ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2008年05月30日(金) シューテム・アップ

監督:マイケル・デイヴィス
出演:クライヴ・オーウェン
    モニカ・ベルッチ
    ポール・ジアマッティ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
深夜のNYのとある裏通り。柄の悪い男に追われる妊婦を見掛けたスミスは、行きがかり上何となく妊婦を助けようと後を追い掛けて行った。そこで激しい銃撃戦になった挙句、妊婦は産気付いてその場で子供を出産した上に殺されてしまった。残された赤ん坊をとりあえず助けてその場を逃げ出したスミスだったが、今度は子供を殺そうとする殺し屋達に追われるハメになってしまう。馴染みの娼婦の元に赤ん坊を預けに来たスミスだったが・・・


【感想】
一匹狼の謎のスナイパー?が、赤ん坊連れで巨大組織に追われるというバカバカしいクライム・アクション。
とにかく出演している役者が余りにも豪華。クライヴ・オーウェンもモニカ・ベルッチもポール・ジアマッティもぴよが大好きな役者さんばかりじゃないですか!
なんでこんなにすげー役者が揃いも揃ってこんなクソみたいなB級映画に出てるんですかっ!?←をい

本作、評価がパッキリと二分されそうな予感がします。
愛すべきB級映画が大好き!というおバカB級映画ファンには大絶賛間違いなし、そして真面目にアクション映画が好き、こういうヒネった笑いは性に合わないというお方には大ブーイングの嵐になるんじゃないかと。

個人的にはこーいう「とことんおバカで、でも思いっきり本気でやってるB級」というのは大好き♪
アレですね、「キル・ビル」とか「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」とか見て大ウケした人、要するにタランティーノやロドリゲスが作りそうな「本気バカアクション」が大好きな人にはご馳走ですよ。
個人的にはアクション好きでバカB級好きなので、本作はかなりツボに入りましたよー。でも一応良心は持っているつもりなので(←どーいう意味よ)上記のオススメ度は低め設定にしておきますわ(苦笑)

もうね、とにかく「ありえねーから!」「バカ過ぎる!」のオンパレード。
とりあえずすげー銃撃戦を繰り広げながら助産婦状態の主人公@ハードボイルド。そのハードボイルドアクションも笑っちゃうような有り得ない展開なんだけど、コレが上手く作ってあるんだよねー・・・うっかり手に汗握ったり「ほぉ〜」と感心したくなる位ちょっといい見せ場があったりする。

その後もアホアホ展開のオンパレードで、肝心の助けようとした妊婦が殺されて、何とか救出した赤ん坊を持て余した挙句に公園に置き去りにしようとするんだけど、グルグル回る遊具(名前がわかんねー。映画見れば判るから!)を銃で撃って回してみたり、果ては「スカイダイビング銃撃戦」までやってくれますからね。
地上に降りて死体がアチコチに散乱してる映像見た時には、こらえきれずに遂に吹いたわよ(笑)

一応「クライムアクション」というだけあって、サスペンスちっくな展開なんですが・・・
話の筋なんてほとんどどーでもいいです(きっぱり)、とりあえずアクションシーンがスタイリッシュでカッコ良くてイケイケドンドン状態で、花を添えるモニカ・ベルッチ嬢の乳はパンパンに膨れ上がってて、ポール・ジアマッティは妙に家族思いで冷徹な殺し屋が似合ってるよーで似合ってないよーで(をい)

まあとにかく笑っちゃう作品です。
でも笑っちゃえるのは「本気のバカB級アクション好き」限定ですからね。かなり守備範囲の狭い作品ではあります。
でもツボにハマれば最強!大手を振ってオススメはしませんが、B級バカ映画好きには是非トライしてもらいたい!!








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2008年05月26日(月) ザ・マジックアワー

監督:三谷幸喜
出演:佐藤浩市
    妻夫木聡
    深津絵里、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
街を牛耳るギャングのボスの愛人に手を出し、それがバレて殺されそうになった備後は、命を助けてもらう代わりに伝説の殺し屋「デラ富樫」を探し出せと命令された。どうしても見つけ出す事の出来ない備後は一計を案じ、売れない三流役者・村田を雇い「台本のない映画だ」と騙して殺し屋に仕立て上げ、ボスの元に連れて行くのだが・・・


【感想】
三谷氏の脚本・監督の最新作。
舞台出の三谷氏は今まで密室劇系が圧倒的に多かったと思うのですが、本作は街を丸ごとセットで組んで、その架空の街で繰り広げられるギャングの抗争絡みのドタバタ?をコミカルに見せる人情劇(←なのか?)

