監督:森田芳光 出演:豊川悦司 天海祐希 田辺修斗、他 オススメ度:☆
【あらすじ】 東京の下町に住む小学6年の二郎は両親と姉・妹の5人家族。かつて革命の闘士として戦った父親は、自分がおかしいと思った事は相手が誰だろうが臆する事無くつっかかって行くので、二郎はいつも恥ずかしい思いをしている。そんな中、二郎が不良中学生と衝突して事件を起こした事がきっかけで、肝っ玉の母親が「東京での生活を終わりにします!」と宣言し、一家は父親の故郷・沖縄県西表島に移住する事になったのだが・・・
【感想】 直木賞作家・奥田英朗氏著の同名タイトル小説の映画化。 奥田氏の著書は「イン・ザ・プール」という作品しか読んでいませんが、プールは凄く面白かった。だから本作の原作も映画が面白ければ読んでみたいなぁ〜と思っていたのですが・・・
少なくとも本作を見て「原作はどんなに面白いんだろう?読んでみたいな♪」と思う人はまずいないと思う。 そしてきっと原作ファンの方が本作を見ると、怒りの余り気が狂いそうになるんじゃないか?と思う。
とにかくつまんない!←あー。また吠えた(^-^;
そもそもこのキャスティングは合っているんですか? トヨエツも天海さんも随分頑張って役作りされていたと思いますよ。それにしてもセリフが上滑りでキャラクターに全く魅力を感じないんです。聞いてて恥ずかしくなるくらいセリフが臭くて、そして魅力がない。 更に子役が沢山出演しているんですが、どいつもこいつもセリフ棒読み&噛みまくりで何言ってるか聞き取り辛い。 こしゃまっくれてるキャラを演じているんだろうけど、セリフが全然自分の言葉になってないんですよ。だから聞いてても全然観客に訴えかけられるものはないし、「セリフを暗記して言わさせられている」というのがミエミエで見ていて辛過ぎる。
沖縄に移住するまでのくだりがかなり長いんですが、コチラのエピソードも本当に面白くない。 面白ければいいってもんでもないけど、それにしても沖縄移住に到る経緯が単に現実逃避しているだけにしか見えず、きっと原作では細かく表現されていたであろう二郎の葛藤や家族の結び付きや両親の思惑等が何も描かれていないので、突然母親が沖縄移住を宣言するのも話の筋から浮きまくってるようにしか感じないし、どのキャラクターの気持ちにも入り込めずに完全に観客置いてきぼり状態になっちゃってます。
脚本がダメですよ。コレは。 色んなネタが散りばめられている割に、どのネタも全く訴えかけられるものはありませんでした。 全てがバラバラで、とりあえず何が何でも「オヤジが破天荒ならOK」みたいな感じ。監督はそれでOKかもしれないけど、見ているコッチは全然OKじゃねーよ!(怒)ってトコロですよ。
結局最後まで見ても、何が言いたいんだかさっぱり訳の判らない話でしたね。 誰が主人公の話だったのかもイマイチ判らない。映画の前半は子供達が中心に描かれているみたいですが、特に子供達の思惑や成長というモノを見せてくれる訳でもなく、突然オヤジが出張って来て「ナンセンス!」と決め台詞をカマせば万事ネタは収まる(収まってなんかいないけどなっ)的な流れ。安直過ぎる。 で、後半はオヤジvs開発会社が中心。でもオヤジの主張に全く共感の出来ない観客はどうすりゃいいんだろう?(^-^;
この作品の意図は何? 二郎がオヤジの破天荒振りに次第に共感して「俺も世の中のナンセンスをぶった斬ってやるぜぇ〜」という事? え?家族の絆の大切さを描いているんですか?ウソ・・・全然気付かなかったヨ。
言っちゃアレですが、一番ナンセンスなのはこの映画の作りでしょ(苦笑)
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