地域医療、終了 - 2005年06月30日(木) 本日をもって、地域医療タームは終了です。1ヶ月あっと言うまでした。 最初は訪問看護?産業医?何するの??といった気持ちだったのですが、実際に研修させていただくと、普段見ない物ばかりで、思っていたよりもずっとずっと(失礼!)楽しかったです。 個人的に 1)検診の際、受診を奨めるラインについて考える機会を得た 2)カウンセリングの基本に触れることができた 3)正常の胸部X線・心電図を大量に見ることが出来た 正常が解らないと、異常は解らない 4)結婚・出産・育児を経た先生方も多く、 女医の働き方について色々と意見を伺うことが出来た 5)土日がっつり休めた(←おいおい…) という点に於いて、特に有意義だったんじゃないかと思います。はい。 今後地域医療で、もし産業医学に携わる研修医さんがいらしたら(いるのか?) 以下、お勧めの書籍を挙げておきますのでご参考まで。 産業医活動マニュアル(第3版) 石川 高明/瀬尾 攝 監修 高田 勗/野見山 一生 編集 (医学書院・1999年) 定価 6930円(本体6600円+税5%) → この本は元々、認定産業医制度の講習会テキストとして編集されたものであるようです。労働基準法や労働安全衛生法の基本事項から実際的なことまで、網羅的に解説されているのはさすが!です。重要指針の最新情報も改訂時組み入れられており、レポートを書く際に、とても参考になりました。 労働衛生のしおり〈平成17年度〉 厚生労働省労働基準局 編(中央労働災害防止協会・2005年) 定価 588円(本体560円+税) →労働衛生の実態、最近の展開から、労働衛生関係の統計資料までがぎゅっと詰まったコンパクトな一冊。通読するというよりは、要所要所で事典的な使い方をしていました。毎年版が変わるので、最も正確な情報にふれることができます。 かけだし産業医の覚書 医学博士 山田誠二 著(産業医学振興財団・2001年) 定価 1500円(本体1429円+税) →産業医の日常業務を新人産業医の視点から全般的に紹介したエッセイ。 産業医になろうとする人にも、そうでない人にも、さらには一般の方にも、面白く読める本ではないかと思います。価格が比較的安いところも魅力。最近、続編が出たようです。 チェック・ポイント - 2005年06月21日(火) 今日も今日とて健康診断。 移動距離大きいです。泊まり込みでないだけマシか? でも朝がちょっと辛いなあ。うーん。 いつもはあまり混んでいないときか女性社員さんの時間にちょこちょこっと診察(後ろに指導医の監修付き♥)をさせていただくのですが、今日は何故か最初から最後まで診察イスに座っておりました…(;´Д`)ヒィイイイ とは言え、殆どは元気な人々ですし、昔は健康診断の問診って医師になって間もないヒトとか学生さんがやってたりもしたらしいですから、落ち着いて堂々とやればいいんですけどね。。。 まあベテランの先生方のやり方を後ろから見せていただいて、自分でも何回かやってみると大体の手順やリズム―――――― 血圧→尿検査→視力→聴力→心電図→体重・BMI(昨年以前のデータも併せて見る)→他、愁訴や生活習慣など見ながら問診・指導・場合によっては追加検査や病院受診指示→採血に行って貰う も解ってくるものです。やっぱり慣れるって大事ですね。 体重というのは、大したことのないデータのようであって、実はなかなか侮れない。ダイエットや逆ダイエット(?)はともかく、増減に病気のサインが隠れていることも少なくありません。減っているときに着目するのは当然として、急激に増えている場合も、注意を要します。 『男性で、急激に体重が増えている場合、どこをチェックすると思う? 特に20歳代から30歳代』 『…。血中脂質…?血糖??いや…ええと…わかりません…』 診察室に犬がいます - 2005年06月20日(月) 作業環境測定。職場巡視。衛生試験。メンタルヘルス面談。 産業医ならではの面白い話がいっぱいあるんですが、書いちゃうと所属がもろバレになっちゃってそりゃちょっとどーかと…。ええ。へたれ女王なので、書けません。 書きた〜い。でも書けな〜い。ジレンマです。。。 悔しいので、面談室の犬を撮ってきましたよ。 普段は本棚でいい子にしています。 Dr.用のイスに置いてみたら、あらら…なかなかいい感じ。 ケータイでこっそり写真を撮っていたら、いつの間にか背後に精神科(兼産業医)のDr.がおられて大爆笑されてしまいました…。 いいもーん。(´・ω・`) ... 読影してみよう - 2005年06月16日(木) 産業医の大切な仕事のひとつに被用者の健康診断があります。 朝から夕方まで、休憩を挟みつつ一人一人を診察し、帰ってくると今度はデータの整理と読影が待っているのです…。 ってな訳で、読影にチャレンジさせて頂くことになりました。 病棟や外来でよく見掛ける、普通(?)のフイルム(直接撮影といいます)とは違って、小さく、撮影方法の少し異なるフイルム(間接撮影)を機械でぐるぐると巻き取りながら。 