たった今観たTVに感動し、考えさせられて、久しぶりにパソコンに向かっています。 ある家族のドキュメンタリー。 双子の女の子が4才の誕生日を迎えるまでの記録。妹はすくすくと育っているのだが、お姉ちゃんは「滑脳症」という難病を持つ。 余命2年、と生まれた直後に宣言されたにもかかわらず、揃って4歳の誕生日を迎える事が出来た二人。 両親は、まだ若い。29才だ。双子を授かったのはまだ彼らが25の頃。今の私よりも、若い。 二人の子供を、分け隔てなく、愛情を込めて育てているその姿は、とてもじゃないが同世代とは思えないほど、なんていうか「豊か」で尊敬の念を抱かざるを得ない。難病に負けず、涙よりも笑顔で、日々命と向き合う若い夫婦。 「この両親なら大丈夫、と思ったから、産まれてきたのかもしれない」というような主旨のナレーションがあったが、確かにそう思った。 福祉関係の仕事をしていたご夫婦。きっと、双子が産まれる前から「命」というものに真摯に向き合い、誠実な生き方をされていたのだろうと想像がつく。自分達の子供の一人が難病で余命少ないことを知ったときに、彼らは「泣くのは、二人きりのときだけにしよう」と誓ったそうだ。そんな前向きな気持ちになれる強さ、たくましさ、お互いへの愛情と優しさ。 「生きる」という事の美しさを知っている人間にしか言えない言葉だと思う。 すごいな。 家庭、というものを持つということ。 それを、キラキラした笑顔とともに、保っていく事。 難病の子が居ても居なくても、きっと、大変なことに違いない。大変だけど、守りたいと思う、その気持ち。美しいと思う。
私のように、自分の事で精一杯な人間には、まだまだとても無理だなー。 ああいう生き方をされている人を知ると、なんだか、自分の悩みとか考えている事とかが、ものすごくチッポケに思える。
最近、思うんだよな。 人間って、名誉とか実績とか結果とか、追い求めてしまうけど、本当はそんなの、要らないんだよねぇ。 「結果に出ないと意味がない」、そう言える人はそれだけ努力しているんだから確かにすごく立派だけど、まあ、言ってしまえば、言葉は悪いけど、全て死ぬまでの暇つぶしなんですよ(ひ〜、頑張っている方、ホントごめんなさい)。だったら、上に立つ事や向上する事に力を注ぐのもいいけれど、もっとゆっくり、周りの小さな幸せや暖かさを感じながら歩いてもいいのではないかと・・。そういう時期も、あっていいんだろう、と。 こんな思考になる私は、そろそろ「若いね、頑張ってるね、青春ね」なんて言われる年代から追い出されつつあるのかもしれません・・。
しばらく日記を書いてなかったここ最近、いろいろありました。 金曜には地元のピアノの先生に、久しぶりにレッスンしてもらい、日本とドイツでの弾き方、音の響かせ方の違い(気候やピアノの作りなどによって、テクニック的にも変えて弾かなければならない・・のかな)を再発見して、いろいろ研究してみたり。 その夜には、去年の年末に共演させていただいた合唱団の練習に参加して、改めて合唱団運営の難しさと楽しさを再確認したり。 日曜には、中学校時代の友人ら5人と飲みまくりました。本当に、いろんな生き方があるのね、と、ここでもしみじみ。
そうこうしているうちに、もうすぐドイツ行きですわ。 ちょっとの期間だったけど、日本に帰ってきて良かった。
富大附属OB合唱団、着々と結成に近付いております! こんなに順調に進むとは、私もビックリ。 練習会場もほぼ確保したも同然だし、何より、後輩の一人が、下の学年を取りしきってくれているようなので、連絡がずいぶんラクになりました。 いやいや、やっぱり、愛されていた部活はいいねぇ。 問題は、中学校時代にまだメールが普及していなかった、私達よりも上の世代との連絡なんだよなぁ。
しかし、こうやって、何か仕事として動くのは(いや無償だけど)、楽しいですわ。 自分一人でピアノに向かっている時間も良いけれど、こういう、目に見えて成果の出る生産的な作業って、ウキウキする。 しかも、もうずいぶん昔の青春時代(?)の再現をしようとするんだから、そりゃウキウキもするわな。
うーん、しかし私ってば、本当に富山が、というか、日本が好きなのねぇ。 ドイツでも、これだけの積極性を持って人と接すれば、また違った生活になるだろうに。 いまだに治らない、ドイツ人恐怖症(笑)。なんとかしなくちゃねぇ。と書きつつ、もう半分以上諦めているんですが。
