A Will
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2005年03月25日(金) 好き、だなんて忘れちゃった。

*削除しました。


2005年03月16日(水) たかが別離。(でも足がすくむ。いつだって)

セイタカアワダチソウ。
そんな名前だと知ったのは中学生になってからだ。


先の妙に黄色いその草を、千切って手渡された。
(どうしろっていうんだ、と途方に暮れる)
ずっと無言だった。
そして、空いてるほうの手をつないで歩いた。



「空が広いって嘘だよね」
「なんで?」
「だって、目に見える範囲なんてたかが知れてるでしょ?」
「・・・・・お前たまに変なこと言うよね」
「私は、目に見える範囲で良い。いっぱいになると大変だから」
「俺は?」
「なぁに?」
「俺のことは?」
「別に欲しくない」
「ふぅん」



千切ってくたびれたセイタカアワダチソウをぶんぶん振る。
でも振ったのはわたしじゃなくて君だった。
わたしの手から乱暴に引っ手繰って、ぶんぶん振ってた。


2人そろって臆病なんだ。
「家に帰ろうか」とどうにも悲しい言葉を、わたしも君も言えなかった。
仕方なく一緒にいたのだ。ほかに誰もいなかったから。


「寂しい」と言う言葉を覚える前だったのかもしれない。
いつから「寂しい」なんて平気な顔して言うようになったのか覚えてないけど。
ただ、君といたときにわたしは寂しくても「寂しい」などと軽々しく言うようなそんな女じゃなかった。





手を振る。


わたしは何回か振り返る。
確認する。


振り返った君と何回か目が合う。


笑う。



また手を振る。
(何故か泣き出したいような気さえする)




++++++++++


「君、ありえへん」
まきちゃんに言われて、笑った。

ありえへん、か。
そぉか。そっか。



この草、セイタカアワダチソウって言うんだよ。と教えてあげた結果。
そんなん普通覚えないって言われちゃった。




調べちゃったんだもん。
覚えちゃったよ。


懐かしい、なんてそんな温かじゃない。




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2005年03月15日(火) 私信。そして私心。

水だと思っていたものは極々薄い墨だったのです(Only you can rock me  五十嵐薫さま)


勝手にリンク貼っちゃったけど良かったのかな?
不都合がありましたら言ってくださいね。すぐに外すので。


+++++++++++

極々薄い墨。
じわりと広がったのかな、とぼんやり考えた。

本当にぼんやり。
ミルクを温めようか考えて結局やめた面倒くささの中で。



わたしの中の君の「死」は、やっぱり水だったのかもしれない。
ぽたりと紙の上に落ちた。
徐々に乾いた。乾ききってもう見えなくなった。

それでも。
水を吸った紙がどうなるのか。乾いても元のようにサラリといかない。
よれて膨らんで、跡形だけ残る。






微妙だ。
どちらにしても、生きてる限り救われることなんてないだろうし、
救われたいともそれほど思わないんだろう。




泣いて、またぽたりと零してみたり、
それすら忘れて、残った跡に軽く失望してみたり、


忙しい。






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強くなりたい、なんてちっとも思わない。


2005年03月14日(月) 愛していると貴方は言う。

もうどうしたら良いのか解んない。

「苦手」ジャンルに押し込めて、見ないようにしてるのに。
そうも簡単に攻めてこられると、負けそうになる。


体力勝負でもするつもりなのだろうか。





あの子はきっと世にも悲しい顔をする。
そうして、ぐっさり傷ついて、時々泣いたりする。わたしの手を払いのけて。


当たり前に弱いあの子を、わたし放っておけない。
そんな浅ましい感情が、もう根づいちゃってるから、とにかくダメなんだ。



そこにいて。
そのまま出てこないで、こっちに来ちゃダメ。困るから。
わたしとても困るから。





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先生を嫌いになりきれない、と思う瞬間。

先生はわたしにとても優しいから、ついわたしはたくさん笑ってしまう。



あの子もわたしに不必要に優しい。ついわたしは甘えてしまう。
甘えきって、困らせてしまう。





「やさしいのはとても怖いから」みたいな歌詞が、
鬼束ちひろさんの曲にあった気がする。(ちょっと違うかもしれません。ごめんなさい)

