ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年07月28日(土) ディスタービア

監督:D・J・カルーソー
出演:シャイア・ラブーフ
    サラ・ローマー
    キャリー=アン・モス、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
交通事故で父親を亡くした事がきっかけで何かと問題を起こすようになったケイルは、教師を殴った事で裁判所から発信機を付けられて自宅謹慎命令を受けてしまう。家から一歩も外に出らなくなったケイルは暇潰しに近隣の家を覗き見するようになった。その内、向かいに2年前から住む男が指名手配中の連続殺人犯ではないかと疑うようになる。


【感想】
アリタリア便成田−ローマ間の機内上映で見た映画・第2弾。
日本公開は今年の秋予定らしい?邦題が付くかどうか判らないのでとりあえず原題「Disturbia」でUPしますが、多分邦題も同じなんじゃないか?と思います(Yahoo!ムービーでもディスタービアと表記されていたので)
もし邦題が別にある事が判明したら上記のタイトルは訂正しますのであしからず。

コレ、ジャンルは何だろうな?「サスペンス・ホラー」だろうか?
まあ一応はサスペンスの体は成してるんだけど、犯人とかカラクリは誰が見てもバレバレなので大してサスペンス部分に面白味がある訳じゃありません。
更に言えば、多少「怖〜い!」感を煽るシーンもありますが、大して怖くないです。本作のターゲット層は中〜高校生カップル辺りなんじゃないかな?デートムービーとして見て、彼女が「いやーん。こわ〜い!」と言うのをニヤニヤしながら眺めて「そんなに怖いなら手繋いでてあげようか?(うひひ)」みたいな仕様です。←物凄く判りにくい説明だし(^-^;

まあそんな訳で、ピーピングトム@ケイル君は実の所は向かいの家のオヤジなんてどーでもよくて、隣に引っ越してきたプリプリ美女が自宅プールで泳いだり、部屋で妙に艶かしいポーズでヨガに興ずるのを観察するのに夢中です。
ムダにエロい覗き見シーンが多いのも、アッチ方面しか頭にない中高生〜大学生辺りをターゲットにしてるっぽい。

そんなこんなで映画序盤〜中盤まで「かったりーなー」と思いながら見ていたのですが、お調子者の韓国系の友達がやって来て隣の家の美人ちゃんと仲良くなる辺りからようやくちょっと面白くなります。
・・・とは言っても、サスペンス部分はぜーんぜん謎でも何でもないので「ふーん」程度ですが。(^-^;
韓国系のお友達君のキャラがバカっぽくて楽しいですね。主人公のケイル君よりキャラが立ってて面白かった。

ホラーっぽくなってからは比較的テンポが良くて、時々「うっへー!」「うげー」というシーンがあったり、ハラハラするシーンがあったりしてB級ホラー系としてはなかなか見せ方は上手なんじゃないかな?って気はします。

まあそれにしてもツッコミどころも満載。そもそも発信機付けて自宅軟禁状態のバカ男に惚れる女ってどーだ?
事情が判れば多少同情出来ないでもないけど、それにしても映画序盤のニートっぷりを見ていると、とてもじゃないけど男子としての魅力に溢れる爽やか君とは程遠い。
ケイル君を見ていて「どっかで見た顔なんだけどなぁ〜」と思っていたら、なんと「トランスフォーマー」の彼でした。
シャイア・ラブーフ君、同じような役ばっかりやってますね・・・まあ確かにハマってるからいいんですけど。

正直言って、映画館までわざわざ足運んで見るレベルではない、そこそこ楽しめるB級ホラーって感じ。
レンタルで充分だと思うけど、シャイア君がブレイクするかも?という青田買いの方は見に行く価値あるかも!








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本作の邦題が「ディスタービア」と判明しましたので、上記のタイトルを変更しました(2007.10.29 追記)







2007年07月27日(金) バッテリー

監督:滝田洋二郎
出演:林遣都
    山田健太
    鎗田晟裕、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
原田巧は中学入学直前に母の生家がある岡山県に病弱な弟・青波の転地療養の為に引っ越してきた。小学生野球で全国的に名を知られた天才的ピッチャーである巧は、その有り余る才能を持て余し、また複雑な家庭環境の為に孤独で人を寄せ付けない空気を持っていた。だが近所に住む野球少年でキャッチャーの永倉豪が巧に声を掛け、豪の実力を認めた巧は2人でバッテリーを組む事になった。中学入学し、野球部に入った2人だったが・・・


【感想】
イタリアから帰国しました!暑かったですー。ローマは死ぬ程暑かったが、帰国したら日本の方がもっと暑かった(涙)
そんな訳で、アリタリア便の成田−ローマ間で見た機内上映の映画感想など。
・・・いきなり邦画なんですが、実は本作余り興味がなくてスルーしてたので、今回見れてラッキーでした♪

本屋であさのあつこ氏の本作原作本が並んでいるのは何度も見掛けましたが、青春モノには興味ないので手に取った事はありませんでした。どうやら原作はバカ売れのようで、コミックにもなっているそうですね・・・読んどきゃよかった(苦笑)