今や三谷監督作品と言えば、役者の方から頭を下げて出させてもらう程のカリスマ性がありますが、本作では備後に映画の撮影だと騙されてこの街にやって来た売れない三流役者「村田」を、本気で売れてる二枚目@ハードボイルドもお似合い♪な佐藤浩市サンが演じています。
ボスの愛人(超自己中〜な魔性系)を深津絵里サン、そしてボスの愛人に手をだしてアウアウな下っ端チンピラ備後を妻夫木クンが熱演。まあどの配役もイメージ通りと言うか、本当に出演役者が溜息出る程豪華です。

佐藤浩市サンがコメディって・・・どうなのよ?と思ったんだけど、コレがかなりハマる!
って言うか、彼は劇中で騙されていて自分はマジで役者として演技してるだけという設定だから、特にコメディとして工夫する必要はない訳で。
この映画の笑いのツボは、騙す方が取り繕う苦労や、騙されている方が大真面目にやってる事が、全ての事情を知る観客の目から見ると余りに滑稽で・・・という部分なんですよね。
要するに映画を見る観客視線を意識して笑わせる、やはりこういう趣向は「舞台」らしい演出だと思いますね。

まあそんな訳で、上手い。
細かい仕草や小さなセリフにも実に気を遣っていて、観客をコマメに笑わせる工夫がふんだんに成されてます。
三谷氏は「3分間で10回笑える」とおっしゃってますが、正直3分に10回は笑えないものの(コラ)、でも気持ち的にはそれくらいは笑っちゃったな〜と思えるくらいコマメに笑わせてくれる。

それから個人的に、三谷氏の「笑いの質」が好きなんですよね。
誰かを貶める事で笑わせたり、「他人の不幸は密の味」的な下卑た笑いではない。見て聞いて気分良く笑える、気持ちよく声を出して笑える事を心から楽しめる「笑い」とでも言うのか・・・
上手く表現出来ないのですが、「上品な、上質な笑い」とでも言うのかな。

美術セットにもかなり気を遣っていて、実に細かい部分まで三谷氏のこだわりを感じさせる良作ですがー、
個人的に「コメディは上映時間2時間以内が限界」という持論を持っていまして(苦笑)、本作は少々上映時間が長過ぎて多少冗長な感は否めません。もう少し大胆に端折ってもいいかな?と思える部分もありました。

まあでも、見て損はないですよ。邦画コメディとしては傑作の部類です。
笑ってドキドキして、そしてちょっぴりホロリとさせる・・・日本人が好きなモノがギュッと詰め込まれています。








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2008年05月23日(金) 幸せになるための27のドレス

監督:アン・フレッチャー
出演:キャサリン・ハイグル
    ジェームズ・マースデン
    マリン・アッカーマン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
アウトドア・ブランド会社の社長秘書・ジェーンの生き甲斐はブライド・メイト(花嫁付添い人)を務める事。既に27回も花嫁付添い人を続けたジェーンも、いつかは自分が主役になる日を願いつつ、実はボスである社長を密かに思い続けていた。ある結婚式を取材していてジェーンに目を付けた新聞記者のケビンは、彼女を題材に記事を書こうとジェーンに近付く。そんな折、彼女のボスが事もあろうか自分の妹と恋に落ちてしまったのだ。


【感想】
「プラダを着た悪魔」の脚本を手掛けたアライン・ブロッシュ・マッケンナ脚本の「キャリアウーマン・ラブコメ」第2弾。
生真面目で奥手なキャリアウーマン・ジェーンを、米TVドラマ「グレイズ・アナトミー」で一躍ブレイク中のキャサリン・ハイグルが、そしてジェーンを記事ネタにしようと追い掛け回す新聞記者・ケビンを「魔法にかけられて」でオチャメな王子を演じたのが記憶にも新しいジェームズ・マースデン(マーズデンと記載される事も?)が演じています。

正直、この手の映画は感想が書き難いですね。
誰でも楽しめます。男性はどう思うのか判らないけど、少なくとも独身女性(特に20後半〜30代)なら誰でも楽しめる。
最初っから結果は見えてる話なので、何の意外性もなければ驚きもない。ただ主人公の頑張る姿に共感して同調して精一杯のエールを送って、そして主人公が幸せになる姿を見て「うん!私も頑張るっ!」と思えばいい(苦笑)

頼まれると「NO」と言えない面倒見のいい性格。生真面目で男性に奥手。
ちょっぴり夢見る夢子さん状態だけど、それは彼女がウブで一途な性格だから。だから男性に声を掛けられても、まずは警戒してなかなか自分の殻から出て来ない。でも本当はね、とっても心優しいステキな女の子なの・・・
そんな主人公・ジェーンを見て「判るぅ〜!私も全く同じなのぉ〜!!」と思った女子達よ、キミら全然違うからね(笑)

まあそんな「独身女子の殆どが【私もこんなお人好しなのぉ〜♪】と共感出来るキャリアウーマン」が主人公。
片思いの上司はよりによって自分の妹(これがまた型通りの世渡り上手で脳味噌カラッポ系の美女)と恋に落ち、声を掛けてきたイケすかない事ばかり言う男は、実は自分が一番お気に入りの結婚コラムを書いている記者だった。
熱烈アプローチされて最初は迷惑だったハズなのに、いつの間にかコイツと一緒にいると心地いい?・・・と思っていたのに、実はそれは彼が自分をネタに記事を書きたいから擦り寄ってきていただけだった(怒)

まーアレだ。全部セオリー通りで文句垂れる場所がないです。
27着のドレスを次々と着替えて「1人ファッションショー」をするシーンはとってもキュートだし、仕事も花嫁付添い人の大役もバッチリこなす気丈な彼女が時々フッと見せる淋しげな表情には、独身ハイミスがこぞってうなずきながら主人公の顔を脳内で自分の顔に変換して見る事請け合い。

