ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年12月27日(木) アイ・アム・レジェンド

監督:フランシス・ローレンス
出演:ウィル・スミス
    アリーシー・ブラガ
    ダッシュ・ミホック、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
ある特殊ウイルスにより人類は滅亡してしまった。優秀な科学者だったロバート・ネビルはたまたまこのウイルスの免疫が出来て感染を逃れたものの、地球最後の1人となってしまった。相棒は愛犬サムのみ。ネビルはたった1人になってもウイルスの血清を作る為に日々研究を重ねている。そしてNYからAMラジオで、もしかしたらまだいるかもしれない生存者に向けて毎日呼びかけているのだった。


【感想】
米国SF・ホラー作家リチャード・マシスンの同名タイトル小説の映画化。
元は「吸血鬼」というタイトルだったが後に「地球最後の男」に改題?し、更に今回の映画に合わせて日本発刊の小説は本作と同じタイトルにしたそうです。
既に原作は1964年、1971年に映画化されているし、藤子・F・不二雄氏の短編「吸血鬼」にも流用されてるそうだ。
ちなみに64年、71年製作の映画、そして藤子・F・不二雄氏のコミックも未見です。

そんな訳で予告編だけが自分の情報源でして。
予告編を見ながら「こりゃー宇宙戦争@エイリアン物か、それともまさかの夢オチってトコロだな」と当たりをつけていたのですが、蓋を開けてみると「バイオハザード@アリス計画」でした(^-^;

ぜ、全然予告編とイメージが違う・・・これは近未来SFモノじゃなくて確実にホラーよね?ね?(薄涙)

とりあえず内容に吠えるのは置いといて、
まず映像は凄かったですねー!予告編でも「すげーな、こりゃ」とは思ってましたが、人っ子一人いないNY、しかも車はあちこちで放置しまくっててビルはホコリ被ってて、道路の舗装は荒れ果ててアチコチから雑草が生えたりしている。
「たった3年でここまで荒廃はしねーだろ」と思いつつも、とにかくその映像には驚かされっぱなしです。
CGを駆使しているのは判るけど・・・それにしても映像処理技術の進歩って本当に素晴らしいですね!!

最初の内は2012年現在の様子を淡々と見せ、そこに3年前の様子をネビルの悪夢という形で少しずつ回想する事で、何故彼が今地球でただ1人生き残ってしまったのか・何が起こって今の状態になったのか、というのを観客に小出しにネタばらししながら話を進めていきます。

コレが途中まですっごくワクドキしながら楽しんでいたのですが、全容が見えた途端に「あちゃ〜」
まあ確かに在り得ない設定ではないだろうからいいんですけどね、バイオハザードシリーズの新作の公開時期と被っているのはなかなか分が悪い気がしなくはなかったですね。
まあ、せめてもの救いはバイオ〜の新作がクソだったという事でしょうか(コラ)

独りぼっちの生活で、どうやって通電させているのかよく判らなかったんですが、これは多分発電機をどこかから調達して来たんだろうな、というのは予想が付きます。ところで水道とガスはどーなってんだ?蛇口捻ったらちゃんと水が出るし、自宅で火を使った料理も作れてるみたいだけど・・・こういう事はツッコミ入れちゃダメなの?

でももっとツッコミ入れたかったのは、アレだけの地下研究室を持てるんだったら、どうして紫外線ライト位は調達しておかなかったのだろうか?という事なんですがね(^-^;
敵さんが紫外線に弱いって判ってるんだから、NY中探せば日焼けサロンなんて死ぬ程あるでしょーに、全く調達出来ない物品だとは到底思えないんですがね。ここらは設定にムリがあり過ぎる気がしましたよ。

それから「生き残り仲間」の登場も余りにも予想通りですし、彼女のイッちゃってる「神様論」がどうにもこうにもぴよには肌が合わなかったし、クライマックス以降も何だか拍子抜け。
映画の前半が良かっただけに、どんどん話が進むにつれて失速して行ったのが残念でたまりません。

でもまあ、何だかんだで映像には呆れる程感心出来ましたし、話だって決して悪くはなかったですよ。
たまたまぴよがこの手のホラーは余り得意じゃなかったからビビリまくってしまった事と、同時期に同じネタの映画が公開されていたので「またかよ」と思ってしまったというのが自分の中の敗因なんでしょう。
個人的には愛犬のサムに猛烈に萌えたしネ♪サムを抱きしめて・・・のシーンは本当に切なかったワ!!

