仕事の帰り道
久しぶりに寄り道をして、 以前、呑み屋を探している途中で見つけた 酒屋を覗いてみる。
新宿の西口の
歌詠みの少女の横をすり抜けていく先の
私が最初に好きになった日本酒 景虎がいくつも置いてある酒屋
何かに追い立てられるように駆け込んで 何かに追い立てられるように慌しく品定めする。
景虎のいくつか。 梅錦のいくつか。
呑み切れないほど選ぶ私はやはり狂っているのだろうか。
問うても誰も答えてくれないことを私は知っている。
打ち込むレヂスターが狂った数字を吐き出すので 酒屋の店主は途方に暮れて意味のない額を請求する。
流れる汗。
果たして意味はあるのか?
「意味などないのだろう」と思う
貴方にとっての私には
何も。
斗瓶取りの大吟醸をあけてみると思いのほか重く。
景虎が私を呼ぶ
けれど貴方は私を呼ばない。
いくら待っても。
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