ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2008年04月28日(月) ハンティング・パーティ

監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア
    テレンス・ハワード
    ジェシー・アイゼンバーグ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
激戦地での刺激的なニュース映像とレポートを伝え続けたレポーター・サイモンとカメラマン・ダックの名コンビ。ところがサラエボのとある現場のレポート中に「ブチ切れた」サイモンはテレビ局を解雇され、行方知れずになってしまう。ボスニア紛争が終結した数年後、この地にまた取材に来たダックの元にサイモンが現れて「凄いネタを掴んだ」と言う。かつての情熱を思い出したダック、そしてコネ入社の新人プロデューサー・ベンはスクープを物にしようとサイモンと共に動き出す。


【感想】
2000年10月にUS版「Esquire」誌に掲載された、ボスニア紛争終結後にあるジャーナリスト達が今も逃走中で500万ドルの懸賞が掛かっている戦争犯罪人「ラドヴァン・カラジッチ」を追跡した「ひと夏の体験」を元に作られた社会派映画。
大ポカをやって干されてしまったかつての名ジャーナリスト・サイモンをリチャード・ギア、サイモンのかつての相棒だったカメラマン・タッグをテレンス・ハワード、そしてTV局の副社長の息子という大コネで入社したヘッポコ新人プロデューサーを新鋭ジェシー・アイゼンバーグが演じています。

本作、映画冒頭でよくある「事実に基づく物語」みたいなテロップが流れますが、コレがなかなか気が利いている。
「本作は【まさか】と思う事ほど事実である」(←正確な文章は忘れたけど、こんな感じ)、上にも書きましたけど本作は事実を元に作られていて、勿論フィクション部分も沢山挿入されているだろうけど、映画中の「コレはないわ」と思うような部分の方こそ事実なんですよー・・・という煽りなんでしょう。こういう掴みは面白いですね。

映画冒頭から凄まじい戦場での取材シーンが繰り広げられて、「ジャーナリスト魂とはなんぞや」と見せ付ける。
それはそれはストイックでハードボイルドで緊迫感バリバリで・・・と思いきや、意外な事にコミカル。いや勿論命と隣り合わせの凄まじい状況なのは当然なんだけど、そこで取材しているジャーナリスト達は「アドレナリンがドバー!うはー♪」みたいな状態だったりする。映画中ではもっと直接的に「○○勃ちっぱなしー♪」とまで言う(笑)

本作、扱っている題材は物凄くシビアなのに、映画全編キャラクター達のセリフが微妙にコミカルで笑わせてくれる。
実際の話、生きるか死ぬかの戦場で取材を続けるジャーナリスト達は、これくらい肝が据わってないととてもじゃないけどやってられないだろうな、と思いましたね。映画中には実際にボスニア紛争を取材したジャーナリスト達がエキストラ出演していますが、誰も彼も表情は穏やかでキップのいい男っぷりでした。
「戦場ジャーナリスト=眉間にシワ寄せたハードボイルド野郎」というのは間違ったイメージなんだな。ふむふむ。

ま、そんなこんなで意外な程コミカル進行で話は進むのですが・・・
コレは映画のせいではなくぴよ自身の問題なので申し訳ないのですが、超寝不足状態で鑑賞してましてね、しかもお恥ずかしい話ですがボスニア紛争について余り知識がないんです。勉強不足のバカなんです(涙)
映画は一応ボスニア紛争を全く知らないバカでも理解出来るように作られているものの、やっぱりある程度(最低限)の知識は持っていないとサラリと語られるセリフの中に込められた皮肉、それから土地の名前を聞いても「今どれだけヤバい状況にあるか」等の背景が理解し難い。

更には映画中盤は割りと静かな進行でね、役者達の会話で見せる手法。画面的には動きが少なくインパクトが薄い。
そんなこんなで知識不足と寝不足が絶妙のコンビネーションでぴよのまぶたに負荷を掛けていくぅ・・・本当に本当に申し訳ないですが、はっきり言って中盤の会話の半分位は居眠りコイてました。ひー!

だから感想書くのもおこがましい状態でして。
決してつまらなかった訳じゃないんですよ。主要キャラ3人はそれぞれキャラも立っていて、特にベンのキャラなんて個人的にかなり笑わせてもらいましたしね。リチャード・ギアも「ロマンス映画の帝王」からいい感じにキャラをシフトさせてますし。
実在する戦争犯罪者、しかも今もまだ捕まっていない悪党が相手の話ですが、本作では観客に溜飲下げさせてちょっぴりいい気分にさせるファンタジー?な「IF」オチを提供していて好感が持てますし。

小難しい社会風刺モノ・硬派な社会派モノはちょっと苦手、という方にも楽しめる作品だと思います。
だが勉強不足で夜遊びし過ぎのバカ(←アタクシです)には中盤の展開はハードルが高かった・・・もし本作の重要な見せ場が中盤の会話シーンの中に盛り込まれていたとしたら目も当てられません。とほほほほ(涙)








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2008年04月25日(金) 最高の人生の見つけ方

監督:ロブ・ライナー
出演:ジャック・ニコルソン
    モーガン・フリーマン
    ショーン・ヘイズ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
家族思いな自動車整備士カーターと、人を信じない独身で大金持ちの実業家エドワード。まるで違う生き方の2人は病院の同室入院患者として出会う。まるで違う2人のたった1つの共通点、それは共に余命6ヶ月の末期ガンだったという事だ。家族を養う為に夢を諦めて生きて来たカーターは、学生時代に教授に書かされた「棺桶リスト」―死ぬまでにしておきたい事のリストを何となく書いてみた。棺桶リストを見たエドワードは、それを2人で実現させようと提案するのだが・・・


【感想】
ジャック・ニコルソン+モーガン・フリーマンというオスカー俳優の夢の共演作。
監督は「スタンド・バイ・ミー」のロブ・ライナー。内容は男同士の友情を綴った感動ヒューマン。出来過ぎ(笑)

予告編を見れば、誰でもどんな内容でどんな展開でどんな事が起こって最後はどうなるかまで見通せる。
簡単に言えば「死ぬまでにしたい10のこと」のおじちゃんバージョン。もっと古い所だと「マイ・ライフ」と同じ系譜。
だから誰が見ても安心して楽しめるし、誰が見てもクスッと笑えて、ちょっぴり羨ましく思って、優しい気持ちになれて、そしてジーンとして、ほっこりする。

配役もピッタリ役者のイメージ通り。
人を信じず金勘定だけが生き甲斐の大金持ちで、皮肉屋でイケ好かないヤツなんだけど実は寂しがり屋で娘の事を心から愛しているエドワードと、本当は大学を出て学者になりたかったものの、彼女が妊娠してしまい大学を中退して家族を養う為に自動車整備工になるしかなかったカーター。
そりゃ、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが演じれば鬼に金棒ですわね。ハマり過ぎですもん。

会話がウィットとユーモアに溢れていて、見ていて楽しい。
エドワードの秘書・トマスのキャラがまた秀逸で、エドワードに散々皮肉を言われてもシレッとした顔で更に皮肉で切り返すという絶妙なコンビネーション。エドワードに「お前が俺だったらどうする?」と聞かれて「私なら秘書に全財産を残します」と答えるくだりなんて最高(笑)

まあそんなこんなで、大金持ちのエドワードがスポンサーになって2人して世界中を飛び回る。
カーターは誰が見ても良き夫で良き父親で、本来なら余命6ヶ月と判ったら尚更家族と共に過ごす時間を大切にしたいと思うものなんじゃないか?と想像するのが人の常なんですが、カーターは全く逆で「余命6ヶ月しかないなら、せめて残された時間は全部自分がしたかった事に費やしたい」と考える。

なるほど、確かにこういう考えも至極真っ当だなぁと思いましたね。勿論カーターは家族を疎んでいる訳でもなく、自分のこれまでの人生を後悔している訳でもない。それでも最後くらい・・・と思う気持ちも何となく納得出来ますね。
妻の涙ながらの訴えもよく判るけど、でもカーターを応援したくなる。