バイオシリーズを見てない方なら楽しめるんじゃないでしょうか?何度も書きますが映像はピカ1ですしネ☆








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2007年12月24日(月) ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記

監督:ジョン・タートルトーブ
出演:ニコラス・ケイジ
    ダイアン・クルーガー
    エド・ハリス、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
リンカーン暗殺事件において、暗殺者ジョン・ウィルクス・ブースの書いた日記中の失われていた一部が見つかった。そこには何とゲイツの祖先が首謀者グループに加わっていたらしいという記述があったのだ。先祖の汚名をそそぎ真相を追究する為にゲイツはわずかなヒントから世界中を飛び回るが、実はコレは失われていた日記を提供したウィルキンソンの別の企みに乗せられていたのだった。


【感想】
お正月映画の大本命になるか!?「ナショナル・トレジャー」シリーズの第2弾。
既に本作劇場公開に合わせてTV地上波で第1弾を放送したそうですね。相変わらずマスコミは演出が上手い(笑)

前作、個人的にはかなり好きでしてね。
物凄いスピードで謎解きしていくので忙しいったらありゃしないんですが、誰が見ても楽しめる「おバカ冒険活劇」として申し分のない出来だったんじゃないかと思っています。
・・・ま、単にニコちゃんが大好き♪なので、ニコが出てるだけでこのシリーズは大満足な訳ですが(^-^;

まあそんな訳で第2弾な訳ですが、本作もツッコミ所満載のおバカ冒険活劇でした(笑)

そもそもこの映画の副題、内容と微妙〜にズレてると言うか全く内容は違う。
確かに導入部はリンカーン暗殺者の日記なんですが、結局ネタ提供しただけで後は中南米の秘宝を探るアドベンチャーでしかありませんから、だったらタイトルも「ナショナル・トレジャー/エルドラドを目指せ!」とかにすりゃーいいじゃんか、と思ってしまう訳ですが(苦笑)

で、その日記ってのも140年間ウィルキンソン家が握ってたらしいんですが、どうして今このタイミングでその日記を登場させようと思ったのかについての考察はありません。
もしかしたら140年間ずーっと一族で謎解きしてたんだけど、どうにもこうにも判らないトコロに持って来て、ちょうどゲイツ一族の中に光よりも速く謎解きをする男が現れたので「コレはラッキー☆」と持ち出した?(^-^;

そんなこんなで、本作は観客にツッコミ入れてもらうのも娯楽の内、と考えているフシがあります。
ってか、真剣に作っててこの脚本って余りにも痛過ぎるんだけど(をい)この痛さ加減が突き抜けているので怒る気すら起こらないと言うのか、「もう何だっていいぜぇ〜い!好き放題やっちゃって〜♪」という気分にすらなる。

後は相変わらずのおバカな展開を恐ろしい程金掛けて作っている、というだけの作品ですからネ(笑)
もう楽しいったらありゃーしませんよ。
「超絶金の掛かったバカB級映画が大好き!」という人なら、この映画をオカズに飯3杯は食える!!

今回、ゲイツのパパ&ママが意外に大活躍してまして、イライラするんだけどちょっと微笑ましくて可愛い♪
それと米大統領が余りにもお調子者で考えなしのアホタレなんだけど(こらこら)、ここまで堂々とおバカを貫いていると見ていて清々しい気分になるから不思議ですよ。
それから毎回思う事なんだけど、コレだけすげー事を次から次へとこなせるゲイツという男、どうしてFBIもCIAも野放しにしておくのか不思議でたまりません。多分世界一のエージェントになれると思うんだけどなぁ〜。
今「エイリアン VS プレデター2」が公開されてますが、その内「ゲイツ VS 007」も作ってくれないかしら?(笑)

まあ、そんなこんなで「バカB級アドベンチャー」としては極上の類だと断言出来ます。
デートムービーにもピッタリの一作。寝正月を決め込んでいる方も是非どうぞ♪







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2007年12月20日(木) アース Earth

監督:アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド
声の出演:渡辺謙(ナレーション)
      ※ドキュメンタリーなので出演クレジットはなし
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
約50億年前の若き地球に巨大隕石が激突した。この衝突事故により地球は地軸を23.5度も傾けてしまったのだが、それが結果的には地球に生命と美しい自然と四季をもたらし、今日ある「奇跡の星」へと導いたのだった。北極点を出発点に、この美しい奇跡の星を縦断する旅をはじめよう・・・


