今日の日経を題材に法律問題をコメント

2008年10月31日(金) マジックの種明かしは違法か

 日経(H20.10.31)社会面で、マジシャン98人が、テレビ局に対し、マジックの種明かしをして価値を下げたとして訴えていた事件で、東京地裁は、マジシャンらの請求を棄却したという記事が載っていた。


 訴訟の経緯は次のようなものである。

 マジック用に穴を開けた硬貨を輸入しようとしたマジシャンが逮捕された際に、テレビ局がコインの使用方法を解説した。

 その結果、マジックの種が明らかになったため、マジシャンたちが、「種明かしで財産権を侵害された」としてテレビ局に対し損害賠償請求したものである。


 しかし、マジックの種は秘伝でもなく、バラエティ番組で種明かしをしていることもあるくらいだから、「財産権」とはいえないだろう。


 一種のアイデアであろうが、それは法的保護にはされていないと考えるしかないと思う。


 訴訟としては、少々無理筋だったのではないだろうか。



2008年10月30日(木) 社外取締役にとっては厳しい判決

 日経(H20.10.30)社会面、アパマンショップの経営陣に賠償命令という記事が載っていた。


 これは、アパマンショップが、子会社を完全子会社化するために株式を1株5万円で買い取ったが、それが高すぎるとして、経営陣に対し株主代表訴訟を起していた事件である。


 この事件で東京高裁は、経営陣に1億2600万円の支払いを命じた。


 もしアパマンショップに社外取締役がいたとするならば、その社外取締役には厳しい判決ではないかと思う。


 高裁では1株1万円と鑑定した上で、1株5万円は高すぎると認定した。


 しかし、この子会社は上場していなかったから、1株1万円が適正かどうかは社外取締役にはよく分からないのではないか。


 記事からは判決が不当かどうかまでは判断できないが、社外取締役にとっては注意しなければならない判決といえる。



2008年10月29日(水) 「起訴猶予」とは犯罪行為が明白な場合であり、嫌疑不十分とは違う

 日経(H20.10.29)社会面で、福岡高裁那覇支部が、名誉毀損訴訟で、放送各社に対し「実名報道に慎重に対処を」との異例の言及をしたと報じていた。

 
 事件は、中学教諭が少女にみだらな行為をしたとして逮捕され、実名が報道されたが、その後起訴猶予になったことから、報道各社に名誉毀損で損害賠償請求したというものである。


 疑問なのは、起訴猶予処分なのに名誉毀損されたと主張していることである。


 というのは、起訴猶予とは、犯罪を行ったことは明白であるが、情状などを考慮して起訴しない場合だからである。


 犯罪を行ったことが明確なのであれば実名報道はやむを得ないといえる(そもそも実名報道が必要なのかという議論はさておき)。


 ただ、中学教諭が名誉毀損で訴えたことから推認すると、犯罪事実について嫌疑不十分または嫌疑がなかったのではないだろうか。


 検察官は、嫌疑不十分の場合でも「起訴猶予」とすることがあると言われているが、それは本来の意味の起訴猶予とは違う。


 もし嫌疑不十分であるのに起訴猶予処分としたのであれば、そのような安易な処分は問題ではないかと思う。



2008年10月28日(火) 新銀行東京の元行員らを逮捕

 日経(H20.10.28)社会面で、新銀行東京の元行員らが、決算書を改ざんするなどして融資金を詐取した容疑で逮捕されたと報じていた。


 新銀行東京の融資詐取については以前から言われていたから、同種の事案がいっぱいあると思う。


 警察は、その中から、詐取事件の構図が明確であり、証拠がはっきりしているものを選んで事件にしているはずである。


 しかも、このような詐欺事件では決定的な証拠(直接証拠)が少ないから、間接証拠を集めて立証することなり、自然と証拠が膨大になり、捜査に時間がかかる。


 詐欺事件の弁護人になって捜査記録を閲覧すると、「ここまで捜査する必要があるのか」と思うくらい、がちがちに証拠を固めており、びっくりすることが多い。


 その結果、他の同種事案の捜査に手が回らず、逃げ切ってしまうケースも出てきてしまう。


 検察官が指示するなどして、もう少し収集すべき証拠を絞り、捜査の迅速化を図ってもよいのではないかと思うのだが。



2008年10月27日(月) 事務所が立派な会社は要注意

 日経(H20.10.27)16面の「リーガル映画館」というコラムで、『スティング』を題材にして、舞台装置に騙されるなという趣旨で、金地金のペーパー商法事件で、その会社が大手金融機関のようなフロントであったことなどを書いていた。