映画はカーターの語りから入りカーターの語りで締めるのですが、ちょっと意外な展開でした。
「え?アレ?」と途中で思うんだけど、最終的にこれがまた良く出来ている。それから彼らは金に任せて「棺桶リスト」のほとんどをクリアするものの、荘厳な景色を見る為に行ったヒマラヤだけはオフシーズンでどうしても見れなかった。
秘書は「春にならないと見れない」と言うけど、彼らに再チャレンジの時間は残されていない・・・ちょっと切ないなぁと思っていたら、コレがまたいいオチを付けて来ましたよ。

よく出来た脚本、展開、セリフ、映像、役者の演技・・・文句垂れる場所など1つも見当たらない。
その割りに上の「オススメ度」が低くないか?<自分(^-^;

いやぁ〜。☆5つでもいいんですけどね、
正直言えば「まあ、昔散々見た話だなぁ。変わり映えしないなぁ」と思っちゃった訳でして(コラコラ)
勿論どなたにでもオススメ出来る良作ですよ。見て損はないしとってもいい作品です。まあでもありきたり・・・(^-^;








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2008年04月24日(木) ノーカントリー

監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:トミー・リー・ジョーンズ
    ハビエル・バルデム
    ジョシュ・ブローリン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
狩りをしていたルウェリン・モスは、偶然麻薬取引のトラブルで銃撃戦があった跡に出くわした。そこで200万ドルの大金が入ったカバンを見つけたモスはカバンを持ち帰る。金の行方を捜す為に雇われた冷徹な殺し屋アントン・シガーに追われる身となったモスは、妻を実家に帰して自らもカバンを持って逃走。古き良き保安官ベルは、現場に残された車を見てモスが事件に巻き込まれた事を察知し、モスを保護すべくモスの妻の元を訪れるのだったが・・・


【感想】
今年のアカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞・助演男優賞を受賞したコーエン兄弟の傑作。
って、もう説明するまでもないや。と言うか気が付いたら近所のシネコンでもう公開終了しちゃうらしいと判明し、今頃になって慌てて劇場に駆け込んだ訳でして。
そもそもコーエン兄弟の作品って苦手なんですよね。バカのぴよには彼らの作品は難解なんですよ(涙)

助演男優賞を受賞した事で、日本でも一気に知名度の上がったハビエル・バルデム。
予告編で初めて見た時に思いっきり吹いたおかっぱのヅラ、本編見るとむしろあのお笑いヅラが逆にいかにもイっちゃってる人らしくて滅茶苦茶怖い。本当はイケメンなのに・・・本当によくこの仕事請けたよなぁ(苦笑)
オスカー取るのも納得!の凄い演技でした。自分で作ったルールに忠実過ぎるサイコキラー。怖い。マジ怖い。

話は大金を持ち逃げした男とイカレた殺し屋の息詰まる追いかけっこが中心。
殺し屋シガーは同業者からも「アイツはイカレ過ぎ」とお墨付きを貰う位に情け容赦ない悪の塊。一方持ち逃げ男モスの方もベトナム帰還兵という経歴を持っていて、あの激戦地を生き延びられたという過去が「絶対に逃げ切ったるでー」という自信に繋がっている。

見せ方が上手いんですよね。
映画冒頭から次から次へと人をぶっ殺し回る殺し屋シガー。最初の内はその残虐で冷酷非道な殺しの手口、それからコイントスで殺すか生かすかを決めるというルールがある事等をつぶさに観客に見せて思いっきり煽る。
で、ルールや手口を散々観客に判らせた後は殺すシーン等を少しずつ省いて、逆に直接殺すシーンを見せない事で観客に「今・・・また殺っちゃったよね?」と想像させてより恐怖心を煽るという手法。
最後なんて、家を出て靴の裏に汚れが付かなかったか確認するシーンだけ。死体すら見せない。なのに背筋が寒くなる。

ところで本作、主人公は誰だったのかイマイチ判り難い。
少なくとも殺し屋シガーは主人公ではない。だって「助演男優賞」取ってるんだもん(^-^;
でもずーっと話は持ち逃げ男と殺し屋の追いかけっこ。じゃあ持ち逃げ男が主人公?と思うんだけどそうでもない。なら誰が主人公なんだろうなぁ〜とよくよく考えると、トミー・リー・ジョーンズが演じている「古き良き保安官」が映画冒頭のナレーションをしていたじゃないか!そーか、保安官が主人公なのか!

・・・と思い当たるのは、映画も大詰めになってクライマックスシーンが終わった後。
多分本作は救いのない悪、昔では考えられなかったような悪魔のような犯罪が横行する世相を、保安官の目を通して観客に訴えているのではないか?という気がするのですが、正直よくワカラン。ごめんバカで(薄涙)
ラストで保安官が見た2つの夢の内容を妻に語るシーンがあって、この夢の内容にはきっと本作のテーマを暗喩する意味が込められていたんじゃなかろうかと推察する訳ですがー・・・さっぱり判らなかった(^-^;

コーエン兄弟、難し過ぎるわいっ!
オスカー取るのも納得の出来ですが、個人的にはやっぱり苦手な部類でしたね。はぁ〜(溜息)








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2008年04月23日(水) つぐない

監督:ジョー・ライト
出演:キーラ・ナイトレイ
    ジェームズ・マカヴォイ
    シアーシャ・ローナン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
1935年イングランド、政府高官・タリス家の屋敷。13歳の末娘のブライオニーは、姉・セシーリアと使用人の息子ロビーとのただならぬ仲を察知し、ロビーに対して不穏な思いを抱く。その夜、屋敷の庭で従姉妹のローラが何者かに襲われている場面を目撃したブライオニーは、犯人の顔もロクに見ていないのに警察官に「犯人はロビーだ」と証言し、ロビーとセシーリアは引き裂かれてしまう。数年後、成長したブライオニーは自分の偽証の罪深さに気付き、姉に謝罪の手紙を送るのだが・・・


【感想】
イアン・マキューアン著のベストセラー小説「贖罪」を映画化。
今年のゴールデン・グローブ賞のドラマ部門作品賞、作曲賞等を受賞した他、アカデミー賞でも7部門ノミネートされて話題になった作品。(でも受賞したのは作曲賞だけでしたよね)

正直言って、予告編を見ても余り興味が沸かなかった。
そもそもメロドラマ系は好きではないし、文学系メロドラマなんて格調高過ぎて堅苦しくて肌に合わない。でもキーラは可愛いからとりあえず見ても損はないかなぁ・・・程度で、全く期待しないで鑑賞した訳ですが。

意外な事に、見応えがあって余韻の残るいい作品でしたね。
ベタベタな恋愛モノだとばかり思っていたけど(いや勿論恋愛モノなんだろうけど)、ちょっとサスペンスちっくな構成でラストにはちょっと驚きのどんでん返しまで用意されていました。
・・・どんでん返し、とまで言うと流石に少し煽り過ぎかも?(^-^;

キーラ演じるセシーリアが主人公だとばかり思っていたのですが、主人公は妹のブライオニー。
映画前半は、同じ情景をブライオニーの視点からとセシーリア&ロビーの視点からの両方を交互に見せる事で、思春期を迎えて性に対して過剰に反応し嫌悪感を持つ、潔癖なブライオニーの危うい精神状態を巧みに表現していきます。
その後も同じ出来事を2方向の視点から繰り返し見せるのですが、わざと時間を前後させて見せたりする。どうしてこんなややこしい見せ方をするのかなぁ〜と思っていたら・・・コレは時間を前後させているという訳ではなく、実はラストのオチの伏線だった訳ですね。上手いです。

見ていてとにかくブライオニーには腹が立つ!(コラ)
幼心に密かに想いを寄せるロビーが、自分ではなく美しい姉に目を向けている事が許せなかったブライオニー。性に目覚め始めた微妙な年齢だった彼女は、男性の性的な視線に不潔感と嫌悪感を抱いて、ロビーを嫌悪する事で自分の報われない想いに決着をつけようとする。
・・・気持ちは判らなくもないが、いくらなんでも強姦犯に仕立て上げるのは流石にやり過ぎだろーて(^-^;

自分は潔癖で間違っていないのだ、だから相手を貶める事で自分のプライドを保つ、という事は誰しも思春期にはやりがちな間違いだけど、それにしても彼女の犯した過ちの代償は余りにも大きかった。
男女の機微も判る年齢になって、自分のした事の重大さにようやく気付いた時には既になす術もなかった。
せめて2人が後に再び結ばれる事が出来れば、せめて2人が自分の事を罵ってくれれば・・・

ラスト、後に小説家として成功してインタビューを受ける、老境に入ったブライオニーの告白に愕然としましたよ。

コレは物凄く巧みに考えられた脚本だなぁ。原作小説はどういう構成で書かれているんでしょうか?本作と全く同じ作りなのか未読なので知りませんが、少なくとも映画として見せる方法を非常によく心得た上手い脚本だったと思いますね。
本作は作曲賞も受賞していますが、タイプライターの音がそのままBGMに繋がっていくのがとても印象的。あのタイプ音が妙に心をざわつかせるんですよ・・・いつまでも耳に残る音楽が多かったですね。

恋愛物やお堅い文学物が苦手な方にも是非トライして頂きたい、良作です。オススメ!








