ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年08月31日(木) キンキーブーツ

監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:ジョエル・エドガートン
    キウェテル・イジョフォー
    サラ=ジェーン・ボッツ、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
優柔不断男のチャーリーは、父の急死によりイギリスの田舎町にある父が経営していた紳士靴工場を継ぐ事になった。ところが蓋を開けてみれば、大量の在庫を抱えて工場は倒産寸前状態。何とか工場を守りたいチャーリーは、ある日ドラッグクイーンのローラと出会い、ドラッグクイーン達が履きやすいキンキーブーツを作れば需要があるのでは!と思い立つ。


【感想】
イギリス発のハート・ウォーミング・コメディ。
本作は事実を元にしているそうで、この映画の主人公「チャーリー」のモデルになったのは、ロンドン郊外の田舎町ノーサンプトンにある伝統的な家内制靴工場を経営するスティーブ・ペイトマン氏だそうだ。
映画中にも靴の新作ショーにチャーリーが自らモデルとなって登場するシーンがありますが、実際にペイトマン氏も最初の頃はモデルになってくれる人が見つからず、自身がブーツを履いてショーに出演されたりしたんだそうだ。

イギリス製作のコメディの伝説的名作と言えば「フルモンティ」
その後も事実を元に映画化された「カレンダーガールズ」等も大ヒットしましたね。本作もそんな流れを丸々汲んで、保守的なイギリスの田舎町の人達がキテレツなアイディアに最初は戸惑い、反発し、葛藤し、そして次第に心を開いて最後は大成功するという、映画見なくても結末まで全部先読み出来る「安心して楽しめる予定調和」な作りになっています。

保守的な田舎の人達、心優しいと言えば聞こえがいいが「優柔不断」で今ヒトツ求心力に欠ける主人公、男である事に違和感を感じ葛藤を繰り返しながらも誇り高く生きるドラッグクイーン、田舎を嫌悪してロンドンで洗練された生活を望むキャリア志向の恋人等、とにかく登場するキャラはどいつもこいつも超ステレオタイプばかり。

ステレオタイプキャラが予想通りの展開で何のヒネリもなく話が進み、本当にそのまんま大団円。
「少しはヒネれよ」と言う人もいるかもしれませんが、ぴよはこういう話こそヒネらず素直な方が好感が持てます。
小さなネタでプッと笑わせてもらったり、しんみりしたり、コメディとヒューマンの配分が絶妙で見てて心地いい。

それからドラッグクイーン「ローラ」と仲間達のショーがオシャレでかっこいい!本作のファッションは「Vフォー・ヴェンデッタ」を手掛けたサミー・シェルドン氏が担当しているそうですが、凄くスタイリッシュで品があるんですよ。
ドラッグクイーンのショーというと「極彩色でエゲつない」ってイメージがあるんだけど(これもぴよも偏見よね)、クライマックスのショーシーンなんてめっちゃくちゃステキ!本当に劇場でスタンディング・オベーションしたくなっちゃった♪

ぷぷぷ!とほくそ笑んで、しんみりして、ハラハラして、そして心がほっこりする。
英国コメディは、抑えた笑いで優しい気持ちにさせてくれる控えめさが日本人の肌に合う。本作もそんな秀作です。







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2006年08月30日(水) X-MEN ファイナル ディシジョン

監督:ブレット・ラトナー
出演:ヒュー・ジャックマン
    ハル・ベリー
    イアン・マッケラン、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
天才科学者の手によりミュータントの能力を奪い「普通の人間」にする薬「キュア」が開発された。普通の人間になるか能力をそのまま持ち続けるかでミュータント達は大きく揺れる。そんな中、マグニートー率いるテロ組織はキュア根絶の為に動き出す。同じ頃、仲間のジーンを喪って失意のX-MEN達だったが、サイクロップスがジーンの声を感じて湖に行くと、何とそこに蘇ったジーンが現れたのだ。しかしジーンの中の「もう1つの人格」が覚醒を始めて・・・


【感想】
大ヒットシリーズ「X-MEN」の最終章・・・らしい。
前2作はブライアン・シンガーが監督だったが、何故か最終章にして監督がブレット・ラトナーにバトンタッチ。どうしてブライアン・シンガーはメガホンを取らなかったんだろう?飽きたの?んな訳ないよね?

まずいきなり吠えるのもどうかと思うが・・・この邦題の「ファイナル ディシジョン」ってどーよ?
ちなみに原題は「X-MEN THE LAST STAND」別に原題のままで全く問題がないと思うんですが。ちなみに邦題のファイナル ディシジョンってのは直訳すると「最後の選択」ですか。選択もクソもあなた・・・(^-^;

まあ、とにかく「ファイナル」っちゅー事で、色んな事に一応の決着?を着けようとしています。
それにしても映画序盤でいきなりサイクロップスが・・・もーちょっとジーンを巡ってウルヴァリンと何か事を構えるのかと期待していたんですが、余りに唐突だったので「へっ!?そ、そんなんでいいんすか?」と拍子抜け。
他にも前作を見た時にかなり期待していた「パイロ」と「アイスマン」の宿命の対決?シーンも・・・ちょっとアレは余りにもアッサリし過ぎてませんか?見てて「うそぉ〜ん。そんだけなのぉ〜?(涙)」って感じでしたよ。

でも一番拍子抜けしたのは、やっぱりラストの「ジーン vs ウルヴァリン」だな。
プロフェッサーXですら近付けなかった彼女のパワーも、ウルヴァリンには屁でもないです。ってかウルヴァリンは間違いなく不死身ですね。最初っからウルヴァリンがジーン捕縛に動けば話は簡単に終わったでしょ。(苦笑)