昨日水曜は、富山の、ある合唱団のミニコンサートを聴きに行きました。 富山の合唱団の中では、上手い人達ばかりが集まった技術的に高レベルの団体なのですが、ベルリンでもっとレベルの高い演奏を聴きなれている身としては、そりゃ、色々と言いたくなる部分もある(笑)。 でも、これから、こういう、音楽が決して盛んとは言えない日本の地方で音楽活動をしていくには、どれだけ地元の人達の演奏の「良い部分」を見つけて、それを重要視するか、それを大切に守っていくか、それをさらに育てていけるか、が、必要なんだろうな、と切に思うわけです。 文句は、いくらでも言えるわけですから。 地元の人への音楽の浸透性の今の状況を、嘆いたり、諦めたりするのではなくて、何が出来るのかを考えなくてはいけないのだ、と。 自分が知っている知識や、ドイツで育てていただいた耳、感性、そういうものを、どれだけ地元で生かしていけるか、ということを考えると、音楽が好きで集まっている合唱団のメンバーや、聴きに来ているお客さんの中にある、音楽を好きだという気持ちを信頼して、大切にしていかなくてはいけないわけで。 そんな事を考えさせられた一日でありました。
夏から私の個室となる予定の、実家の2階のキッチン。 どう手を加えて部屋らしくするか、リフォームの本やインテリア雑誌などを眺めて、想像を膨らませるのは、ものすごく楽しい作業。 冷蔵庫をペインティングしたりするつもり。 小さい頃から、「部屋の模様替え」が大好きだった私。 ドイツでは、物を買っても日本に持って帰れないので、もともとあるもので工夫してきたけど、それがかえって良かったらしく、今実家にあるタンスや本棚をどうリフォームして利用するか、という方向でアイディアがポンポン出てくる。
ペンキやタイルの下見に、某ホームセンターと、某家具屋に行って来た。 家具屋さんって、大好き。 展示してあるダイニングテーブルや、ソファーなどに座って「いいねぇ」と。ウキウキする。いろいろ眺めて、手作りのためのヒントをもらう。
一番欲しかったのが、手触りが超気持ち良い「パウダークッション」。 これがねぇ、楽しいんだわ。ホラ、最近、癒し系グッズのぬいぐるみなんかでよく使われている柔らかいフニフニの、あるじゃないですか。あれの、クッションなんですよ。今までなかった座りごこち。腰が、ズボズボっと沈む感じ。 床に置かれた大きなそのクッションに座ったが最後、なかなか立ちあがれず、展示スペースで、あわあわと、もがいていた私。大笑いでした。こりゃ、子供は大喜びでしょうな。ていうか、私が大喜びしていたんだけど。
・・・ピアノ、練習してるのかって? してます、してます。 曲数が多いので、3日のローテーションを組んで、なんとか。 金曜には、実家の先生のレッスンを久しぶりに受ける予定。
そういえば、昨日の夜、初めてLivedoorの堀江社長の生出演番組を見たんですが。 彼のビジョンは面白いし、期待するんだけど、なんだかあの大人気ない態度に、ビックリ&ガックリしちゃいました。うーん、あれもパフォーマンスの一つだったのかしらねぇ。メディアでは言いたい事が言えないもんなんだ、という。 一生懸命進行させようとする女子アナさんが、非常に大人に見えましたが・・。 「わかります?」とか「あのねぇ」とか、人を馬鹿にしたような堀江氏の言葉は、マイナスイメージになる気がするんですけどねぇ。
2005年02月20日(日) |
小さい子供と音楽で遊ぶ |
実家に、母の友人の家族が遊びにきました。 2才の女の子と、ご夫婦。
その女の子は、いずれはピアノを習いたいらしく(まだ小さいので、本気でそう思っているかはわからないけれど・・・笑)。 母達が話している合間に、ピアノで遊ばせてあげたのですが、いやいや、小さい子供と遊ぶのって、奥が深い。 幼稚園でやっている「音遊び」みたいなものを、その女の子は私達大人に教えてくれたのですが、これが、なかなか楽しいんですわ。 低い音を強くドーンと弾くと、「キャー」と倒れる振りをしてみたり(笑)。 いやいやー、なるほどねー、という感じ。 幼稚園の保母さんに、小さい子供と音楽で遊ぶメソードを教えてもらおうかと思ったくらいだわ。こういうのは、多分YAMAHAの音楽教室とかは上手いんだろうなぁ。
これから、日本で教えるとなると、こういうことも学ばなくちゃいけないのかなぁ・・・ねぇ。
夜、TVで、アルゲリッチが出演する、グルダをしのぶコンサートの録画放送。 あの、アルゲリッチでさえも、緊張するんですねぇ。 そのちょっと前に見たスポーツバラエティの中の、タイガーウッズの「勝ちつづけるだけだ」というセリフとともに、複雑な心境で観ておりました。 ていうか、TV、観すぎ?
