A Will
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簡単。突き放せば良い。 たったそれだけのことを、わたしは未だにどうしても出来ないでいる。
そこに存在する、ある種の打算と、優しさに似せて作った卑怯さ、とでも言うのだろうか。
焦点を合わせても、見える景色は何一つ変わらない。
高1の冬に似たようなことがあったな、と少し可笑しかった。 あの時のビー玉、まだ部屋にあるのかしら?とぼんやり考えた。
あの時も、そーやって傷ついた目をされた。
ワザトなら相当の役者だし、ワザトじゃないなら相当に酷い。
震える。
怖かったんじゃなくて、バカらしくて、体が震えた。
自制心と馬鹿げたプライドと、こんなことでつく傷なら痛いはずないって思い込みと。
どこかで、ほんの小さなどこかで鳴り響いたみたいな自分自身の笑い声と。
傷つくはずなんてない。 意味なんてない。無意味よりもっと価値が無い。重きを置いていないことで 傷つくはずなんてない。
思い込んで思い込んで思い込んで、なのに少しづつ失敗して、ちょっと痛い。
泣きそう、と言われる。
泣くはずがない、と答える。
タバコを吸って眠るんだ。あの苦くてどうしようもなく不味い煙を吸い込んで出して、早くなる動悸に満足して、
そうして眠るんだ、と今さっき決めたんだから。
その目が嫌い。 痛そうに歪めて、少しの後悔を孕んだ、その目、きらい。
わたしは笑いかけることだって、優しいフリをすることだって、なんとも思ってないフリをすることだって、出来る。
表面に見えるはずの、いっさいの感情を隠せって言うなら隠せる。
そんなこと、君の事を愛していないから、簡単なんだよ。
結局。弱いのだ。わたしは。
一途になりきれない。 言えないことを自らどんどん増やして構築した結果、全てを壊したくなる。
精一杯愛したい。 誰かを。何かを。
明るい車中。冷房で冷えた体を、蚊に刺されたみすぼらしい肌を、好きだと言ってくれる人がいる。
わたしは、きっと笑ってたと思う。 笑うしか出来ないのと、笑うことを選ぶのとでは、大きく違うと思ってるのに、 結局のところ、それ以外の場の繋ぎ方なんてありえないとさえ思えてくる。
重要視しすぎる結果論。 過程だって大切でしょう?と何度も諭されたはずなのに。
絡んだ髪の毛も、乾いた喉も、明るすぎる外も、犬の散歩をしてる人も、 全部、わたしの弱さの象徴で、泣きたくなるくらい普遍なんだもの。
自分に残ってるありったけの良心を捨てて、 君が傷ついて泣いたりしないで(それでわたしを嫌いにならないで)済むように、 嘘を吐き続ける準備は整えたよ。
ねぇ。それでも君たちは、わたしのことを好きだって言うのかな?
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