機械でぐるぐる?何じゃそりゃ、と思ったあなたのために、写真を撮ってきましたよ。あぁ私ってば、なんて親切♪ ←コラ… ↑フイルムの両端がローラーに巻かれていますね。基本は左進行ですが、逆回しも可。 下に見える白い紙は所見用紙。1枚に約20人分の欄があり、陰影のスケッチなどを 描き込めるようになっています。 ←1枚1枚の写真はこういうふうに見える訳です。 これは拡大鏡を通していない画像ですね。 正常像です(多分…。私が診断する限りでは)。 こんなのが巻物みたいになってずらずらずら〜っと 並んでいるものを、順番に読んでいくのです。 1回でざっと200枚ほど?でも、上の先生方はもっと。 結構目が疲れます。っていうか酔ってしまう…(;´Д`) 検診ということで、大抵は綺麗な写真なのですが、時々ちょっとした所見 (胸膜の肥厚とか、少量の胸水とか、大動脈の蛇行とか…)が見られるので、 気持ちオーバーめに記録しながら進めていきます。 読んだ枚数が100枚を超えた頃、ある写真にハタと目が止まりました。 右中〜下肺野に直径2〜3cm前後と思われる、辺縁整の丸い陰影が! うわっ、嫌なものが見えちゃったかも…。 と思いつつ、とりあえずスケッチをして、次の写真に移ることにしました。 全部の写真を読み終えたところで、2読(※注)の先生が来てくださいました。 〔※他ではどうなのか知らないのですが、ここでは最初に読影をする「1読」の医師と、その所見を見ながら詳しい読影をする「2読」の医師(呼吸器科の専門医)とのダブルチェック体制をとっているのです。だからこそ私なんぞが読影をさせて貰えるのですが…〕 『レイナ先生、どう?何か気になる所見はあった?』 『はい、これがちょっと…(と例の写真を見せる)』 『ほう…どれどれ(と徐に同じ人の昨年のフイルムを取り出し、見比べる)』 『ど、どうでしょう(ごくり)』 女王様、カイシャのヒトになる - 2005年06月13日(月) 今週より6月末まで、本社の健康管理部門への派遣です。 ってな訳で、所属が病院から企業の部門になりました。 久々にスーツなんか着て、電車で通勤です。しかも行き先は会社と来たもんだ。 おお!まるでOLさんみたい♥ 実はウチの部門だけビミョーに隔離されてるんだけどねっ。 …ショムニか? さてさてさて。今月残りは産業医のお仕事を理解しよう、という特集です。 産業医というのは、労働者の健康管理・安全管理のスペシャリスト。 産業医科大学という大学で勉強したり、日本医師会の専門研修を修了したりと通常の医師免許にプラスしてさらに特殊な勉強が必要です。 で、働く人の健康相談、メンタル相談や健康診断、職場の見回りや安全衛生委員会への出席、衛生教育などなどなどを通じて、皆が安全に元気に働くことの出来る職場を作る手助けをしているのですね。 ※しかし厳密さに欠ける書き方だなあ。。。説明って難しい。うぅ。 まあ、そういうスペシャリストが集まった部門に配属されたとお考え下さい。 ウチの会社の健康管理部門、当然ながらこれまで研修医を受け入れたことはありません。私たちの学年がスーパーローテート一期生なので、まあそんなもんでしょう。って言うか、いつもそんなのばっかりですねっっ。ふっ(遠い目) 例によってというか何というか、産業医の資格も持っていない研修医に何処までさせて良いかがわからないということで、ここでの研修は基本的にはあくまで見学中心のカリキュラムになりそうということ。 何かお手伝いだけでも出来たらいいのに。誰か仕事 あと、もうひとつ、結構切実な悩みがありまして。 サトラレ@訪問看護 - 2005年06月10日(金) 以下、雑感というか、チラシの裏です。ま、いつもそうですけど… (´-`).。oO(当たり前だけど看護師と医師は異なる職種… 視点の違いが新鮮でもあり、ちょっと戸惑い) (´-`).。oO(今回最も印象に残ったのは、全身麻痺・人工呼吸の 進行ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方の介護・看護。 在宅でかなりレベルの高いことができるんだ! 軽くカルチャーショック…) (´-`).。oO(看護されている本人だけでなく、その家族も結構 健康上の不安を抱えているものだった… 今後そういう患者さんを診るときは家族にも留意) (´-`).。oO(結局ムシペール使わなかったなぁ) (´-`).。oO(往診する医者って不足しているんだよねえ… 私の実家にしても外来の患者さんで一杯一杯。 ふと「往診専門」でgoogleしてみたら動物病院とか 鍼灸院が多いみたい orz やはり普通の医科では採算が合わないのかな…) (´-`).。oO(訪問看護ステーションの近所にセンスのいい眼鏡屋さんを 見つけてワクワク。絶対また行くぞ。←メガネマニア) (´-`).。oO(一週間、炎天下?を自転車で走り回ったら、顔と手の甲だけ 見事に日焼けして何か浅黒くなりましたよ(;´Д`) やっぱ日焼け止めはこまめに塗り直さなきゃダメダメ) (´-`).。