ちちやす日記   こんげつぶんきのうあしたかこぶん


2002年11月30日(土) 焦点と集中力、あとは技術が重要かと
 ここしばらく、ネットに音沙汰ない間に何をしてたかというと、絵を描いてました。絵と言っても油絵とかじゃないです(もちろん)。コミックイラストというような、ケント紙にインク、つけペンで描くものです。
 内輪でやっている同人誌の原稿でありまして、三ヶ月に一度の〆切が近づかないことには腰をあげないもので、鍛錬不足の肉体では走れないし泳げない、それと同じく、描くことを忘れた右手は脳の出力を受けつけず、萎縮したこころはイメージを生み出してくれず、リハビリと称して落書きを繰り返し、少しばかり絵のカンを取り戻した頃にはとうに〆切が過ぎてしまってる。なんて状態が長く続いてました。

 趣味の活動が苦痛になってしまう、楽しくてやってたはずなのに。

 今回はひとさまの助けを得てなんとか〆切をクリアしました。それから数日、なにかが大きく変わったわけじゃないけれど、長いトンネルを抜けたような気持ちを今、感じています。作品は人に見せるためのものだけど、仕事じゃないんだから、一番最初の読者である自分が楽しめなくてどーする。そんな、開き直りみたいな境地に、(今だけかも知れませんが)たどり着きました。

 不完全であっても、出来がどうでも、なにかを生み出すことは喜びです。そして、稚拙なものであっても、自分というフィルタを通して世界を見て、そして作り出した成果は、他の人には成し得ないもののはず。自分にしか描けないものがあるなら、嬉々としてそれを成せばいいのじゃないかと。
 むろん、そのためには鍛錬が必要だということも痛感しています。才能は求めて得られなくとも、技術は努力次第、身体を鍛えるみたいに、方向さえつかめれば鍛えることもできるんじゃないでしょうか。いや、やりたいことがあるならば、相応に鍛えないとあかんのです。

 とまあ、〆切明けでハイになってるだけという可能性が高いのですが、ちょっとそんな穏やかな気持ちにもなってみたり、ひさしぶりに『トップをねらえ!』のCDを聞いて、「"努力と根性" で達成できないことはないかもだ」などと無謀な確信を抱いてみたりしてるのです。


2002年11月20日(水) 未知への道標
 凧に導かれて空へと伸びる糸のイメージがいつか軌道塔に姿を変え、彼はその建造に生涯を捧げることになる。 ――『楽園の泉』参照。
 空と(そして宇宙の入り口と)地上を結ぶ軌道塔は、SF者(もの)にでなくとも何ごとかの感慨を抱かせるに充分な、美しく、胸おどらせる光景ではないだろうか。

 空とはまったく逆の方向、フロートからアンカー(ウェイト)まで、水面から海の底へと伸びるガイドロープを見たときに、未知の世界への道標という点では、このロープは軌道塔に似ているんじゃないだろうか、と思った。息のつづく限り好きなだけ、ロープに沿って潜ってゆく。水の層の彼方へぼやけてやがて見えなくなる終端まで、あの場所へ、「行っていいよ」と細いラインが言ってくれたようで、無性に嬉しくなった。

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 今期のNHK朝ドラ「まんてん」。どこからツッコミ入れていいのかわからんストーリー展開とヒロインのキャラクターに頭を抱えながらも、これでもか、とゆーほどいろんな(好きな)役者が出てるし。おヒョイさんナレーションだし。宇宙だし。オープニングはガメラの樋口監督。今日からはアギトの氷川さんまで出る。SF者ロケット少年特撮マニアの心を鷲づかみかよ、ちくしょーめぃ。
 ってことで、あんま熱心ではないのですが見てます。宇宙開発も予算がなくて苦労してたりするんでしょーが! 深海探査はもっと地味だ。「しんかい」が予算不足で運行中止だとか聞くし(教えていただいて、やふーのトピックスで見た。現在、記事はすでに削除されている模様にて再録できず)。

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 日々の出来事も流されるままに、日記に書かねば忘れると思いながらも書けないんだってばさ。なので、よくわからんことを書き飛ばし。説明はないのだ!(筒井ネタ)。


2002年11月15日(金) いずれ血となり肉となる(おもに脂肪?)
 先週いただいた甘いもの・うまいものを羅列。いまは食欲なくてものの味がわからない状態なだけに、ちゃんと食べられるって幸せなんだよなー、と痛感。

