会社から家に戻り、車から出てふと上を見ると、三日月が見えた。 三日月に見えたものは月食中の月だった。
今日は月食だったなあ、いいもの見れたなあ、天気悪かったはずだけどラッキーだった、なんて思って家に入った。 「月食見えてるよ」と母に言うと、母も「今見てきたところ」と言った。
今現在の家族の良いバランスは、かなりきわどく成り立っているけれど、でも今はそのうまく回っている感じを精一杯楽しもう(楽しむ、ではないけれど、いい表現が思いつきません)と思っている。
ささやかな幸せだけど、吹いたら消えてしまいそうで、また泣きそうになる。
自然消滅という形でお付き合いに終わりが来た事をどこかで否定したかったのだと思う。
自分がまだ吹っ切れていない事がわかった。 もう駄目だ、と決断をしたとき、「意外と冷静だし、ひょっとして好きじゃなかったのか?」なんて思っていたし、普段の実家生活で一人になる時間がなかったこともあって、連絡が来なくなってから誰かに別れを伝えたり、泣いたりする事がほとんどできなかった。
友人たちが集まるめでたい席で「で、結婚は決まったの?」と言われて、いや実はね、と話し始めたら、お酒が入っていたから、つい、涙が止まらなくなってしまった。ここに書いたような事はほとんど泣きながら話してしまった。「今まで泣いてないでしょ?泣いたらいい」と話を必死で聞いてくれた。
人に伝えた事でようやく自分が別れたという事が納得できて、涙腺が緩んでしまった。こうしてこれを書いているときも少し泣いてしまっている。きっと、一人になるとちょっとした事で泣いてしまう。でも、私だってこう見えて本気だったのだ。おめでたい雰囲気をぶっこわすようにして、人前で泣いてしまうぐらいだし。
めでたい席なのに泣いてしまって本当に、お祝いする人、お祝いされる人の気を悪くしてしまったようで、本当に悪い事をしたなあと思う。
「笑っていなきゃだめだよ。泣いている人のところに幸せはやってこない」 「好きな事に集中していたら、認めてくれる人が現れるよ」 「結婚したからって幸せになれるわけじゃないよ」 色々な事を経験した人の言葉って深いなあ。
今は泣けてくるけれど、泣けてこなくなったら自分の思い通りにしよう。
かたくて甘い桃が食べたい。 完熟の桃をもいで時間がたたなければ、歯ごたえがあっておいしいのだ。 かたくておいしい桃を食べない事には、私の夏は終わらない。
桃が食べたい。
社会人となってから自分で買った車がとうとう走行距離10万kmを突破した。 めでたい。感慨深い。
新車をローンを組んで買った。 たかが3万のローンだったが、(自分のお金の使い方が下手で)きつくて、 「車のローンがあるから会社を辞められない、もしローンがなくなったら辞めてやる!」 と思い続けてみたところ、ローンは無事完済できたが、その後会社がなくなった。
外見は運転が下手なヤンキーが乗っているような車だけれど、 それでも、10万kmも走り続けてくれた事に感謝だ。 私はこの車に「花子」という名前をつけている。 花子号、ありがとう。とりあえず再来年の車検までは乗りこなすよ。
日記に書き残すまでもない事だけれど、気づいてしまった事がある。 だから今後もこの事について書くとしたら、 その時どのように思ったかについてだけ書けば、 あとは見返してみたときに一人でほくそ笑む事ができるのだ。 それとその言葉を文章にして書くことが怖い、抵抗がある、 そんな弱虫だから駄目なのだけれど。
私は5年ぐらい前の忘れ物を取りに行くのだ。 忘れ物を取ってくる事はできないかもしれない、 不発に終わるかもしれない。 忘れ物を取り返したときに幻滅するかもしれない。 ようやく私の手に戻ってきた、と泣くかもしれない。 忘れ物は時効で捨てられているかもしれない。 でももう、これ以上、忘れ物をずっと気にかける生活は嫌だ。
見ていてね。 将来の自分が、この日記の存在を思い出してどう思うだろうか。
甥が遊びに来ている。
弟が「○×あげるから楽しみにしていて」と甥に約束をしたのだが、弟はその約束を果たしてあげることができなかった。 甥は大々的に拗ねてしまい、その落ち込みようは私が見ても可哀想だなあ、と思った程だった。ただ、弟が約束を果たせなかった理由も止むを得ないものだったので、「仕方ないよねえ…」としか言えなかった。 両親は「お前がぬか喜びさせるから」と弟を責めた。 弟はしまいには「はいはい俺が悪かったよ…」と開き直ってしまった。
私が後で「こういう事ってさ、自分の小さい頃にもあったしね、(甥にとって)そういうのは(苦いけど)いい経験にもなったよ、しょうがないじゃん」と言うと、母は「でもあの子(甥)は落ち込むと引きずるからさあ…」と言い、弟は「俺も小さい頃そうだったけど、確かに引きずるんだよね…」と言った。
私もそういう体験は何度もしたし、そのたびに落ち込んだり拗ねたり駄々をこねたりしたのだ。駄々をこねる私に、最終的に両親は「うるさい」と言って黙らせた。 そんなような事が小さな心の傷にはなるけれど、でも、成長して、大人の事情がわかるときが甥にも来るのだから、やはりここは甥に対しては「本当に約束破っちゃってごめんね。おじちゃんも大変だったんだよ、でもあんまり聞き分けがないとそのうち怒っちゃうよー」でいいんじゃないかと私は思う。厳しいかな?