要するに、キャラクター描写の掘り下げがないんですよね。
そのくせ登場キャラが増えたので、どのキャラのエピソードも中途半端と言うか「追っ付け仕事」みたいになっちゃった。
どいつもこいつも実にあっけなくて、「ホントにこんなに簡単にカタ付けちゃっていいの?」って感じ。それは悪役でありながらシリーズ通して誰もが絶賛の声を惜しまないマグニートーに対しても・・・こんな奇襲攻撃?であっさりカタが付くようなヘッポコなリーダーじゃありませんよ!マグニートーというお方はっ!!(怒)

映像は確かに凄いんですよ。このシリーズで1番大掛かりで迫力があったかもしれない。
だけど単に映像が凄いだけだったら、このシリーズはここまで世界的ヒットにはならなかったでしょ。ミュータントの苦悩だったり人間との共存、思想、そしてミュータント同士の人間関係、様々な魅力的なキャラクターに観客が時に同調し、時に反発し、そして魅了された事が、このシリーズを爆発的にヒットさせた1番の理由だったんじゃないかと思うんですよ。
この監督さんは、このシリーズの何が魅力なのかを根本的に履き違えていると思う。

シリーズファンなら「上映時間2時間半、いや3時間にしてくれてもいいから、もっとキャラ描写を掘り下げてくれよー!」と誰もが言いたくなるんじゃないでしょうか?
これで「最終章」なのかと思うと、余りにもそっけなくて悲しくなっちゃいます・・・(涙)







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2006年08月28日(月) ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT

監督:ジャスティン・リン
出演:ルーカス・ブラック
    バウ・ワウ
    ナタリー・ケリー、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
高校生のショーンは無謀運転で何度も警察に捕まり、遂に決定的な事故を起こしてしまう。このままだと有罪で監獄送りは免れないショーンは、職業軍人として日本の東京に住む父親の元に身を寄せる事になった。転校先で知り合った同級生トゥインキーに誘われて出かけた深夜のパーキング。そこでハンという男の車を借りて「D.K.(ドリフトキング)」とレースをしたものの完敗。更にハンの車を大破させてしまう。ハンの仕事を手伝いながらドリフトを教えてもらう事になったのだったが・・・


【感想】
大ヒットカーアクションシリーズ「ワイルド・スピード」の3作目。
何と舞台は東京。きっと日本人にも人気のシリーズだから、日本人客を目当てに設定を東京にしたんだろーなー、と多少の危惧を感じつつも結構期待値高いですよぉ〜ん♪

前作も前々作も見てるんだけど(Part.1は感想書いてないっす)、本作は前2作とは全く作風が違うね。
ってか、ただCOOLな車がドリフトしまくってケツフリフリするだけで、話が全く繋がってないぢゃないかぁーーー!(怒)
コレは「ワイルド・スピード」シリーズに入れちゃいかんでしょ。いかんよ。うん。絶対にいかん。

日本人に喜んでもらおうというサービス精神がたっぷりで、何人か日本人の役者もチョイ役で登場。
妻夫木君とか(←一瞬ですなぁ)小錦とか(←あのタトゥーはあかんやろ)柴田理恵とか(←結構喋ってる)サニー千葉とか、ってか千葉サンはチョイ役じゃなくてちゃんとした役でした。
どーでもいいが、いつからサニー千葉?キル・ビルの時は既にサニーでしたね。どうしてサニー?日産?(^-^;

ガイジンさんが思ってる「日本・東京」ってこんなんですか・・・と脱力しまくりの設定ですヨ。
職業軍人のおとっつぁんはどうしてあんなにボロい長屋に住んでるのか理解不能。日本人ってみんなこーいう狭くて暗くて窓開けると隣のアパートの婆ちゃんと目が合っちゃうような家に住んでるって、本気で思われてるのかしら・・・まあ、本当にそーいう家に住んでる人だっているだろうから「まるでウソ」とは言わないけどサ。
それから全く高校生に見えないうらぶれた様子のショーン君が、詰襟着てフツーに日本の高校に通っちゃうトコロで大NGですよ。しかも高校内が異常にガイジン率高い。学内は日本語じゃなくて英語がまかり通ってるってのはなぁ。別にアメリカンスクールで問題ないじゃんね。どうしてわざわざあんなキテレツな設定にしちゃったんだろ?

更に言うと、ショーンと敵対するD.K.(ドリフトキング)君、それからショーンと仲良くなるハン君、あんた達は誰が見ても絶対に日本人には見えませんからぁー!(^-^;
そもそも「ハン」って呼び名もどーよ?日本人のニックネームにしたっておかしいっしょ。
きっとアメリカさんから見ると、日本人も中国人も韓国人もみぃーんなおんなじ顔に見えるんだろーなー。ふー。

まあそんなトコロでツッコミ入れまくって楽しいったらありゃしない!←え?
ホント、笑っちゃいます。これはコメディとして楽しまなくちゃダメですね。大らかな気持ちで「アメリカさんはコレだから〜」と苦笑しながらツッコミ入れまくってると、これはこれでなかなか味わいがあります。(こらこら)

とりあえず本作も車はかっちょいいから許すよ。うん。本当にカッコイイ!
今回もランエボちゃんだね。でもやっぱRX-7だなぁ。あのカラーリングもクールだぁ♪
それからこの映画の一番の見ドコロは、何て言ってもラストシーンのある方のカメオ出演ですね。このシーンの為だけに映画館に行くのもどーかと思うけど、少なくともこのシリーズが好きな人なら見て損はないですよ。

あ、「見て損はない」ってのは、この映画の事じゃなくて「ラストシーン」の事だけヨ(笑)







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2006年08月27日(日) イルマーレ(2006・米)

監督:アレハンドロ・アグレスティ
出演:キアヌ・リーブス
    サンドラ・ブロック
    ディラン・ウォルシュ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
シカゴ市内の病院に勤める事になった医師のケイトは、湖畔に建つ家から引っ越す事になった。次にこの家に住むであろう住人にあてて家のポストに手紙を入れて立ち去ったケイト。ところがその手紙は、ケイトがこの家に住む前の住人アレックスの元に届く。初めはいたずらか?と思っていたアレックスだが、何度か手紙をやりとりしている内に、どうやら2006年のケイトと2004年を生きているアレックスが文通しているらしいと2人は気付くのだった。