11/7(木)
 新宿駅ビル・マイシティの上階に先日オープンしたレストラン街をぶらぶら。力の入ったリニューアルだったようで、内装など凝っていて面白い。駅ビルにしては(または、自分にとっては)敷居が高いような気もするけど。古いPCを壁一面に積み重ねて単色で塗装した『記憶』という名のオブジェが目を引く。
 目当ての沖縄料理店が準備中であったので、空港のラウンジをイメージしたという店で一服。ふくらんだパイ皮も高々と、薫り高いアップルパイにアイスクリームを添えたの、それとカプチーノ。アイスを溶かしてソースみたいにつけて食べるのがいい。けど、パイに比してちょっとだけ量が不足な感じ。好みで選べるソース(チョコあるいはブルーベリー)は遠慮して、シナモンだけかけてもらったんだけど、激甘でもいいからチョコレートソースにするんだった。
 結論:美味しいけれど綺麗に食べるのは不可能。ミルフィユと同様、デート向きではありません。

11/8(金)
 近所にひっそり開店していたスペイン料理店へ。ただきちさんが激オススメするのに違わず、シーフード、肉、野菜もたっぷりの品々は素朴で味わい深くて、いっぺんで好きになる。スペイン料理に馴染みはなく、見知った範囲で言えばイタリアンに似ていると思われる(→このあたりでヨーロッパの地理についてとんでもない発言をしてしまい、地理オンチぶりを嘲笑されるはめに)。
 特筆すべきは、キャベツとスペアリブのトマト煮込み。これは! もう!! 絶品!!! としか言いようがありません。指をベタベタにして軟骨をかじってしまう始末。んまーい。うまいよう。
 デザートはマスカルポーネのジェラート、それとエスプレッソ。ジェラートにはラズベリーのソースかエスプレッソをかけられるので、エスプレッソにする。甘くて苦い、心地よい複雑さ。

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 げんなりすることがある分、遊ぶときは遊ぶのよ。ということで、週末は一泊でダイビングの講習に行ってきます。アドバンスでもレスキューでもありません、の謎講習(ヒントはバラバラまいているので、じつはそんなに謎でもなし)。
 では行ってきます、(もしも)気が向いたら今晩遅くにでも、追加でなんか書きもします。


2002年11月14日(木) 新宿さくらやウォッチKAN
 スキンダイビング用の、できれば水深が計れるダイバーズウォッチが欲しかった。ダイビング用品店にはダイビングコンピュータ(略称ダイコン)はあれど、時計はあまり扱っていない。先日ツアーでご一緒した方に「さくらやで見るといいよ」と教えていただき、行ってみた。ウォッチKANの「KAN」って「館」なんだろうたぶん。
 アルバ、G−ショック、サイバーアクアランド、デザインも機能もさまざまで、どれを選んで良いか迷ってしまう。スキューバ用にダイコンは持っているので、高機能(=お値段もそれ相応)なのは要らないわけで、フロアふたつをうろうろして店員さんに聞いて、比較検討して悩んだ結果、プロマスターアクアランドに決定。買ったからには使い倒す。けつい。

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 どうも調子が良くなくて、1日休みたいところを妥協して半日休暇。帰る頃にはそこはかとなく頭痛。連絡の不行き届きにふりまわされて散々だったので、精神的にまいっていたのかも。
 そんなストレス発散にと(迷惑にも)電話したらば、うっかりものすごい長電話に。夕餉の支度などあろうというのに、長い時間ひきとめてしまって申し訳なく思う。が、ぜんぜん反省してないので、たぶんまたやります【悪】。

 ガーリックとオイルの芳香に誘われ、さくらや地階でニンニクたっぷりのパスタ(バジルとトマトソース)。
 西友でリンゴ(王林、ふじ、ジョナゴールド)を4つ買う。王林をむいて食べたら良い香り、酸味の強いバランスのとれた美味しさ。紅茶牛乳をどんぶり一杯(カフェオレボウルはどんぶりにしか思えぬ)。リプトンイエローラベルの、ピラミッド型のティーバッグをガラスのポットで抽出すると、中で紅茶の葉っぱがくるくる踊っているのが見える。CMとおんなじだ。湯気を吹きながら、イギリス土産のティーバッグもピラミッド型だったなあ、と思い出したりする。

