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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2012年05月03日(木)
Vol.791 象の足

おはようございます。りょうちんです。

確かにその夜、俺は浮かれていた。次の日は休みだったし、ちょうど相方の休みと重なるなら少し遠くへドライブしようなんて企んでいたし、そんな折に5万円もの旅行券が手に入ることが判明したし。いつもと同じ心持ちのつもりだったのに、思い返してみると確かに俺は調子に乗っていた。油断とは、そんな時にやってくる。
両手で抱えた荷物を我が家の前に停めた車に運ぶため、スニーカーは突っかけたまま外に出た。階段を降り最後の段差を踏み込んだ時、俺は見事に足を踏み外す。俺の視界は右回転を始めたが、塞がる両手のせいで体を支えることはできない。重力に負けた俺はスローで動く景色の中、今まで聞いたことのない鈍い音を自分の右足から聞いた。その瞬間、激痛が走る。やってしまった。一瞬で思ったが、俺はアスファルトに転がったままどうにもできなかった。痛みにうめく俺を見て相方はあわてて駆けつけたものの、激痛は増すばかり。過去に足をくじいたことも捻挫したことも山ほどあるが、そんなの比にならないほど痛い。もはや、歩くことも困難だ。
それでもどうにか死にもの狂いで自分の部屋に戻り右足を見ると、左足の倍以上の太さに腫れている。くるぶしもわからないほど腫れて膨らんだ右足は、まるで象の足だ。もう遠出とか言ってる場合じゃない。一晩寝れば良くなるかもという淡い期待は簡単に裏切られ、翌朝の俺の右足はさらに腫れ上がっていた。医者嫌いの俺だが、さすがにこれは非常事態との自己判断により整形外科に直行する。レントゲン写真を見ながら医師は、靭帯損傷、全治3ヶ月の大ケガとの診断。靭帯は断裂こそ免れたもののかなりひどく損傷していて、くるぶしの外側の骨が剥離骨折している可能性もあるらしい。痛みは当分続くためギプスを薦められたが、松葉杖だと仕事にも差し支えると突っぱねると、紫色の右足に固定バンドをはめてくれた。
あれから1ヶ月半、今でも俺はシップと固定バンドの毎日が続く。痛みはかなり楽になったが、まだ走ったり正座したりできない。自業自得とはいえ本当に悔やまれるケガだが、遅くとも夏までに完治せねば。今年も、恒例の夏登山が待っている。