【感想】
2000年に韓国で製作された同名タイトル映画のリメイク。
ちなみに2000年版は見てます。結構面白い設定だけどツッコミどころ満載で(特にタイム・パラドックスについて)見終わった後に一緒に見ていた友達と大激論になったので、とても印象深い作品でした。
リメイク版の本作では「スピード」以来12年振りにキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが共演しています。

そんな訳で、本作ですが。
まず思ったのは「うまい具合にリメイクしているなぁ!」という事。

2000年版もかなり面白かったしホロリとさせられたんだけど、やっぱりタイム・パラドックスの点を考え出すと絶対にどこかで齟齬が生じる訳です。
本作もやっぱりタイム・パラドックスを考えると絶対に辻褄は合わないんだけど、現実問題じゃなくて映画の中だけのルールというのを設定していて、そのルール設定を映画の中でエピソードに盛り込んで、観客をかなり強引に納得させるように仕向けています。

そのルールを顕著に表すエピソードが、ケイトが湖畔の家に生えていた木を懐かしむ手紙を読んだアレックスが、2006年にケイトが住んでいるハズの地番の街路に木を植えに行くというモノ。
本来のタイム・パラドックスならアレックスが木を植えた時点で2006年には既に木は生えている事になるので、ケイトが「あの木が懐かしい」という手紙は存在しない事になってしまうが、映画ではアレックスがケイトの手紙を読んで木を植えた途端、2006年のその場所には今まで何もなかったのに一瞬にして木が生える。

要するに、過去を変えると過去を変えた瞬間にその後の未来が全部変わる訳じゃない。
アレックスがケイトの手紙を受けて過去を変えるが、あくまでも未来変化は2006年のケイトの時間軸でしか動かない。だからケイトとアレックスが文通を始めてから起こった2人に直接関わるエピソードは、その後過去を変えても変更されないし記憶が改変される事もない。
でもパーティーシーンと、それから映画序盤のあの事故はどう考えればいいのかな。うーむ。ま、いっか。←をい
・・・無茶苦茶なルールではあるけど、少なくとも2000年版よりはずっとタイム・パラドックスに関するストレスは少ない。

とりあえずこのルールを適用すると、2000年版とはラストシーンを絶対に変えないと説明が付かなくなる。
(要するに、2000年版はラストシーンのお陰で鑑賞後に友達と大激論になった訳ですヨ。苦笑)
という事で、本作はラストシーンが2000年版とは異なる。コレが「うまい具合にリメイクしたなぁ!」と思わせた訳です。

設定やエピソードを2000年版から微妙に変更したり、2000年版にはなかったエピソードを盛り込む事でタイム・パラドックスに対する一定のルールを設けたり、より2人が惹かれ合って行く様子を自然に見せようとふんだんに工夫されている。
結果、「過去の人間と現在の人間が文通する」という基本ネタはうまく消化させつつ、ハリウッド映画らしくお金をジャンジャンかけて映像にもこだわって、ゴージャスにグレードアップさせる事に成功していると思う。

リメイク版というのは結構評判が悪い事が多いですが、ぴよは2000年版よりも本作の方が好きですネ。







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2006年08月25日(金) 笑う大天使(ミカエル)

監督:小田一生
出演:上野樹里
    伊勢谷友介
    関めぐみ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
母を亡くして天涯孤独の身になった17歳の女子高生・司城史緒の前に、その存在を全く知らなかった生き別れになった兄・一臣が現れる。実は司城家は旧・伯爵家だったのだ。一臣に引き取られた史緒に待ち受けていたのは超・上流階級の暮らしと、有り得ない程のウルトラお嬢様が通う「聖ミカエル学園」での学校生活だった。周囲に合わせて必死にネコを被ってお嬢様らしく振舞う史緒。ところで世間では最近「お嬢様」ばかりを狙った誘拐事件が多発していたのだ。


【感想】
カリスマ漫画家「川原泉」著の同名タイトルコミックの映画化。
漫画を余り読まないので原作コミックの存在を知らなかった。単に「上野樹里ちゃん主演のB級コメディ」だと聞いて、彼女のコメディエンヌっぷりが大好きなので(『亀は意外と速く泳ぐ』は特にいいネ♪)ちょっと期待して見に行きました。

まあ、本当にやっすいB級コメディですね。(きっぱり)
どうやら噂によると、全く原作と世界観が違う?ようなのだが、原作を知らないぴよが見る分には結構楽しめた。
原作では史緒は関西弁を話していないらしいが、樹里ちゃんが脱力気味につぶやく関西弁はかなりハマってるし、彼女のすっとぼけた表情や様子はなかなか板についていて見ててとっても愉快だし♪
伊勢谷クン演じる妙に情に厚いカッコイイ一臣さんも、とってもステキだったしね(^-^)

それにしても話は薄っぺらい。
クライマックスの戦闘シーン、ありゃーもう少し短く出来ないですかね?ぶっちゃけ眠たくなりましたよ(苦笑)
それからパーティーのシーンもさ、コレは原作にある設定なんですか?んであんな妙な衣装着てるんですか?超お嬢様達が集まってコスプレして楽しむお茶会パーティーなんだから、もーちょっとブリブリした可愛い衣装(例えば中世ヨーロッパのドレスみたいなヤツよ)の方がイメージに合うんだけどなぁ。みんなすんげー変な髪形してるし。