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 いろんな体験が記憶をつくる。その場所へ行って、体験してみないと分からない事柄がたくさんあって、そういうものが自分のなかに蓄積して沈殿して、いつか別のかたちに結晶したらいいのだけど、現状では時間やお金を浪費してるだけな気がする。楽しいことの多くは「役に立たない」ことが多いのでなおさら、いつも少しの罪悪感がある。無心に楽しめばそれでいいはずなのに。
 それはそれとして。たとえばワールドコンに行く、ダイビングをする、などということは、学生時代には考えてもみなかったことなので、それらを経験して記憶として持っていることは不思議ですらある。できることはチャンスを逃さず、なんでもやってみればいいのだろう、たぶん。良い人生だった思い残すことはない、って笑ってこの世を去れたらいい、と言ったら気が早すぎか。ナマケモノゆえ心残りのない人生は送れそうにないけど、役に立たない遊びには、きっと来年も全力で突っ走る。


2002年11月13日(水) 世界をほんの、ひとかじり。
 リンゴを一口かじったほどにも、あなたのことを知らない。あなたが見せてくれている一部分は、向こうの端が見えないほどに大きな広がりを持ったモザイクの、模様のほんのひとかけら。その欠片をわたしは大好きなのだけれど、欠片にすぎないから大好きなのかも知れません。

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 雑司が谷の大鳥神社へ、酉の市を見にゆく。あまりにこじんまりしていて地域密着型で、ありていに言えば夜店がほんの少ししか出ていなかったので、がっかりした。熊手を売る店も一軒だけ、完結した小宇宙みたいな縁日ではあった。
 ついでに鬼子母神にも寄ってみたけど、夕方五時半くらいで閉めちゃうらしい。名物「すすきのみみずく」もどこで扱っているものか分からなかった。今度くることがあったなら、都電に乗って週末の昼下がりにでも訪れよう。そんな機会があるとしたらずっとずっと、何年も先になる予感。都電が廃止されてなくなっちゃってるくらい先に。

 今年は三の酉まであって、つぎは25日。やっぱ浅草(入谷)がにぎやかで良いかな、花園神社も雰囲気があるし、行ってないところに行くもよし。ちなみに喪が明けてないのとか気にして、お参りはせずに、夜店をひやかすだけであります。

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■うれしいうれしいうれしい手紙! なんでこう。ひとを喜ばせてくれるんだろう。ありがたいです、救われます。ありがとう師匠(仮名)。
■ヤフーBBが開通したんだそうで。設定とか変えるの、考えただけで泣きそうです。取説を触るのすら苦痛なので、しばらく悩みそうです。イヤでも自分のPCの面倒は見ねばならんのだ。


2002年11月11日(月) この世に鎮痛剤がなかったら
 アタシは仕事なんかやってらんないのよ! と、何に対してか不明な逆ギレしつつ、おはようございます(現地時間)。頭痛のマイニチです。

 週末は、天気晴朗なれど波高し、といった具合で、島に出かけるのは中止しました。ならプールにでも行こうかなあ、などと考えはしたのですけども、結局はだらだら無意味で無為な土日になってタマシイまで腐り果てましたことよ。時間がない余裕がないとこぼしていても、こうも時間を無駄にしてはバチが当たるんじゃないかしら。いや逆に、ウィークデイの帳尻をここで合わせないと倒れるのではなかろうか。まあどっちでもいいんですけど、あんまり食べずにいっぱい寝たことです。運動はさぼりがちなので体重は上昇線。ストレスでか、先週は間食と甘いものを、恐ろしく多量に摂ってしまってるし。

 例によって「は〜やれやれ」とタメイキつくしかないのです。ジャンプ読んでちょっと血圧あげて、やっこらしょう、とばかり出勤。そーいや低血圧でもありました。そんな、不健康が手招きしてる半健康体みたいな状態で、爪なんかがきっちり伸びているのを見ると人体や代謝の不可思議さを感じます。家主のダメさ加減とは関わりなく、我が肉体は機械のように自律しているのでした。

 タメイキつき苦笑しつつ、ほかにどうしようもないので、凶暴で優しくて難儀な世界に、今日も出てゆきますよ。


2002年11月01日(金) 霜月ってぇと思い出すのが
 小学生の頃に読んだ「モチモチの木」の一節。寒い寒い「シモ月」の晩に、泣きながら走る豆太。滝平二郎さんの印象的なきりえとあいまって、いまでも心に残っている。

 11月。
 生まれ月、みぞれや氷雨の支配する月。12月は忙しくもさまざまな行事で華やかであるのに、11月はどうしてか、風景の彩度が低く目にうつり、曇天のもと日々があるような、そんな気がする。

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 業務連絡。
 今晩から4日月曜まで不在です。いてもいなくても、更新は間遠になりがちなんですけど。


かこぶんきのうあした
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