妹の悪事?を暴露するシーンは、男性なら「このタイミングで暴露って、コイツどんだけひねくれてんだよー」と思うかもしれませんが、独身ハイミスは「判るわっ!今まで散々苦労したんだもの!これくらいやっても罰は当たらないわっ!」くらいは言いそうな予感がしなくもないです。
ま・・・ぴよは「お前、いい人ぶってやってる事は相当エゲつないなぁ〜」と思ったクチなんですが(苦笑)

でもハッピーエンドはお約束ですからね。安心して楽しめますね。
デートムービーにもオススメ、それから独身女子友と「たまには映画見てから飲みにでも行くかー」なんてシチュエーションにもバッチリ対応してくれる一作。

ぴよはさ、主婦歴長いしさ、流石にこの手の作品には飽きちゃいましたね・・・はぁ〜。歳は取りたくないねぇ(溜息)








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2008年05月20日(火) ラフマニノフ ある愛の調べ

監督:パーヴェル・ルンギン
出演:エヴゲニー・ツィガノフ
    ヴィクトリア・トルストガノヴァ
    ヴィクトリヤ・イサコヴァ、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
1920年代、ロシア革命を逃れアメリカに亡命したセルゲイ・ラフマニノフは、過密スケジュールの演奏旅行で全米を渡り歩いていた。心身ともに疲弊したラフマニノフは、もう10年も新作を書けずに鬱々としている。故郷に思いを馳せるラフマニノフ・・・幼くして一家離散の憂き目に遭うもののピアノの才能を開花させて行った彼は、やがてピアノを弾くだけでなく交響曲を作るようになるのだが。


【感想】
ロシアが生んだ天才音楽家「セルゲイ・ラフマニノフ」の半生を映画化。
その名は知らなくても予告編でも流れる「パガニーニの主題による狂詩曲」位は誰でも聞いた事があるでしょう。
もし聞いた事がない方はYou Tubeで検索すりゃー一発で出てきますから聞いて下さいよ(苦笑)

で、本作はアメリカ亡命後に初めてカーネギーホールで演奏会をするシーンから始まり、その後はアメリカに到るまでの彼の生い立ちと現在の「もう10年も作曲出来てない俺様」の状態を交互に見せていきます。
要するに現在の「欝っちゃって作曲出来ない俺様」が出来上がるまでのいきさつを差し挟んで見せる形式。
最終的には「どのようにしてパガニーニの主題による狂詩曲が作られたのか」という部分を見せましょう、と。

・・・という話のハズなんですがー。
正直言うと、本作はオチの締め方がどうにもよろしくないんですよ。←いきなりオチにツッコミはキツい(^-^;
途中までは「ふん、ふん、それで?」と、なかなか興味深いエピソードも見せてくれるんですが、肝心のオチ部分が余りにもいい加減なやっつけ仕事なので「なんだよ、このファンタジー模様はよ!」とツッコミ入れたくなっちゃうんですよ(苦笑)

本作、実在する人物の映画化ではあるものの、かなり史実とは違うそうでして。
わざわざ映画ラストに「本作は史実とは違う部分がある」というような説明テロップまで出る。要するに本国ロシアで公開された時点で相当なクレームがついたんじゃなかろうか?と推察。
史実と多少違っててもいいんですけどね、だったらもう少しドラマティックに見せてくれてもいいじゃないかと。

まあ良くも悪くも「ロシア映画」
ハリウッドのような洗練された演出や脚本からは程遠い。でも丁寧にラフマニノフの心の内を見せてくれるんだろうと期待したくなるのですが、どうもコレも上滑りでラフマニノフ自身の心情よりも、周囲の様子を見せる事の方にウエイトが置かれているような気がしますね。何だかピントがズレてる。

もちろん「献身的な妻の愛」を見せるという事にはかなり時間を割いていると思うものの、ラフマニノフが新作を書けなくなってしまった最大の理由が、本作を見ていると1作目の交響曲を捧げた年上のアバズレ(をい)に、けんもほろろにフラれてトラウマになってしまったから・・・という風にしか見えない。
勿論アメリカに亡命してからの超多忙なスケジュールにイライラしている様子等も見せますが、これらが理由だという風には全く見えないんですよね。献身的な妻に甘えながら他の女のケツばっかり追い掛ける痛いおっさんにしか見えないってのはどーにもこーにも溜息モノ(苦笑)

予算の都合でしょうか、当時の古い映像を切り貼りして「アメリカ横断中〜」みたいなやっつけ仕事してますが(笑)
少なくとも幼少時代に過ごしたという自宅、ライラックの咲き乱れる庭、そして睡蓮漂う池等の様子はとても美しく撮られていて好感が持てます。

伝記モノとしては正直成功しているとは言えませんが・・・「のだめカンタービレ」等の影響で今日本は空前のクラッシックブームですから、クラッシック入門編として本作を鑑賞するのもまた一興かと思います。
ただし、本作は決して史実に則った訳ではないですからね。ある種のファンタジーだと思って見るべきでしょう(^-^;








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2008年05月15日(木) アフタースクール

監督:内田けんじ
出演:大泉洋
    佐々木蔵之介
    堺雅人、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
母校の中学校で教鞭と取る神野の元へ「島崎」と名乗る探偵が現れて、神野の親友・木村の消息を訪ねてきた。島崎も神野や木村と共に同級生だと言うが、神野の記憶は曖昧だ。ところで当の木村は、臨月を迎えた妻を家に残したまま失踪してしまった。しかも島崎の情報だと失踪する直前妻以外の女性と行動を共にしていたと言うのだ。成り行きで島崎と共に木村の行方を追う事になった神野だったが・・・


