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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2017年02月28日(火)
Vol.850 幸せなのか、そうではないのか?

おはようございます。りょうちんです。

その人が幸せなのか、そうではないのか? 答えは本人しかわからない。例えば、ひとりの独裁者が権威を振るう独裁国家に暮らす人も、偉大な主導者のいる国に生まれて良かったと思えれば幸せだろうし、怪しい新興宗教にはまり多額のお布施を払っている人も、教祖からの教えを守り実行することが正しいと信じているなら幸せなんだと俺は思う。つまり、どんな状況でも自分は幸せだと感じることができれば、誰もが幸せなのだ。
彼は、ひどく貧しい家に生まれ育った。引っ込み思案でおとなしくて優柔不断で要領も悪くて、さらに人一倍鈍臭い彼は必然的にいつもいじめられっ子だった。高校卒業後、二十歳前にして早くも結婚し二児の父となる。しかし二人目の子を身籠った奥さんが出産のため実家に里帰り中、その奥さんに浮気されてしまう。我が子の顔もろくに見ることができないまま、離婚。数年後、生きていくことに疲れた彼は自殺を試みるが、未遂に終わる。その後、20代半ばで再婚。相手は10歳以上も年上の彼女で、高校生の連れ子がいたため奥さんよりも年の近い子を持つ父となる。新しい家庭の住居としてマンションを購入したが、わずか数年で2度目の離婚。彼に残されたのは多額のローンだけになった。
昔から、彼の家族はとても仲が悪かった。特に彼と彼の父は犬猿の仲で、就職して実家を飛び出した彼はなかなか帰省することもなかった。しかし30代半ば、唯一の味方だった彼の母が急死。それ以降、父とは絶縁状態になる。俺と音信不通になってしまったのも、その頃だ。
2月の寒い夜。彼の実家に、彼が倒れたと連絡が入った。どうやら母方の親戚の家に家族には内緒で居候していたらしく、そこで意識を失い救急車で病院へ運ばれたらしい。これを機に、彼には莫大な借金が残されていることが判明した。あれから2週間が過ぎたが、いまだに彼は意識不明のままだ。意識の戻らない彼は、ひょっとしてずっと幸せな夢を見ているのだろうか。明日は彼の44回目の誕生日だ。