っていても日本語の知識と結びつくまで時間がかかる。

しかし、そんな中で、マギーと話すことは私たちにとって、数日分の勉強量に匹敵する。ただ、彼女は、単に情報量が多いということを超えて、話していて本当に面白い人間なのである。膨大な知識と柔軟な思考、いつも人のことを受容しようとする態度。的確なアドバイス。そして、そのユーモアと笑顔。

一緒にいて、面白い、得るものがなにかしらあるという人のところに、他人は集まってくる。なので、マギーを論文のアドバイザーに選びたがる学生は多く、彼女は非常に忙しい。

しかし、魅力的な人物でいつづけることは、大変なことだ。
それは、自分の思考に安住を許さない、生きることに対して貪欲であると同時に緊張感をもち続けること、常に多角的にものごとを見ようとすること、そういった姿勢が要求されるのだ。それを、才能と努力で成し遂げている人間がいる。
マギーに出会えたことは、この大学にきたことの私の大きな収穫の一つだと思う。






2002年03月06日(水) 面白いんだけど、よくわらない・・・

今日はレクチャーのテーマがアートのFunctionだった。
面白いんだなー、これが。正直言ってよくわからないんだけど、ビジュアルや、形ではなく、Functionでアートを分類してみよう。というようなことを言っていたり、制作において、しばしば、Functionは意図されるが、役割というのは社会の中で必然的に決まり、意図されたものとは、また違っていく。なんとなく、イメージとしてはわかる。

この講義のシリーズは、私は単に聴講しているだけなのだが、アートに関するエッセイを書くのに役立つこと必須。

この講義で得られたヒントが、なんか、今週中に書かなければならにエッセイとうまく結びつきそうで、頭の中にまだ曖昧な定義やアイデアが浮遊している・・・

しかし、まだくっきりとした像を結ばない・・・それができれば、書けると思うんだけど・・・

今日は、母が日本から送ってくれた「札幌一番塩ラーメン」にきくらげとネギと海老をいためたのをのっけて食べました。美味しかったー。やっぱ、「札幌一番塩ラーメン」は傑作だなあ。きくらげと海老と良くマッチするよ。



2002年03月05日(火) 忙しいけれど


来週の月曜までに3000wordのゼミのエッセイを書かなくてはならないのに、来週の月曜にまた、短いけどまたプレゼンがあって、金曜日までには400wordのショートエッセイがある。
うーん、その他にも細かい宿題もあって、いくら学期末とはいえ、かなりテンパってきました。でも、春休みのスペイン旅行(たった5日だけど)のために、頑張るぞー。

なんだか、圧迫感はありつつも、なんとなく余裕感がまだある・・・なぜか?
まあ、パニクってもしょうがないし、とりあえず、ショートエッセイだけでも
片付けるかと、晩御飯も食べないで、部屋に帰って勢いで書き始めたら、なんと今400word書き終わりました。人間やれば出来るもんねー。
だらだらしてると、たった、400wordでも何時間もかかるんだけど・・・ね。

この勢いで今晩は、エッセイのためのreadingと思ったけど、まず、明日までの宿題をやらねば、その前にお腹減ったのでご飯たべてきまーす。

今日は、またパスタ。先週は鍋焼きうどんとか作っていたのに、どんどんメニューがシンプルになってきている。。。



2002年03月03日(日) エッセイ=小論文 が進まないひえー

ああ、この週末全然勉強が進まなかった。
資料はけっこう集めたのだけれど、全然読んでいない。
エッセイの骨組みも決まっていない。。。。

なんで、こんなに勉強に集中できないのだろう?
プレゼンの準備は結構がんばれたのに・・・・

プレゼン終わってまだ、数日だから、脳みそに休憩が必要なのかなあ?
ああー、なんで・・・かなりやばい。
しかも、人付き合いにばかり忙しい。たとえば、人のコンサートに顔出したり、
人に人を紹介したり、人の旅行の計画にアドバイスしたり、そんなことばかりで、時間を潰してしまっている。。。

友達は大事だけど、自分の生活のペースが乱れている。
今日はさすがに、友達と会う約束を一件断わった。
今から一週間、めりはりつけて勉強しなくっちゃ。

はあ、本気でやばい。今からがんばります。


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