【感想】
「運命じゃない人(未見)」で衝撃的デビューを飾った内田監督の2作目。脚本も内田氏が手掛けています。
母校の中学校で教師をしている神野を大泉洋、神野の親友でエリートサラリーマン木村を堺雅人、そして神野や木村と同級生だったと名乗る怪しい探偵を佐々木蔵之介さんがそれぞれ演じています。

本作、感想を読むとオチバレしないまでもオチが想像ついてしまう可能性が非常に高いです。一応オチにはなるべく触れずに書く努力はしますが、もし本作を先入観なしで楽しみたいという方は、この先は読まないで下さい。



さてー。前置きしたところで(でも本当に何書いてもネタバレしそーだ。滝汗)

予告編を見れば想像付くだろうと思いますが、失踪した親友・木村の消息を追う内に、真面目なイイヤツだとばかり思っていた木村の意外な事実が次々と明るみになって来る。
木村は本当にイイヤツだったのか?子供の頃から何もかも知ってる親友同士だと思って来たけど、自分は本当に友達の全てを知っていると言い切れるのか?みたいなー・・・話、なのかなぁ〜?←何コレ(^-^;

要するに「どんでん返しエンターテイメント」なので、内容に触れられないのが痛い(涙)
でも本作はとにかく非常に脚本がよく練られています。キャスティングもハマっていましたね。特に佐々木蔵之介さんは拍手喝采ですよ!この人元々大好きな役者さんだったけど、個人感情を差し引いてもホントに素晴らしかった!!
胡散臭い探偵の役って、正直言って蔵之介さんにはあんまり似合わないんじゃ?むしろ大泉洋さんの方が似合ってんじゃないの?位に思ってたんだけど、なんのなんの!蔵之介さんの実像はこんな胡散臭い人なんだー(をい)、と勘違いしそうになる程にハマっていましたね。

映画冒頭から全てが「オチのあるネタ」だと思ってもらっていい位、実に細かく伏線が散りばめられてます。
勿論映画を見ている段階ではそこまで細かく伏線だらけだとは思ってもいなかったので、例えば木村夫妻の妙に堅苦しくてよそよそしい会話だったり、産気付いた木村の妻の取る不可解な行動だったりが(電話する相手が違うやろ?)、なーんかチグハグな印象を受けていたんですよね。

そんなこんなで、結構簡単に木村の行方があるトコロまではスルスルと辿れてしまうので「なんだかなぁ」な気分で見ていたのですが、そこから先が「あれれれれー!?」な、正に「全く考えてもいなかった」展開が待っていました(^-^;
何だか違和感を感じていたあのセリフ・この表情、ちょっと引っ掛かっていたあの行動・このシーンが、次々と靄が晴れて白日の元にさらけ出されて行くかのようにオチが付いていく・・・まあ何ともお見事としか言い様がなかったです。

実はある人物のセリフを聞いて「あ、コレってもしかして・・・」とオチの1つは想像付いちゃった。
で、その想像はやっぱり大当たりだったんだけど、でもそれでもまだまだココも騙されてた・アソコも騙されてたと、後から後から騙されまくってたんだぁ〜!のオンパレード(^-^;
最終的に誰も気にしてなかったような小ネタにまでキッチリとオチを付けてくれて(あるマンションの防犯カメラ映像)
「コレはよく出来てるなぁ〜!あはははは!」と笑うしかなかったですね。

ちょっとセリフが聞き取り難い部分があった事、それから政治家絡みの部分は少し見せ方が曖昧だよなぁと感じたのが残念な気がしましたが、非常にプロットのしっかりした、しかも随所でププッと笑える気持ちのいい作品です。
子供にはちと難しいかもしれない?友達とワイワイ言いながら見て、映画見た後に居酒屋にでも行ってビールを飲みながら感想を言い合うのに向いている・・・邦画らしい極上エンターテイメントですよ。オススメです♪








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2008年05月13日(火) さよなら。いつかわかること

監督:ジェームズ・C・ストラウス
出演:ジョン・キューザック
    シェラン・オキーフ
    グレイシー・ベドナルジク、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
ホームセンターで働くスタンレーは、長女ハイディ・妹ドーンの2人の娘の父親。娘の母であり愛する妻は陸軍軍曹としてイラクに派兵されていて、留守を守るスタンレーは娘達とのぎこちない関係にイライラする日々。そんなある日、妻が戦士したとの連絡が入る。母を恋しがる娘達に戦死の報を伝えられないスタンレーは、思わず2人を旅に連れ出すのだが・・・


【感想】
イラク派兵で大切な家族を喪った父親と娘の交流と再生を描くヒューマンドラマ。
監督と脚本も手掛けたジェームズ・C・ストラウス氏は本作で監督デビュー。娘に母親(妻)の死をどうしても告げる事が出来ずに苦悩する男スタンレー役は、監督たっての希望でジョン・キューザックを指名したそうです。