うん。
優しいのは、ありがたいばっかりじゃない。
途方に暮れる。わたしは、いつも。



「好きだからだよ」なんて、
そんな風に言わないでほしい。




わたしは好きな人にほど、ちっとも優しくなんてなれないのに。


2005年03月11日(金) 純粋じゃない思いばっかりの恋。

お前をそこまで懐柔させるんだから、相当だね。

そう言って微笑むのを気障だと思わないでもなかったけれど、
似合ってるから放っておく。
懐柔、という言葉の意味が解らなくて、わたしはそのとき曖昧に笑い返した。


振られる3ヶ月前くらいの頃の話。



他愛もない。
同じ名前の人だと知ったのは、もう少し後だった。

同じ名前の人に、変な出会い方をして、そうしてまた好きになった。
今度は触れられないような、ただ「好き」になった。




一度だけ殺されそうなほど抱きしめられたけれど、
わたしが死んだら困るだろうから死なないでおいた。

多分、奥様と婚約したころだったんじゃないのかな。




うきうきと、それでいてはらはらとしながら、
わたしは、あのとき想いを伝えようとドアを叩いた。

あのね、と切り出す前に
今度、結婚するんだ、と切り出された。


すさまじく計算された、丁寧な言い方だと思った。瞬時に。
泣かなかったし、心から祝福もした。

『この男に愛されたい』などという圧倒的な好きじゃなかった。
それでも、『この男には愛されたい』というどろっとした思いはあった。


どうして苺を食べるみたいな、瑞々しい予感がないんだろう。



死んだ人間に想いを馳せるのと、
死んだ恋に想いを残すのと、どっちがより悪趣味で不毛だろうか。

(両方だよねー・・・)






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妙に納得した一言。
鋭いなぁ。賢いなぁ、とおもったけど実は失礼なんじゃないの?


2005年03月10日(木) 君はどんどん小さくなる。

冷えた白いご飯と、余ったお新香と梅干があったから、
お湯を沸かして、お茶漬けにして、さらさらと飲み込んだ。



美味しい。




いない、という状態に慣れた。

む。それってなんか、納得のいかない感じだ。



慣れたくなんてなかった。


そうだ、なんだ。
わたしずっと悲しんでいたいのに。せめて悲しんでいたいのに。

楽しいこといっぱいあるし、面白いこといっぱいあるし、
また別の悲しいこともあるし、嫌なこともあるし、

圧倒的に、面倒くさいし。




君のことばっかり考えてられないわたしを、どうか君が薄情だと思ってくれますように。






さらさらと飲み込んだお茶漬けが、今夜、わたしの目から零れるのを想像した。

零れるたびに、君が1つずつ小さくなるような気がして、
うっかり零してきた涙を探してみたけれど、あっとゆーまに水蒸気になったのかどこにもなかった。


空にかえる?

あ、土にかえるんだっけ。海・・・?(個人的に空希望!)





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なんでこんなに絶対視してるんだろう。








2005年03月08日(火) 君を構成したあらゆる物質。

わたしを構成するあらゆる物質。

その1つが欠けたらどうなるんだろう、と下らないながらも有意義な妄想をした。

どろどろに溶けるかもしれない(それはちょっと気持ち良さそう)
反対にカチカチに固まるかもしれない(あぁなんだか面白い)
もしかしたら、何ともないのかもしれない(案外丈夫かもね)


何でもよかった。

わたしはそう言い訳をする。
たくさんのストックされた言い訳から最良のものを選ぶつもりで、
いつも何だか的外れになってしまう。


自分の気持ちがうまく伝達できない。
言葉に変換するのに2,3日かかる。


2,3日の間に、出来事は収縮して
わたしの中の感情も、いつのまにかしぼんでしまう。



言葉だけが、取り残されてストックされて、また繰り返し。
(どうしようもないくらい非効率的!信じらんない!!)






