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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2005年11月08日(火)
Vol.623 はじめてのライブ

おはようございます。りょうちんです。

歌手の本田美奈子さんが白血病のため亡くなったというニュースには、俺も本当に驚かされた。俺は彼女の特別なファンではないのだが、彼女にはちょっとだけ思い入れがあったりする。
中学3年生の夏休み。といっても、あと数日で9月になり2学期が始まる直前だったと記憶している。俺の生まれてはじめてのライブ体験は、本田美奈子さんのコンサートだった。母がどこかから手にしたライブの招待券を、俺にくれたのだ。当時の俺は、彼女のことが特に好きだったわけではなかったのだが、いつもTVで見ているアイドルに直接会えるという理由だけで、友達を誘いライブ会場へ向かった。
大人は誰も付き添わず、友達とだけでわざわざ遠く電車に乗ってどこかに行くという冒険が、中学生だった俺には楽しくて仕方がなかった。その日だけは特別に、受験勉強からも夏休みの宿題からも開放された気分だった。蒸し暑い夏の夕暮れにライブ会場に着いた俺らは、これからはじまる未知の世界に期待でドキドキが止まらなかった。やがてライブがはじまり、俺らは大音量の彼女の歌声に圧倒される。ステージ上を縦横無尽にパワフルに動き回る彼女に、俺らはとても興奮した。そして気がつけば総立ちのオーディエンスの波の中で、知っている曲を一緒に歌い、叫び、リズムに乗って拳を突き上げている俺がいた。
「あぁ、ライブってすごく楽しいものなんだなぁ!」。熱気が冷め切れない帰り道、つくづくそう思ったのを俺は覚えている。そしてその日をきっかけに、その後の俺は現在に至るまで数々のライブへと足を運ぶことになる。そういう意味では、大げさかもしれないが、俺にライブの楽しさを教えてくれたのははじめてのライブで出会った本田美奈子さんだったと言っても過言はないのかもしれない。
まだ38歳。旅立つには早すぎる。彼女の訃報がニュースで流れるたびに、あの日に歌ってくれた「Oneway Generation」や「孤独なハリケーン」が、俺の胸でリピートする。ココロからご冥福をお祈りします。