【感想】
「ディープ・ブルー」のスタッフが再集結して製作された驚異のドキュメンタリー。
その名も「地球」、主人公は地球。そして地球に息づく生き物、植物、そして過酷で雄大な自然。

ドキュメンタリー映画というのは「眠たくなる」と敬遠する人も結構多い。
実際に先のディープ・ブルーもぴよの隣に座ってたおっさんは上映5分で高いびき状態でいい迷惑だったし(苦笑)、本作も同じスタッフによって撮影されて+ベルリン・フィルの素晴らしい癒し音楽が美しい映像に被っているので、最近お疲れな方がご覧になったらまぶたは速やかに閉じていく事でしょう(^-^;

でもいいものはいい!
ここ数年地球環境問題がうんと取り上げられるようになって、この手のドキュメンタリーは本当に増えましたが、その中でもこのBBC放送スタッフの製作したドキュメンタリーは映像の質も構成も群を抜いて素晴らしいと思います。

前作のディープ・ブルーの時はナレーションをマイケル・ガンボン氏が担当して日本での公開は字幕になっていましたが、字幕だと小さな子供が見ても何を説明されているのかが理解出来ない。
大人だけでなく子供にも是非見てもらいたいという思惑があったんでしょう。本作では上映する各国でそれぞれナレーションを付けて字幕なしの公開にされたようです。で、日本公開は渡辺謙さんがナレーションを勤めています。

このナレーションがドキュメンタリーを見慣れている大人にはウザいと感じる向きもあるかもしれませんが、個人的には子供に多く見てもらおうと思ったらコレくらいのご親切ナレーションが入っていて丁度いいんじゃないか?と思いましたね。
ドキュメンタリーを見慣れていない人や子供を相手にしようと思うと、眠くならない程度に母国語の説明が入った方が逆に映像に入り込み易くなるだろうと思います。

撮影スタッフの苦労も偲ばれますが、撮影機材・撮影技術も格段に向上しているんでしょう。
「こ、コレはどーやって撮影したんだぁ?」と想像も付かないような凄い映像やアングルがバンバン☆

コレってただの空撮だけじゃなくて、衛星撮影もしてるんだろうなぁ・・・よく判らないんですが、ある動物の親子を間近で見ていると思ったら、それがずんずん絵が引いて行って、途方もない上空からの俯瞰に切り替わっていったりする。
滝を上空から見下げていたと思ったら、滝つぼに向かって絵がどんどん落ちて行き、更にぐるりと回って滝を下方遠景から眺める視点に切り替わる。
本当にコレってどーやって撮影したの?シロウトにゃ〜絶対に判りませんよっ!!

様々な生物の映像も、途方もない忍耐力で「その一瞬」を待ち構えて撮影したんでしょう。本当に頭が下がります。

きっと本作を見て「もうこの手のドキュメンタリーは飽きた」「何見ても同じよね」「NHK特集と同じじゃん」と言う人も多かろうとは思いますよ。確かにそうでしょう、そうでしょう。(^-^;
でもお願いだから飽きないで欲しい。コレは今私達がラッキーな事に生を受けた「奇跡の星」の映像なんですから。
地球環境保護に関するナレーションに対して鼻白む人もいるでしょう。でも我慢して聴いてやって欲しい。
もしかしたらこの映画を見る事で初めて自分達の生きている地球の素晴らしさを知って「この星を守りたい」と思ってくれる人が1人でも増えるかもしれないんですから。

特に子供達には是非多く見て欲しいですね。
そして自分が住んでいる星にはこんなに素晴らしい自然があり、生き物が生を謳歌し、太陽の恵みを受けて豊かな自然が息づいているという事を知ってもらいたいです。
更に一歩進んで「地球環境を守る」という事の必要性までを感じられるかは難しいかもしれませんが、知識として脳に焼き付けておく事は重要だと思います。

斜め視線になってしまう大人の方も是非!文句垂れまくりだったとしても、決して見て損はありませんヨ!!