要するに原作もコミックも未読で何の前知識もなく鑑賞した訳ですが、コレは意外によく出来た青春ドラマでしたね。
野球少年達の青臭い青春ストーリーなんですが、まずキャスティングが良かった。本作に出演している役者さんは大人の役者しか知らなかったのですが(そして出演してる大人役者はナニゲに豪華だな)、主人公・巧役の林遣都君をはじめ、子役達は殆どが本作でスクリーンデビューっぽい?
・・・んにゃ〜♪林クンは美少年ですね(うほ♪)、しかしぴよは豪役の山田健太クンの屈託のない笑顔に萌えましたが。

話自体は結構ありきたりな「青春スポ根モノ」なんですが、何しろ主人公格の巧と豪の存在感がピカイチで、ベタベタなのに意外にツボにハマってちょっぴり感動しちゃってたり・・・コレは学生時代に上下関係の激しい(要するに先輩がやたらエバり散らしていわれのないイジメなんかが横行してる)運動部に所属していた人だったら、本作を見るとかなりの確率でツボに入るんじゃないかと思いますね。
かく言うぴよも中学時代ソフトボール部に所属していて・・・今思い返しても人格を疑うような先輩がいましたヨ(^-^;

少年達の様子には萌え萌えだし、そこそこドラマ部分もまとまってるとは思うものの・・・うーん? ←何なのよ
本当に良くも悪くも「よくまとまっている」という感じで、ちょっとこじんまりしている感は否めなかったです。基本的には巧の現在の様子に至るプロセスを大人達の会話部分で補足して説明するという作りになっているのですが、大人達が登場する事で「大人のドラマ」部分が中途半端に挿入されて、それがまた半端過ぎてなんだかなぁ〜な感じ。

個人的に一番萎えたのは巧の母親を演じた天海サンでしたなぁ。
そもそも彼女の巧に対するスタンスに疑問符が飛び交いまくりだったんですが、ここの部分を百歩譲ったとしてもあのクライマックスシーンで「フレー!フレー!」とやらかした時には「あんた、やってて恥ずかしくないか?」と冷めまくり(苦笑)
天海さんは実はかなり好きな役者さんなんです・・・コレはきっと脚本に問題があるに違いない!←と思いたい(^-^;

他にもツッコミ入れたい部分は多々あるものの、それでも見終わった後は何か清々しい気持ちになれる作品でしたね。
だから少年達のドラマはとても良く出来ているんだろうと思います。たとえ出演してる子役?さん達が誰一人として中学生に見えない、対戦中学の子なんて「大学野球でしょ?何中学に出張ってんの?」とツッコミまくりだったとしてもネ(笑)
巧が豪におずおずと自分が女房役に不信感を抱いてしまうトラウマを語るシーンなんてうるうる来ましたし。

まあそんなこんなで、青春スポ根美少年ドラマ♪モノとしてはなかなかイケてます。
もう少しだけ人物の心理描写を丁寧に描いてくれると、もっと大人向けになっただろうと思いますが、今運動部で頑張ってる学生さんには本作を見てうーんと感動していただきたいですね!








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2007年07月24日(火) トランスフォーマー

監督:マイケル・ベイ
出演:シャイア・ラブーフ
    ミーガン・フォックス
    ジョシュ・デュアメル、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
2003年、火星探査機ビークル2号が事故を起こして交信を絶った。最後にビークル2号から送られてきた映像をNASAは封印してしまうのだが、その映像こそが未知の惑星からやって来た金属生命体が地球侵略に来る警告だったのだ。やがて金属生命体はある目的を持って地球にやって来た。彼らは身近なメカに自在に変身(トランスフォーム)する事が出来るという特殊能力を持っていた。東京で、カタールで、そして米国で彼らの恐ろしい侵略が始まる・・・


【感想】
説明するまでもない、スピルバーグ×マイケル・ベイという超豪華な組み合わせで製作されたパニックSF最新作。

ところで子供の頃、友達んちに行ったら友達の弟が「トランスフォーマー」という玩具を持っていたなぁ、と予告編を見た時に思っていたんですよね。自分は見てなかったけど、確かアニメ番組もあったような気が・・・って、本作はあの玩具の「トランスフォーマー」を実写映画化したものだったんですね!びっくりだなぁ〜。
そんな訳で、元ネタのアニメやコミック(もあるそうだ。全然知らなかった)の内容を全く知らず、ただ車の玩具がカチャカチャ動かすとロボットに変身する、という事だけしか知識がなく鑑賞。

こ、れ、が、・・・めっちゃくちゃ面白かったー!
スクリーンに夢中ですよ!上映時間2時間半弱もあって結構長尺なんだけど、ぜーんぜん気になりませんでしたね。
予告編でもちょっと見れるけど、マシンがトランスフォームするシーンがとにかくカッコいい!戦闘シーンがかなり長くあるんですが、映画冒頭のカタールシーンからクライマックスまで、もう本当にスゴイんですよ!