夏休みの予定が全くありません。5日間休めるはずなのですが。 それにしても空しい。
私はずっと誰もいない夏休みを過ごしてきたはずなのに、 楽しかった去年が珍しいだけなのに、どうして空しいのか。 こういう気持ちになる事すら、覚悟していたはずなのに。
去年、夏休みを過ごした地名を見るだけで、心がちくりとする。 状況からしてどう考えても振られたのだと思うけれど、 どうしてうまくいかなかったのか。
誰かに泣いてわめいて話したいと思うけれど、その誰かもいない。
少し前に買った自治宝くじの抽選が終わったようなので、当選番号を調べてみた。 当然のように当選金額100円。 会社では100円でCCレモン350mLが飲める。
サマージャンボ宝くじを買うときに、お姉さんが「100円くじもありますよ!」と言ったので、ついうっかり「じゃあ買います」と口が滑ってしまい、この自治宝くじも買うことになったのだった。お姉さんは、幸運をお祈りします、というような事を言い、それが仕事ではあるけれど丁寧に頭を下げてくれた。結局その祈りがかなう事はなくて本当に私も残念だったが、その時は宝くじを買ってさわやかな気分になった。 ビッグな夢は叶わなくてそれがとても残念だけれど、1000円で色々な妄想を膨らませることが出来てそれはそれで楽しかった。 あまりのめりこみすぎたらいけない。
このとき買った自治宝くじの絵柄が、アップリート君という名のキャラクターだった。青森県だから、帽子が青森県、鉢巻に林檎がついているのね。 ちょっと可愛い。これも今流行のゆるキャラなのか?
こないだ、車で2時間かけて映画館つき郊外型ショッピングセンターへ行った。
そんなこんなで当然お一人様だけれど、やっぱり買い物は一人で行くものだと思う。友人と行ったら気を使うし、家族と行ったらわがまま放題になるし、恋人と行ったら買い物以外の何かに気を取られてしまう。
ショッピングセンターだけあって洋服はカジュアルな物だらけだった。来ている人も、かしこまった服を着ている人はほとんどいない。人の多さに疲れ、買い物に疲れてきて「なんか買わなきゃ」という強迫観念に負けて、丈詰めの要らない、中途半端丈カジュアル探検隊パンツを買った。
さらに買い物に疲れてきて、おなかがすいてひもじい、と思ったので、ショッピングセンターの中のレストラン街を見て回るが、どこも混雑している。みんな誰かと一緒に順番待ちをしている。その中にお一人様で割り込む勇気がなかったので、遅いけどお昼はモスにするか、と諦めて帰ろうと考えた。帰り道にふらっと立ち寄った店の隣に喫茶店があり、あーパスタが食べられる、と思って眺めていたら、「どうぞ♪」とお姉さんが笑いかけてくれたのでそこに入る事にした。店はちょうどそのときは空いていて、食べ終わって追い出される事もなくとても快適だった。
空腹な私に(営業スマイルだけど)笑いかけてくれたお姉さんの笑顔が素敵で惚れそうになった。
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