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2007年12月19日(水) ベティ・ペイジ

監督:メアリー・ハロン
出演:グレッチェン・モル
    リリ・テイラー
    ジャレッド・ハリス、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
テネシー州ナッシュビルの貧しい家庭で育ったベティは、厳しい母親の元で敬虔なクリスチャンとして育てられた。奨学金を受ける事に失敗したベティは大学進学を諦めて結婚・離婚を経験、単身ニューヨークにやって来る。海辺を散歩中にカメラマンに声を掛けられた事がきっかけでモデルとしてのキャリアをスタートさせた。その後紹介されたカメラ・クラブで個人客相手に大胆な衣装やポーズを取り、ヌードも厭わず笑顔を振り撒く彼女は絶大な人気を得るようになるのだが・・・


【感想】
1950年代にたった7年間だけ活動した後に忽然と表舞台から姿を消してしまった「永遠のピンナップ・ガール」と今も絶賛され続けているベティ・ペイジの半生を綴った作品。

ベティ・ペイジという名には聞き覚えがあるがどんな人なのかさっぱり記憶になかったが、映画を見ていて彼女を撮影した有名な写真のいくつかが映し出されると「コレは見た事があるな。このモデルさんの事だったのか」という感じでした。
彼女の活動期間は非常に短かったが、その後も様々な影響を世間に与え続けて、あのマドンナのボンテージファッションのパフォーマンスもベティの写真から影響を受けているんだそうです。

50年代のアメリカと言えばガチガチ保守の時代。
この時代によくもここまであけっぴろげな衣装とポーズでモデルをこなせたもんだ、一体この人は何考えてこんな天真爛漫な笑顔でカメラの前に立てたんだろう・・・と思って映画を見ていたら、

何も考えてないようでした(をい)

いや、考えてない訳じゃない・・・むしろ幼少時代から敬虔なクリスチャンだった彼女は、自分のしている事がイエス様にどう思われているのか?どんな罪に問われるのかと煩悶し続けていたようですが、映画を見ていてぴよが感じたのは「売春してる訳じゃない、ちょっと変わった衣装と小道具を持って顧客の要求に応えてポーズを取ってるだけで、コレと言って悪い事なんてしてないワ♪」という彼女のあっけらかんとした道徳観でした。

女性が扇情的なポーズを取ったりヌードを晒す事が罪なのか?
それを「犯罪だ」と言う人もいるし「道徳的でない」と言う人もいる中で、ベティのセリフは白眉でした。
「だってアダムとイブはヌードだったわ。罪を犯したから彼らは服を身に着けるようになったのよ」
・・・あんた、上手い事言うねぇ〜!屁理屈王選手権やったらアンタが優勝間違いなしだよっ!(笑)

そんな破天荒な女性の半生なのですが、映画は非常に真面目に地味に作られています。
映画の大部分は50年代らしく見えるようにモノクロに作ってあるのですが、マイアミの明るい太陽の下や彼女が出演した短編映画の撮影風景等の印象的なシーンだけは鮮やかなカラー映像になっています。
このモノクロとカラーのシーンの使い分けが、彼女の心情や信条も表していたのではないか?と感じましたね。

「面白い映画なのか?」と聞かれると・・・実在した女性の、しかも彼女自身から語られた半生ではないようですので(周囲からのインタビューは入念になされているようですが)、実際の彼女の気持ちについては想像の範疇を出る事はなく、少々説得力とパンチに欠けて面白味があるとは言い難いというのが正直な印象です。

でも、あの永遠のピンナップ・ガールが実はこんなに真面目で敬虔なクリスチャンだったのだ!というギャップが、彼女の天真爛漫な笑顔をミステリアスでより一層魅力的なものに見せているのだろう、彼女の生き方・考え方までもが印画紙に焼き付けられたからこそ、今も尚世界中から愛されるアイコンになっているのだろうと思わされましたね。
・・・ま、ヤロー共にとっちゃー「エロくて可愛くて、ぃやっほーう♪」だけだったんでしょうけど(笑)

映画とは関係ない?んですが・・・
主演のグレッチェン・モル嬢、名前を聞いた事もあるし顔を見て「絶対に彼女の出演した映画見た事ある。何だっけ?」と思いつつもなかなか作品名を思い出せずにいたんですが、彼女が服を脱ぎ捨てておっぱいがポロ〜ンと出た瞬間「あ!この美乳には見覚えがあるぞ!えーとたしか・・・ああ!『人妻』ぢゃねーか!?」←家帰って調べたらビンゴだったし