こんなときに思い出すと碌なことにならない。

わたしは傷つきたくなんてないし、悲嘆にくれたい訳でも勿論ない。
どうしてもっと上手に思い出に浸れないのだろうか。

なんでこんな風に、痛い思いをしないとしっかり思い出せないんだろう。
もう頭悪すぎる・・・。



優しくない手。意地悪な笑顔。柔らかいのは髪ばっかりだ、とわたしは思った。
思った、はず。

息苦しい。いつも苦しい。
苦しいけれど、水の中は気持ちが良いから、わたしは何回も水面に出なきゃいけなかった。




彼は、非日常。

夜に行く本屋さんみたいな、ただ煌々と明るい人。



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結局は、特別に好きってことなんだろうけれど。


2005年03月04日(金) 大人ごっこ。

緑。青。紫。黄。赤。それでまた緑。

レインボーとか書いてあるくせに、七色ないじゃん。
ベッドについてたスイッチで遊んでたら浴室のドアが開く音がした。

「何してんの?」

先生は少し笑っているらしい。

「ねぇ、レインボーって何色ありましたっけ?」

私は先生の方を見ないで言って、ベッドサイドの色の変わっていくランプをひたすら見つめる。

「レインボー?虹?七色じゃないの?」

「だってこれ、七色ないんですよ」

ほら、と振り返って先生に見せてあげる。
先生は、少し困った顔をして「本当だ」と呟いた。

「でしょ?変ですよね」

そう言って、私はすぐにこの話題を打ち切る。


「私もお風呂に入ってきますね」





わざと熱くしたシャワーを浴びながら、ひりひり痛む肌を可愛そうだと思う。


『何もなしで一緒に寝ようか』
下らない嘘を先生は吐いて、その嘘の面白さに私も頷いた。
どう見ても紳士には見えない先生を私だって信じようなんて思わない。



浴室のドアをノックされた音に、ビクリと不愉快に自分の肩が揺れた。

「…なぁに?」

できるだけ上機嫌に聞こえるように注意する。

「なんか買ってこようと思って。なんかいる?」

「あぁ・・・えっとお水買ってきてもらえます?」

「解った。じゃ、行ってくるね」

はぁい、と間延びした返事をして心の中で飲酒運転を平気でしちゃう先生を責めた。
別に良いけどさ。あんた婚約したばっかじゃん。







「美味しい水って自ら名づけちゃうのって強気ですよねぇ」

先生の買ってきた水をごくごく飲む。
先生は微笑んで、そうだねって小さく言った。

「美味しいかどうか決めるのは、買った人なのにね」

「でも不味い水ってあったら誰も買わないじゃん」

「うん、だから味については書かないのがセオリーじゃないの?って思っただけです。美味しいですよ。お水」

ありがとうございます、と頭を下げたら、
私のまだ乾いてない髪の毛を先生は撫でて、そのまま後ろに倒された。



何もなし、ねぇ・・・



平気で私の素肌を触る先生を見つめる。
それを何の合図と思ったのか、先生は顔を近づけてくる。


「うそつき」
口を塞がれた状態で言っても、くぐもった音がでるだけで、
なんていうかこれじゃ気持ち良くて声が出ちゃったみたい。
あーあ。


不躾。無遠慮。
どっちだろう、と思うような図々しさ。




秘密の共有、とか色々と面倒くさいことが次々思い浮かぶ。
自分の嫌な声が聞こえて、その不快さに途端に負けたくなる。









「チェックアウト、10時までだって」

フロントに確認した先生は言って、私は時計を確認する。

「あと、10分しかないですよ」


お互いに笑い合って、だからって特に慌てないで、ゆっくり着替えた。
先生の車体の低い車に乗って、朝ごはんの話とかを他愛なく話す。

きっと。
昨日のことには触れちゃいけないのだろう、と思い知る。


「なに食べたい?」

「うーーん。ハンバーガー」

「お前、たまに子供みたいなチョイスするよね」



「うん、私、まだまだお子様デス」





室温で温くなった、買ってもらった水をごくりと飲み込む。

「先生、このお水、すごく美味しいですよ」

新発見したごとく私が報告すると、先生は吹き出した。

「だからさ、それ『美味しい水』なんじゃん?」

先生は笑う。
実に大人らしく笑う。




ふぅん。そういうことね。


まつり |MAIL

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