 実際、詐欺的商法の場合、立派なビルに事務所を構えていることは多い。


 私が行ったことのあるケースでも、銀座通りに面した一等地に事務所を構えていた二八屋(証券詐欺のこと)や、新宿の高層ビルに事務所を構えていた金融屋などがいたが、いまはもうない。


 金融商品を取り扱う会社で、聞いたこともない会社なのに事務所は立派な場合には注意したほうがいいだろう。



2008年10月24日(金) ジャスラックがユーチューブに曲の使用を認める

 昨日の日経(H20.10.23)夕刊であるが、ジャスラックが、管理している楽曲をユーチューブで使用することを認める方針と報じていた。


 これにより、有名な曲をBGMに使った自主映画を自由に投稿できるようになるなど、創作活動に際しての大きな障害が取り除かれたことになる。


 その意味では朗報であろう。


 ただ、ユーチューブに投稿しなければ使用はできない。


 ジャスラックは、すでにヤフー、ソニーなどと利用許諾契約を交わしているが、閲覧数の違いから、投稿者は、ユーチューブに投稿するのではないか。


 そうすると、ユーチューブという1つの企業にあらゆる映像情報が集まることになってしまわないかという懸念はある。


 情報の一極集中は、便利であるが危険でもあるからである。



2008年10月23日(木) 以前からトラブルが多かった海外先物取引業者

 日経(H20.10.23)社会面で、経産省が、海外先物取引を扱う業者を許可制に改める方針という記事が載っていた。


 「ロコ・ロンドン金取引」や詐欺事件が相次いでいることをきっかけとのことである。


 しかし、海外先物取引を扱う業者は、以前からトラブルが多かった。


 「ロコ・ロンドン金取引」が問題になったのも数年前である。


 経産省の対応は遅すぎである。



2008年10月22日(水) 専門用語の言い換えは難しい

 日経(H20.10.22)社会面で、国立国語研が、医療用語を分かりやすくするための言い換え例をまとめたという記事が載っていた。


 言い換えは、裁判員制度が来年から始まることから、法律用語でも盛んに行われている。


 上記の記事では、例として「寛解」は「症状が落ち着いて安定した状態」と日常用語に言い換えるとしていた。


 「寛解」という用語は、ある裁判の際に診断書に記載されていたことがあり、意味が分からず調べたことがあるので覚えている。


 そのとき調べた意味では、症状が好転または消失することであり、完治ではないが、臨床的には問題ない程度にまで状態がよくなるということだった。(Wikipediaなど)


 とくに白血病治療においてよく使われる用語であり、治療によって血液や骨髄から白血病細胞が消失したとしても、白血病細胞が体内に存在するので、「完治」とはいわず、「寛解」というようである。


 国立国語研は「寛解」を「症状が落ち着いて安定した状態」に言い換えることを促している。


 しかし、上記の使用例を見ると、国語研の言い換え例は少し意味が違うように思われる。


 専門外なのでこの指摘が正しいかどうかはよく分からないが、専門用語の言い換えは難しいということはいえる。


 専門用語はきちんと定義され、意味が明確であり、しかも、それを短い用語で端的に伝えることができる。


 それを言い換えるとどうしても意味がズレてしまい、それまで持っていた言葉のニュアンスが伝わらなくなってしまう。


 もちろん、医学用語でも法律用語でも、一般の人に伝えるときに一般の人が理解できない用語を使っていいはずがない。


 それゆえ、一般の人が理解できるように言い換えをすることは望ましいことである。


 ただ、言い換え例の作成にあたっては、もう少し知恵を絞り、できるだけ専門用語とニュアンスが違わないように努力すべきではないかと思う。



2008年10月21日(火) 原審を破棄するまでの必要性があったのだろうか

 日経(H20.10.21)社会面で、名古屋刑務所で男性が消防用ホースで放水され死亡した事件で、名古屋高裁は、職員の乙丸被告に懲役3年、執行猶予5年、高見被告に懲役1年6月、執行猶予3年の判決を言い渡したと報じていた。