2005年02月19日(土) |
富大附中OB合唱団(仮)。 |
中学校時代の、恩師のお家に遊びに行ってきました。 私に、合唱の楽しさを教えてくださった、当時のコーラス部顧問、H先生。 初めてうかがったお宅には、想像通り、大量のクラシックのCDが壁一面に並べてあり。 ベルリンフィルの年間スケジュールの冊子を手土産に持っていったのですが、やっぱり音楽の先生だけあって、ドイツ語だというのに興味深く読みふけっていらっしゃいました。やっぱり、好きな方は日本に居ても、有名オケやソリストのいろんな情報を持っていらっしゃるもので、想像以上に話も合って、楽しかったわ〜。 富山の音楽界事情なんかも、興味深く聞かせていただきました。
それでですね。 私の出身中学、富山大学教育学部附属中学校の、コーラス部ですが。 OB・OGの合唱団を作れないものかと、思っているのです。 今回H先生のお宅にお邪魔したのも、その相談もあったからなのですが。 H先生は喜んで指揮・指導をしてくださるそうです。 私も、喜んでピアノを担当するつもりですし、H先生時代の附中コーラス部OB・OGのうち、今富山に住む人達だけでも集まれば、わりといい合唱団が出来るのではないかと思うのです。
附属のコーラス部出身の方。 私も、富山に帰るのは今年の8月なので、それ以降の活動となりますが、もし設立の手助けをしたい・興味がある・参加できるなどの声があれば、今のうちからメンバーを募集したいと思います。 いずれ改めて専用のページを作るつもりですが、とりあえず今のところは、個人的に上記メールフォームから、私にメールを送ってくださると嬉しいです。 まだ、どのような活動をしていくかは全く未定で、相談しながら決めていく事になると思います。その相談役になってくださる方は特に大募集です。よろしくお願いします。
事務的内容はここまで。
今日は、我が家にホームシアター用のデジタルサラウンドシステムが設置されました!!うわーぃ!! 年始に父が、くじ引きで当ててきた品。 もう、すごいんだ、これが。映画館よ、映画館(笑)。 音が、横から後ろからヒュンヒュン聞こえるんだ。楽しい〜。 クラシックも、かなり良い音で聴けます。 これで、ベルリンフィルのDVDとか、聴く(見る?)つもりなり。うひひ。
お昼に、モツ煮込みうどんを食べに。 ああ、富山ですわ〜。 小学生の頃、よく食べに行っていたお店ですが、久しぶりに。 41号線沿い、越州村の隣の小さなお店。富山の方ならわかるかな?
モツ煮込み、味も美味いのですが、なによりご主人の手さばきが素晴らしい。お昼の混雑時に行ったので、一番忙しい時間帯。ズラッと並べた土鍋に、次々といつのまにか鍋焼きうどんが出来あがっていくその手際。見ていて飽きないのよねぇ。 無愛想で、黙々と作業しているのですが、なんだか職人魂を感じました。 何十年も、毎日毎日、コンロの前で鍋焼きうどんを作ってきた、その年季が感じられる、無駄のない、迷いのない、美しい動き。
こういう人生もあるんだな。
話は変わりますが。 実家のピアノ室、一年半ほど前に、防音のために改築工事をしたのです。 そのためにピアノの響きが床や天井に吸収されすぎてしまって、なんだか弾いていても音が伸びない。帰国する度に「ピアノも部屋に慣れるまで時間がかかるから・・・」と、我慢していたのですが、さすがに、このままだと余分な力がかかって変な癖がつき、良い音を作れなくなってしまうかもしれない、と怖くなりまして。 で、調律師さんに相談したのです。 その結果、本日、肉体労働(笑)。部屋全体の絨毯を撤収です。ピアノを二人がかりで片足ずつ持ち上げ、ソファーもずらし、汗だくになりながら、なんとか。 絨毯を取ってしまえば響きは良くなるだろう、とは思っていたんだけど、やっぱり、ずいぶん改善されました。 あとは・・・。反響板を壁と天井に付ける予定、だけど、ま、このままでも大丈夫かな・・・。