本作も予告編を見るだけで話の筋は全て丸判りの、非常に単純明快な展開。
要するに役者の演技と間合い・演出で魅せるというヒューマンドラマの王道的作品ですね。

これがねー、監督が指名するだけあってジョン・キューザックが上手いんだなぁ!
母を恋しがる娘達の気持ちはよーく判るものの、自分だって妻不在の家庭を守るのは骨が折れるし、実際妻が家にいた時は家事から育児・躾までほとんど妻に丸投げ状態だったんでしょう。
特に思春期に入り始めた長女の扱いには手をこまねいている様子で、更には自分自身だって愛する妻が死と隣り合わせの戦地に赴任させているという不安からナーバスになっていて、同じような「戦地に夫を赴任させている妻のメンタル・グループカウンセリング」に出席したりしている。

ナーバスになるのにはまだ隠された理由があって、それはかつては自分も志を持って軍に入隊していたものの、ある事から退役せざるを得なくなったという過去をもっていたから・・・という事が後につまびらかにされていきます。

まあそんなこんなで予告編通りに話は進む。
母親の死を娘達にどうしても伝えられないスタンレーは、とりあえず現実逃避状態でドライブ旅行に出かけてしまう。
自宅電話の留守電の声は妻が吹き込んだものなので、彼は旅先から自宅に電話を掛けては妻の声を聞き、まるで妻と会話しているような気分で自分の辛い心情を留守電に吹き込んだりする。

先にどんなエピソードが待ち受けているかも大体予想が付くんだけど、とにかく役者が上手かった。
長女のハイディを演じたシェラン・オキーフ嬢がとても良かったですね。実は映画見てる間は「テラビシアにかける橋」に出演していたアナソフィア・ロブ嬢だとばっかり思ってたんだけど(似てない?)シェラン嬢は本作でスクリーンデビュー。
母親不在の家庭で、父親のナーバスな状態が伝染している部分もあるだろう・・・不安から不眠症状態で、更には今までとは明らかに様子が違う父親を見て不穏な空気を感じ取っている様子を、実にリアルに演じています。

展開ミエミエで、更に細かいネタのオチどころも丸判りの作りなんだけど・・・ジーンとさせる。
家族を喪う事の辛さを経験した事のある人、それから子を持つ親なら誰もがどこか共感する部分があるハズ。
そうじゃない人でも容易に想像が付く、いや「こんな思いをしなければいけないのか」と擬似体験させられる、非常に説得力のある丁寧な描写の作品だったと思います。

比較的淡々とエピソードを繋ぐ作りなので、派手な映像やアクション好みの方には向きませんが・・・そういう方はそもそも本作を見る事はないだろうと思うので問題ないですよね?(苦笑)
個人的には「父娘の関係は非常に丁寧に見せてるけど、夫婦としての愛情の見せ場がないのは淋しいな」と思ったものの、見せるテーマを絞っているのだと好解釈するべきだろうなーと。

クリント・イーストウッドが初めて他人の為に書き下ろし楽曲を提供していますが、コレも秀逸。
見て損はさせない作品です。地味ながら人の心に訴えかける一作。








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2008年05月12日(月) 山のあなた〜徳市の恋〜

監督:石井克人
出演:草なぎ剛
    加瀬亮
    マイコ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
新緑の季節になり、盲目の按摩「徳市」と「福市」の2人は南の海辺の温泉地から山深い温泉地に移動していた。彼らは目が不自由な分、匂いや気配だけで前を歩く人間の数や性別・出身地等をズバリ当てられる勘の鋭さを持っていた。温泉の按摩宿泊所に行くと早速お呼びが掛かる。呼ばれた宿に行くとそこには美しい女性「美千穂」がいた。美千穂にほのかに思いを寄せる徳市だったが、彼女は何か訳ありの様子。そんな中、美千穂の投宿する宿で事件が起こる。


【感想】
日本映画界の輝ける名匠・清水宏監督が1938年に発表した佳編「按摩と女」を完全カバー。
通常過去作品を新たに映画化する事を「リメイク」と呼びますが、本作は監督たってのご希望?で敢えて「カバー」と呼んでいるらしいです。要するに38年発表のモノクロ作品を忠実にカラーで再現しているという事でしょうか。

だから脚本やカメラアングル等も38年製作の作品を忠実になぞっているのではないかと推察。
いや、元ネタを観てないし資料を調べてないから本当のトコロはどーだか知りませんが、少なくとも元ネタと違う展開や見せ方しちゃったら「カバー」とは監督ご自身も呼ばないだろうと思いますしね。
勿論当時と同じ衣装を探す事はムリだろうし、カラーで撮影しているからこその美しさを最大限引き出すのが今回一番大切な事だろうと思いますから、その点は最大限アレンジ・演出しているだろうと思いますよ。

そんな訳で、実に70年も前に発表になったモノクロ作品をカバー。
勿論時代設定も当時のまま。だから話し言葉等が微妙〜に古臭いと言うかおっとりしている。全体的にまったりした進行で当時の日本人の生活ペースはこんなにゆったりと時間が流れていたのだなぁと思わせる、実にほのぼのとした遣り取りが続いていきます。

そして劇中の風景等の描写が非常に美しい。
古き良き日本の原風景を探す為に、ロケハンは随分苦労したんじゃなかろうかと思いますよ。
それから意外な事に本作は「恋愛物であってコメディ」更に言えば「ちょっぴりサスペンスちっく」←コレは言い過ぎか?