 名古屋高裁の判決は、1審に比較して次のように少し重くなっている。


乙丸被告 1審 懲役3年 執行猶予4年
     2審 懲役3年 執行猶予5年

高見被告 1審 懲役1年2月 執行猶予3年
     2審 懲役1年6月 執行猶予3年


 判決(量刑)はピンポイントで決まるわけでなく、ある程度幅があるのはやむを得ない。


 そして、その幅の範囲に収まっている限りは、控訴審は原審を破棄しないのが通常である。


 この件でも、懲役1年2月にするか1年6月にするか、あるいは、執行猶予を4年にするか5年にするかは、許容される幅の範囲内であろう。


 それにもかかわらず原審を破棄した名古屋高裁の判断はめずらしい事案だと思う。



2008年10月20日(月) 顔に傷が残った場合に、男女で区別することは不合理か

 日経(H20.10.20)16面の「リーガル3分間ゼミ」というコラムで、顔などに傷跡が残った場合の労災補償が、女性より男性なのはなぜかということを書いていた。


 後遺障害の扱いでは、女性の顔などに著しい傷跡が残った場合には7級とされているのに対し、男性の場合には12級とされている。(後遺症害が重いほど級の数は少ない)


 そのため労災補償金や賠償金(交通事故の場合)はかなり違ってくる。


 同じ傷跡でありながら、女性のほうが金額が多いというのは、男性にとって納得できないかもしれない。


 ただ、顔などに傷跡が残った場合に、女性の方が精神的苦痛が大きいという社会通念はあるのではないだろうか。


 社会通念は時代によって変わるが、いまのところ、顔などに残った傷跡の後遺障害の扱いを男女で区別することは、「不合理な差別」とまではいえないと思う。



2008年10月17日(金) 相撲八百長疑惑の名誉毀損事件

 日経(H20.10.17)社会面で、相撲八百長疑惑の記事に対する名誉毀損事件で、昨日は北の湖前理事長が出廷して、「八百長はない」と証言したと報じていた。


 昨日は東京地裁の前に報道陣が大勢集まり、法廷ウォッチャーで有名な人もマスコミに囲まれて取材されていた。


 この裁判で問題になっている記事はいくつかあるが、その一つは1975年春場所で北の湖と初代貴ノ花との取り組みが八百長であると書いた点である。


 したがって、その取り組みが八百長かどうかをどこまで取材したかがポイントになる。


 最近、元若ノ鵬が八百長をしたことを認め、この裁判でも証人として証言する予定とのことである。


 しかし、1975年の取り組みについての証言ではないし、元若ノ鵬に取材して記事を書いたわけではないだろうから、証拠としてはかなり間接的である。


 また、昨日の午前中の法廷で、元小結板井が、北の湖と八百長したことを認めており、これは北の湖が八百長をしたことがあるという意味では重要な証言である。


 ただ、1975年の北の湖と初代貴ノ花との取り組みが八百長であったということの直接的な証拠ではない。


 他方、ライターは、八百長の話は、貴ノ花の元妻である花田憲子さんから聞いたと証言したそうである。


 そのため、花田憲子さんの証言が決定的に重要になってくる。


 ところが、花田憲子さんは出廷せず、講談社側は証人申請を取り下げたようである。


 そうすると、他にどのように証拠があるのか分からないが、報道を見る限りでは、講談社側の証拠不十分で敗訴となる可能性の方が高いのではないだろうか。


 もっとも、この訴訟でどちらが失うものが多かったかは別の話である。



2008年10月15日(水) タンクローリー火災事故 元請会社や荷主も責任を負うか

 日経(H20.10.15)社会面で、タンクローリーの火災事故で一部通行止めになっていた首都高5号線が全面開通したが、被害額は45億円に上り、首都高速道路会社は事故を起こした運輸会社に請求する方針と報じていた。