VFXがショボいのは、まあいいですよ。
低予算映画なんだろうし、もしかしたら敢えてああいう安っぽいCG処理にしてるのかもしれないし。

クライマックスで一臣の職業を聞くエピソードでは、ちょっとウルッとしちゃったんだけど(まさかホロリシーンがあるとは予想してなかったので)、もうちょっとエピソードがキレイにまとまってればいいのになぁ〜・・・兄妹愛をもっと前面に押し出した演出をクライマックスまでに見せてくれれば、もっとこのシーンは生きたのになぁ〜と思いましたね。
とにかく全体的に何もかもが中途半端な印象が強かったですよ。

多分原作コミックのファンの方にはコケ下ろされそうな作りですが、原作を全く知らずに「低予算B級コメディ」を楽しみたいという気持ちだけで見に行った方には、それなりに楽しめる作品になっていただろうと思いますよ。






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2006年08月24日(木) ラフ ROUGH

監督:大谷健太郎
出演:長澤まさみ
    速水もこみち
    阿部力、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
敵対する和菓子屋の子としてそれぞれ生まれた二ノ宮亜美と大和圭介。亜美は高飛び込み、圭介は競泳選手として同じ高校に入学して同じ寮で生活する事となる。初めは敵対していたものの、次第に惹かれ合う2人。亜美には幼馴染で「お兄ちゃん」と慕う競泳クロールの日本記録保持者・仲西がいた。圭介も憧れの存在だったが、亜美を巡り圭介は仲西に競泳で勝つ事を目標にするのだ。ところが2人が対決しようという日本選手権の当日に仲西に悲劇が襲うのだった。


【感想】
あだち充氏の大ベストセラー同名コミックの映画化。
以前同氏の「タッチ」が、やはり長澤まさみちゃんが「みなみ」役を演じて映画化されたのは記憶に新しいですね。
実はタッチは未見なんですが・・・あだち氏のヒロインは長澤まさみちゃんが1番イメージにぴったり合うんでしょう。

本作の原作コミック、途中までは読んでた記憶があるんだけど、多分最後までは読んでないんだなぁ。
それに連載されていたのはかなり前なので、設定は覚えてても流石に内容覚えてないですよ。

まあそんな訳で本作なんですが。
そこそこ無難な「青春スポーツ恋愛ドラマ」には仕上がっていると思います。
正直言って圭介をもこみち君が演じるのは、かーなーりーコミックの絵とギャップがあるのですが、イメージ通りの役者が見つからないから「婦女子が喜びそうなイケメン若手使っとけ」という主旨なら、まあ彼でも問題ないんじゃないですか?
・・・随分甘い事言ってますが、要するにぴよはもこみち君が結構好きだからOKだヨ♪ってだけですよ。へへっ

そして本作を見に行く人(特に男子)の一番気になるチェックポイント「まさみちゃんの水着」
彼女は今までは余りスタイルが強調される衣装を身に着けなければいけない役がなかったと思うのですが、流石に本作は水泳の選手役ですからねぇ・・・いやはや、まさみちゃんって噂以上の巨乳なんですねぇ♪(うふ)
競泳水着はバッチリハイレグだし、プライベートのセパレート水着なんておっぱいこぼれ落ちそうですヨ!うひょひょ♪
まさみちゃんファンだったら十二分に満足出来るんじゃないですかぁ〜?

ぴよは特に原作に思い入れがないから、本作の展開でも別に「まあ無難なんじゃないっすか?」と思ったのですが、この作品に思い入れの強いコミックファンは多いと思うんですよね。
そういうコミックファンが本作を見ると・・・間違いなくツッコミどころ満載なんだろうと思いますよ。

無難っちゃー無難だが、だったら面白いのか?と聞かれたら「まあ別にフツーなんじゃない?」程度の無難度なので、どうしてわざわざこんな中途半端な脚本とキャスティングで映画化しやがったんだよぉぉぉ!とファンに吠えられても致し方ない作りだっただろうと思うんですわ。
そもそもコミックは全12巻という大作なんです。それを2時間あるかないかの映画にまとめるのにムリがあって当然。

言っちゃー悪いが「所詮TVドラマ程度の内容」ですし、どうせ実写化するならTVの連ドラにして、コミックにもっと忠実にじっくりと見せてもらった方が、ファンは喜ぶんじゃないでしょうか?
実写ドラマでは水泳シーンの吹替え選手の確保にムリがあると言うなら、いっそDVD発売アニメにすればいい。

もこみち君&まさみちゃんファンなら満足出来るでしょう。コミックファンには・・・勧められませんねぇ(溜息)






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2006年08月21日(月) UDON

監督:本広克行
出演:ユースケ・サンタマリア
    小西真奈美
    トータス松本、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
世界に通用する芸人を目指してNYに行ったものの、莫大な借金を作って志半ばで故郷・香川に帰郷した香助。製麺所を営む父親はそんな香助を冷たくあしらうが、親友・庄介の紹介で地元タウン誌「さぬき」で職を得る。香助の発案で地元のうどん「讃岐うどん」を紹介するコラムを連載した所、クチコミで広がって全国的な「讃岐うどんブーム」が巻き起こるのだが


【感想】
「踊る大捜査線」チームがタッグを組んで作った企画モノ。
監督の本広氏の故郷でもある香川県を舞台にし、香川県民のソウル・フード?「讃岐うどん」を取り上げて、監督の思い入れたっぷりなお国自慢と、「うどんブーム」再来を狙った(のか?)ヒューマン・コメディ。

そもそも「蕎麦」より「うどん」派のぴよなので、劇中に様々なうどんが登場するだけでかなり食欲をそそる。
本作は実在する香川の製麺所さんを実際に撮影しているらしいので、讃岐うどんに思い入れのある方には涙モノの映像の数々なんじゃないでしょうか?
それにロケ地は監督さんの故郷なので、風景映像もキレイに撮れていて好感が持てます。