本作でスクリーンデビューなんだから知らなくて当たり前だと思うんですが、ヒロインを演じたマイコ嬢が新人なので全く期待していなかったものの、意外な事にこの「美千穂」という役にドンピシャにハマってました。
恐ろしく美しい人で着物姿が良く似合う。そして何とも声がいい。涼やかな美女がちょっと鼻にかかったような柔らかい声ではんなりと話す。簡単に言うと「めっちゃ男好きする話し声・話し方」って感じ。

ツヨポンはすごく頑張って徳市を演じていたと思いますよ。ちょっとマヌケな感じがキャラにハマってました。
でも個人的には加瀬君の方が違和感なく見れたかなー。加瀬君お上手ですねー。ツヨポンと比べちゃダメか?(^-^;

まあそんなこんなで「超・癒し系映画」
美しい映像を見ながらゆるゆるまったりと話が進む。進んでいるのかいないのか判らない位、ささやかに優し〜く時間が流れていく・・・ので、かなりの確立でまぶたが閉じる(をい)
いや、ぴよは寝ませんでしたよ!今日は睡眠時間もバッチリ取ってましたし!!でもね、でもね、一緒に見に行った友達は全員見事に全滅してましたねー。映画終わってみんな照れ臭そう〜に顔を見合わせてましたね(^-^;

別に眠っちゃっても全然いいんじゃないかなーと思いますよ。
だって本当に「癒し系」の映画でしたもん。70年前の観客の皆さんなら本作の「徳市の恋」にワクドキして次の展開が気になってソワソワしながら「こんな過激なのOKなん?ちょっと男女が近付き過ぎなんちゃうん?」位は思うのかもしれないけど、2008年の観客には「まあ、なんだな。昔の日本の男女ってかったるい恋愛してたんだな」程度に思っちゃっても仕方ないと思いますもん(笑)

古き良き日本の、清く正しい男女の恋愛の機微を嗅ぎ取ってノスタルジックな気分に浸れる作品。
・・・そう思って本作を見るのが正しい鑑賞方法なんじゃないでしょうか?ノスタルジックに浸って癒されるんですから、現代を生き抜く超多忙な21世紀人には眠たくなって当然だと思うし、つまらないから眠たくなった訳でもないでしょう。

まあそうは言ってもね、眠っちゃったら損した気分になるわよネ(苦笑)
心配いりませんよ。本作は何と全国いつでも1,000円@日帰り立ち寄り温泉価格で公開するそうですから♪
日帰り温泉に行けない、でもたまには癒されたいあなた・・・本作観て温泉気分に浸って下さいよ(^-^)








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2008年05月08日(木) ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス
    ポール・ダノ
    ディロン・フレイジャー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
1900年代初頭のアメリカ。一攫千金を夢見る山師のダニエル・プレインビューは、ある青年からもたらされた情報を元に西部の鄙びた町にやって来て、周辺一帯の土地を安く手に入れた。地元民との交渉等には必ず幼い一人息子のH.W.を同席させてファミリーを強調するが、それは彼の戦略で、実の所ダニエル自身は他人を騙してでも金を稼ぐ事にしか興味のない男だった。油井を掘り当てたダニエルだったが、その際に事故でH.W.は聴覚を失ってしまう。


【感想】
ダニエル・デイ=ルイスが今年のアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品。
でも作品賞や監督賞等にもノミネートされてましたよね。実は今年のノミネート作品一覧を見た時に、本作が個人的には大本命だと思っていたのですが、主要部門はザックリと「ノーカントリー」に持ってかれちゃいましたね(^-^;

話は1900年代初頭のアメリカで油井採掘を生業にして大儲けした男の一代記。
ただしこの男、どういう育ちをするとここまでひねくれ者になるのか不思議でたまらないくらい、まるで人間を信用しようとはせずにとにかく「金を稼ぐ」事しか頭にない。
当然だけど自分が儲ける為だったらウソやペテンは当たり前、時には人を殺める事すら厭わないという冷血漢。

このトンデモおやじ「ダニエル・プレインビュー」を、ダニエル・デイ=ルイスが演じている訳ですが、
まあ、主演男優賞を受賞するのもさもありなんの、とにかく凄まじい演技。アプローチは違うもののプレインビューと実は表裏一体のキャラクター「イーライ」を演じたポール・ダノもすっごい頑張ってたと思うけど、ダニエル・デイ=ルイスの演技が余りにも凄過ぎて完全に霞んじゃった。
ちなみに息子のH.W.を演じた子役ちゃん、本作で映画デビューらしいけど、彼もとても上手でしたね。

予告編を見た時には「油井採掘に賭ける男達の血生臭い闘争ドラマ」なのかな?と思ったんだけど全然違った。
上にも書いたように冷酷無比な守銭奴おやじの半生を見せているようで、実はそれもちょっと違う。勿論守銭奴おやじの半生を描いているには違いないんだけど、コレは「愛し方の判らない、愛に飢えた男の悲しい物語」を描いていたと思う。

誰からも裏切られたくない、裏切られない為には信用してはならない。だから勢い相手を傷つけてしまう。
「攻撃は最大の防御」と言わんばかりに、プレインビューは周囲を圧倒し、恫喝し、そして力でねじ伏せていく。