こうやって、ピアノと部屋と、自分のテクニックと、折り合いをつけながら、少しづつ調節していく。 こういう作業は、実はちょっと楽しい。 自分の出したい音のイメージ、それに近付くための練習。その練習をする部屋をどう設定するか。あまりにも練習ピアノの音を抑えすぎると、本番のステージで音が出すぎて萎縮する事もあるし、不用意に鳴るピアノを使いすぎると、指が甘くなったりして・・・まあ、一言では言えない難しさがあるんだけど、奥深くて、ぞくぞくする。 ドイツと日本では、気候も違うし。湿気は楽器と密接な関係があるのです。 ま、結局、実際は自分の精神とテクニックの問題なんですけどね、ええ。
日本にこの夏、完全帰国する予定なので、その準備が着々と進んでおります。
というのも。 実家に、私の個室を確保しよう、と。 今までも私が寝る部屋はもちろんあったのですが、ほとんど物置状態でして。なにしろ、愛知の大学から引き上げてきた4年前、とりあえず荷物をほぼ梱包した状態のまま自室に積めこみ、そのままドイツに飛び発ったもので。 その後も、日本と幾度も往復しつつも、結局まともに片付けをしないまま「完全に帰ってきてから・・・」と、手をつけずにいたんですわ。
約8年を経て実家に戻ってくるのだから、ちょっと環境を整えなければなりません。 大学時代によく着ていた服とか「懐かし〜」と浸りながら、片付けは微々たる速度で進んでいくのでした。
ああ、私って、どうしてこんなに、モノを捨てられないのかしら。
ご無沙汰でした。 日本・富山に無事帰ってきております。
東京にて、話題の「オペラ座の怪人」映画版を観ました。 素晴らしかった。 劇団四季かなにかで、一度観た事があるのですが、その時はほとんど感動しなかったこのミュージカル。(舞台装置に凝りすぎていて、興ざめ気味だった記憶が・・) 映画になると、グッと役者の表情やセリフが解りやすく、映像美、音響、申し分ありませんでした。舞台版にない新しい曲も違和感なくよかったし。 まあ、役者さんが吹き替えナシで歌っているので、歌に関しては最初はちょっと不満だったけど、後半のドラマティックな盛りあがりには、もう引き込まれてしまって、怪人がクリスティーヌにキスされた後の表情なんて、涙なしには観られない・・・。 終演後、一緒に観に行った友人と、あまりの感動に言葉もなく、とにかく涙、涙。 これは、観るべし、です!
週末、箱根にも行ってきましてね。 のんびり、温泉に入ってきました。 ペンションで、ボードゲームにハマってしまった私。温泉ならでは、ですな。
箱根ユネッサンっていう、スパというか総合施設がありまして、そこにも遊びに行きまして。 水着を着たまま、混浴で遊べるゾーンでは、屋外にあるコーヒー風呂や酒風呂など、物珍しかったのですが、とにかく寒い!!室内に入っても、寒い!!室内・温泉の温度を上げて欲しかった・・・。後楽園の温泉とのクオリティの差に、ちょっと残念でした。 もちろん、普通に裸で入る温泉自体は、非常に良いお湯で、満足。
で、入院する友人のお見舞いに行ったりしたあとに、富山に戻ってきました。 あああ。 あまりにも、なまってしまった指に、ピアノの前でお手上げ状態です。 少しづつ、リハビリしていかなくちゃ。
2005年02月10日(木) |
小澤mitベルリンフィル |
帰る準備。 お土産買ったり、掃除したりしているうちに、あっという間に過ぎ去ってゆく時間よ〜。
ということで、お昼の松本君のコンツェルトの試験は聴けませんでした。聴きたかったけど。
夜は、小澤征爾指揮のベルリンフィル。 前半のハイドンは、かなり楽しかった。 もう、音楽が楽しくて仕方ない、っていう指揮ですね。 曲が手の内に入っている、すごく弾き込んである(指揮は「弾く」とは言わないか)感じがした。あのお歳で、あれだけ勉強する気力がすごい。ウィーンで常任してるから、またどんどん良いものを吸収されているのだろう。何度も言うが、あのお歳で!!人間、いつまでも成長できるもんだな。 後半ショスタコ10番は、よくわかんなかった。なにしろ幸運な事に、休憩中に、ある方からA席正面のものすごくいい席のチケットをいただいてしまい、もう、目の前のベルリンフィルの迫力、個人芸にただただ圧倒されていて、指揮あんまり見てなかったからな・・。 しかし、なぜか小澤さんが来るときは、A席に座っている事が多い私。そういうめぐり合わせなのかしら。ありがたい。 詳しい演奏会日記は、また後日・・・いつになるかわかんないけど・・・。
