A Will
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2007年03月22日(木) |
柔らかい針で刺される。 |
さて、あっさり頑張れなどと応援されてしまった。
わたしは、これ以上の何を頑張れば良いの?とひっそり聞いたら、 その人は笑って、常套句じゃん、と言った。
頑張れ、なんて。 そんなの。いちいち間に受けて本気で頑張れるとでも思ってたの? だとしたら随分幸せな頭の中身だね。 頑張れーなんて、言った側だって言われた側だって軽く軽ぅく受け止めるべき言葉なんだよ。
饒舌だ。 今日の、その人はとても饒舌で更に1人でずっと喋っているから、 もしかしたら怒っているのかもしれない、などと当たり前の事実に今さら気付いた。
怒ってるの? 話を遮ってたずねたら、小さく短く息を吐く音が聞こえて、 当たり前でしょ。と少し大きな声が聞こえた。
怒るに決まってるでしょ。
決まっている、と言い切ったその人が嬉しかった。ありがたかった。 ありがとう、と伝えたら、どういたしまして、と返ってきた。
君のかける迷惑なんてね、今さら慣れっこなんだから。 そんなのでいちいちお礼されてたら、君は俺に1日中感謝しなきゃいけないよ。 そんなの鬱陶しいからやめてくれる?俺だって忙しいんだ。君に付き合ってる時間なんて限られてるんだからね。
わたしの倍くらい喋っていたけれど、 わたしの倍くらい話も聞いてくれた。
その人は否定も肯定もしない。 ただ。常套句だ、と言い切った言葉をヘラヘラした笑顔で言う。
ありがとう。と50回は言った。 その人は迷惑そうに、感謝されてもねぇ、と言った。
「常套句よ」
笑ったら、大笑いされた。 常套句よ。ありがとう、なんて。
「でも本気だけどね」
笑い声がピタリと止んだ。
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