顔見ても思い出せないのに、乳見て思い出すってどんだけよ〜(苦笑)<自分








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2007年12月17日(月) 転々

監督:三木聡
出演:オダギリジョー
    三浦友和
    小泉今日子、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
大学8年の文哉は天涯孤独の上、自堕落な生活の末に借金まみれになっていた。返済期限を3日後に控えた所に借金取りの福原がやって来て「俺と一緒に東京を散歩したら100万やる」と提案されて付き合う事に。福原は自分の思い出の場所をプラプラと散歩しながら、何故自分がこの散歩をするのかを語り出すのだが・・・


【感想】
藤田宣永氏著の同名タイトル小説の映画化。
「時効警察」の三木監督がオダギリジョー君とまた組んで作った新作ですが・・・時効警察未見。ちなみに原作も未読。
個人的にオダギリジョー君も三浦友和さんも好きなので、キャストだけで内容はどーでもよかったんですが(をい)

まあ、三木ワールドです。
彼の作品は「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」の2作見てますが(イン・ザ・プールにもオダギリ君出てたね)、過去に見た作品とほぼ似たり寄ったりの作風なので、三木作品ファンなら安心して楽しめます。
どんな作風なのかと言うと、一言で言うと「ゆるゆる脱力コメディ」って感じですか。最近こういうの流行ってますね。

そんな訳で「またこのパターンかよ」と思う人には全く向きませんが、「三木ワールドだねぇ♪」と思えるなら最強。
個人的には三木監督のテンポって実はそんなに嫌いじゃないです。いやむしろかなり好きな部類なのかもしれない。

本作は主人公が借金チャラにしてもらえるというエサに食いついて、訳も判らずおっさんと2人で都内をプラプラと散歩するというだけの話なんですが、全く話の筋とは関係ない小ネタを随所に挿入してゆるゆると話を進めていきます。
ゆるゆると進めるってか、本当にある目的地に行くというだけの話なので進むもクソもないんですが(コラ)

一応その目的地に辿り着くまでに、おやじの事情と主人公の借金大学8年生の兄ちゃんの事情がつまびらかにされて、その事情に絡むエピソードがジワジワと絡んで来るという展開になってます。
このゆるいテンポとゆるいギャグネタと役者の演技が妙にツボに入りましたね。
オダギリ君はもう思いっきり「こんなやる気のなさそーなオダギリ君のキャラが好き♪」という腐女子ファン大喜びのキャラそのままですし、何と言っても三浦友和さんのキャラは秀逸でした。
彼って本当に中年になってからいい役者さんになったよなぁ〜と思えるようになりました。本作もバッチリです☆

妻との思い出や子供時代からの思い出を大切にしている福原と、幼少期に両親に捨てられて「家族の愛」というものを感じた事もなく思い出も持たない文哉、という対極の2人が散歩をしながらずっと語り合い続ける事で、文哉は次第に福原に対して擬似家族のような親近感を持つようになる。
ここらの描写は本当に上手かった。キョンキョン(←って今は言わない?)が登場して来た辺りからの展開は特にいい。

小ネタのゆるさ加減も好きだし、妻のバイト先の3人組のキャラも本筋に全く絡まないけどいいスパイスになってる。
(ちなみにこの3人組のネタはラストのスタッフロール後に更に続くので、直ぐに席を立たないように!)
切なくて優しくて、それでいてオチも何もなくて肩透かしな終わり方がむしろこの映画の作風に合っていて気持ちいい。

ツボに入れば最強だけど、入らなかったら「金返せー!」なクソ映画扱いになる?・・・でもぴよはこういう作品は好き♪







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2007年12月11日(火) 魍魎の匣

監督:原田眞人
出演:堤真一
    椎名桔平
    黒木瞳、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
戦後間もない東京。世間は連続少女バラバラ殺人事件に沸いていた。作家の関口は京極堂の妹で雑誌記者を勤める敦子と共に、ある新興宗教の陰謀を調査する事となった。探偵の榎木津は行方不明になった娘を探して欲しいと、元女優の陽子から依頼を受けて調査。そして刑事の木場修は巨大な匣(はこ)型の施設の謎を追う・・・各々は行き詰って古書店主にして宮司で憑き物落としをする「京極堂」の元に集まり、点と点が一つの線に繋がっていく。