映画冒頭の息を呑むようなカタールのすんごいシーンの後、主人公サムのドラマシーンが入るのですが、コレが微妙〜なぬるさで最初正直言ってちょっと退屈な気がしてたんですよね。
でもドラマ部分も結構大切。何しろ相手は見た目はロボットとは言え「地球外生命体」な訳ですから、サムと心の交流も果たさなければいけません。それから意外にもドラマ部分はかなりコミカルで楽しいですよ。

冷静に考えると、かなり幼稚でバカっぽい話なんですが(こらこら)
そもそも子供向けの玩具やアニメの映画化なんですから、バカで幼稚なのは当たり前。でもこの映画のスゴイのはこんなバカ映画がめっちゃくちゃカッコ良くて、スクリーン見ながらワクワクしっ放しでいられるって事!

サイバトロンチームが普通に英語で会話してても全然オッケーだ!どうして仲間内で会話してんのに英語なの?自分らの星の言語で話せよ、なんてツッコミ入れたらアウトだぜぇーい♪(笑)
ヤツらはそもそも地球のインターネットで英語を学習したんだし、サムの爺ちゃんの眼鏡だってeBay(世界最大のネットオークションサイト)で見つけた位「地球通」なんだから、もう何でもアリアリですよー♪(^-^;

とにかくこの手の映画は楽しまなくちゃ損ですヨ!!
ツッコミ入れ始めたらキリがないしネ・・・って、いつも映画に難癖つけてばっかりのぴよが何を言うか!って怒号が飛び交いそうなんですが(薄涙)、とにかく話のツッコミ所満載でコミカルな微妙感と映像の凄まじいスケールのデカさとのバランスが、バカ映画好き・本気のB級映画好き・そして子供の頃ロボットアニメ好きだった(実は子供時代ガンオタ。苦笑)ぴよのハートをガッチリ掴んで夢中にさせてくれた一作でした♪

しかもー、本作ちゃっかり続編が作れそうな終り方してるし・・・既に続編製作決定という噂も?
続編カモーン!コレは続編出来たら絶対に見に行きますぜぇーーーーー!!!







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2007年07月22日(日) フリーダム・ライターズ

監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
出演: ヒラリー・スワンク
    イメルダ・スタウントン
    パトリック・デンプシー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ロス暴動2年後の1994年、ロングビーチの貧困層が渦巻くウィルソン高校203号室に新任教師エリン・グルーウェルが理想に燃えて赴任して来た。弁護士を目指していた彼女は「法廷で子供を弁護するのでは遅過ぎる。学校で子供を救うべきだ」という信念で生徒達と対峙するものの、激しい人種差別で授業どころではなかった。エリンは一計を案じ、自腹で購入したノートを生徒達に配り「毎日何でもいいから書いて」と提案する。すると生徒達が次第に自分の胸の内を綴り出したのだ。


【感想】
94年にウィルソン高203号室の担任になったエリン・グルーウェルと生徒達の交流、そして生徒達が書いた日記を出版した同名タイトルの原作を元に映画化。要するに本作は事実を元に作られています。
「事実の映画化」ネタは非常に多いですが、当たりはずれが多いのもまたこのジャンル(苦笑)

で、本作ですが・・・個人的にコレは「大当たり」
映画中に登場する生徒達の日記の内容は、生徒達の了承を得てほぼそのままの文章が引用されているそうですし、劇中で起こるエピソードやエリンの生活振りもほぼ事実に則しているそうです。
事実ネタの映画は多いし、エピソードを創作しないで事実のままに見せている映画も数多いものの、駄作と良作の境界線はやはり脚本構成にあるんだろうと思いますね。本作の脚本は本当に素晴らしかったと思います。

ちょっと調べてみた所、事実と唯一違っている?点は、映画中ではアンネの日記を読ませる前に生徒達にノートを配っているけど、事実はアンネの日記を読ませたのはノートを配る前だったという事くらいか。
でもコレは「周囲の教師達の生徒に対する見方と扱い」をより強調するのに効果的だったと思うので、事実とは順序が違っていても違和感は感じない・・・むしろ本作の順序の方が観客には入り込みやすい作りになっていたと思います。

「感動の実話」なんだから感動して当たり前なんだけど
(そうは言っても、全然感動出来ない作りの『感動の実話』映画だって沢山ありますよねぇ?)
生徒が「変化を求める」事に一丸となるきっかけ?になった、ある生徒が自分の日記を朗読するシーン・・・もうコレは涙無しには見れませんでした。「ここで感動しないでドコで感動するよ!?」って感じですよ。
貧困、人種差別、暴力と殺戮、親からの虐待・・・彼らの心の叫びが1つになって203教室で昇華される瞬間でした。

ただ、これは事実なんだから仕方ないと思うのですが、映画後半からの展開はちょっと個人的に疑問符が。
確かに203教室にいたから、エリンという教師に出会えたからこそ「生まれ変われた」生徒達だったし、だからずっとエリンと共にいたいという気持ちは判らなくもないけど・・・ちょっとやり過ぎじゃないか?と思わなくもない。

こう思ってしまうのは、この時代・この地で生きていない、何の差別も受けず貧困も知らずに育ったぴよだからなんだろうというのは百も承知していますが、規律を守るというのもまた学校生活の中で大切な事の1つだろうとも思う。
それにもしかしたら、彼らだったらこの後どんな境遇だろうが自分や203教室の仲間を信じて、周囲にもっと自分達のような差別感を持たずに生きていける仲間を増やせたんじゃないだろうか?むしろ進んでそういうオピニオンリーダーになる姿を見せてくれたんじゃないだろうかと思うと・・・ちょっと勿体無い気がする。