 保険は全額は出ないようであるから、45億円も請求されれば会社は破産するしかないだろう。


 他の新聞記事では、「元請け会社や荷主も請求先とする可能性がある」と報じていた。


 運輸会社が使用者責任を負うのは当然にしても、元請け会社や荷主まで請求先になるということは、使用関係があると考えているからなのだろうか。


 なかなか興味深い問題である。



2008年10月14日(火) 複雑すぎる後期高齢者医療制度

 日経(H20.10.14)夕刊に、「後期高齢者医療制度で未納者が続出」「突然の督促に、高齢者が役所の窓口に殺到」という記事が載っていた。

 高齢者は「制度が難解で分からない」と言い、行政側は「きちんと周知している」と反論しているそうである。


 私は何人かの高齢者の成年後見人に選任されているから、その関係で後期高齢者医療制度の通知がよく来る。


 その通知を読むたびに、正確には書いているのだろうが、複雑だなあと思う。


 後期高齢者医療制度が必要かどうかを議論する場ではないので、その点はさておき、少なくとも制度をもう少し分かり易くしないと、多くの高齢者は理解できないのではないだろうか。



2008年10月13日(月) 「ストリートビュー」はプライバシー侵害にあたるか

 日経(H20.10.13)14面で、グーグルの「ストリートビュー」がプライバシー侵害にあたるのではないかという記事が載っていた。


 「ストリートビュー」とは、地図と連動して、街角の実写画像を見ることができるサービスである。


 グーグルは、車の上にカメラを設置して公道から街角を撮りまくったそうである。


 そのため、ラブホテルの前を2人で歩いている画像などもあり、プライバシー侵害になるようなものもある。(顔をぼかす処理をしているが)


 しかし、このサービスが違法であると明言する専門家はいないようである。


 それは、プライバシー侵害にあたるかどうかは個々の画像について判断するしかないからであろう。


 いいかえれば、「ストリートビュー」というサービスそのものが違法であるということは難しいと思う。


 実際「ストリートビュー」はかなり便利であり、このサービスが生き残ることは間違いないだろう。



2008年10月10日(金) 弁護士が国選弁護事件の接見回数を偽る

 日経(H20.10.10)夕刊で、弁護士が、国選弁護人として受任した刑事事件で接見回数を偽り、水増し請求していたと報じていた。


 この弁護士は、7件で合計47回接見したと報告したそうである。


 1件あたりでは平均7回ということになるが、それほど接見することは、否認事件か、何か特別な事情があった事件である。


 それゆえ、7回も接見した事件であれば覚えているはずであり、勘違いで回数を記載することはあり得ない。


 この弁護士は「故意に事実と違う記載をしたことはない」と答えているそうである。


 しかし、意識的に事実と違う記載をしたとしか考えられない。



2008年10月09日(木) 養育費の不払いは多い

 日経(H20.10.9)夕刊で、離婚した夫から養育費を取れない事態を減らそうと、厚労省が創設した「養育費相談支援センター」が開設から1年を迎えたという記事が載っていた。


 センターには相談が相次いであるが、解決に結びついた事例はほとんどないようである。


 離婚調停などで養育費を支払うよう定めても、支払いがストップしてしまうことは多い。


 女性側の代理人として離婚を請求し、離婚が認められ、養育費も決まってほっとしていたら、しばらくして「元夫が養育費を払わなくなった」と連絡を受けることもしばしばある。


 これまでも、将来分の養育費も強制執行できるようにしたり、破産しても養育費の支払い義務は免責されないようにしたりして、養育費の確保のための法改正をしているが、なかなか効果は上がっていない。


 アメリカでは、不払いに対し罰則が科されるとのことであり、検討の余地はあるのではないだろうか。



2008年10月08日(水) TBSが「風雲!たけし城」と酷似した番組を放映した米ABCテレビを提訴

 日経(H20.10.8)12面で、TBSは、同社が著作権を持つバラエティー番組「風雲!たけし城」などと酷似した番組を放映したとして、米ABCテレビに番組の差し止めや損害賠償を求める訴えをカリフォルニア州連邦地裁に起こしたと報じていた。


 記事によれば、米ABCテレビに番組は、番組コンセプトや演出方法が「風雲!たけし城」などに酷似しているとのことである。


 ところで、著作物とは、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術またはおんがくの範囲に属するものをいう」とされている。