さて、帰国じゃ帰国じゃ。
ベルリンのみなさん わたくし、携帯をどこかに落としてしまいました。 自宅の電話も、ネットにつないでいる事が多く、連絡が取りづらい状態なので、何かあったらメールでお願いします。
帰国直前なので、バタバタしちまいまして。 私が帰国中、ピアノを何日か友人に使ってもらうことになりまして、今日は久しぶりにその友人と、夜ご飯を家で食べました。 あああ、同居人がいた頃が懐かしい。
明後日帰国とはね。全く実感がわかん。 つい最近帰ったばかりだからだな。
今後はシンプルな生活をしよう、と、必要最低限のもの以外は持ち帰るつもりでいたのですが、やっぱり思ったよりもモノが多い我が家。 トランクにいろいろ詰めた後、部屋を見渡して「ほとんど変わってないかも」と思ってしまった。 あああ、完全帰国するのが恐ろしい。
2005年02月08日(火) |
松本和将君の試験を聴きに。 |
久しぶりに、UDK(ベルリン芸術大学)に、足を伸ばしました。 かれこれ、2年・・・いや、もう2年半ぶりぐらいか。(ん?そうでもないか?) とにかく、UDKによく通っていたのは、このサイトを始めるずっと前の話なので、もう、感覚としてはかなり昔ですな。
ベルリンに来た当初、土日に練習をしに行ったり、クラス発表会をしょっちゅう聴きに行ったり、もちろんレッスンをしてもらったりと、ほぼ毎日のように通っていた、懐かしい学校。 あまりにも懐かしくて、泣けてきそうなくらいでした。 ああ、あの頃は、受験で大変だったな〜。 生徒さんたちが、みんな上手で、かなり勉強になったんだよな〜。 刺激を受けまくってたんだよな〜。 いつかこの仲間入りをしたい、と、憧れていたんだよな〜。 まあ、結局はいろいろあって、私はUDKではなくて今のLeipzig芸大に通う事になったんだけど、この学校で得たものは、本当に大きかった。
そんなことを思い出しながら、今日は、松本和将くんの卒業試験を聴いたのです。 松本とも会うのは、かなり久しぶり。 久しぶりに聴いた彼のピアノは、やっぱり安定していて、曇りのないテクニック、コントロールされ尽くした知性のある演奏。少々感情を抑圧しすぎかも、とは思ったけれど、相変わらず、舞台慣れした安定感が、彼の大きな強みですね。
しかし、UDKの試験って、すごいんだわ。 2回に分けてソロ演奏があるんだよな。それにコンツェルトも。 エチュード、バッハの平均律3曲または組曲、が必須。 他に古典、ロマン派、現代・・・。まあ、この辺はLeipzigとそう変わらないけど。 ビックリしたのは、試験に初見演奏があるってこと。10分ぐらい、事前に譜読みして、4ページほどの曲を弾くんだけど、これが、結構難しそうな曲なのさ。ひ〜、こんなの初見でやるの〜?って感じの。 ・・・ううむ。やっぱり、Leipzigよりも、レベルが高い気がする。 Leipzigの試験は、60分のソロ演奏と、コンツェルトのみ。 あああ、ライプツィヒのレベルで満足したくないがためにベルリンに住み続けているのに、やっぱり、学校が生徒に求めるレベルからして違うんだなー・・。ちょっとショック。 まあ、刺激を受けましたよ。 久しぶりのUDK、いい緊張感でございました。
で、ですね。 上手い具合にちょうど、帰る時に松本とばったり会い、2人で一緒にフィルハーモニーまで、明後日のオザワのコンサートのチケットを買いに行ったのです。 久しぶりなので、話が弾む弾む。 なんてったって、ほぼ2年ぶりかな。ホラ、松本はしょっちゅう日本に帰っていて、いつベルリンにいるんだかわかんないんですよ。そんなわけで、ずっと会ってなかったのだ。 2人で喋っていると、なんだか、昔よく一緒に遊んでいた頃を思い出して、かなり楽しくなってしまった。 彼によると「感情を抑圧した演奏」は、わざとやっていたらしい。やっぱり、試験だから、なるべく揺らさないようにしていたんだ、と。模範演奏ってヤツを意識して弾いていたんだろう。