でも事実は事実。そして本作はその事実を妙な演出で臭い美談にしない、真摯な作りが好感の持てる作品でした。
「感動の事実を映画化」という名のクソ映画が横行する昨今、本作は久々に「本当にいいヨ!」とおススメ出来る一作♪







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2007年07月21日(土) キサラギ

監督:佐藤祐市
出演:小栗旬
    ユースケ・サンタマリア
    小出恵介、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
B級アイドルの如月ミキが自殺をした1年後。如月ミキの個人ファンサイトの管理人「家元」の提案で一周忌オフが開催される事になり、サイトの常連5人が都内某所に集まった。初めの内はミキの思い出話に花を咲かせていたのだが、その中の1人が「ミキは自殺なんかじゃない。ある人物に殺されたんだ」と語り出し、周囲は騒然となる・・・


【感想】
なんかバカ売れしてるらしい・・・けど最近ちょっと邦画も見飽きた感があったので実はスルーしようかと迷っていた作品なんですが、既に本作を見た友人と映画館に行くと「キサラギだったらもう1回見てもいい」と言うので、そこまで面白いんだったら見てやろーじゃないか!と鑑賞決定。
もうアチコチで本作のあらましは書かれているので、とりあえずスルーしても大丈夫ですよね?(^-^;

原作(&本作の脚本)は元々舞台劇用と平行して書かれている?らしいので、舞台化し易い設定になってます。
要するに登場人物が少なくて、尚且つ密室劇のコメディ・サスペンス。

まあとにかく・・・これは脚本がスゴイ!
映画序盤でどーでもいいような?小ネタで笑わせてくれるんだけど、その単なる小ネタだと思っていたモノが、後に全てきちんと本筋のオチに絡んで来る。ここまで徹底して小ネタをオチに絡ませて来るのもちょっと珍しいんじゃないか?と思うくらい、本当によく出来てます。
コメディ・サスペンスというジャンルは比較的邦画は得意分野ですよね。それにしてもここまで全ての小ネタを完璧にオチに拾い上げて来るってのはー・・・もしかしたら初めて見たかも?

本作はキャスティングも秀逸です。
実はユースケ・サンタマリア氏は余り好きじゃないんですが、あのデブCGが痩せてユースケ氏になったシーンは本気で飲み物吹き出しそうになりましたよ。香川サンのヤバいキャラも本当に磐石。
個人的には小栗クンと小出クンのキャラが結構被って見えるんだけど、小栗君が「ってか、俺が一番遠いんじゃーん!」と打ちひしがれる様子が余りに情けなくて可愛くて、かなり萌えましたからキャラ被っててもどーでもいいです♪←をい

多分鑑賞された方の9割5分は「ヒントが出た所でオチが見えた」と言うだろうと思うのですが、本作サスペンスという形で見せているものの決してサスペンスではないですね。
犯人探しやオチを観客に予想させるのがツボではなく、あくまでも「こんなクソみたいな小ネタがココのオチに来るか!」という脚本作りの丁寧な部分を楽しませようという意図なんだろうと思います。
ここの部分をまんまと楽しめた人は最強の一作になるけど、「オチが判っちゃってどうもねー」というタイプの方にはもしかしたら酷評されるかもしれないな?という気がします。ぴよは勿論思いっきり楽しんじゃったクチ♪

基本的には大絶賛なんだけど・・・難を言うと←とりあえず難癖付けるイヤなヤツ(^-^;
個人的には「室内プラネタリウム」からの展開はちょっとクドいです。それから如月ミキちゃんの顔をあそこまで徹底して見せずに来たなら、最後まで出して欲しくなかったかな。
大磯ロングビーチのビデオのシーンでも徹底してミキちゃんの顔だけが微妙に見えない状態だったら、上記のオススメ度の☆の数は「4+」になった。
更に、その後最後の最後に宍戸サンが出なければ☆は5つ確定だった。はっきり言ってラストは蛇足です。

でも本作は本当によく出来てる!
個人的には超オススメの部類ですね。今年見た邦画の中で今の所本作が一番面白い!







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2007年07月18日(水) 傷だらけの男たち

監督:アンドリュー・ラウ
出演:トニー・レオン
    金城武
    シュー・ジンレイ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
ヘイとポンは上司部下の関係ながらお互い信頼し合う刑事同士。ところがポンの彼女が自殺した事がきっかけでポンは警察を辞めて私立探偵となり、酒浸りの生活を送るようになる。一方ヘイは富豪の一人娘と結婚し順風満帆な生活を送りながらもポンとの友情を育み続けていた。ところがヘイの義父(妻の父親)が強盗殺人事件で惨殺される。犯人は仲間割れで殺し合って事件は解決したに見えたが、事件に疑いをもつヘイの妻はポンに事件の捜査を依頼する。