それにしても、上映時間が長い。
上映時間が2時間14分。言っちゃー何だが、この手のコメディで2時間超というのは、相当脚本が練れてないとダレる。
本作は前半が「香助が地元タウン誌でうどんブームを作るまで」、後半が「香助の父親に異変が起こってから」という2部構成の作りになっているんだけど、特に前半の「うどんブーム」絡みのネタが長過ぎて、かなりダレダレになってしまう。
前半をもっとタイトに作ってくれれば、上映時間は1時間半には出来たと思う。この手のコメディは1時間半程度が楽しめる限界だとぴよは思うので、もう少しエピソードを端折って欲しかった。

要するに余りにも地元への愛着が沸き過ぎて、見せたい話の主題がブレブレになっちゃってる気がするんですよ。
家族愛だったり郷土愛が見せたいの?なら前半はもっと大幅にカットするべきだし、単に「UDON」を面白おかしく紹介して地元密着型の映画を作りたい?ならもっと後半はカラリと明るくするべき。
中途半端に(しかも執拗に長く)人間ドラマを差し込む事で、前半と後半のカラーに差が出来すぎてバランスに欠けてる気がするんですよね・・・あ、人間ドラマが主題かもしんないんだけどサ(苦笑)

それに、どうして香助が最後にこういう結末を迎えるのかも今ヒトツ納得がいかない。
この映画の流れだと、彼がああいう選択をする理由が全く理解出来ないんですよ。それ程こだわってるように見えないし。

結構笑えるし楽しめるし、しんみりもするし「大団円でよかったネ♪」と言えるエンターテイメントにはなっているものの、どうにも消化不良で小粒な「レンタルか地上波放送を待ってもいっか?」程度の感覚にしかならない。
そもそも「UDON」はとても消化のいい食品なんですが・・・映画もそこんとこ考えて作ってあげて下さいヨ(苦笑)






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2006年08月17日(木) マイアミ・バイス

監督:マイケル・マン
出演:コリン・ファレル
    ジェイミー・フォックス
    コン・リー、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
南米からの巨大犯罪組織の密輸中継地となっているマイアミ。マイアミ警察特捜課(バイス)のソニー・クロケットとリカルド・タブスのコンビは、旧知の情報屋が家族を惨殺された上に自殺した事に戦慄する。どうやら南米−北米を結ぶ密輸シンジケートに合衆国司法機関の合同捜査の極秘情報が漏洩しているらしい。事の重大さを知ったFBIのキジマは、合同捜査に関係のない(面の割れてない)ソニー達に白羽の矢を立て、潜入捜査で情報漏洩ルートを見つけ出そうとする。


【感想】
1984年〜89年までアメリカNBCで放送された同名タイトル人気ドラマの映画化。
日本でも「特捜刑事マイアミ・バイス」のタイトルで86年からテレビ東京系で放送されて人気を博したそうですが、ぴよはタイトルは聞いた事がありましたがドラマは1度も見た事がありませんでした。

そんな訳で、元ネタのドラマとの違いが全く判らないのですが、どうやら噂によると主役コンビの名前とマイアミが舞台になっているという部分が同じだけで、後は全くのオリジナルストーリーになっているらしいです。

きっとドラマのファンには不満ブリブリなんだろうなぁ〜・・・と軽く予想は付くのですが(苦笑)、映画だけを見ている分にはワイルドなコリン君とジェイミー・フォックスのコンビはなかなか息が合ってるように見受けられます。
「マイアミ・バイスというのはこーいうモノなのだ!」という先入観がない分、キャラを楽しむのは問題なしです。
マイケル・マン監督らしい、クライマックスの派手な銃撃戦もオイシイですし、舞台もマイアミと南米を何度も行き来して映像的にも金が掛かっていて「うーん♪ハリウッド映画を堪能させて頂きましたー♪」という一定の満足感はあると思う。

それにしても・・・金が掛かってる割には小粒な印象です。←あれ?今日も吠えか?(^-^;

そもそも「潜入捜査」というのは、そんなに派手なモノじゃないんだろう。
終始派手にドンパチやりまくったら潜入捜査でも何でもありませんから当たり前っちゃー当たり前なんですが、絵的には面白味に欠けますわね・・・よく言えば「リアルを追求した」ってトコロなんでしょうけど、会話での丁々発止で相手の出方を探ったりするシーンばかりでは、スクリーンを眺めているコッチは段々飽きてきちゃいます。

それを飽きさせないように、コリン君とコン・リー嬢のエッチな絡みシーンで間を持たす訳ですが、この2人が恋に落ちるのが唐突過ぎて着いていけないんですよ。
南米組織にアジア人の女性が入り込んでいるという奇妙な絵は、意外な事にうまい具合にマッチしているんですが、コリン君と彼女の組み合わせは余りにも唐突過ぎて、正直言ってちょっと白ける。

それに・・・この映画の結末を見て納得行かない人も多いんじゃないかと思う。
余り詳しく書くとネタバレになってしまうのでアレですが、少なくとも「スッキリしない」刑事ドラマ程消化不良感がつのるものはありません(苦笑)
「コレが潜入捜査の実態だ」「結局現場はこんなもんなのだ」「コレこそがリアルな世界なのだ」と言われたらソーデスカとしか言いようがないのですが、少なくとも「踊る大走査線」シリーズで大喜びしている日本人にはウケが悪そうな予感。

実は映画見ていて「よく出来てるなぁ!」と思ったんですが、だからと言って「面白い」とも思わなかった。
結局はこの映画に何を求めてるのか?という、こちら側に問題があったんだったんだろうと思いますよ。
バンバン銃撃戦やって、派手なアクションシーンをこれでもかー!と見せてくれる脳味噌カラッポ映画を期待していると、ちょっと肩透かしを食らったような気分になってしまう。

そういう人は「M:i:3」でも見て溜飲下げましょう。(苦笑)






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2006年08月14日(月) イン・ザ・プール

監督:三木聡
出演:松尾スズキ
    オダギリジョー
    市川実和子、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
24時間勃ちっ放しという「継続性勃起症」の会社員、火元の確認が気になってなかなか外出が出来ない「強迫神経症」の女性ルポライター等、ちょっと変わった症状に悩む彼らは伊良部総合病院の精神科を訪れた。そこにいたのは見るからに怪しげなトンデモ医師「伊良部一郎」だった。彼の奇天烈な治療法に振り回される患者達だったが・・・