【感想】
京極夏彦氏著の大ベストセラー「京極堂」シリーズ2作目にして最高傑作と誉れ高い「魍魎の匣(はこ)」の映画化。
1作目の「姑獲鳥(うぶめ)の夏」は2年前に既に映画化されていますが、本作は前作のキャストがほぼ全員再集結。唯一関口を演じた永瀬さんは体調不良?で降板し、椎名桔平さんにバトンタッチ。

本作は珍しく原作を数年前に読んでいまして・・・京極堂シリーズは「姑獲鳥の夏」から「鉄鼠の檻」までしか読んでいないのですが、個人的には京極堂シリーズの中では本作が一番面白かった。
もっと言うと、本作が余りにも面白かったのでその後読み進めた「狂骨の夢」も「鉄鼠の檻」も勿論とても良く出来た作品だとは思ったものの、どうしても魍魎と比べて「魍魎〜程じゃないなぁ」と思ってしまい、更にこのシリーズってどんどん話が長く本が分厚くなって行くので・・・着いて行けずに読むのやめちゃった♪(をい)

そんな訳で本作ですが。
原作を読んだのは随分前なので、既に細かいディティールを忘れているのですが、本作は基本的には原作に忠実に作られていたと思います。加菜子は確か最初は陽子の妹という設定だったハズなんですが・・・まあ黒木さんが陽子を演じるなら最初から母娘と言ってしまった方が自然ですわな(苦笑)

あのクソ長い原作をたったの2時間13分にまとめてしまわなければならないので、駆け足で原作のあらすじだけを追い掛けるので一杯一杯だろうな、と意地悪な目で鑑賞していたのですが、本作なかなか脚本がよく練れています。
話自体が主要メンバーそれぞれが別のネタを追っていて、それが後に1つの事件に集約していくという構成なので、それを生かして「榎木津と陽子」「関口と敦子と鳥口」「青木刑事と木場刑事」「京極堂と魍魎」と4つのパートに分け、更に時間軸を微妙にずらして見せる事でお互いの関係が交錯していく様子を上手く見せて行きます。

実を言うと、小説を読んでいた時はバラバラ死体の様子や匣の中、例の研究所での加菜子の様子等の描写を、自分の頭の中でどんな様子なのか想像しながら読んでいる訳で・・・相当グロいモノを想像していて軽く吐き気を起こすくらいだったんですが(苦笑)、本作でそれが正に映像化されて「どーなっちゃうんだいっ!」と思っていたら、自分が想像していたよりはずっとマシ?な様子だったのでちょっと安心した次第。
いや、でも本作はかーなーりーグロいシーンが出てきますので、ホラー嫌いの方は心して見て下さい(^-^;

前作では主要人物のキャスティングが、自分が原作を読みながら当て込んでいた人物像と随分ギャップがあったので微妙に違和感を感じながら見ていたのですが、2作目ともなると演技も板に付いてストレスは感じません。
もし映画を先に見てから原作を読んだら、頭の中では本作の役者さんをそれぞれのキャラに当てはめながらすんなり読めるであろう位に、本作の役者さんはよく頑張ったと思いますね。

特に本作のゲストキャラ(黒木さん、クドカン、柄本さん)は大変だっただろうと思いますが・・・
個人的に黒木さんは原作キャラより少しお歳を召され過ぎている?という気がしますが、柄本さんは素晴らしかったと思うしクドカンはよくやったと思いますよ。
榎木津の回想シーンに出て来る、あの振り返った時の顔・・・思い返しただけでも鳥肌が立ちますって!

原作自体が非常に読み下し難い、難解で回りくどい表現が多用された文体なので、それをサラサラ〜っと映像で見せようと思うとどうしても「え?今の会話って何言ってたの?」的な難解な会話になってしまうのは致し方がないとは思う。
だからお子様には全く向かない。大人でも小説を読みなれているタイプの人じゃないと厳しいんじゃないか?

