2007年06月30日(土) |
300<スリーハンドレッド> |
監督:ザック・スナイダー 出演:ジェラルド・バトラー レナ・ヘディー デイビッド・ウェナム、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 紀元前480年。スパルタ王レオニダスの元へペルシア帝国の使者がやって来た。「服従か死か」と選択を迫るペルシアを真っ向から敵に回したレオニダス。ところが神々に開戦の許しを請う為に司祭の元を訪れオラクル(託宣者)に信託を問うた所「戦ってはならぬ」というお告げを受けてしまう。レオニダスは己の心を信じ、精鋭の戦士300名だけを連れてペルシア100万の巨大軍隊を迎え撃つ為に出発するのだった。
【感想】 ペルシア戦争の中でもスパルタの英雄伝説として今も語り継がれる「テルモピュライの戦い」を元に、「シン・シティ」のフランク・ミュラー氏が創作したグラフィック・ノベルを映画化。 スパルタ王国もレオニダス王伝説もペルシア戦争もテルモピュライの戦いも全て史実。でも本作はこれらの「史実」を元にした訳ではなく、あくまでも「史実を元に創作された話を映画化」している、というのがミソです。
・・・ってね、実は映画を見終わって家に帰って公式サイトを見るまで知らなかったんですよ。予告編を見ただけだとただテルモピュライの戦いの「史実を映画化」しているんだ、としか思えないじゃないですか。
だーかーらー、映画見ながらツッコミまくる!ツッコミまくる!!(^-^;
まずあの腹筋6分割軍団がパンツ一丁+カブト&マントという「軽装」で現れた時には腰が砕けましたよ。 スパルタと言えば「重装歩兵部隊」として名を馳せていたハズ。それがいきなり「筋肉自慢大会」ですもの。確かにビジュアル的に萌えるっちゃー萌えるんだけど、それにしてもいくらなんでもコレはー・・・(苦笑)
更にあのアホみたいなペルシアの王様。ナンデスカ?ありゃー(^-^; いくらスパルタ側が主人公チームでペルシアが悪玉だからといって、ここまでディフォルメするのは気の毒過ぎる。誰が見ても頭の弱い虚勢だけ一人前のバカ王にしか見えないんだもん。ヤバいって!コレはヤバ過ぎるって!! サイとか象とか、果ては人間なのか別の星の生き物なのかよく判らないよーなキャラまで飛び出して、いくら映画として絵的に面白くなるように演出すると言っても、ここまでやったらイランの皆さんババ怒りでしょー・・・と思ってたら、どうやら本当にイランの皆さんクレーム付けてるそうですね。そりゃー当たり前ですよ(苦笑)
予告編を見て映像はかなり期待していたんだけど、コチラは期待通りでしたね♪ わざと(だよね?)色を抜いて、更にちょっとざらついた感じの映像を作る事で、古代の物語だというのをよりアピールしているというニクイ映像演出。 アクションシーンではスローモーションを多用し(マトリックス風)、バッサバッサとなぎ倒す場面をスローで流して血しぶきがゆっくりと画面を染めると同時に通常スピードに戻して次の敵に挑む、と緩急をつける事でエグイはずの殺戮シーンをスタイリッシュにカッコ良く見せるという工夫が成されていました。
でもね、最初の頃はこのスタイリッシュな戦闘シーンはご満悦だったんだけど、映画の大半を占める戦闘シーンの全てが同じ趣向で撮影されちゃってるので、段々見てる内に飽きちゃうんですよ。 矢が天を真っ黒に染めるが如く空から降ってくるシーンのアングルなんて、「HERO-英雄-」と全く同じですしね。 もっともこのシーンのアングルはコレしか見せようがなかったのかも?無数の矢が空から降り注ぐというシーンを絵的に一番カッコ良く見せようと思ったら、確かにこのアングルしかないかもしれない。
それにしても、もう少し人間ドラマ部分は掘り下げられなかっただろうか? 映画冒頭からずーっと「NHK特集」みたいなナレーションが入ってるんですが、これが緊迫した戦闘シーンに入っても延々とバックでナレーション垂れ流しなんですよね。 見ていて「なぁ〜んか、テルモピュライの戦いの教材ビデオ見てるみたいだなー」って感じなんです。今も尚伝説の英雄と詠われるレオニダス王の英雄たる所以を、つまんないナレーションじゃなくてレオニダス王自身のセリフや所作でもっと表現して欲しかったですよ。
そんな訳で、ぴよはスパルタとテルモピュライの戦いについては多少の知識があったのでツッコミまくりでしたが、本作が必ずしも史実を元にした映画ではないのだ、と判れば「ドラマ部分が弱いけど映像はよく出来てるな」とは思えます。 くれぐれも本作を見て「スパルタはこうだったんだ」「テルモピュライの戦いはこうだったんだ」等と勘違いしないようにして下さいね〜。特にペルシア帝国の映像は全くの創作ですから!ココだけは誤解しないであげて下さいっ!(^-^;
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