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2014年04月24日(木) ■ |
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Vol.816 初めての友達 |
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おはようございます。りょうちんです。
俺がちびっこだった頃、おそらく2歳くらいの俺の写真には、たいがい薄汚れたぬいぐるみが一緒に写っている。クマなのかパンダなのか今ではもうよくわからないが、目は黒いボタンでできていてまん丸な赤い鼻が縫いつけてあり、大きな顔で二頭身のごわごわしたタオル地のぬいぐるみを、俺はいつだって肌身離さず抱えていた。名前はコロちゃん。風呂に入る時以外は眠る時も遊びに行く時も常に俺とコロちゃんは一緒で、旅行先でもコロちゃんを抱いて写っている写真が何枚もある。 コロちゃんがいないと俺は不機嫌だったし、そんな時に誰かがコロちゃんを連れてくればそれだけで気持ちが落ち着いた。一度母が汚れたコロちゃんを俺の知らない間に洗ってくれたことがあったのだが、コロちゃんがいないとぐずる俺は陰干ししてあるコロちゃんを見つけ、濡れているコロちゃんを抱いて離さなくなってしまった。そんな昔話を、今でも母は時々語る。俺の中でコロちゃんの記憶はもうかすかにしか残ってないが、コロちゃんは俺にとって初めての友達だったんだと思う。 3歳になってすぐ、俺は保育園へと預けられた。保育園にコロちゃんは連れて行けない。「コロちゃんをだっこしている赤ちゃんは保育園に入れてくれないよ!」とか、「保育園にはコロちゃんよりもっと楽しいお友達がいっぱいいるよ!」とか、そんなコトバでたしなめられて渋々コロちゃんを置いて保育園に通うことになった俺だが、やっぱりひとりぼっちになる不安の方が最初は大きかった気がする。それでもすぐに保育園になじんだ俺は、いつのまにかコロちゃんの存在も忘れ、まもなくコロちゃんに卒業することができたのだ。 姪の初めての誕生日に、パンダのぬいぐるみをプレゼントした。ごわごわしたコロちゃんとは違って、素材もふわふわで触り心地も気持ち良い。彼女にとっての初めての友達になってくれたらなんて都合の良いことを望んでいたのだが、1歳になったばかりなのになんとこの4月から保育園に通うそうだ。まだつかまり立ちしかできないというのに。がんばれ、おじさんは応援しているぞ。
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