oO(最後に…某地区訪問看護ステーションスタッフの皆様、 今回の研修にご協力下さった患者さんがた、 貴重な経験をさせていただきました。有難うございました!) ... ホントにしてくれる? - 2005年06月08日(水) お前がもしも ボケた時も 俺が最後まで介護するで心配ないぞ 限りある人生にいっぱい 楽しい時間をお前と生きたい 一緒に料理したり 映画見たり 愛のあるSEXに精ェだしたり 何があるかこの先わからへん けどお前を絶対 離さへんで マジで 三木道三 『Lifetime Respect』より この歌が流行ったとき、 ついにラブソングに”介護”という言葉が出てくるようになったか! しかも妻→夫ではなく、嫁→舅/姑でもなく、夫→妻なんだ!! すごーい!!! と、単純に驚き、ちょっと感激したものであります。 一方で、 介護のことをそんなに軽々しく言わないで欲しい… という経験者の方の意見もあり、それはそれでなるほどな、と思ったり。 (´-`).。oO(…どっちやねんな…) 実際に、訪問看護+介護の現場を見ていると、自分が思っていた以上に世の中には便利なシステムやサービスや道具があって、「誰かの介護をする」という事に対する社会の認知度も上がっているし、恐らく例えば10年前や20年前に較べると、在宅での医療・介護は格段にやりやすくなっているのではないか、と思います。 でもしかし。 やっぱ大変ですわ、人のお世話をするということは。。。 特に大変なのはボケちゃってるのに身体は元気で自分で動ける人。 徘徊して行方不明になりかけたり、排泄物を家の壁に塗りたくったりというエピソードは、結構多くの方が経験しているようです。うーん。 『毎日、地獄でした』 『こっちが病気になりました』 『寝たきりになってくれたときは、おじいちゃんが天使に見えました』 酷い言葉だと、憤慨する人もきっとおられるでしょう。 けれど、私には愚痴をこぼしつつ、しっかり頑張って、丁寧なケアをしている彼ら家族を非難することなんて、とてもとても出来ません。 ねえ、最後まで介護してくれる? 必需品 - 2005年06月06日(月) さて。今週から『地域医療』のタームに入ります。 多くの臨床研修指定病院では、保健所で研修することとなっているようですが、私の勤務先では最初の1週:地域の訪問看護ステーションへの派遣、残り3週:本社(※注)の健康管理部門への派遣という少し変わった(?)メニューが組まれているのです。 〔注:私の勤務先は、企業を母体とする私立病院です〕 てな訳で、今日から訪問看護行っちゃうよ〜。 ちなみに、訪問看護ってどんなの?何してるの??という疑問を抱かれたかたは、 日本訪問看護振興財団のHPを参照されると良いと思います。 先日、地域医療研修開始に先立って同期S先生@現在産婦人科ローテ中と一緒に、オリエンテーションを受けてきました。 色々と説明をしてくださったのは、北部エリア・南部エリアそれぞれの代表さんです。もちろん、お二人とも現役バリバリの訪問看護師です。 病院にとってスーパーローテート研修が初めてなのと同様、彼女達にとってもこういうこと(看護学生の実習ではなく、医師が訪問看護を研修しに来る)は初めてということで、手探り状態でありながらも、様々な提案を交えつつのオリエンテーションとなりました。 終わり際、細かいことについて質問などしていたのですが、流石看護師さん。ちょっとした事まで、それはもう至れり尽くせりです。 『暑い中を自転車で走り回るので、脱水に注意してくださいね』 →はーい。 『あと、紫外線対策もしていただいて』 →あ…なるほど。どうもご丁寧に有難うございます。日焼け止め塗ります。 『自転車やジャージもお貸しできますし』 →ジャージは自分のを持っていきますが、自転車は有り難いですね。 しかも電動ですかー?凄い凄い(わくわく)! 『あ、そうそう、ムシペールも用意してありますので、お使い下さい』 …? ムシペール??? ムシペールって、アレやんなぁ。虫除け剤。キャンプの時とか使うヤツ。 やっぱりアレですか?季節も季節だし。自転車で走り回るし。 術衣を脱いだ日 - 2005年06月03日(金) 6月は地域医療の月だけど、スケジュールが週単位ということで、今日まで麻酔科。 1月から5ヶ月の間、緑色の術衣が私の制服でした。 その前の外科の3ヶ月間を含めると、トータルで実に8ヶ月ものあいだ、手術室に入り浸っていたことになります。 病棟のある外科はともかく、朝から晩まで手術室に閉じこもる麻酔科では本当に日の光に当たることが無かったため、すっかり青白くなりました。。。 そんな生活も今日が最後かと思いながら麻酔に臨んだ訳ですが、何故か緊急手術が3件も入り(←麻酔科学会のために予定手術件数をセーブしていたのに…)、あまり感慨にひたる暇もなくどたばたと過ぎてしまいました。 とほほ。
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