2008年04月28日(月) |
ハンティング・パーティ |
監督:リチャード・シェパード 出演:リチャード・ギア テレンス・ハワード ジェシー・アイゼンバーグ、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 激戦地での刺激的なニュース映像とレポートを伝え続けたレポーター・サイモンとカメラマン・ダックの名コンビ。ところがサラエボのとある現場のレポート中に「ブチ切れた」サイモンはテレビ局を解雇され、行方知れずになってしまう。ボスニア紛争が終結した数年後、この地にまた取材に来たダックの元にサイモンが現れて「凄いネタを掴んだ」と言う。かつての情熱を思い出したダック、そしてコネ入社の新人プロデューサー・ベンはスクープを物にしようとサイモンと共に動き出す。
【感想】 2000年10月にUS版「Esquire」誌に掲載された、ボスニア紛争終結後にあるジャーナリスト達が今も逃走中で500万ドルの懸賞が掛かっている戦争犯罪人「ラドヴァン・カラジッチ」を追跡した「ひと夏の体験」を元に作られた社会派映画。 大ポカをやって干されてしまったかつての名ジャーナリスト・サイモンをリチャード・ギア、サイモンのかつての相棒だったカメラマン・タッグをテレンス・ハワード、そしてTV局の副社長の息子という大コネで入社したヘッポコ新人プロデューサーを新鋭ジェシー・アイゼンバーグが演じています。
本作、映画冒頭でよくある「事実に基づく物語」みたいなテロップが流れますが、コレがなかなか気が利いている。 「本作は【まさか】と思う事ほど事実である」(←正確な文章は忘れたけど、こんな感じ)、上にも書きましたけど本作は事実を元に作られていて、勿論フィクション部分も沢山挿入されているだろうけど、映画中の「コレはないわ」と思うような部分の方こそ事実なんですよー・・・という煽りなんでしょう。こういう掴みは面白いですね。
映画冒頭から凄まじい戦場での取材シーンが繰り広げられて、「ジャーナリスト魂とはなんぞや」と見せ付ける。 それはそれはストイックでハードボイルドで緊迫感バリバリで・・・と思いきや、意外な事にコミカル。いや勿論命と隣り合わせの凄まじい状況なのは当然なんだけど、そこで取材しているジャーナリスト達は「アドレナリンがドバー!うはー♪」みたいな状態だったりする。映画中ではもっと直接的に「○○勃ちっぱなしー♪」とまで言う(笑)
本作、扱っている題材は物凄くシビアなのに、映画全編キャラクター達のセリフが微妙にコミカルで笑わせてくれる。 実際の話、生きるか死ぬかの戦場で取材を続けるジャーナリスト達は、これくらい肝が据わってないととてもじゃないけどやってられないだろうな、と思いましたね。映画中には実際にボスニア紛争を取材したジャーナリスト達がエキストラ出演していますが、誰も彼も表情は穏やかでキップのいい男っぷりでした。 「戦場ジャーナリスト=眉間にシワ寄せたハードボイルド野郎」というのは間違ったイメージなんだな。ふむふむ。
ま、そんなこんなで意外な程コミカル進行で話は進むのですが・・・ コレは映画のせいではなくぴよ自身の問題なので申し訳ないのですが、超寝不足状態で鑑賞してましてね、しかもお恥ずかしい話ですがボスニア紛争について余り知識がないんです。勉強不足のバカなんです(涙) 映画は一応ボスニア紛争を全く知らないバカでも理解出来るように作られているものの、やっぱりある程度(最低限)の知識は持っていないとサラリと語られるセリフの中に込められた皮肉、それから土地の名前を聞いても「今どれだけヤバい状況にあるか」等の背景が理解し難い。
更には映画中盤は割りと静かな進行でね、役者達の会話で見せる手法。画面的には動きが少なくインパクトが薄い。 そんなこんなで知識不足と寝不足が絶妙のコンビネーションでぴよのまぶたに負荷を掛けていくぅ・・・本当に本当に申し訳ないですが、はっきり言って中盤の会話の半分位は居眠りコイてました。ひー!
だから感想書くのもおこがましい状態でして。 決してつまらなかった訳じゃないんですよ。主要キャラ3人はそれぞれキャラも立っていて、特にベンのキャラなんて個人的にかなり笑わせてもらいましたしね。リチャード・ギアも「ロマンス映画の帝王」からいい感じにキャラをシフトさせてますし。 実在する戦争犯罪者、しかも今もまだ捕まっていない悪党が相手の話ですが、本作では観客に溜飲下げさせてちょっぴりいい気分にさせるファンタジー?な「IF」オチを提供していて好感が持てますし。
小難しい社会風刺モノ・硬派な社会派モノはちょっと苦手、という方にも楽しめる作品だと思います。 だが勉強不足で夜遊びし過ぎのバカ(←アタクシです)には中盤の展開はハードルが高かった・・・もし本作の重要な見せ場が中盤の会話シーンの中に盛り込まれていたとしたら目も当てられません。とほほほほ(涙)
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