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2008年04月22日(火) ミスト

監督:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン
    マーシャ・ゲイ・ハーデン
    ローリー・ホールデン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
激しい嵐が過ぎ去った翌朝、湖畔に住むデイヴィッドは息子のビリー、嵐で車が壊れてしまった隣家のノートンの3人で街のスーパーマーケットに買い物にやって来た。大混雑するスーパーに突然1人の中年男性が血だらけになりながら駆け込んできた。「霧の中に何かがいる!ドアを閉めるんだ!」ガラスの向こうから物凄い勢いで深い霧がなだれ込んで来る。慌てて店のドアを施錠して、訳も判らず動揺する客達だったが・・・


【感想】
スティーブン・キングの傑作中篇小説「霧(邦題)」を映画化。
コレを「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」でメガホンを取った鬼才フランク・ダラボンが、またしてもキングとタッグを組んで製作したそうだ。よっぽどキングとダラボン氏は相性がいいんでしょうか?
何でも本作は原作と結末が違うそうで、映画の公式サイトを見ると「映画史上かつてない、震撼のラスト15分」等と物凄い煽り文句が謳われています。

ちなみに原作未読。実言うとキングの作品って肌に合わない。「ドリーム・キャッチャー」なんて映画見てもサッパリ訳が判らないからわざわざ原作本を友達に借りて読んだけど、余りのつまらなさに途中で挫折しちゃった(^-^;

本作は一度も予告編を見た事がなく、どういうジャンルの作品なのかすら全く予備知識を入れずに鑑賞。
簡単に言えば「エイリアン・パニックホラー」ですね。先日見た「クローバーフィールド」とネタ被ってる・・・んだけど、本作はネタは同じでも見せる方向はまるで違う。
「クローバー〜」は単純なパニック映画だけど、本作は「エイリアンに襲撃されてパニックに陥り、極限状態まで行った人間の心理や葛藤や精神状態の変遷、行動」を見せるのが主題になっていました。

勿論クリーチャーの造形自体が充分ホラーなんだけど、それより何より一番ホラーなのは「人間」
人は有り得ない物事に出会うと、まず否定して素直に受け入れられない。時に相手にバカにされたと逆ギレする。そしてその事象が紛れもない事実なのだと受け入れざるを得なくなった時、人はどういう行動に出るのか・・・
更にはそこへ持って来て「集団心理」という部分が深く介入して来る。問題を積極的に打開しようと行動案を出す者、ただただ恐怖に慄いてなす術もなく震える者、そして宗教論・終末論にすがる者。

クリーチャーの超ド気持ち悪いパニックシーンと、極限状態の醜い人間心理を描き出すシーンが畳み掛けるように交互に登場する訳ですが、当然だけど状況は好転するドコロか悪化の一途を辿り、だからパニックシーンも人間ドラマシーンもどんどんエゲつなくなって行く・・・もうとにかくね、本当に胸糞悪いんですよ(涙)

胸糞悪いんだけど、とにかく見せ方が上手い。
と言うよりも、明らかに観客を胸糞悪くさせる為に作っている。それが余りに上手過ぎるという事なのか。

ここから先を書くとその「震撼のラスト」のオチバレになりそうで難しいんですが・・・
少なくともぴよは「えええええーーー!?」という反応でした(笑)
余りに予想外のラストだったのでドびっくり。でもこういう事書いちゃうと、コレ読んだ人は大体オチを想像してから見に行くだろうから、それ程驚きがなくなっちゃうかもしれないですよね。ごめんよ(^-^;

でもよく考えると、オチの前振りがあったんですよね。(以下、オチのヒントになるので文字隠します)
息子が「絶対にボクを怪物に殺させないって約束してくれる?」】と言うシーンがあるのですが、このセリフがまさかああいう形でオチに繋がるとは、見ていた時には気付かなかったですわ。
ま、でも問題の「えー!?」なオチは更にその後に来る訳だが・・・まあ何ともコレはスゴイ。

原作ファンは本作を見たらどう思うんでしょう?ちょっと原作読んで映画と比べてみたくなったかも。
それにしても余りに想像外の展開だったのでぶったまげました。ぶったまげたので評価高めにしましたが・・・
はっきり言うけど、物凄く胸糞悪い話です。見て気分悪くなる事必至ですから心して下さい!(苦笑)








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2008年04月21日(月) 紀元前1万年

監督:ローランド・エメリッヒ
出演:スティーブン・ストレイト
    カミーラ・ベル
    クリフ・カーティス、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
紀元前1万年、予言と神々が尊ばれマンモスが大地を揺るがす時代。山奥の集落に住むデレーと「青い目」を持つ美少女エバレットは幼い頃から惹かれ合い、将来を誓い合うようになった。ある日集落が謎の騎馬軍団に襲われ、エバレットを含む多くの民がさらわれてしまう。デレーは仲間3人と共にエバレット達を救い出すべく地の果てまで追い掛けるのだが・・・


【感想】
「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」のエメリッヒ監督最新作。
実は最初に本作の「特報」を映画館の予告編で見た時は「おぉ♪」と思ったものの、その後徐々に予告編のロングバージョンが流れるようになるにつれて「う。そーか。エメリッヒ監督なのか」「ロング版を見れば見る程嫌な予感がして来たな」と思うようになり・・・個人的にエメリッヒ監督の作品ってあんまり好みじゃないんですね(^-^;

そんな訳で「もしかしたらクソ?(をい)」と、結構期待値を下げて鑑賞。
・・・まあ、思ったよりは全然悪くない。でも面白いという程でもない。フツー。←何この投げやりな感想

予告編にも出てきますが、マンモスの群れが疾走するシーンや古代生物達の動き、謎の神殿等の映像等はかなり手が込んでいてなかなか楽しめる絵作りをしています。
時代考証等にこだわっていない、と言うよりも全くの架空の場所・架空の人種の架空の伝説として描いている模様。
だから「紀元前1万年にピラミッドを作れるような文明がそもそもあったのか?」とか「コレってエジプトが舞台?」等という無粋なツッコミはしてはいけない。あくまでも「古代ファンタジーアドベンチャー」という認識で見ればいいらしい。

それにしても、壮大なスケールの割りに話は陳腐。←こらこら
まあ簡単に言えば「アポカリプト」の古代版というだけ。アポカリプトは自分が誘拐されて逃げ出すという話だったけど、本作は彼女と仲間が誘拐されたのでそれを追い掛けるという逆バージョンだと考えればいい、ただそれだけ。

アポカリプトに比べ、本作は完全架空世界のアドベンチャーなので、絵的にはやりたい放題出来て迫力はある。
そもそも「紀元前1万年」という設定にしたのも、もしかしたら「みんな大好き!マンモスを登場させてやんぜー♪」というだけの事なのかと疑いたくなる程、本当にどーでもいい話(苦笑)
一応、各部族に伝わる「予言」に則って行動したり、彼女を追い掛ける先々で様々な部族と関わって行く内に、最初はヘタレだった主人公は次第に本物の勇者へと成長していく、というゲーム的な要素も盛り込んで観客を飽きさせないようには作られています。ま、でも本当にどーでもいい話。←しつこい