【感想】
奥田英朗氏著の同名タイトル小説の映画化。(劇場公開は2005年5月)
本作の「伊良部一郎シリーズ」第2弾である「空中ブランコ」で直木賞を受賞されましたね。
珍しく原作を読んでいます。原作が凄く面白かったのに映画は見逃していた(しかも見逃した事も忘れてた)ので、ようやくレンタルして来て鑑賞・・・もう暑くて映画館なんて行く気力ねーよー(涙)

原作読んでると(特に原作が面白かったりすると)、どうしても映画の評価は下がる。
文章で読んでキャラクターを頭の中で想像して楽しんだ分、映像化されたモノを見た時にそのギャップに苦しむ。
本作はその代表みたいな作品でしたなぁ〜。

そうは言っても、映画としてなかなか上手に料理されてはいたと思いますよ。
原作は1話完結のオムニバス形式の話になっているけど、その各話に登場するキャラクターのエピソードを、アトランダムに差し込みながら1つの映画によくまとめ上げてあるなぁ〜と思いましたね。
特に「継続性勃起症」に悩むサラリーマン役にオダギリジョー君を起用したのはナイス♪当然だけど彼のエピソードに一番ウエイトが置かれていて、話もきちんとカタを付けていたし、かなり笑えたし楽しめた。

でもその他のキャラクターのエピソードはちょっと弱いな・・・強迫神経症の市川実和子嬢の演技、どうも好きになれなかったんですよね。きっとわざとああいうキャラを作ってたんだろうと思うけど、単純に好みじゃなかったし彼女のキャラも立ってないような気がしたし。編集長のキャラが面白かったのが救いかな。

水泳中毒のサラリーマンの話は、アレはちょっとヒドい気がするなぁ。原作を知っているから不満なだけで、映画だけを見た人には楽しめたのかもしれないけど、ぴよには「こりゃーあんまりじゃないかぁ?」としか思えなかったよ。正直言ってこの映画に必要なエピソードだったの?単なる笑わせネタ?それにしちゃーあんまり笑えないよ?(苦笑)
・・・あ、そっか。タイトルが「イン・ザ・プール」だから、このエピソードを使わない訳にいかないか。ナルホド(自己完結)

何より、松尾スズキ氏の演技に頼り過ぎた「伊良部医師」のキャラクターに非常に違和感がありましたね。
まあ・・・映画として見るには彼の畳み掛けるよーなテンポの良さは魅力的ではありますが、展開が余りにも彼の演技に頼り過ぎてはいないか?と思わずにはいられない。
松尾氏の伊良部医師のキャラクターはそれはそれで面白いし、かなり笑わせてもらえたから文句言うのも筋違いなのかもしれませんが、やっぱり原作読んで楽しんでるとどうも乗れない。

原作を読んでいなければ、きっともっと楽しめただろうになぁ〜と思うと、原作を読んでいた事が悔やまれる。
個人的には原作の「マユミちゃん(色っぽくてつまんなそうな顔した看護婦)」が好きだったので、彼女の魅力が映画で余り引き出されていなかったのがちょっぴり悲しかったかな。
でもマユミちゃんの風貌はなかなか感じが良かったですよ♪・・・もっとエッチな白衣着て下さい!(笑)







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2006年08月13日(日) かにゴールキーパー

監督:河崎実
出演:春山幹介
    紗綾
    田代さやか、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
浜に打ち上げられた巨大カニを助けた真一少年は、家に連れ帰ってカニを飼いたいと切望する。飼う事を許してもらった真一はカニに言葉を教え、言葉の話せるようになったカニと深い友情で結ばれたのだ。ところが貧乏だった真一の両親は、カニを売り飛ばそうと計画。その話を聞き付けたカニは都会へ逃げ出したのだが・・・


【感想】
昨日「コアラ課長」にがっくり来たのでよっぽど見るのを止めようか迷ったんだが、レンタル料が勿体無いから見たさ。
同じ監督さんで同じ「奇天烈どうぶつ被り物バカ映画」というコンセプト。もう説明すんのも面倒だな(苦笑)

で、期待値ゼロで見たからなのか?それともよっぽど昨日のコアラがクソだったのか。
意外な事に、本作はかなり面白かったんですよ!ホント!
正直言って上記の「オススメ度」は、昨日のコアラ課長を見てなかったらもっと低かったかも?コチラを先に見てたら相当吠えまくったんじゃないか?って気がしなくもないけど、とりあえずは見た順番が良かったんだろう。

「コアラ」と本作の一番の違いは「カニはカニとして扱っている」という点。
前作のコアラ課長はコアラの着ぐるみが普通にスーツ着たり女抱いたりしてんだもん。そりゃ反則でしょ(笑)
いや、「どーしたんだカニー!?」なんてアホみたいな事をド喋ってる段階で、既に本作も「カニ扱い」からは程遠いと言えなくもないんですが、少なくとも周囲も「コイツはカニである」と認識して扱ってるから全然OK。

それにしても、ゴールキーパーになるまでのくだりが長過ぎる。
「お姫様ネタ」等がクライマックスでいい伏線になってたりして、なかなか練れた脚本ではあるものの、ちょっと冗長過ぎるのは否めません。
もっとエピソードをタイトにして、例えばキャバレーとソープネタは1つにまとめて伏線を盛り込めば、もう少しスマートにタイトルに見合ったゴールキーパーネタに繋げられたんじゃないかと思ったんですが。