しかし、あれですな。 日本で大活躍、いわゆる成功をつかんでいる人間ってのは、やっぱり余裕があるんですな。 話していても、自然に相手を気遣ったり、適した話題をポンポン出したり、非常に感じのいい笑顔を見せたりするのは、彼の性格なのか、長年のタレント並みの生活で培われたものなのか(笑・・・ごめん、マツキ)。 ま、もともとそういう気質はあるんでしょうね。頭のいい人ですし。 1歳年下ながら、改めて、「出来るヤツ」だと、再認識した今日なのでした。
・・・って、ベタ褒めしたんだから、実名出してもよかったでしょ(笑)?>マツキ
今日は、チケットの手配やら荷造りやらで、バタバタ。 帰国は金曜なのですが、それまでにやるべきことが、こう考えると結構ある。 ピアノも、一段落つけてから帰ろうと思うと、かなり集中してやらないと間に合わないし。 ということで、充実した一日。
夜は、キーシンのベートーベン協奏曲全曲演奏の一日目を聴きに行ってまいりました。 いやー、疲れた。 あんなに雰囲気のない、ファンタジーの広がる余地のないベートーベンは、もう懲り懲りだ(笑)。 今日は1番から3番、あさって4,5番なんだけど、もう聴きに行かないな、絶対。 もちろん、一日に3曲もコンツェルトをやる、その、気力体力には脱帽ですが。
最後、アンコールのトルコ行進曲の自作アレンジは、なかなか面白かった。
会場を出るときに、サプライズが一つ。 ある見覚えのない女性から声をかけられたのです。 日本からのご旅行らしいのですが、なんと、私のこのサイトをよく見てくださっているらしい。顔写真のおかげで、私だとわかったのですね。 いやいや、世間って狭いわ・・。悪い事出来ないわね。 思いっきりキーシンの悪口言ってたんですけど聞かれてしまったでしょうか・・。
しかし、こういうときって、なんか、うれしはずかし、で、反応に困ってしまいますね(笑)。声をかけられている間、「日本からベルリンに来るっていうメールを最近くださった方っていたっけな?」と、パソコンの字面に思いをはせてしまった私。相手の事を少しでも知っていれば、「ああ、あのメールの・・」などと話は出来るのですが、なかなかどう話をしたらいいのか、難しいですな。 でも、声をかけていただいて嬉しかったです。今後ともよろしくお願いします。
2005年02月06日(日) |
またちょっと帰国します。 |
えー、突然ですが、また3週間ほど帰国いたします。
今週から学校がなくて、一ヵ月半は家での練習と、あとはコンサートにちょっと行ったりするだけ、と言うと、じゃあ、帰っておいでよ、と言われまして。 親も、お金のことは心配するな、顔も見たいし、帰っておいで、と。 ・・・いやー、甘い親でございますね。
ついこの間帰ったばかりなのに・・・。 何か、こう、仕事に繋がるような用事があれば、大手を振って帰れるのですがね。 なにもないのに帰るって・・・・ねぇ。
散々迷い、いろんな人に「どう思う?」と相談した結果・・・ええ、帰ります。
もう少ししかドイツにいられないのに、とか、お金もったいない、とか、ベルリンで頑張る事こそが留学ではないか、とか、いろいろありますが、ま、なんていうか、自分が心地よいと思う方向に動いて何が悪い、と、開き直ってしまいました。 家族をはじめ、そうしなさい、と言ってくれる人たちがいるのだから。
結局、ベルリンにいても、特別な事を始めない限りは、日本で練習するのとそう変わらないし。むしろ、精神上は、私はドイツよりも断然日本のほうが落ち着くし、楽だし(まあ、その分甘えが出るので、そこがまた悩むところなんですが)。 コンサートだけがちょっと心残りですが。
でも、それよりも、私に帰ってきて欲しいと言ってくれる人間のほうが大事かな、と。 求められているのだから、意地張らずに、素直に帰らせてもらおう。 一ヵ月半の長い休み、日本とドイツとで区切った方が、生活にメリハリがつく、というのもあるし、これだけ迷ったんだから、日本でグデ〜ッと、だらしなくなる事は避けられるであろう。どんどん練習するぞ。
「こういうことで悩むのが、いくちゃんらしい」と、数人の友人に言われました。 ええ、そうなんです。 こういう類のことで、散々悩む、優柔不断な性格なんです。 甘え下手、意地っ張り、自立願望、見栄・・・ああ、不器用な人生に乾杯。