映画冒頭で登場する「青い目の少女の伝説」というのが、本作のラストシーンで「こうして伝説は生まれたのだ」みたいに恭しく語られるのですが(要するに本作の内容が伝説が生まれるまでのエピソードだった)、
えーと。それで伝説って何ですか?だから青い目の少女の伝説ってどういう事?勇者が生まれたという事が伝説?それともエバレットがラストで○×△したという事が伝説?よーワカラン(^-^;

ま、派手な映像のアドベンチャー映画だと割り切れば、それなりに楽しめますね。
エメリッヒ監督の作品って個人的に「スケールはデカいけど中身はスカスカ」というイメージがあるのですが、本作でもその悪印象を払拭する事は出来ませんでした。
いっそ思いっきり突き抜けたバカ映画だったらもっと楽しめるのになぁ・・・半端に真面目に作られるとどういうスタンスで鑑賞すればいいのか迷っちゃって、割り切ってツッコミ入れて楽しんだり出来なくなっちゃいますヨ(^-^;








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2008年04月20日(日) クローバーフィールド/HAKAISHA

監督:J.J.エイブラムス
出演:マイク・ヴォーゲル
    ブレイク・ライヴリー
    リジー・キャプラン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
NYダウンタウンにあるアパートで、日本に転勤が決まったロブの為にサプライズ・パーティーが開かれていた。友人達が集まり宴もたけなわな中、突然凄まじい轟音と共に地響きが起こった。何事かと外に出てみると、あちこちで火の手が上がりビルが崩壊している。そして見た事もない巨大な何かが街を襲撃している!とにかくその場を逃げ出したロブ達だが。


【感想】
全米でもその全容がなかなか明かされず、映画ファンの間で様々な憶測が乱れ飛んだという超話題作。
本作の予告編が日本でもようやく公開になった際、「こ、これは絶対にぴよ好みのパニックムービー!(大歓喜)」とは思ったものの、既に予告編を見ただけで軽く画面酔いしていたという罠(^-^;
映画館に入る時、入口で「ご気分が悪くなられましたら早めにご退場をお願いします」等とご丁寧な説明を受け、益々期待と共に不安がこみ上げて来たじゃないですか。ヤバイ。だが見たい。

こーれーはー・・・すっげー面白い!
本作の公式サイト等を見ると「アトラクション・ムービー」と書かれていますが、アトラクション・ムービーとはよく言ったものですよね。上手いネーミングを考えるなぁ〜!
何故謎の生命体がNYを襲うのか、等という事は考える必要なし。とにかくNYが謎の生命体に襲われちゃったんです。だからみんなパニクって逃げるっきゃ仕方ないんです!・・・こういう思い切りのいいパニックムービーって大好き♪

映画は、後に政府が押収したハンディ・カメラの映像をただただ見せるだけ、という作り。
元々はロブのカメラで、ロブは彼女(まで後一歩の関係?でもロブ自身転勤が判っているので先に進めない状態)とのデートの様子等を撮影してあったんだけど、そのテープに何も知らない弟がサプライズ・パーティーの様子を記録する為に上書きしてしまう。映画冒頭意味不明なカップルの様子が淡々と流れたり、所々ビデオのストップ・録画の合間に先に撮った彼女との映像が入るんだけど、コレは登場人物の関係図や心情面を見せる為の布石で、なかなか上手い作り。

このビデオをロブの弟は自分で撮影するのが面倒臭いからなのか?友人のハッドに任せて撮ってもらう事にする。
このハッドのキャラが結構クセモノで、お人好しだけどゴシップ好きのKYギャグ連発系(苦笑)、友人グループの中に1人は絶対にいそうな「いかにも」なキャラ。イライラさせられるんだけど、それが妙にリアル感を出す。

ま、そんなこんなでいよいよNYが襲撃されてからがとにかくスゴイ!
噂によると実はそれ程制作費は多くないらしい?むしろこの手の映画にしてはかなり安価な制作費らしいんですが、それを補って余りある臨場感のある凄まじい映像の数々!!
コレは全てがビデオカメラのモニター視線での映像だからなんだろうと。激しい手振れは彼らの動揺する様子や逃げ惑う緊迫感を観客に体感させるのに充分だし、グルグルと回ったり斜めになってしまうカメラアングルは彼らの過酷な脱出劇をより一層スリリングに見せる。

実は映画が始まって10秒位で既に軽く画面酔いが始まって(←ヘタレ過ぎ)、映画冒頭辺りはなるべく画面を見ないで字幕を読む事だけに集中していたんですが、「ちゅどーん☆」と地響きが始まった辺りからもう夢中でしたね。
時々彼らが「チビ・クリーチャー」に襲われてパニクってるシーン等で「うぷっ」となるものの、それでも吐き気よりもワクドキ感が勝って目が離せない!

この作品は劇場の大スクリーンと大音響で楽しまなくちゃダメですねー。
実は単純なパニック物で目新しい要素というのはまるでないんだけど、散々使い古されたモンスターパニック物+ブレア・ウィッチ・プロジェクト以降これまた安直に使われるようになった「手持ちカメラ映像」の組み合わせで、こんな面白いもんが出来ちゃいましたー♪古いものと古いものを掛け合わせると新しい面白さが生まれるという、実にステキーな作品♪

だがしかし、もう一度見ようとは思わない。いや見たいんだけど見る勇気がない(^-^;
すっごく面白かったんだけど・・・映画館を後にして速攻でトイレに駆け込んで昼飯全てリバース(涙)
ああー!お食事中の方がいらっしゃったらごめんちゃい!ご覧になる場合は食事前にするか、車酔い・画面酔いするタイプだと自覚していらっしゃる方は、鑑賞前に酔い止めのお薬飲んだ方がいいかと思われます。

でもね、本当に面白いヨ。エイリアンパニック物の中では突出した面白さ♪ゲロっちゃってごめんネ(をい)








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2008年04月19日(土) 大いなる陰謀

監督:ロバート・レッドフォード
出演:トム・クルーズ
    メリル・ストリープ
    ロバート・レッドフォード、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
ベテランジャーナリストのジャニーンは、「未来の大統領候補」と目されるアーヴィング上院議員に呼び出され、独占インタビューで彼から対テロ戦争の新戦略について聞かされる。同時刻のカリフォルニア州、大学の歴史学教授マレーは、成績優秀なのに最近勉学に身を入れなくなった生徒を呼び出して話をしていた。マレーは生徒にある2人の教え子の話を始めるのだった。更にこの同時刻・アフガニスタン。2人の若き志願兵が、今正に新戦略実行の為に動き出した・・・


【感想】
名優ロバート・レッドフォードが7年振りにメガホンを取った最新作。
キャストがとにかく豪華。アーヴィング上院議員役をトム・クルーズ、アーヴィングに独占インタビューするベテランジャーナリスト・ジャニーン役をメリル・ストリープ、そしてロバート・レッドフォード自身も大学教授マレー役で出演。
キャスティング見ただけでお腹いっぱいになりそう〜。

さて本作。
予告編を見た時には「ある若手代議士による対アフガニスタン工作に関する陰謀を暴くサスペンスアクション」だとばかり思って本作を鑑賞した訳ですが、これは明らかに日本の映画配給会社の付けた全く内容と噛み合わない邦題と、日本人好みするサスペンスアクションと勘違いさせるように作為的に製作された予告編による「観客誘導」だった。
どう考えても客に勘違いしてもらうのが目的の予告編だとしか思えない。映画を見始めてみて、ようやく本作のタイトルが内容に対して付けられたのではなく、配給会社から観客に仕掛けた「大いなる陰謀」だったと判った次第(苦笑)