やり方は違うけど、怪しい宗教家・イーライもプレインビューと同じ匂いのキャラクターでした。
彼は信仰心を説いてエセ悪魔祓いをする事で、人々から信望と権力を得ようとする俗物。イーライにとって宗教は自分に注目を集める為のツールでしかなく、それを見透かされているプレインビューとはお互い延々と反目し合っている。
結局信じられるのは「金」だけ・・・ラストのプレインビューとイーライの遣り取りには背筋が寒くなりました。

「血の結束」だけが唯一信じられると思っていたプレインビューのいびつな愛の形は、次々と彼を裏切っていく。
もっとも裏切られた訳ではなく、息子に関して言えば「親からの自立」だった訳だけど、それすら「自分の元を去る」という一点にダニエルの脳味噌は沸点に達して、最愛の息子に決定的な一打を浴びせかけてしまう。
自分は相手を裏切っても、相手には絶対に裏切られたくはない・・・そんな人間のエゴが延々と曝け出される。

物凄く切ない話で、しかも最後の最後まで一片の救いもない。
愛し方の判らない・愛され方の判らない悲しい男は、巨万の富を得ようが「金の匂い」に人が集まるだけで、本物の愛は手の平から砂粒がこぼれ落ちるようにすり抜けて行く。

ハリウッドでは「バッド・エンディング」が流行りなんでしょうか?
ここ最近観た作品って、どれもこれもバッド・エンディングばかりで、映画館を出た後にどうにも気分が重くなります。
コレも世相を反映しているという事なのか、本作も非常に完成度の高い素晴らしい作品だと思うのですが、こうも救いのない話ばかりが続くと食傷気味になるのは否めません。

「好きか・嫌いか」と聞かれると、正直好きな作品ではありません。でも観て損はない素晴らしい作品。








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2008年05月02日(金) 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

監督:樋口真嗣
出演:松本潤
    長澤まさみ
    阿部寛、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
戦乱の世、小国ながらも豊富な資源を持つ秋月は、隣国の山名に攻め入られ激戦の末に城は陥落する。秋月が隠し持つ金塊を探す為に強制労働をさせられていた武蔵と新八の2人は騒ぎに乗じて脱走するが、山中で秋月の印が入った金塊を見つけて騒いでいる所を野伏せりの兄弟に捕まってしまう。命欲しさに野伏せりに従って金塊を運ぶ手伝いをする武蔵達だったが、実はこの野伏せり兄弟は秋月の継承者・雪姫と侍大将の六郎太の変装だったのだ。


【感想】
「椿三十郎」に続き、またしても黒澤監督の名作をリメイク。
完全にネタ切れなんでしょうか。ここの所「昔の名作リメイク」が目立ちますよね。コレを「ローレライ」「日本沈没」のリメイクを撮った樋口真嗣氏が手掛けたと聞いて・・・どーでしょう?正直微妙ですよね?(^-^;

椿三十郎の感想の時に書きましたが、黒澤作品って1本もまともに見た事がありません。だから本作の元ネタも未見。
なのであくまでも本作の感想は本作だけの印象、という事で書かせて頂きますが、

まあ、そこそこ面白く作ってあったと思いますよー。
いやらしい書き方すると「ちょこっと金のかかった時代劇風アイドル映画」としてはなかなか良く出来ています。
元ネタはもしかしたら主役は六郎太なのか?知りませんが、本作の主人公は松本潤君演じる武蔵。きちゃない付け髭なんて生やしていますが可愛らしいお顔は隠せません。松潤ファンの婦女子は、松潤がまさみちゃんに「俺と一緒に逃げよう」なんて言ってるセリフを聞いて「いや〜ん!松潤アタシと逃げてぇ〜♪」くらいは言いそうです(笑)
ちなみに「武蔵」は「たけぞう」と読みます。映画見てる時は脳内で「竹造」って字を当ててました(^-^;

そもそも本作、元ネタの「姫と黄金を守る脱出劇」という設定だけを頂いて、後はオリジナル脚本なんだそうだ。
こういうのは「リメイク」とは言わないんじゃないか?せいぜいが「黒澤映画にインスパイアされた」程度でしょ。実際のトコロどれくらい本作の筋が元ネタを踏襲しているのか知らないから何とも言えませんが、リメイクと充分呼べる程には元ネタと同じような展開を見せているのでしょうか?

まあそんなこんなで、日本沈没の時も思ったけど微妙にCG等が安っぽい映像。爆破シーンだけは妙に派手。
そしてどいつもこいつも顔真っ黒にして小汚〜い格好してるけど、まさみちゃんは微妙に生・太ももをチラチラと見せてくれていて「コレはどこのコスプレカフェですかー」な状態。可愛いヨ♪パンチラもよろしく♪(をい)
松潤もねぇ。演技上手いのかなぁ?正直よくワカリマセンが、彼は目ヂカラがありますね。引き込まれますよ。

展開自体はそれ程悪いとは思いませんでしたよ。コレは元ネタがいいからなのかな?
飽きさせないように次々とイベントが起こるので退屈しませんし、キャラクターの心情の掘り下げ(特に武蔵)が甘いのでかなり上滑りな感じはしますが、そこそこ楽しめるアドベンチャームービーになってんじゃないか?と思いますけどね。