それからサッカーの試合展開はちょっとなぁ・・・アレはいくら何でもやり過ぎですよ。
バカ映画なんだから何やっても許される、なんて思って欲しくないな。せっかく「有り得ないけど許せる」ギリギリの範囲で展開しているんだから、サッカー試合の反則シーンはもうちょっと考えて欲しかったよなぁ。
例えばカニを襲撃するのは、ハーフタイム中にコッソリやるとかさー。←コレもダメなのはダメなんだが(苦笑)

とは言え、カニの動きや特性を生かしたギャグを盛り込んでいてかなり面白い♪
竹中直人氏や藤岡弘、氏(←この方「、」が名前の後に付くんですね)が大真面目にやりとりしてるシーンも大笑い!
特に竹中氏が至極真っ当な事を怒鳴ってるのを聞いてると、妙に納得出来て(本当に当たり前の事言ってるんだけど)まともな事を言ってる事がどーしてこんなに面白いんだか訳判んないんだけど、でもやっぱり大笑い。

名の通った役者の演技は申し分ないけど、他の知名度の低い「その他大勢の役者さん」の演技は学芸会クラスですな。
でも「B級バカ映画」としては、本作はかなり真っ当なレベルですよ。ちゃんと笑えますもん。
少なくとも「コアラ」と「カニ」のどちらを見ようか迷ってる方には、ぴよは間違いなく「カニ」を推しますネ。






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2006年08月12日(土) コアラ課長

監督:河崎実
出演:野村宏伸
    エリローズ
    イ・ホ、他
オススメ度:☆


【あらすじ】
漬物会社の課長「田村」は誰が見ても正真正銘のコアラ。そんな「コアラ課長」は韓国のキムチ会社との合弁事業契約に向けて精力的に仕事をこなしていた。そんなある日、コアラ課長を悲劇が襲う。恋人の洋子が自宅で惨殺死体となって発見されたのだ。小野刑事はコアラ課長の妻が3年前に謎の失踪をしている事に着目、妻も実は殺害されたのでは?と疑い、コアラ課長を「連続快楽殺人」の犯人と目して捜査を進める。


【感想】
「えびボクサー」で一世を風靡した「奇天烈どうぶつB級モノ」シリーズ。
ちなみに「えびボクサー」はイギリス製作の映画でしたが、その後作られた「いかレスラー」は邦画です。そしていかレスラーの評判が余りにはかばかしくなかったのでサクッとスルーした訳ですが、本作をこの連日の暑さに負けて何となくレンタルする気に。ってか、本作もいかレスラーと同じ監督さんの作品だそーだ。

それにしてもどーしてこんな映画見ちゃったんだろう・・・(溜息)
いや、B級でお茶目で楽しい映画が見たいなーと思ってわざわざ金払ってレンタルした訳ですが、それにしても余りにも話の筋が破綻し過ぎていて、ここまで破綻してると評価のしようがないんですよ。

ちなみに「えびボクサー」はかなり高評価してるんですよ。<自分
根本的にぴよが好きなB級というのは「本気で大真面目を装っていて、脚本もしっかり練れていて、なのにクズ」というキワモノラインが好きなんです。←物凄く判り難い説明かもしれませんが、気持ちは察して下さい(苦笑)
この映画は基本の「脚本」が破綻している点でもう絶対にダメなんです。

この映画を見ていると、映画製作サイドに「客は被り物+ハチャメチャな展開なら何でも喜ぶサ♪」と軽く見られているような気がして、凄く腹が立ちますね。
B級好きにも色んなこだわりがあるんですよ。そこんとこを履き違えないで欲しいと言いたい。

まーこんなクソ映画に大真面目な顔で出演している野村宏伸クンや黒田アーサー君。
君達はまず事務所を変わった方がいいよ。ってか、事務所からオファーが来てもこんな仕事請けるなよ(苦笑)
今ブログが大人気のショコタン(中川翔子)も数秒出演してますが、キミの芸暦に傷が付かない事を祈りたい。もっと言うと本作に出演している若手韓流役者「イ・ホ」君は、何とヨン様の事務所の売り出し中の新人君らしいが、彼の芸暦には確実に傷が付いたでしょう。ってかマジで事務所も仕事選べってば。(^-^;

話の内容自体に関しては何も言う事ないですな。B級とも呼べないクソです。
一々ツッコミ入れるのも気の毒なので、ここはスルーしてあげるのが人情というモノでしょう。

あー・・・実は本作と一緒に「かにゴールキーパー」ってのもレンタルしちゃったんだよぅ(涙)
どーしよう。どーしよう・・・わざわざ「新作割増料金」でレンタルしちゃったのにぃ〜!!
もし明日以降に「かに」の感想がUPされなくても、それはそれで皆さんも忘れちゃって下さいよ。とほほほー


 



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2006年08月07日(月) ゆれる

監督:西川美和
出演:オダギリジョー
    香川照之
    伊武雅刀、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
東京で写真家として成功した早川猛は、家業を継いだ兄・稔の勧めもあって母の一周忌法要の為に久し振りに田舎に帰って来た。2人の幼馴染み「智恵子」に稔が密かに思いを寄せている事を承知の上で、智恵子を抱いてしまう猛。事件はその翌日、3人で地元の渓谷に遊びに行って起こった。稔と智恵子が吊り橋にいた際、智恵子が吊り橋から転落して死んでしまう。これは事故なのか?それとも稔が突き落としたのか?裁判で争う事になり、兄を助けようと遁走する猛だったが・・・


【感想】
若手女流監督・西川美和氏の最新作。
彼女のデビュー作「蛇イチゴ」を見た際、その人間描写の巧みさに「この人はスゴい!」と思っていたので、本作はかなり期待の一作でした。それにオダギリジョー君大好きだしぃ♪

・・・こーいう書き出しすると、よくあるパターンが「期待をサックリと裏切られ」になるのが通常ですが(をい)
この監督さん、本当にスゴイですね。脚本も彼女が書いたそうですが、頭の中かち割って見てみたいですよ。