配給会社が「大いなる陰謀」を企む気持ちも判らなくはないです。
本作は同時刻の別の場所で繰り広げられる3つの出来事を並列して見せ、観客に問題提起をするという作品。しかも映画のほとんどは1対1の対話シーンを見せるという静かな展開に終始。
更にネタは対テロ戦争に関するアメリカの政治・政治家・世事に無関心な若者に対するメッセージ性が濃い。およそ日本人にウケる要素が少ないので、いくら日本でも人気の役者が雁首揃えて出演しているとは言え、配給会社も邦題や予告編の作りには苦慮した事でしょう。

今年はアメリカ大統領選の年という事も手伝ってこの手の映画は作られて然るべき、更には積極的(熱狂的?)な民主党支持者としても知られるロバート・レッドフォードにとっては「今こそ俺が言いたかった事が作れる!」と息巻いてメガホン取ったんだろうなぁ〜・・・等とうがった見方をしちゃいますが、そういう製作者サイドの意図を考えずに見れば(見れるのか?)本作は実によく出来た脚本だったと思うんですね。

本作に登場する、社会的マイノリティであるアフリカンアメリカンとメキシカンアメリカンの2人の生徒が、自ら志願兵となって戦地に赴く事を決めた理由の中に(これだけが理由ではないだろうけど)志願兵となって復員して来ればその後の大学の学費が免除されるから、と語るくだりがあったんですが、この辺りの話が一番ぴよの関心を引きました。
本作の「代議士編」「大学教授編」「戦地編」の中では大学教授と生徒のやりとりのパートが最も興味深かったし、もしかしたら大学教授の役を演じながら本作で一番言いたい事をロバート・レッドフォード自身がクチにしたかったんではないか?という気がしたんですけどね。

本作は延々と議論をぶつけ合うシーンで観客に問題提起はするものの、コレといって答えを提示はしない。
この部分に関しては賛否両論あるだろうと思うのですが、個人的にはこの作りでよかったと思います。もし監督ご自身の考えをそのままあけっぴろげに示してしまうと、単なるプロパガンダ映画になってしまいますからね(苦笑)

それにしても悔やまれるのは邦題と予告編の作りですなぁ・・・
期待した方向と余りにも違っていると、その作品がたとえ素晴らしいモノだったとしても「裏切られた」ような気持ちになってしまうのは致し方がないと思うんですよ。
かなり映画が進むまで「いつサスペンスになるんだろ♪」と思って見てたから(←非常に察しの悪いヤツ)、淡々としたセリフの応酬シーンの繰り返しに「まだかよー」ってダレダレになってたじゃないですか(^-^;
日本の映画配給会社の皆様、アナタ達の罪は深いですよ。ホントに・・・








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2008年04月17日(木) あの空をおぼえてる

監督:冨樫森
出演:竹野内豊
    水野美紀
    広田亮平、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
明るい笑顔が絶えない深沢家は、妻の慶子が3人目の子供を妊娠中で幸せの絶頂。ところがある日10歳になる長男・英治と6歳の妹・絵里奈が交通事故に遭い、英治は生死を彷徨いながらも一命を取り留めるものの絵里奈は亡くなってしまう。娘を亡くしたショックで父親の雅仁は家族に目を向けなくなって殻に閉じこもってしまった。何とか両親の笑顔を取り戻そうと健気に振舞う英治だったが・・・


【感想】
ジャネット・リー・ケアリー著の同名タイトル小説を、設定を日本に変えて映画化。
父・雅仁役を7年振りの映画出演だという竹野内さん、妻・慶子役は水野美紀さんが演じ、主題歌は平井堅。題材は親子モノのヒューマンファンタジー系だと来れば「いま、会いにゆきます」と同じ線で大ヒット狙ってる?(苦笑)
まさか・・・この2人もこの映画が縁で結婚するとか、そんなネタにはならないよね?(^-^;

子役の2人が物凄く上手い。特に妹役を演じた吉田里琴ちゃんの愛らしさは異常。
で、有り得ないレベルでラブラブしていて、家の中はどこかのペンションみたいにラブリーで、美人ママはプロのパティシエ並みに手の込んだスイーツを作ってたりしていて、イケメンパパと手を繋いで謎のダンスを踊ったりして大はしゃぎ。
・・・ぴよは特別不幸な生い立ちではありませんが、何だか見ていて浮世離れし過ぎていて正直ちょっと萎えた(苦笑)

映画はまず英治が奇跡的に蘇生するシーンから入り、話は一旦過去に戻って事故前の幸せな家族風景を見せ、その後事故からは所々に亡き妹との回想エピソードを差し入れながら見せていく感じ。
回想シーンは息子・英治の視点で描かれていて、彼が家の中の冷えた空気を見ていると、いつの間にか妹と遊んだりはしゃいだりした様子が目の裏に蘇って、妹が両親を喜ばせた・自分が楽しかった事を両親の前で再現すれば、両親も笑顔を取り戻すだろうとパフォーマンスするが、モノの見事に空回りする、という繰り返し。

家族の再生劇をドラマティックに見せたいという意図は判るんですが、ちょっとしつこいですね。
特に本作は「父親と息子の絆と再生」がキモなんですが、この父親にはムカ付く人は多いだろうと思いますよ。娘を亡くして落胆する気持ちは痛い程判りますが、それにしたってアンタちょっと自己中過ぎんだろ?ちったぁ〜残された家族の事も考えてやれや、と言いたくなる。
まあコレねー。きっと竹野内クンが非常に役に成り切ってたんでしょうね。成り切り過ぎてムカつきまくりだから(笑)

父親側からの視点というのはほとんどなく、長男の英治の視点や英治の出来事を主体に見せて行くというのは、ちょっとヒネっていて面白いなとは思うのですが、何か映画を見ていて物足らない感がある。
物足らないと言うのか、白々しく感じると言うのか。何て言うのか・・・特に長男が語り過ぎてるんですね。演技で見せるべき心情部分を全部セリフで語ってしまうので、観客に彼の心の内を各々想像させて思い入れを持たせるだけの余地がまるでないと言うべきなのか。

だから先の展開も全部判っちゃうし、ラストで英治が語る「お父さんはこう言ったんだ」という部分も、もうかなり前に観客に提示していた(つーか英治本人が既に語っちゃってた)ネタなのに、何を今更?という感じ。
何もかも見せ過ぎ・語り過ぎで、父親のセリフが「単なる言い訳」にしか聞こえなくて白々しく感じてしまう。

とは言うものの、コレは確かに「感動押し売り泣き映画」
散々文句垂れたクセに、ぴよもちゃっかりウルウルしてました。感動はしなかったんだけど(コラ)
何だか納得行かないのにとりあえず泣ける。「何でもいいから泣きたいんだー!」という気分の方にはオススメです。








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2008年04月16日(水) 砂時計

監督:佐藤信介
出演:松下奈緒
    夏帆
    井坂俊哉、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
両親が離婚し母の実家・島根に引っ越して来た「杏」は、近所に住む大悟や藤・椎香らと仲良くなり自分の居場所を見つけ出した。ところが祖母に叱咤激励を受けた母は、逆に自分を追い込んで遂には自殺してしまう。母の弱さをなじり、母の自殺を止められなかった自分を責める杏を、大悟は「ずっと一緒にいちゃるけん」と言い優しく抱きしめるのだった。中学3年になった杏と大悟は付き合っていた。ところがある日、父親が杏と一緒に暮らしたいと迎えに来て離れ離れになってしまう。


【感想】
芦原妃名子著の大ヒット同名タイトルコミックの映画化。
既に映画化の前にTBS系でTVドラマ化されているそうで、TVドラマのヒットも手伝って映画化されたものだろうと。
主人公「杏」をピアニストとしても活躍する松下奈緒が、杏の中高生時代を若手注目株の夏帆が演じています。
ちなみにぴよは原作コミックもTVドラマも未見。まあいつもの事(^-^;

予告編を見た感じでは現在の杏と大悟のドラマが中心で、中高生時代の話は現在の状況を説明するためのエピソードとして挿入される程度かな?と当たりをつけていたのですが、蓋を開けてみると中高生時代の話が7割で現在の話が3割程度の配分でした。ってか印象的には殆どが中高生時代の話って感じ。

