たまの日々

2003年09月25日(木) 次の日の事

次の日の事を考えるようになった。
おとなになったなあ、としみじみ。
以前は今日を楽しむことに貪欲すぎて、
次の日のことなんて考えられなかった。

つまりそのくらい暇になったのだ。
それはとてもラクで、
少ししんみりして、
なんの進歩もない時間の繰り返し。
言い訳があることを喜んで、
まんじりと自分をたのしむことをなまける、
むなしく無神経な時間だ。

明日は会社のひとの送別会。
幹事はめんどくさい。
仕事はあんまりない。
眠くならないように、
午後にはコーヒーのお世話にならなきゃいけないかな。

ただぼんやりと、
空をみるように、車窓を見るようにTVを見るように、
時間が過ぎていく。
とてもラクでふわふわした時間だ。

火曜日が入稿日だから、
それまでにあれとこれは片付けておこう。
明日こそフィルムを現像しにいこう。
晴れたらいいな、
会社から10分のお散歩。

目に映るくるくる変わる世界に、
自分を置かないで、
しゃぼんだまのようにただよう一日の繰り返しは、
とてものどかだ。

水曜には久しぶりの友人に会いにいこうか。
おっとその前に、
歯医者の予約いれてたっけ。
オトナになってもどきどきする、
私はなんで歯医者がこんなに怖いんだろう。

つまり私は私でいないようにしている。
私が私だと、
私はとても辛いのだ。
あれもこれも足りない、
不完全で、不器用で、不器量で。
はずかしくって、情けなくって、かわいそうで、
誰の前にも出たくない。

12月には人生初のまともなボーナスだ。
寸志なので5分の1くらいだけど、
さらに半年いればボーナスと呼んでふさわしい金額がもらえる。
正社員はすばらしい。
のんびりと仕事をして、
決まった時期にボーナスがもらえる。
月給はびっくりするほど安いけど。

そして私もあなたも忘れてしまえば、
こんなにも私はラクになれる。
そんなことを知った。
痛い程。

今の私の仕事は、
私以外にするひとがいないから、
みんな、たいへんそうだね、とかいう。
やりたいひとがいないから、興味がないから、
私はのんびりと仕事をする。
飽きない程度の向上心と、
怠けない程度の勤勉さで。

あなたを失えば、
私は私である必要なんてどこにもないから、
今の私はこんなにもラクだ。
砕け散って空気に差し込む光のように。

次の日の事を考えるようになった。
おとなになったなあ、としみじみ。
以前は今日を楽しむことに貪欲すぎて、
次の日のことなんて考えられなかった。

けれどやっぱり、
私がいる限り、
私はあなたを失わない。
遠くても、小さくても、触れられなくても。
どこかできっと信じている。
次の日にもあなたを守る。
きっとあなたを守り続ける。


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