A Will
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とにかく、その言葉を聞く3秒前のわたしはまったく平和だった。
鼻歌だって歌えちゃうくらい。 3秒後、どうしようもなくなるなんて想像できるはずがない。
「俺は100まで生きる自信あるよ」
この場面で。このタイミングで。この言葉。
ああ優しい人だ、と思った。 優しくて、頼もしくて、本当に殺してしまいたい。
今言った言葉を全部嘘にして欲しい。
そんなに生きなくって良いじゃん。
ようやく口がきけたけど、弱々しかったのはきっと彼も気づいたと思う。
好き。と喉元まで出掛かる。
首を振る。深呼吸。喉が痛い。
好きじゃない。これは本当。こっちが本当。
でも。
嬉しかった。そのまま預けてしまいたいとおもうくらい。
誰でもいい。
道をすれ違う人みんなに、わたしの弱さを頭のてっぺんから足のつま先まで全力で否定してほしいと思った。
2005年05月16日(月) |
「願いを叶えるよ」って神様に言われても頼んであげないよ。 |
良いの?と聞かれた。
軽く眩暈がする。 深呼吸。
なにが?と丁寧に聞き返す。
電話越し。 良かった、と思った。
会ってたら、ムリにでも引っ張られて、きっと連れて行かれた。
彼はそーゆー優しい人だ。
日常は変わらない。
わたしはご飯もよく食べるし、一週間家にこもったりも出来ない。 ただ、夜になれば少し寂しくて、朝になれば少し忘れる。
繰り返す。
死んだ。
言葉にすれば3文字で終わる。 口に出せば1秒もかからない。
ただ、その事実はとても膨大だと思う。
悲しい、なんて言ってられない。
強がりじゃなくて、ほんとにそう思うだけ。 悲しい、なんて言ってられない。
メモリされてない番号。 暗唱できる番号。かけてみた。つながらない。
留守電に転送されて、メッセージを入れなきゃならないらしい。
過去に1度だって入れたことなんてなかった。 だから入れない。
そんな悲しいこと、わたしは出来ない。
いなくなったことを、きっと誰よりも正確に把握したのはわたしだと思ってる。
もう2度と会うことができないって、わたしはとても良く理解してる。
もう一緒に眠ってくれない。 もう迷子になっても見つけ出してくれない。 もう一緒にご飯を食べることはできない。 もう喧嘩することもできない。 もう傷つけることもなくて傷つけられることもない。
もう、どこにもいない。
プラスマイナス、マイナス。
うっかり探すこともできないくらい、現実。
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