それでも本作は非常に頑張っていると思いますね。原作よりも遥かに判りやすくセリフを作っていました。
・・・でも、一緒に本作を見に行ったぴよのママは「何言ってるかさっぱりわかんなくてさー」と言ってましたが(苦笑)
細かいセリフの意味を考えている間にどんどん話が進んで行くので難しい事は難しいんだけど、それでも話の筋が判らなくなる程ではなかったそうですよ。「話はとっても面白い」って言ってたし。

個人的には、原作で読んだ時に感じた程の「切なさ」を感じられなかったのがちょっと物足りませんが、ファンの多い名作を映画化するというのは誰もがそれぞれ違った思い入れがあるから不満が出ても当たり前。
本作はそれを程よくクリアーして作っていると思いますよ。原作未読の方も是非ご覧になって下さいな♪







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2007年12月04日(火) サーフズ・アップ(日本語吹替え版)

監督:アッシュ・ブラノン、クリス・バック
声の出演:小栗旬(コディ)
      山田優(ラニ)
      マイク眞木(ギーク、ビッグZ)、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
イワトビペンギンのコディは、子供の頃に出会った伝説のサーファー「ビッグZ」に憧れ毎日サーフィン三昧。ある日コディの住む南極に「ビッグZメモリアル・サーフ・カップ」のスカウトマンが訪れ、憧れのサーフ大会出場の為に会場のペングー・アイランドにやって来た。島に着くと大会9連覇中のタンクのいけ好かない態度にカッとなり、サーフ対決するもあえなく玉砕。心優しく美しいライフガードのラニに助けられ、ラニの叔父・ギークの元で介抱を受けるのだが・・・


【感想】
ソニーピクチャーズの新作フルCGアニメーション作品。
予告編を見て、一瞬「ハッピーフィート」の続編か!?と思ったが、全く関係ないらしいです(苦笑)
本作もハッピーフィートと同様ペンギン達が主役の話ですが、コチラはタップダンスじゃなくてサーフィンです。

予告編を見て相当期待していましたが、映像は本当にキレイです。
最近のフルCGアニメはどれもこれも本当に映像が美しい。キャラクターのペンギンの毛筋1本から始まり、サーフィンシーンでの水しぶき等の細かい描写まで実に美しいです。
更に本作はBGMのチョイスもなかなかいい。アニメだからうんと子供向けなんだろうと想像していたのですが、音楽だけでなく話の構成等を考えると割と大人向けに作られているかな?といった印象です。

で、その構成なんですが。
主人公のコディに対するインタビューが中心のドキュメンタリー番組を制作している、という見せ方。勿論リアルタイムにドラマが進行しているんですが、そのドラマの中にチョロチョロと「撮影スタッフ」の存在を匂わせ、更に映画冒頭から始まるコディに対するインタビューシーンを、話の途中でもチョロチョロと挿入して行きます。

これがねー、ツボにハマる人はいいんでしょうけど・・・ぴよはダメでしたね。
「ドキュメンタリー番組撮影中」というのを匂わせるシーンが話のアチコチで挿入される訳ですが、コレがシーンを引き締めると言うよりも間延びしてダレさせているという印象でした。

それから根本的に主人公のコディのキャラクターが好きになれなかった。
いわゆる我慢や配慮の足らない「直ぐキレるイマドキの若者」って感じのキャラ。本作は当然だけど文部科学省推奨系作品なので、このイマドキの若者ペンギン・コディ君が色んな人(動物)と出会って人間的(ペンギン的)に成長するというのが主題な訳ですが、それにしても今一つ思い入れの出来ないキャラクターでした。

まあ、いい話なんですよ。
上にも書きましたけど、「勝ち」にこだわるよりもっと人生には大切な事があるよね?それは「愛する事」「楽しむ事」
そして「友情を育んで大切にする事」だよね?テストの点じゃないよ。仕事の優劣じゃないんだよ、みたいな話ね。

見て損はしませんが、とりたててどうという事もない話でしたねぇ。
特に笑いが起こるという程のコメディタッチなシーンも少なく、ヒロインとむふふ♪という程のシーンもなく、チキン・ジョーが必死に場を盛り上げようとボケ係を担ってくれてはいるものの、それ程のインパクトもなかったですし。

サーフィンをやってる人が見たら面白いんじゃないだろうか?とは思います。
勿論サーフィンをやってない人でもそれなりに楽しめますよ。お軽いデートムービーや親子で見に行くにはいいかな。








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