【感想】
「インファナル・アフェア」のスタッフが再集結して作った最新作。
既にハリウッド・リメイクが決定していて、更に本作のリメイクも「インファナル〜」同様ディカプリオが主役を演じるという所まで決まっているそうです。ディカプリオは香港スターに憧れてるのか?え?違うか(^-^;
ディカプリオはどうだか知らんが、ぴよは香港スターが大好き♪本作は「トニー様×金城クン」というダブルネームだけで鑑賞は決定していたのですが・・・それにしても、このB級臭プンプンの邦題は何とかならんかなぁ(薄涙)

そんな訳で、キャストだけで上記のオススメ度はググーン☆と上がる♪←をい
いやいや流石インファナル〜のスタッフの新作だと思いましたよ。よく練れた脚本の人間ドラマでした。

本作、いわゆる「犯人当て」のサスペンスではなく、犯人は映画序盤で観客に思いっきり見せちゃって、どうして犯人は殺人を犯すに到ったのか?という理由を探る部分がサスペンスになっています。
それだけではなく、人間ドラマとしての大きな柱がある。余り詳しく書くとサスペンス部分のネタバレになってしまうので難しいんだけど・・・要するに「愛する人を突然喪った人」の生き方・生き様を全く対極パターンで見せる事で悲哀と再生を描いているという感じですか・・・うーん。コレもネタバレになってるな。マズイ(^-^;

序盤シーンからかなり細かく伏線シーンが出てきます。
更に言うと似たり寄ったりの名前が何人も登場するんだけど、コレが超重要なオチの大切なヒントになっているので、とにかく鑑賞中は最初から画面に集中してシーンも字幕も見逃さないようにしなければいけません。
まあでも名前ネタに関しては・・・字幕にご丁寧に傍点が付いたり、ある名前が出てきた所で「ジャジャーン!」みたいな凄い判り易い「はい!ココめっちゃヒントですからご注目ぅ〜♪」というBGMが流れるのでアホでも気付きます(苦笑)

犯人の殺害理由は何となく見ている内に「ははーん」と判ったのですが、それをどうやって犯人と結び付けるんだろう?という部分が一番個人的に気になっていた所なんですが、コレがまた脚本練りまくりましたねー。
本当に良く出来ています。と言うか余りに緻密過ぎて(伏線が細か過ぎて)よっぽど集中して見てないと、もしかしたら訳が判らなくなってしまうかもしれません。

ま、ぴよはトニー様と金城クンに夢中だったのでスクリーンに集中しまくりで、お陰で全ての伏線がオチにキレイに収束していく様子には溜息を付きながら「スゲーわ。コレは・・・」とご満悦だったんですがね♪

それにしても残念なのが、ポンが再び生きる気力を得るきっかけ?を作るキャンギャルとの関係の描き方かな。
そもそもこの彼女がとにかく可愛くない。安っぽいメイクと古臭い髪型で「誰だよ、このブス」と思ってたら、なんと後でキャスト調べたらスー・チーちゃんじゃないですか!どうすれば彼女がここまでブスに撮れるかっ!(怒)
インファナル〜の時も思ったんだけど、この製作チームは骨太な男のドラマと哀愁等を見せるのには非常に長けていると思うのですが、女性絡みになると途端に見せ方がヘタクソになりますね。

今後もこの製作チームの作品には期待したいですが・・・本作のハリウッド・リメイクではもう少し女性絡みの描き方を工夫してもらえると、もっともっといい作品になるだろうと思いますネ。リメイク版も大いに期待しちゃいます♪








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2007年07月09日(月) ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

監督:デイビッド・イェーツ
出演:ダニエル・ラドクリフ
    ルパート・グリント
    エマ・ワトソン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
闇の帝王ヴォルデモード卿と戦ったハリーだが、魔法界の人々は闇の帝王の復活を全く信じようとしない。そればかりか魔法大臣のコーネリアス・ファッジは自分の地位を狙ったダンブルドアがファッジを弱体化させる為に闇の帝王が復活したとうそぶいていると疑い、ホグワーツに自分の息のかかったアンブリッジを防衛術教師に派遣しダンブルドアと生徒達を見張らせる。アンブリッジの授業では実戦に全く役立たないと心配したロンとハーマイオニーは一計を案ずるのだが・・・


【感想】
説明するまでもない、ハリポタシリーズ5作目。
毎回感想が辛らつなのが恐縮なんですが、何だかんだで結局未だに原作は1つも手に取っていません。と言うか、ここまで来たら先の展開を知りたくないので原作を読むのは映画が完結するまで止めようと決めました。
本作のメガホンを取ったのは英国人監督デイビッド・イェーツ氏。しかし彼を全く知らないのでフィルモグラフィを調べたら、何と彼は本作で長編映画初メガホンだそうで・・・超人気シリーズの割になかなか冒険してくれますネ。

さて、上記の長い前振りで「原作未読」という部分を強調したつもりなのですが(苦笑)
原作未読なのでぴよは映画で話の筋を理解しなければいけない。だから原作ファンには物足らない部分が多々あるだろうと想像するのですが(あれだけ長尺の作品を2時間18分に収めるんですから)、少なくとも原作を全く知らないぴよが見た本作の感想という事になるのですが・・・今回はなかなか面白かったです。