久しぶりに、ベルリンフィルを聴きに行ってきました。 とはいえ、今日は「Les Arts Florissants」というフランスの古楽アンサンブルの指揮者が、その合唱団を引き連れて、ベルリンフィルとの合同公演。 なので、ベルリンフィルというよりは、フランスの古楽を聴きに行ったような感じでした。
いや、素敵だったのよ、これが。 合唱がね。すごいの。 透明で、いやらしさが全くなく、柔らかくて。美しかった。 指揮者も、人柄が出ていて、素晴らしかったです。 オケがベルリンフィルでなく、Les Arts Florissantsメンバーだったらどうなっていたのかなー。興味深い。 演奏会日記はまた後日。
しかし、最近古楽と室内楽ばかり聴きに行ってる気が・・・。
なんていうか、久しぶりに、感動した。精神が、生き返った感じ。 感動する、ってことを忘れちゃダメですね、人間って。 家に一人でいると、こういうインプットの作業がどうしても出来なくなる。 やっぱり適度に刺激をもらわないと、人生つまらない。
今日は電話の日でした。 日本の実家、日本にいる友人、ミュンヘンに住む友人、それぞれとけっこう長電話してしまった。 そんな日もあり、ですな。
学校が、今日から春休み〜♪ 一ヵ月半、お休みです。
てことで、手始めに「ささや」へ。 久しぶりに食べるお寿司に、もう、至福の時でございました。 お昼に行ったんだけど、いつも会う友人が今日に限っていなくてですね。 一人でのんびりと、リラックスした時間を過ごしました。 ちょこちょこと、他のお客さんと喋ったり、ご主人に相手してもらったり。 たまたま、私が個人的にすごくいい感じだと思っている、ある男性がお客として来ていて(カッコええ〜、というより、くつろぐ感じの素敵な雰囲気を持っている方なのです。私的には、ベルリンにいる私の知る日本人男性の中で一番いい男だと思う。あんな旦那さんが欲しい)、久々にお会いできて嬉しかったわ。
いいねぇ、やっぱり、ささや。 くつろぎのお店でございます。
さて。 春休み、一ヵ月半の練習計画をしっかりと立てなくては。 時間がある分、料理にこだわってみようかと思う今日この頃。 同居生活も過去の話なので、一緒に食べてくれる人がいないのが寂しいなぁ(笑)。
2005年02月03日(木) |
鬱憤、晴らしてもいいですか。 |
んもうっっ!! だから、天才小僧は嫌いなんだ〜!!
いやね、私もバカでしたよ、昨日買った楽譜を、見事に家のピアノの譜面台に置いたまま忘れて、それに気が付いたのはライプツィヒヘ行く電車に乗った直後。朝の7時すぎ。 ま、でも、学校に着いたらトーマから楽譜を受け取る約束してるし、大丈夫か、と思っていたんですが。
あのヤロウ。 約束の時間に、現れないでやんの。
携帯の番号知らないし(ていうか彼は多分携帯持ってない)、家の電話番号もついこの間、間違えて消したところだったし、イライラ待ち続けても、来ないんですわ。 レッスンの時間も迫ってくるし。
仕方なく、レッスンで先生に楽譜がない、と訴えたのですが(「それじゃあ初見で弾くのか!!」と誤解させる目論見もあり・・笑)。 「どうしようもない、僕も楽譜は今手元にない」と言うので、レッスン後に慌てて図書館に走り、なんとか手に入れたんですけどね。
図書館に行く前に「すぐ戻って来い」と先生が言うので、??と思ってたんですよ。 レッスンが終わったのが1時。弾き合い会は3時頃からになるだろう、と昨日電話で言っていたので、その間は練習するつもりだったのに。 どうも、今日は、レッスンを休んだ生徒が多くて、時間が繰上げされまくり、私のレッスン直後に弾き合い会をすることになっていたらしいのですよ。 図書館から戻ってみると、すでに談笑している先生とトーマ。 トーマが言うには「先生からさっき電話があって、楽譜の件は聞いたよ、図書館にはあった?」 ・・・このクソガキ!! 約束の時間に来なかった事、楽譜を渡さなかった事を、まず謝れ!!
しかも、1時から開始ということも、2人の間では共通の認識だったというわけね。 ・・・もう!! 先生もトーマも、お願いだから、私にも一言言ってくれ!!