扱っている題材は「殺人か事故か」という法廷サスペンスという形を取っていますが、見せたいモノはサスペンス部分のカラクリ云々ではなくて、あくまでも「人間心理・家族の風景」なんだろうと思います。
「田舎で家業を継いだ兄と、都会で奔放に生きる弟」の関係とお互いの心理状態を巧みに見せて行きます。

とにかく見せ方がウマい。
兄弟の家庭環境や立場や心理状態を多くは語らず、ちょっとした会話や映像で少しだけ見せて観客に印象付ける。
智恵子はどうやら田舎にいた頃に猛と恋人同士だったらしいが、それは2人の会話からそれとなく観客に連想させるに留まっていて、はっきりと明言はしない。
猛と父親には根深い確執があるようだが、それは法事の席での会話やその後の稔とのさりげなく語られる会話の中で、何となく観客に悟らせるように演出されている。

それは兄の思惑や弟の心理状態にまで到っている。
いつも優しい笑顔で周囲に気遣いを見せる兄の、長年に渡り鬱積していた心の闇。そして兄に実家の全てを押し付けて都会に逃げてしまった負い目を感じつつもずっと慕って信頼し続けていたのに、その優しかった兄の心の闇を見せ付けられて兄への信頼に揺らぎが出て困惑する弟。
どちらの立場も状況だけを観客に見せて、その心の内面までを事細かに説明するくだりは1つもなかった。

普通なら「説明不足で訳がわからない」と言われてもよさそうのなモノのなのに、全くストレスを感じない。
最低限の情報を観客に見せる事で最大限の心理効果を狙う、非常に巧みな演出がされていたと思う。

何も語らない。明確な正解を出さない。
それでいい。この映画は「本当は殺人だったのか?事故だったのか?」という事よりも、この事件で兄弟がお互いの心の闇に対峙して、自分の心の本当の気持ちを悟る事に意味がある。
それを観客が自分の今の心理状態で解釈すればいいのだと思う。答えは決して1つではないと思う。

この映画を見る観客の、生まれ育った環境や立場や今の状況で、この映画の解釈は変わるんじゃないかと思った。
でもそれでいいんじゃないかと思う。ラストシーンのカットの切り方も絶妙でした。
大人向けの秀作邦画です。子供には向きませんので、大人の方が1人で見に行って感じて欲しい高度な作品です。






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2006年08月01日(火) 夜のピクニック

監督:長澤雅彦
出演:多部未華子
    石田卓也
    郭智博、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
24時間掛けて80キロの道程を歩くという高校生活最大のイベント「歩行祭」、高校生活最後の歩行祭を迎える甲田貴子は、自分の中で密かな賭けをしていた。それは1度も会話した事のないクラスメート「西脇融」に話しかける事。そんな簡単な事が出来ない理由が貴子にはあった。でも親友にも理由を言えず1人秘密を胸に秘める貴子。いよいよ最後の歩行祭が始まり、貴子は友人達と歩き出すのだったが・・・


【感想】
恩田陸氏著の同名タイトル小説の映画化。
本作の原作は第2回「本屋大賞」を受賞し、当然だけどバカ売れしているそうです。
昨年公開になって大ヒットした映画「博士の愛した数式」が第1回の本屋大賞作品でしたよね。これは期待大です♪

・・・と、すんげー期待していたんですが「どーもなんだかなぁ」な作品でした(涙)

本作は「歩行祭」というイベントを淡々と見せて、そのイベントの様子を見せる事で、「友情」の大切さだったり「青春」を謳歌する高校生の等身大の姿を清々しく見せる・・・という趣向な訳です。
元々青春映画って余り得意なジャンルじゃない(ってか、ぴよが年齢的にすっかり賞味期限切れしてるんだな)んだけど、根本的に見ててぜーんぜん面白くないし、感動もしないし、ジーンともしないんですよ。

主人公の貴子、それから西脇が何を考えているのかさっぱり判らなかったんですわ。
この2人は実はとんでもない関係なんですが、その事について本人達はどんな気持ちを抱えて高校生活を過ごし、どんな気持ちでお互いを見つめ合い、そしてどうして「何としてもこの歩行祭で会話をしなければ!」と貴子が思ったのかが、映画を見ていてはっきり判らない。

お互いが「アイツは私(俺)の事を絶対に嫌ってるよ」と思っているものの、じゃあアンタはどーいうつもりで何を思って相手を見つめてるのさ?という部分には全く触れないので、その視線にはどんな感情があるのかが判らない。
映画中ではクラスメートに「お互い好き同士なのに、恥ずかしくて声が掛けられないんだネ♪」と誤解されて散々茶化されるシーンが出てきますが、それはそれ、これはこれで、観客には主人公2人の心の中をもう少し説明してくれてもいいんじゃないの?と思ったんですよ。

それからNYに転校していった友人の弟が・・・コイツ、はっきり言ってジャマですよ(苦笑)
ってか、セリフが絶対に変です。西脇に「アンタは兄弟いないの?」と聞いた時、西脇が「いない」と答えると、今度はその返事に対して「ホントにいないの?秘密の兄弟はいない?(←はっきり覚えてないけど、こんなよーなセリフ)」と更に聞き返して来るんですわ。
こんな質問するヤツ、世の中にいますか?「兄弟いる?」「いない」で会話終了でしょ。あり得ませんヨ!

映画中に「はぁ?」と腰が砕けそうになるアニメーションも登場して、何が何だか訳判りませんわ。
なぁ〜んかエピソードも退屈で・・・居眠りこそしなかったものの、睡魔に襲われて辛かった事、辛かった事。(^-^;

少なくとも本作を見て「これは面白い!原作を買って来て読んでみよう!」とは思えなかった。
逆に原作を先に読んでおけば、本作を楽しむ事が出来るんでしょうか?よく判りません。
原作はバカ売れしてるらしいので、きっと素晴らしい作品なんでしょう。でも映画の方はちょっとな・・・(苦笑)







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