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2016年07月29日(金) ■ |
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Vol.843 コンプレックスの塊 |
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おはようございます。りょうちんです。
ファミレスで食事を終えレジでお会計をしていると、突然俺の名前を呼ばれてびっくりした。振り返ると、高校時代のクラスメイト。「全然変わってないからすぐにわかったよ!」なんて言われたけど、25年振りに再会した彼こそあの頃の面影をそっくり残したままで、にこにこ笑ってそこに立っていた。 彼は、言わずと知れた優等生だった。進学校とされている母校の中でも成績はトップクラスで、卒業後の進路も都内の超有名一流私立大学に早々と学校指定で推薦が決まっていた。おまけにバスケ部のキャプテンだった彼はいつも爽やかで、顔立ちもすごくカッコ良かった。温厚な性格で誰からも好かれる彼は本当に非の打ちどころのない好青年だったと思う。女子からも結構モテてたはずだ。 「神は二物を与えない」なんて言うけれど、彼みたいに良いところばかりを持ち合わせている人もいるんだとあの頃の俺は本気で思っていたし、彼みたいになりたいと彼をうらやましく思い憧れすら抱いていた。頭も良く運動神経も抜群で見た目もカッコ良く性格も悪くなく誰からもモテモテの彼に引きかえ、その正反対の立ち位置にいた当時の俺はコンプレックスの塊だった。成績は後ろから数えた方が早かったし、運動神経も良くなかったし、体も小さく見た目もさえないのび太くんみたいなポンコツな俺に人気があるわけもなかった。持ち前の明るさでそんなことはまったく気にしていない素振りをクラスメイトには何とか見せていたが、心の中ではいつも数多くのコンプレックスと戦っていて、常に背伸びをして虚勢を張っていた気がする。 今でこそ、誰もがそれなりのコンプレックスを持っていて大なり小なりの悩みを抱えて生きているんだと当たり前のように思っているけれど、高校生だった俺にはそんなことすらちゃんと理解できていなかった。きっと彼にだって、それなりのコンプレックスも悩みもあったに違いない。あの頃の俺にもし会えるならば、「もっと自信を持っていいんだぜ!」と教えてあげたい。 彼は結婚して今でも俺と同じ市内に住んでいるそうだ。時間がなくて長話ができなかったから、今度会えたら高校時代の思い出話にもっと花を咲かせたい。
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