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2004年02月13日(金)
なんだか猫の鳴き声がする、と思ってあたりをきょろきょろしてみると、 隣のアパートの廊下の手すりの上に二号さんがいた。 そして二号さんのいる前の部屋のドアが開き、二号さんは入っていった。
なんだろうこの気持ち…。
それは、ごくごく最近まで僕がとっていた行動。 ついこの間まで僕とご主人様の生活のうえでの当たり前のこと。 それが今目の前で行われていた。 二号さんは一声鳴いて、家に帰っていった。 僕の目の前で。
新しい飼い主はとてもイイ方で僕は安心している。 当の二号さんは賢く気高く美人さんで今後の生活も安泰している。 何を思うことがあるのだろう。 もう割り切れたはずなのに。
怒っているわけではない。 悲しいわけでもない。 かといってやきもちを妬いているわけでもなく、 一抹の不安もないわけだし、悔しさもこみ上げてこない。 憤りも感じないし、寂しさもあり得ない。
なんだろうこの気持ち…。
例えていえばそう、失恋の相手が目の前で家に帰っていったとき。 大好きだから恨む気もないけれど、幸せな家庭の中へ帰っていくのを見ると、 なんだか…
切ない。
そうかこれが切ないってことかと、僕は初めて知った。 そうだとするとなんて日本語って感受性豊かな言語なのだろうと思う。 切ない、という言葉で僕は合点がいった。 僕はただ切なかっただけなのだ…。
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