そんな訳で、中高生時代のエピソードは結構丁寧に描かれていて見応えもあります。
子供時代の杏を演じた夏帆ちゃんが物凄くカワイイ♪それから子供時代の大悟を演じた池松壮亮クンもカワイイ!
中高生時代のストレートで一途な恋愛模様を実に瑞々しく演じていました。総じて子供時代のエピソードは良かった。

でも大人になってからがどーもぴよにはダメでしたね。
正直言って松下奈緒さんの演技が鼻に付いた。それからエピソードが薄っぺらく感じる。結婚を決めた相手にしては婚約者とのやりとりはぎこちなさ過ぎるし、とても2人が愛し合っているように見えない。
相手の男の方も「ちょ・・・お前たったそれだけで婚約破棄?話し合おうとかそういう気はねーのかよ!?」とツッコミ入れたくなる程アッサリし過ぎていて、まるで婚約者はヒールのような役割でしかない(苦笑)

でも実は一番ぴよがダメだったのは、主人公「杏」の性格付けでした(^-^;

母親が自殺したというトラウマを抱えているのは判るけど、それにしても余りにも自分の気持ちしか考えていない。
映画中でも椎香に「自分ばっか悲劇のヒロイン気取ってんぢゃねーよ。タコ!」と罵られますが・・・いやこんなエゲツない言い方ではないですが(ちょっと脚色しちゃいました。へへっ)、まあ大体そんな事を杏は言われています。
自分の負のパワーが大悟をいつか押し潰すと感じた杏は、自ら別れを選択するのですが、コレも考えようによってはとても自己中心的な考え方だと思いますね。「私が元凶なんだから私が身を引けばいいのね〜」というのは典型的な悲劇のヒロイン妄想系の考え方。基本的に前向きじゃないキャラってぴよは好きになれないんです。

でもまだ子供時代ならいい。
思春期の女の子ってのは大なり小なり悲劇のヒロインになりたがるものですから。ぴよだってそうでしたし(苦笑)

でもいい大人になっても悲劇のヒロインを気取られると萎える。
特に、母親が自殺した時にあれだけ母親の心の弱さをなじり、祖母の後悔する姿を見て胸を痛め、自らも家族を自殺という形で失ったという辛さをイヤという程味わったにも関わらず、どうしてそう安直な選択が出来るのかと。
たかだかエリートイケメンと破談になった程度の事だろ?世の中ナメんのも大概にしとけや!このスイーツ!!(怒)

・・・と、まあそんな訳で、主人公の杏に全く感情移入が出来ず。
感情移入が出来ないというよりも「積極的に嫌いなタイプで、見ていてヘドが出た」という感じか(^-^;
この映画の主人公に「判るぅ〜!すっごく杏の気持ち判るぅ〜!」と思える方には最強なんでしょうけど、少なくともぴよは全くダメでした。もうとにかく見ていて腹が立って仕方がなかったです。

編集もちょっと雑な感じがしたのですが・・・それより内容自体が全然肌に合いませんでした。
原作コミックやTVドラマ版はもっとキャラクターの掘り下げが丁寧で、きちんと感情移入出来るように作ってあったのかもしれませんが、映画という事で時間の制約もあって「悲劇のヒロインを気取るスイーツ」という安直なキャラにするしかなかったという事なのかもしれません。

評価出来たのは子供時代の杏と大悟の初々しい様子だけしたね・・・すいません。コレは単純に好みの問題かと。








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2008年04月15日(火) スパイダーウィックの謎

監督:マーク・ウォーターズ
出演:フレディ・ハイモア
    サラ・ボルガー
    メアリー・ルイーズ・パーカー、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
両親の別居で母親に伴い、森の中に建つ屋敷に引っ越して来たジャレッド&サイモンの双子と姉マロニーの3兄弟。たまたま隠し部屋を見つけたジャレッドは、その部屋で封印された本を見つけた。「決して読んではならない」と注意書きが添えられていたが、好奇心に勝てずに本を開いてみると、それはこの屋敷のかつての主・大々叔父のスパイダーウィックが妖精達を観察して秘密を記した「妖精図鑑」だったのだ。封印が解かれた事で邪悪な妖精達が本を付け狙うようになるのだが・・・


【感想】
トニー・ディテルリッジ&ホリー・ブラック著の児童小説「スパイダーウィック家の謎」シリーズを映画化。
原作はシリーズ物らしいけど、映画は多分本作1作だけで完結の作品だろうと思われ。主人公のジャレッドとサイモンの双子を一人二役で演じたのは「チャーリーとチョコレート工場」で一気に人気子役に名を連ねたフレディ・ハイモア君。
子役と言うが、彼はもう16歳なんだそーだ。確かに「チャーリー〜」の頃よりも背がスラリと高くなって顔付きも少し大人びて来たという印象でしたが、日本人の16歳と比べても彼は少々子供っぽい感じがしますね。

原作を全く知らないのですが、まあ子供向けらしいファンタジー作品です。
家庭内に問題アリで父親不在な状態で、母親は精神的に不安定で常にカリカリしている。子供達の中でも特に双子の兄であるジャレッドは感受性が強く、不安定な家庭内の状況に影響されて本人もちょっぴり反抗的。
まあそんな状況下、好奇心旺盛なジャレッドの無軌道で考えなしの行動の結果、妖精界・人間界を巻き込む大惨事へと発展してしまい、この窮地を家族が一致団結して乗り越える事で絆を深めよう・・・という話です。

あ。マズい。結末まで書いちまった(^-^;
まあ問題ないですって。誰でも展開丸判り&オチミエミエな話ですから。ホント。大丈夫だってば(苦笑)

微妙〜にクリーチャー(あ、妖精か)が安っぽくてお子様好きする風味。
「妖精」と一口に言っても「いいキャラ妖精」と「悪者キャラ妖精」の2種類存在していて、悪妖精が世界征服と妖精&人類滅亡を狙っているという設定。
悪妖精が世界征服するには、全ての妖精の秘密を網羅した「妖精図鑑」の存在は不可欠で、この妖精図鑑の封印をおバカのジャレッドが解いてしまったが為に大騒動に発展する・・・規模がデカいんだか小さいんだかよく判らない話です。
いや、ネタとしては壮大なスケールではあるんだけど、それを子供3人+ヒステリックママの「家族内事件簿」状態にしてしまったが為にショボく感じるんだろうと推察(をい)

いいキャラ妖精達にはそれぞれ「大好物」があって、好物を与えてやればコイツらは簡単に懐柔出来る。
そして悪キャラにはちゃんと退治方法があり、しかもそれは塩だったりトマトだったりといとも簡単に手に入れられる食材ばかりなので、ここらは子供達に「ボクもジャレッドと一緒に悪者退治するんだー♪」と映画を見終わった後にお遊びが出来るような仕様になっています。

屋敷を囲むように結界が張ってあったり、秘密の地下トンネルが作ってあったり、エルフ族の乗り物であるデカい怪鳥等が登場して「ネバー・エンディング・ストーリー」よろしく大空を舞い上がってみたり、もうお子様大喜びのファンタジーネタを余す事無く網羅。既存のファンタジー映画のオイシイ所を全部かいつまんで見せるかのようです。

・・・何だかすっごく意地悪な書き方してるんですがー(苦笑)
でもコレが実は案外楽しめたんですよ。色んな設定が甘くてツッコミ所もありますが、基本的にプロットはしっかりしていて大人が見ても子供が見てもきちんと楽しめるように作られていると思います。
それに「家族の絆・再生」というテーマを内包している(というかコレが主題か?)なので、安心して子供に見せる事が出来るし大人も「ええ話やないか〜」位は思える仕様に仕上がっています。

まーでも・・・子供向けですねぇ。
大人も楽しめるけど子供向けなのには間違いないです。
少なくとも「ロード・オブ・ザ・リングがやっぱファンタジーの最高峰だよね」と言う方には・・・(^-^;