 そして、単なるアイデアは著作物ではなく、保護の対象ではない。

(但し、ここで書いた著作物の定義は日本の著作権法に規定されているものであるが、適用される法律はアメリカの法律であろう)


 それゆえ、TBSは「風雲!たけし城」のどの部分が、単なるアイデアではなく、著作物と考えているのか、そして、裁判所がどのような判断をするのかは興味深いものがある。



2008年10月07日(火) NHKが支払い督促を拡大

 日経でなく、朝日(H20.10.7)夕刊面で、NHKは、これまで225件しかなかった支払い督促を1万件に拡大する方針と報じていた。


 受信料を払っている人と払っていない人との不公平感を一掃することが目的とのことである。


 しかし、1万件といっても、裁判管轄の問題から、対象は都市部の未払い者に限定されるであろう。


 そのため、督促された人とされていない人との不公平感は残る。


 それより懸念するのは、支払い督促をしても、それを放置されてしまえば、未払い者の多くは執行すべき財産はないであろうから、支払い督促が何の意味もないことになるということである。


 つまり、支払い督促を受けてあわてて払った人と、無視して払わなかった人とに不公平が生じてしまう。


 受信料の支払い制度を抜本的に変えない限り、どうやっても不公平が生じてしまうのではないだろうか。



2008年10月06日(月) 「ゲートウェイ21」が債権者に説明会を開く

 日経(H20.10.6)社会面で、経営破綻した留学仲介大手の「ゲートウェイ21」が、留学予定者ら債権者を対象にした説明会を開いたと報じていた。


 説明会には代理人弁護士も同席したが、破たんの原因について「詳細は分からない」と答えたそうである。


 代理人にとっては、経営の実態は完全には分からないし、分からないまま安易なことを言うと、後で問題になるから、あまり話したくはないだろう。


 ただ、債権者から厳しい追及を受けることは予想されたことである。


 そうであれば、「詳細は分からない」というのではなく、経理状態を数字で示して詳細に説明すべきではなかったかと思う(記事では書いてないだけで、説明したのかもしれないが。)



2008年10月03日(金) 「橋下知事は弁護士資格を返上してはどうか」

 日経でなく、朝日(H20.10.3)社説で、「橋下知事は弁護士資格を返上してはどうか」と書いていた。


 橋下知事は、光市母子殺害事件の被告弁護団への懲戒請求をテレビで呼びかけたが、それに対し、広島地裁はその行為が名誉毀損にあたるとして、橋下知事に合計800万円の損害賠償を命じた。


 社説は、それを受けてのものである。


 刑事弁護では、たとえ世間から非難されようと、被告人の権利を守るためにやらないといけないことがある。


 もちろん批判は自由であるが、テレビで懲戒請求をあおるとはどういうことであろうか。


 この人は刑事弁護をやったことがないのではないか。(実際は何回かはあるのだろうが、そのからなにも学んでいないのではないか)


 知事の手腕については見るべきものもあるが、私も、橋下知事は弁護士を辞めた方がいいと思う。



2008年10月02日(木) 私費購入ノートの捜査メモも証拠開示の対象に

 日経でなく朝日(H20.10.2)社会面で、最高裁が、警察官が参考人を取り調べた際に、私費で購入したノートに記したメモでも証拠開示すべきだとしたという記事が載っていた。


 裁判員制度が来年が始まり、それに先立ち公判前に争点などを整理する手続き(公判前整理手続き)が行われるようになった。


 それを機に、裁判所はできるだけ証拠開示するような姿勢に転じてきているという印象である。


 しかし、裁判員制度と証拠開示とは本来関係ないはずである。


 証拠開示すべきかどうかが問題になっる事件では、公訴事実そのものも争われている。


 そのような否認事件では、捜査機関はできるだけ証拠開示して、真実発見に努めるべきであろう。


 今回の最高裁の決定は妥当であると思うが、証拠開示を広く認める姿勢をもっと早くから示すべきであったと思う。


 < 過去  INDEX  未来 >


ご意見等はこちらに
土居総合法律事務所のホームページ


My追加
-->