全体的にカット割等も役者(特に松潤とまさみちゃん)の顔のアップを多用した「アイドル映画仕様」な感じ。
出演役者のファンの方ならかなり楽しめるんじゃないだろうか?と思いますよ。ただし黒澤ファンには怒号が渦巻きそうな予感がしなくはないんですが(苦笑)
ってか、黒澤作品のリメイクだって言うから黒澤ファンが怒るんですよ。いっそタイトルも全然変えちゃって「隠し砦の三悪人にインスパイアされて作ったスター・ウォーズに更にインスパイアされて作ったパロディです!」って言っちゃった方が映画ファンにはウケるんじゃないかと思うんですがね(苦笑)








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2008年05月01日(木) 僕の彼女はサイボーグ

監督:クァク・ジェヨン
出演:綾瀬はるか
    小出恵介
    桐谷健太、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
独りぼっちで20歳の誕生日を迎えた大学生ジローの前に突然キュートな「彼女」が現れて、楽しいヒトトキを過ごす。ところが彼女は謎の言葉を残しジローの目の前から去ってしまった。それから1年後の誕生日、21歳になったジローの前にまたしても「彼女」が現れた・・・と思ったら、それは未来の自分がこれから起こる災難からジローを守る為に送った「サイボーグ」だと言うのだ。サイボーグの「彼女」と奇妙な共同生活をする事になったジローだが・・・


【感想】
「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」で日本でも大ヒットを飛ばした韓国人監督クァク・ジョエン氏が、日本のスタッフとタッグを組んで日本人俳優を起用し、日本で撮影したという作品。
綾瀬はるかちゃんと小出恵介君、共に今大ブレイク役者のダブル主演・・・コレは今年1番の萌え映画になるか!?

上記に書いた前2作品と同様、「横暴な彼女に振り回される気の弱い男の子」という図式を本作も踏襲。
ただし今までは「ワガママで暴力的だけど実は心優しいキュートな彼女」だったけど、本作のヒロインは感情を持たないサイボーグという設定なのでワガママという訳ではない。
ジローに降りかかる危機や、未来のジローが「あの時こうなっていれば」「ああしておけば」と後悔している事を未然に防ぐ為に送られてきたボディガードのような役割だけど、所詮はサイボーグなので非常にパワフルで、ちょっと力加減が判ってないようなのでジローはハラハラしっぱなし・・・という感じか。

コミカルなエピソードを繋ぐ事で2人(1人と1体?)の関係が深まるのを見せて行くやり方も、中盤以降ガラリとシリアスに変わり後に意外な真相が明かされるという展開も、既存のクァク・ジョエン氏の作品と全く同じなのである意味安心して楽しめるとは思うのですが・・・根本的に「どうしてこの作品を日本で撮ったんだろう?」というのが率直な感想。

わざとらしいオーバーアクション、大袈裟であまり普段使わないようなセリフ回し。
これらは日本人の様子とは絶対に違うと思うんですよね。綾瀬はるかちゃんはサイボーグ役なので日本人じゃないから問題ないとは思うものの、少なくとも小出君の演技は見ていて物凄く違和感を感じました。
こういうオーバーアクションな演技というのは韓国人俳優さんの方が絶対に上手に演じられるし違和感なく見れる。

また、ジローの生まれ故郷に2人で出掛けるシーンがあるのですが、コレは一体いつの時代の物語???
ジローは山間の小さな村出身で、その村は後に災害によってなくなってしまった為に帰る故郷がない。それを彼女のパワーによってタイムスリップしてジローの子供時代の故郷を見せる?というような設定になっているのですが、2008年の11月時点で21歳のジローが小学校低学年と言うとせいぜい1994〜1995年でしょ。
子供達の服装、遊び、ジローの宝箱に入っているレトロなメンコ・・・こんなのぴよの子供時代でも有り得ねーって!
その後のクライマックスの東京の様子等も・・・とにかく「ココはどこ?いつの時代?」という違和感のオンパレード。

何も日本の役者を使って日本で撮影しなくても、最初から韓国の役者さん使って韓国で撮影していれば違和感も感じずにすんなり話も楽しめると思うのですが、どうして敢えて日本で作っちゃったんでしょうか?
ちなみに上記の「ジローの故郷に帰る」というネタ、特に話の筋に絡んでいる訳ではない割りにかなり長い。クァク・ジョエン監督らしいノスタルジック感を演出する為のシーンだろうと思うのですが、余り意味は見出せません。

クライマックス以降の「あっと驚く真相編」で冒頭エピソードの種明かしをして行く訳ですが・・・見ていてスッキリするという感じはなく、正直「しつこいな」とダレてしまいましたね。
クァク・ジョエン監督の作品を本作で初めて鑑賞するという方には「まさかこんなどんでん返しが!?」という新鮮な驚きを持って楽しめるのかもしれませんが、前2作を知ってる人が見ると・・・(苦笑)

総じて「本作は韓国で作られるべきだった」という作品でしょう。
韓流スター使って韓国で製作されていれば、もう少しすんなり楽しめたでしょうね。
ただし、本作が韓国制作だったらぴよは見なかったと思いますが。もう韓流映画にはすっかり飽きちゃいました(^-^;







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