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2008年04月11日(金) NEXT −ネクスト−

監督:リー・タマホリ
出演:ニコラス・ケイジ
    ジュリアン・ムーア
    ジェシカ・ビール、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
クリスは生まれつき「自分に関する2分後の未来が見える」という特殊能力を持っていた。だがその能力を隠してラスベガスでしがないマジシャンとしてひっそり生きていた。ところがクリスの能力に目を付けたFBI捜査官のカリーは、テロリストが持ち込んだらしい核爆弾の在り処をクリスの能力で探し出そうと考えていた。一方クリスは唯一「いつか判らない未来」として見えた女性「リズ」と出会う為に、今日も同じ時間にいつかリズと出会うハズのダイナーに通うのだった。


【感想】
「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」「ペイチェック」等、既に数々映画化されたSF作家フィリップ・K・ディック氏の短編「ゴールデン・マン」を映画化。
ってか、ハリウッドはネタに困るとディックのSFを映画化するという決まりがあるんでしょうか?(苦笑)

まあ、そんな事はいいです。
本作はぴよ大・大・大好き!ニコちゃん主演のサスペンス・アクション。予告編見て超期待〜♪
メガホンを取ったのは「007/ダイ・アナザー・デイ」を撮った「リー・タマホリ」という、ちょっとエロい名前の監督(コラ)

映画が始まって、序盤まではかなりハラハラドキドキするんですよね。
ニコちゃん演じる「クリス」が、2分後の自分を見ながらギリギリのタイミングで追っ手から逃れる。ベガスのカジノで強盗と間違われて逃げるシーンはこの映画一番の見ドコロかもしれませんっ!!
・・・って、あれ?一番の見ドコロが序盤に出て来ちゃうの?(^-^;

「2分後の自分の未来が見える」って、かなり面白い設定だと思うんですよね。
その特殊能力を駆使して一番効果的に見せていたのが序盤のカジノからの脱出シーンだったな、と。

勿論動き回ってる間は確かに「2分後の自分」を常に見ているので、最初はFBIの協力を拒んで逃げようとするシーンや、後に結局協力せざるを得なくなってテロリスト達と渡り合うシーン等で「2分後の未来」を効果的に使った演出はなされていたと思います。絵的にも緊迫感もあるし迫力もあったし、金もかなり掛かった仕様。
まあでも、クリスと同行してれば絶対に安全ですからね。最初は緊迫感があるけど見慣れるとダレるかも?(苦笑)

本作の一番の欠点は「2分後の未来が見えるけれど、逆に言えば2分後の未来しか見えない」という制約を、肝心な部分で破ってしまった事だろうと思うんですよ。
勿論コレに関しては「リズ」という女性の存在によって、前振りはきちんとされている。それにしてもオチが掟破りでは今まで散々見せた「2分後の未来限定」という制約に何の意味も見出せなくなってしまうような気がするんですが・・・

それから「テロリストによって核爆弾がロスに持ち込まれた!」と大風呂敷を広げたにしては、結局映画の主軸は核爆弾の行方を捜す事ではなくてFBI vs テロリストの「クリスの取り合い」に終始しているというのもいかがなものなのか?
テロリストの目的がよく分かりませんね。本当はすんごい事をやろうとしてるハズなのに、妙に小粒で弱い。
これならもう少し小さな事件をネタにしてもらった方が、見ていてしっくり来ると思いますよ。

上映時間は1時間半程度でスピード感のある展開だし、決して見ていてつまらない訳ではない。むしろかなり面白い。
それなのに、何でしょう・・・このどうしようもないB級な作りは。ニコちゃん好きで期待してただけに微妙〜な気分(^-^;









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2008年04月05日(土) プライスレス 素敵な恋の見つけ方

監督:ピエール・サルヴァドーリ
出演:オドレイ・トトゥ
    ガド・エルマレ
    マリー=クリスティーヌ・アダム、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
高級ホテルでウェイターとして働くジャンは、ある晩このホテルに投宿している美女「イレーヌ」に億万長者だと勘違いされて素敵な一夜を過ごした。ところが「物質至上主義」で玉の輿を狙うイレーヌに金持ちではない事がバレたジャンは、けんもほろろに振られてしまう。イレーヌを諦められないジャンは、彼女を追って南仏高級リゾートへ行くが、散々貢がされた挙句にまたも捨てられた。文無しになった所で富豪の未亡人に拾われて、自分もジゴロになったジャンだったが・・・


【感想】
もういい加減この前置詞を書くのは彼女に気の毒だとは思うが・・・「アメリ」で爆発的人気を博したオドレイ・トトゥ主演のお軽いタッチの大人なラブコメディ。
オドレイ嬢にけんもほろろの扱いを受けるしがないホテルマン「ジャン」を演じるのは、日本ではほとんど知られてはいないものの、フランスでは芸術文化勲章も受けて絶大な人気を誇るコメディアン「ガド・エルマル」

オドレイ嬢も今や夢見る夢子ちゃんではない。
彼女も今年で30歳。押しも押されぬ色香漂う大人の女性にお育ちあそばされ、本作では「金と高級ブランド」にしか興味を示さない完全物質至上主義にして「金持ちじゃなければ男の価値なし!」という、何ともイケ好かない女を演じています。

映画冒頭からオドレイ嬢がすんげー衣装でご登場。
もう脇から見えるハミ乳に目が釘付けになって仕方ないです(笑)
彼女ってこんなにスタイル良かったのかー。その後もエロいカクテルドレスを次から次へと着まくって、常々あの手の高級ブランドの意味不明な位胸の開いたドレスはどうやって着るんだろうと不思議に思っていたものだけど・・・なるほど、乳は出しっぱなしなんだな、とようやく理解出来た次第(^-^;

まあ、そんなこんなでとにかく「大金持ちの玉の輿に乗る」事だけを目標にしているイレーヌなんだけど、その割りにはツメが甘いと言うのか考えなしでちゃらんぽらんと言うのか。
隙のない完璧な悪女では可愛げがなさ過ぎるので、こんなバカな女だからこそ憎めないとも思えるんですが、この手の女というのは日本では忌み嫌われるタイプの代表だと思うので(苦笑)、生真面目で清貧を美徳と考える方がご覧になるとかなり胸糞が悪くなりそうな気がしなくはないです。

そんなバカ女がお約束通り文無しで風采の上がらない、でも何故かやっぱり憎めない男と出会う。
最初は冷たくあしらうものの、彼も開き直ってジゴロ稼業に身を投じるようになると、「同胞を得たり」といった感じで金持ちを虜にするレクチャーなんぞをしたりして、なかなかココらのやりとりは笑わせてくれます。
ジャンがまんまとジャガー・ルクルトの腕時計をゲットしたのを見てシャンパンを吹くシーンは必見。可愛いゾ♪

日本では考えられないような、ヨーロッパ財界・社交界の男女の駆け引き?が舞台なので、まるで身につまされる事もなければ共感も同調も出来ない話ではあるものの、「アチラの国のお金持ちってこーいう世界なのねぇ。ほー」とは思える。
こういう世界にはとんと疎いし縁も全くありませんが、余りに浮世離れしている分、あっけらかんと楽しめる仕様。

ありきたりで先が読めて、底が浅くてホントにどーでもいい話なんですが(をい)
女子は憧れの高級ブランドの数々に、そして男子はオドレイ嬢の見えそうで見えないハミ乳の行方に(笑)、充分目の保養をさせてもらってお軽く楽しめる・・・そんな大人向けB級ラブコメでしたね。
デートムービーにもオススメ・・・ただし、映画の後に彼女にブランドショッピングに付き合わされても責任持ちませんヨ








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2008年04月04日(金) ヒットマン

監督:ザヴィエ・ジャン
出演:ティモシー・オリファント
    ダグレー・スコット
    オルガ・キュリレンコ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
謎の暗殺組織によって遺伝子操作され、特殊な訓練を受けて「暗殺者」として育てられた男「コードネーム・47」
既に100以上もの暗殺に手を染めた彼の今回の仕事は、ロシア大統領・ベリコフ暗殺指令だった。見事ベリコフを仕留めたものの、何者かに密告されてインターポール、FSB(ロシア連邦保安庁)の双方から追われる身となってしまう。黒幕のカギを握る娼婦「ニカ」を連れ行動を共にする内に、彼は初めて人間らしい感情を持つようになる・・・