まず話がスムーズに進んでダレないし、話の展開も比較的スッキリしていて理解し易い。
原作からはかなり大胆にエピソードを端折っているのだろうと思いますが、原作を知らない人が見ても「訳ワカラン」という混乱が起こらないようにうまく話を繋げていると思います。それからハリー達主人公チームが成長するのに伴って話がダークになって来ているのですが、今までの作品よりもグッと「大人向け」に作られているという印象を受けます。
子供にはウケが悪いかもしれないけど、個人的にはこれくらいダークなトーンでも全然OKでした。

映像も「アズカバンの囚人」に次いでいい感じ。クライマックスの戦闘シーンはかなりの迫力でしたし、花火を打ち上げて壁一面の「通達書」が落ちるシーンも映像的にキレイでした。アングルに凝った訳ではないけど、見せ方が美しくてとても好感が持てる絵作りをしているなーと思いましたね。

それにしても本作、原作ファンには判り切ってる展開なんでしょうが・・・
クライマックスでぴよが本シリーズ中で一番お気に入りのキャラだった方が「なにぃ〜っ!?」な展開になって、しかも余りにもアッサリとそのシーンがすっ飛ばされたのでショックで頭がクラクラしちゃいました(涙)
コレはマジなのか!?でも本作のタイトルを見て深読みすると、もしかしたら次作で何か期待出来る展開が待っているのかもしれないし・・・ものすごーく原作に手を出したい衝動に駆られる!ってか明日直ぐにでも次作が見たい!←をい

それから気になったのは、「ハリーの額の傷の謎」「何故ヴォルデモードはハリーを14年前に殺さなかったのか?」というネタに対する答えが結局本作では明かされてはいないようですが(明かされてた?気付かなかったし。苦笑)
シリウスが一瞬気になるセリフ(名前)を言ってましたよね?コレはぴよの聞き違いか?うーん。気になる・・・

更に周囲に英雄視され、ハリーにとっても自慢の父親ジェームズとスネイプ先生の間に、実は何か不穏な過去があったらしいと示唆する場面がチラリと登場する等、本作は「チラ見せしてネタを振っておいて次作の展開を楽しみにさせる」という繋ぎの役目を果たしているような気がします。・・・ってか、勝手に次作への期待値を上げちゃいました(笑)

そんな訳で、本作は個人的にかなり楽しめたし「次作が早く見たーい!」と思わせる作りでした。
原作ファンの方々、それからクィディッチの試合シーンが一番のお気に入り♪という方には文句タラタラになるのかもしれませんが、原作未読で映画だけで本シリーズを楽しんでいるぴよには「判り易い・映像キレイ・次作が楽しみになった」と3拍子揃ってなかなか楽しかったなー、という感じです。









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2007年07月08日(日) カジノ・ロワイヤル/007(1967年製作)

監督:ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲスト
出演:デヴィッド・ニーヴン
    ピーター・セラーズ
    デボラ・カー、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
既に引退し、豪邸で悠々自適の生活をするジェームズ・ボンド卿の元へ英国情報部のM、CIA、KGB、仏情報部の面々が揃って現れた。最近世界中の諜報部員の殺害・行方不明事件が頻発し、ボンドに一線に戻って欲しいという要請の為だ。要請を断ったボンドだがその途端自宅屋敷が爆破され、Mが巻き込まれ死んでしまう。Mに代わって情報部トップに就任したボンドは、大量の「ジェームズ・ボンド」の影武者を養成して謎の組織を追う。


【感想】
以前「007/カジノ・ロワイヤル」を鑑賞した際、実は1967年に同タイトルのパロディ作品が製作されてるらしく、コチラにも興味があるな・・・と書いたのですが、そしたら友達が1967年版のDVDを買って持って来てくれました!
素晴らしい!持つべきものはモノズキの友達!!←コラ(^-^;

パロディバカ映画なんだけど、出演している役者が恐ろしい程豪華!
上記の「出演」に書いた俳優だって、映画好きさんなら知らない人はいないでしょうが、他にもオーソン・ウェルズやウィリアム・ホールデン、それからウディ・アレン等という、この中の1人でも名前がクレジットしてあれば人気映画になるであろう事は間違いなし!の名優達が大挙して出演してます。もう役者が登場するだけでお腹いっぱい♪

しかも本作、40年も前に制作された映画だというのに、全く古さを感じさせない。
それからこんなバカ映画なのに(をい)、これまた恐ろしい程金が掛かっているであろう事は映像からよーく判る。
やたら爆破シーンが多いんだけど、40年前にこれだけ爆薬大盤振る舞いしていて更に爆破シーンの絵がカッコイイ。部屋の内部のセットやロケ地、衣装等も凝りに凝っててとにかくスゴイんです!!

