diary of radio pollution
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風呂上り、部屋の扉を開けると、懐かしい香り。
冷え切った部屋で、風呂前に洋もくを一本吸った。その残香が、鼻を通り記憶を呼び起こす。昔は部屋に入るといつもこの香りが漂っていた。煙草嫌いの人には臭い匂いだが、これがなかなか気に入っていて良い香りだと思う。
夜、古いお付き合いのお宅にて、懐かしい話を聞いた。十一年程前のことだ。煙草を一日二箱ぐらい吸って、絶え間なく煙を吐き出し、馬鹿な会話ばかりしていた頃。
雨が降る直前、チョコレート、皐月の庭等々。
これらは、かの有名なマドレーヌと紅茶みたいなものだろう。
koji
うっかりしていると、年も変わり数日。
またもや銀世界。しかも、道にもしっかりと積もっている。今季、二度も大雪があると、二十年ぐらい前の気候に戻ったかのよう。夜も外が明るい。
先日、外出先にて自転車のヘッドライトを盗まれた。取り外さずに長時間置いていたから。一般的なデザインで実用的なサイズだったのが、人を誘惑してしまったのか。やはりランタンぐらい大きく、異様な物をつけていないと駄目なのだろうか。いや、そもそも自転車という代物自体が現代の共通項であり、そこから外れる乗物として馬を選ぶべきか。結論、やはり馬なのか。
外は雪のせいか、いつにもまして静かだ。こういう穏やかな時間が、長く続けば心地よい。盗みも、人を欺く気持ちも、白い雪が全て覆えばよい。
新雪に残る蹄の跡。
koji
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