本当に、もし私が昨日自分で楽譜を買っていなかったら、どうするつもりだったんでしょう。 本気で、直前に楽譜を渡して初見させるつもりだったのか。
まあ、もちろん、伴奏は難しくはないですよ、ベートーベンの4番。 でもさぁ。人に物を頼む態度じゃないでしょう、それって。
「カデンツの終りはこうやるから」と鼻息も荒く勝手に弾き始めるトーマ。私はまだ、楽譜を開いてもいないんです!!ちょっと待ってよ!! そして、それだけで、さて、始めるか、と。 事前に合わせたりしないわけだね。私がもし初見でも、合わせはナシなんだね。 いいのかよ、オイ。
1、2楽章はなんとか。テンポの速い3楽章で、さすがに落ちてしまう(どこを弾いているのか一瞬わからなくなる)私。 鼻息荒く弾きながら、「1、2!!」と指示するトーマ。(ムムム、ムカツク・・) すぐに取り戻したものの、これ、事前に練習してなかったら絶対に弾けなかったわ〜。よかった、昨日ちょっと弾いておいて・・。
いやね、もちろん初見が上手い人ってのもたくさんいますから、ベト4ぐらいなら出来なくもないでしょうよ。 でもさ。なんつうか、ねぇ。 気分が悪いのよ。 適当な伴奏でいい、とは言っていたものの、だったら弾き終わった後、先生からアドヴァイスを受けているときに「ああ、あそこはikukoが間違えたから・・・」と言って先生と2人でこっちを見て笑うのはやめてくれ(「仕方ないけど」という暖かい笑いではあったが)。
先生とトーマは、本当に仲がよくて、「ところで君のお父さんは元気かい」なんて話にもなっちゃったりして、完全に私を無視。 なんていうか、「ボクは先生に気に入られてるからね、ボクはただの生徒とは違うから」っていうオーラがバリバリ出てて、もう、ハイハイ、好きにしておくれ、ですよ。 終わったんなら、さっさと帰らせてください、って感じで、いやいや、疲れましたわ。
こうなったら、今度私も、なにかの伴奏を初見でトーマにさせてやろうか、と思ってしまいました。 でも、そう思った一瞬後に、「うわ〜、邪魔されそう〜」と、却下。 絶対、ソリストよりも自分が目立とうとするに違いありません。たとえ、どれだけ弾けていなくても。 そういう性格なんだよなぁ・・。外人って、そういう人多いんだよなぁ・・。ていうか、いわゆるソリスト的性格なんだよなぁ。
それくらいの押しがないと、ソリストには向いていないってことなのかねぇ。 でも、私はそんなトーマの演奏を好んで聴きに行こうとは思わないけれど。
それにしても、やっぱり、私は、外国に長くは住めないようですわ・・。
昔一緒にポーランドに演奏旅行をした、フランス人の若者トーマ。 昨日いきなり電話があって、木曜に、協奏曲の伴奏をしてくれ、と。 ベートーベンの4番。私は楽譜を持っていません。 「レッスンでちょっと弾くだけだから、初見でいいよ、初見で!!当日の朝、楽譜渡すよ!!」 なんて言うので、ああそう、と、とりあえずCDを聴いて勉強していたんですが。
今日、先生から電話があって。 レッスン時間の変更やらなにやら話していると、どうも本気で、事前に練習する時間がちっともないようで。しかも、一応、形式としてはクラス内の弾き合い会らしい・・。 さすがに初見じゃまずいだろ、と、急いで楽譜を買いに行ってきました。
まったく。天才若造のワガママぶりには、参るわ。
こういう、いきなりの伴奏は、いかにたくさん音を抜いて、簡単かつそれらしく弾けるか、というテクニックが必要なのです。 うーむ。手抜きするための練習(笑)。どうなんだろうね、これ。
今日は、本当は友人2人の、それぞれの卒業試験を聴きに行く予定だったんです。 でも偶然は重なるもので、風邪やらなんやらで、2人とも試験を延期したらしい。 一生懸命練習していただろうに、可哀相に。 来学期に、頑張ってね。・・・って、他人事じゃないけど。
久しぶりの、晴れ!!!晴天なり!!! もう、嬉しくて、ウキウキと自転車で外へ。 近所の自転車屋で、パンクを修理してもらおうと。 その場でちょいちょいと直してくれると思いきや、なんだか2、3日かかると。 しっかりした自転車屋サンで、ちゃんと全部点検してしっかり保障まで付けてくれるみたい。 まあ、そんな、いまさら2日や3日乗れなくたって、どうってことありません。 しっかり直してくれるなら、それはそれで良し。ということで、預けて帰ってきました。
いやー、やっぱり、お天気はいいねぇ。 身体も快調です。 ピアノも、気分良く集中できる。
さて。 サイトをちょっと、いじりました。 トップページの電車の中の女性は、私ではありません。 まだ手付かずの部分もありますが、また見てやってください。
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