映画冒頭のテーマソングから劇中挿入曲などが、全てどこかで聞いた事のある聞き馴染みのあるメロディ、しかもホームコメディやTVショッピング、奥様情報番組みたいなぬるーい番組でよく使われているメロディばかりなので「何か音楽がホームドラマっぽくてマヌケだよねぇ」なんて見ながら話していたのですが、何とこれらの楽曲は全て本作がオリジナルで、よくBGMとして聞き及んでいたメロディは本作の曲を拝借していたという事だったらしい。
知らなかったからとはいえ、これは自分がマヌケ過ぎた・・・いや、そう考えると40年経った今も現役で普通に使用されているという事ですから、どれだけ本作の楽曲のクオリティが高かったのか、というのが証明されたという事でしょうね。

そんな訳で、とにかく超豪華なんですが・・・映画自体はグダグダです(笑)
どーでもいいようなエピソードやシーンが話の筋をぶった切って、ちっとも先に進まない。てか本筋がどうだったのか判らなくなくなってしまうくらいどーでもいいシーンが多過ぎる。
しかもコレが大して面白くないと来てるから、正にグダグダのズブズブ。(^-^;

でも往年の名優達がこんな下らない事を大真面目にやってる・・・と思うと、それだけで何だか楽しい気分になる。
デボラ・カーなんて、本当にこんな事やっちゃっていいのー?って感じだし、若かりしピータ・セラーズはクルーゾー警部もいいけれど本作もハマっていたと思いますよ。彼がヴェスパーを訪ねるシーンで金魚の入った水槽越しにゆっくりと歩いていくというカットがあるのですが、このシーンはとても雰囲気が良くてぴよは好きです♪

でもウディ・アレンだなぁ!
この人が出てきてちょこまか動いてるだけで笑えるんです。最初の登場シーンで銃殺を免れようと「妊娠してるんです!」なんて叫ぶトコロなんて、見ててコーヒー吹きましたよ(笑)

肝心のカジノシーンの印象がすんごい薄くて「どーなんだかなぁ」と思うんだけど、ラストの乱闘シーンのどたばたっぷりには呆れるの通り越してもう笑っちゃうしかありませんでした。
アシカがいたり「ジェロニモー!」とか言いながらインディアンが乱闘して来た辺りでマジで吹いた。もうダメ過ぎてグダグダ過ぎて、余りに下らないと笑っちゃうしかない!みたいな「どうしようもない感」が逆に持ち味になっちゃってます。

決してオススメはしませんが、コレはコレで「歴史に残る豪華なバカ映画」として確固たる地位を築いていると思います。
本当にダメダメ映画なんだけど、何故か憎めない・・・「バカな子程可愛い」という感じですか(苦笑)







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2007年07月07日(土) 遊びの時間は終らない

監督:萩庭貞明
出演:本木雅弘
    石橋蓮司
    原田大二郎、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
国民の警察への信頼感をアピールする為に「筋書きのない銀行強盗の予行演習」を企画したものの、たまたま犯人役に任命された若き警官・平田道夫が余りに生真面目な性格だった為、事態は思わぬ方向に進んでしまう。平田は犯人のプロファイル・犯罪心理等を完璧に勉強し作り上げ、役に成り切る余り銀行に篭城してマスコミがTV報道し、野次馬が膨れ上がって大騒ぎに。警察幹部も平田を逮捕するまでは引くに引けなくなってしまう。


【感想】
都井邦彦氏著の同名タイトル小説の映画化。1991年製作の作品です。
16年も前に公開された作品なのですが、ぴよのHRC(ハードロックカフェ)友達H氏から強くオススメされてDVDまで貸して頂けたので、ありがたーく鑑賞。H氏、本当にありがとうございました!

これは・・・マジで面白い!
映画冒頭で、本筋とは関係のない無銭飲食の親父を逮捕して調書を書くシーン(平田の独白)や、一見意味のなさそうな書籍や雑誌記事のカット、コマンドーコスプレ遊びのようなシーンが何も説明されずに入っているのですが、コレが後の展開への重要な伏線になっているというのが気が利いています。

最初は何の説明もなく話が進むので見ていて戸惑うのですが、話が混乱する事はありません。
話は主人公平田が篭城している銀行内の様子、警察上層部の様子、そしてマスコミと野次馬達の様子の3つのシーンを上手い具合に配分してお互いをリンクさせつつ見せて行きます。

そもそも実際には在り得ない設定の話なんだけど、そこを度外視して楽しめれば本作は最強!
予想の付かない展開の数々、予想が付かないもののもし実際にこんな事が起こり得たらマスコミはどう対応するか・市井の人々はどんな反応をするか、そして警察上部はどういう動きをするかというのが「この展開は充分に在り得る!」と思わせるようなリアルな感じで描かれているのが非常に面白い。
日本の官僚主義・エリート社会をさりげなく皮肉ってるのも、リアル感がより一層強調されて楽しい♪

それに本作、キャスティングが絶妙でしたね。
モックンが若い!ってかこの人本当にイケメンだわー♪それに演技もいい。石橋蓮司さんや萩原流行さんもキャラにぴったりハマってて秀逸。警察側の深川・鳥飼・佐原の3人組なんて「踊る大捜査線」のスリーアミーゴスの原型?って感じ。
でもコチラの3人組の方が大真面目でシリアスな分、コメディとして昇華させるのが難しいだろうと思うのですが、それが実に上手い具合に調理されていて個人的にはスリーアミーゴスよりも本作の方がずっと好感が持てます。
スリーアミーゴスが誰でも楽しめる判りやすいコメディだとすれば、コチラはヒネリの利いた大人のコメディという感じ。
 