【感想】
全世界で大ヒットを飛ばしている同名タイトルのビデオゲームを映画化。
主人公のヒットマン「47」を演じるのは「ダイ・ハード4.0」で演じた悪役ぶりが記憶に新しいティモシー・オリファント。そして主人公と共に行動するヒロイン「ニカ」役を、次回の007シリーズでボンドガールを演じると話題のオルガ・キュリレンコが演じています。

本作の元ネタゲームを知らないのですが、どうやら設定は昔TVで見た「ダークエンジェル」に酷似している模様。
ダークエンジェルはうなじにバーコードを刻印しているのですが、ヒットマンは丸坊主にした後頭部に刻印。何故後頭部に刻印しているのかちょっと判らないですね。髪の毛生やしたら見えなくなっちゃうじゃないですか。せめて額か手の甲か鎖骨の下辺りにバーコード付けて欲しいです(苦笑)
それに、スキンヘッド+後頭部バーコードって・・・コレは何かのランドマーク?ヒットマンだったらもう少し周囲に溶け込んで存在感を出さないようにしないとマズくないですか?(^-^;

まあ、ここらの設定の甘さは元ネタのゲームの仕様に準じているのだろうと推察。
話のプロット自体は「どこかで見たような話のアレンジ」という感じではありますが、なかなか練れていて楽しめます。
アクションシーンや派手な爆破シーンも随所に盛り込んで、絵的にもまずまず♪それからヒロインのニカは惜しげもなく抜群なスタイルをスクリーンに晒してくれて、お色気シーンを期待しているお兄ちゃんも満足♪満足♪(笑)

ティモシー・オリファント、実は公式サイトを見て「ああ、ダイ・ハード4.0の敵役かぁ」と思った程度の記憶で(^-^;
ほとんど覚えてなかったんですがー・・・本作を見て今後は絶対に忘れない名前になりましたね。カッコイイんすよ!
スキンヘッドで冷徹な役を演じているんですけど、よーく見るととっても愛らしいお顔♪アクションもソードファイトはちょっとぎこちない感じはしたものの、全体的になかなかキレもあってお上手でしたしネ♪
願わくば・・・シャワーシーンで、普通はケツ位は見せるだろ!?なんだよあの中途半端なシャワーシーン!あんなのじゃ満足出来ないわよう!ケツ出せって!ケツ!!←えー。無視して下さい(^-^;

本作、映画冒頭のキャストロールにヒットマンの生い立ち?のシーンをダイジェストに流して、特に観客にヒットマン自身の背景等は説明しないで話は進むのですが、ヒットマンを追い続けるインターポールの警部のセリフ等で、上手い具合に観客に対してヒットマンのあらましだったり黒幕に関する説明等の「橋渡し役」をしてくれます。
このインターポールの警部コンビの存在はなかなか光っていましたね。ダレそうなマンネリな映画の展開に、上手く絡んで観客を飽きさせないように牽引してくれていました。

ま、そうは言ってもゲームならではのご都合主義主導な作り、どこかで見たような展開、思いっきり続編が作れる仕様、何もかもがイマドキ星の数程量産されている「B級アクション映画」の域を全く出ていませんが(相変わらず吠えるなぁ)

でも本作は個人的に結構好きかも。絵もアクションも展開もそこそこ良く出来てるし・・・ティモシー可愛いし♪(をい)








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2008年04月03日(木) モンゴル

監督:セルゲイ・ボドロフ
出演:浅野忠信
    スン・ホンレイ
    クーラン・チュラン、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
陰謀渦巻く12世紀モンゴル。ある一部族の頭領の息子として生まれたテムジン少年は、父を毒殺され仲間に裏切られて自らの命も狙われるという過酷な運命を背負わされる。しかし後の宿敵となるジャムカとの出会い、そして妻と定めた運命の女性・ボルテへの一途な愛を貫くテムジンは、様々な逆境を乗り越え、その高潔な精神と並々ならぬ統率力でモンゴルを統一するべく男として成長して行くのだった。


【感想】
今年のアカデミー賞・外国語映画賞にノミネートされて話題になった作品。
製作はドイツ、カザフスタン、ロシア、モンゴルの共作。そんな多国籍な製作陣が選んだ「後のチンギス・ハーン」ことテムジン役は、何と日本の俳優・浅野忠信さんだったという何とも異色の組み合わせです。

チンギス・ハーンに余り興味がないので申し訳ないんですが(^-^;
何でも、チンギス・ハーンについてはモンゴル統一後の事はよく知られているものの、それ以前の少年〜青年期に関する記述が何も残されていないそうで、彼がその時代どう過ごしていたかについては今も謎なんだそうです。
そんなチンギス・ハーンの謎に包まれた青年時代を、大胆に想像・脚色して描いているという作品。
要するに本作は史実に則った話ではなく「こんな青年時代を過ごしてたのかもネ♪」というおとぎ話みたいなもんです。

本作は全編モンゴル語で、浅野さんも猛勉強してモンゴル語のセリフに臨んでいます。
そして乗馬も猛特訓したそうで、本作の騎馬シーンは全てスタントなしでご自身が演じているそうです。彼の役者魂には本当に頭が下がる。堂に入ってて実に素晴らしかったですよ。
モンゴル語の発音については流暢なのかさっぱり判りませんが(苦笑)、少なくとも他の役者さんと絡んでいても全く違和感は感じませんでしたから、きっとかなりお上手にお話していたんでしょう。多分ネ。

更に本作は、制作に4年・制作費は50億円という途方もない時間と金を費やしたそうで、劇中に登場する美しく壮大な大地や目も眩むような壮絶な戦闘シーン等、映像的にも見ドコロは満載です♪

・・・と、とりあえず誉めちぎったトコロでー。←え?(^-^;

内容自体に関しては、正直言って「ん〜?」と・・・ちょっと首を捻りたくなるような感じが。
勿論「コレは史実と違うからダメだ!」なんて言う気はありませんよ。最初からフィクションだと判ってますし。そういう事ではなくて、何だか時間軸がよく分からない作りになっていると言うのか。

映画スタート時が9歳で、それから何年後にボルテを娶って、ボルテを略奪された後何年経ってから奪回に行ってるのかがよく判らなかったんですよね。
他にも奴隷として売られた後ボルテと再開するまでに多分10年近く経ってるハズなんですよね。生き別れになる時に赤ん坊だった息子が、再開した時は10歳になってましたから。
で、その後程なくして妻子から離れて大軍作りに行っちゃってるんですが、この大軍を作るまでにどれくらいの時間が経ってるんだろう?あんまり息子が成長してないみたいだけど、独りぼっちで旅立ってあそこまでの大軍にするまでには相当の年数が掛かってると思うんだけどなぁ。うーん。

まあ、そういう難癖は抜きにしても(コレって難癖だったのかー。苦笑)
本作は根本的に「テムジン(チンギス・ハーン)の人柄を示すエピソード」を中心に据えていて、テムジンがどういう手腕で軍を拡大していったのかとか、どういう手順でジャムカとの直接対決に到ったのか等の「歴史ドラマ」部分に関してはほとんど描かれていませんでした。
勝手に「歴史大作ドラマ」だと勘違いして鑑賞していたぴよが悪いんですが、歴史ドラマ部分を期待して見に行くとかなりの確立で肩透かしを食らう事になりそうな予感(薄涙)

それにしても、テムジンの嫁もスゴイ人でした。
金がないから体売って夫の元に馳せ参じる訳ですよ。そもそも息子も娘も両方共テムジンの子じゃないしね。
でもそんなの関係なーい♪テムジンも愛する妻が産んだ子ならぜーんぶ俺の子!って受け入れちゃう。もう究極の愛の形を本作で見せ付けられましたね。テムジンの愛の深さは正に神の領域です(笑)

そんなこんなで、
正直言うと「コレって浅野さんが主役じゃなかったら、いいとこ単館ロードショー系でしょ」と思ってしまった訳で。
確かに映像は凄かったので、大箱で質のいいスクリーンと音響効果が期待出来るシネコンで拡大上映してくれるのは大変有難い事ですが、内容ははっきり言ってツッコミ所満載じゃないかとー・・・(^-^;








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