強いて難を言えば、多少増長に感じるエピソードがあった事と、クライマックスで「今平田を狙撃出来るだろ!」というツッコミを誰もが出来る場面があった位かなぁ・・・ここまで完璧に犯人を演じて来たのに、最後の最後でどうして観客がツッコミ入れられるような手順にしてしまったのか?惜しいなぁ〜。

でもいかにも続きがありそうな微妙な匙加減の締め方も、映画では見せなかった後のシーンを観客各々に想像させて楽しませようという意図なのか?洒脱で大人向きの・・・読書好きの人を喜ばせるような作りでした。
ご覧になってない方、古い作品ですがコレは本当によく出来た作品ですよ!機会があったら是非見て下さい♪ 








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2007年07月03日(火) ボンボン

監督:カルロス・ソリン
出演:フアン・ビジュガス
    ワルテル・ドナード
    ロサ・ヴァルセッキ、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
ビジュガスは20年も勤めたガソリンスタンドが売却された事をきっかけにあっさりクビになってしまった。手作りナイフを作ったがさっぱり売れず、身を寄せた娘の家も生活が苦しくて厄介者扱い。さっぱりツイていないビジュガスだったが、道で車が故障して立ち往生している娘を家まで送り届けると、お礼にと血統書付きの大きな白い犬を譲り受ける事に。犬を飼う余裕のないビジュガスだったが、この犬がきっかけで人生が好転し始める・・・


【感想】
あまり馴染みのないアルゼンチン映画。
なんと本作に出演している役者はほとんどが素人だそうだ。と言うか、プロの役者としてのキャリアがあるのは子役の少女だけで、後は全員全くの素人かアマチュア役者だというから驚き。
しかも主人公と犬のトレーナーを演じた方は自分の本名がそのまま役名として使われています。

大して予告編も見ずに鑑賞したので、車の助手席に犬を乗せて走っているシーンしか記憶になく、自分の中で勝手に犬が相棒のロードムービーなんだろう、とばかり思っていました。
・・・ぜーんぜん違いましたね。いや確かに犬を連れて旅?に出る事は出るんですが、ロードムービーではない。

何でもこの映画のコピーは「ラテン版わらしべ長者」だそうですが、正直言うと「わらしべ長者」とも言い難い。
確かに犬と出会ってから「番犬付き倉庫番」の仕事が入って来たり、「犬を使って大儲け出来る」という話が舞い込んで来たので犬のお陰で人生が好転したのかな?とも思えるのですが、犬に出会う前にガソリンスタンドのスピードクジが当たったりしてるじゃないですか。
元々主人公にはどんなに苦境に立たされても何とかなってしまう、というツキがある人なんじゃないか?とも思えます。

映画全体が何とも言えないほのぼの感に包まれているし、ALLパタゴニアでロケしたという乾いた大地と広がる青い空のコントラストが美しい映像は非常に高感度が高いです。

それにしても、展開もほのぼのし過ぎて小ネタはほとんどオチを付けずに放置(苦笑)
そもそも整備士の仕事をしていた主人公はどうして「手作りナイフ」を売ろうと考えたのか?結婚をしているものの離婚もせずに20年も会っていないという妻との事情は?緊張すると声が出なくなってしまう少女のエピソードの意味は?等々、これらは今思い出した「放置ネタ」の一部でして、ほとんどのネタは何のオチも付けていない。

まあ、唯一きちんとオチを付けていたのが「性欲のない犬」ネタですね。ってかコレが唯一無二の柱ネタですか。
このオチがまたゆるゆるで・・・笑っていいのか呆れればいいのかよく判らない微妙なラインなんですが、個人的には結構こういう作りって好きだったりするんですわ(苦笑)

確かに映画の作りとしてはかなり行き当たりばったりの展開で、主人公のキャラの描き込みだとか背景説明はほとんど何もないし、いくらいい犬だからといって見知らぬ人がこんなに次々と声を掛けてくるのも妙な話ですし、どのエピソードもコレといって特筆する程の事もない、地味で淡々とした話なんですが・・・

理由は判らないけど、見ていてなんだか優しい気持ちになれるんですよね。
主人公はどこにでもいそうな普通のおっさん、というか本当にどこにでもいる普通の素人のおっさんが演じちゃっていた訳ですが(苦笑)、このおっさんが何とも言えないいい表情をするんです。
いかにも善人な小市民といった感じで、このおっさんの善人面と犬のマヌケな顔が絶妙のコンビネーションなんですわ。
見ていて「お前ら何だか妙にツボに入る表情だよ。もういいよ。お前らの顔だけで満足してやるよ」って感じ(笑)

まあ〜・・・映画の作りとしてはかなり微妙ですし、こういう「ゆるゆるな映画」が苦手な人には全く受け入れられないタイプの作品だろうとは思います。でも逆にツボに入る人にはかなりグッと来るという、クセのある作品だと思いましたね。
ぴよは「こういうゆるゆるも悪くないネ」とは思ったけど・・・でも映画としてはちょっとなぁ〜(^-^;







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