ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年01月31日(火) 燃ゆるとき

監督:細野辰興
出演:中井貴一
    鹿賀丈史
    大塚寧々、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
即席めんを主力商品にし、日本のみならずアメリカにも拠点を置く「東輝水産」は、アジア各国の格安商品に押されて米国現地工場の大々的な建て直しに迫られた。社長と現地法人社長の熱い信頼を受けて、資材担当の川本は単身渡米し再建に着手した。現地従業員の一時的レイオフ、大幅なコストカット、そして米国人の嗜好に合う新製品の開発を再建の柱にし、古株社員との軋轢を乗り越え、ようやく立て直しに成功したかに見えたのだが・・・


【感想】
高杉良氏著の大ベストセラー小説「ザ エクセレント カンパニー/新・燃ゆるとき」「燃ゆるとき」を元に脚本を起こし、商品開発と会社再建に命を懸けるサラリーマンを描いた作品。
高杉氏の小説は実在する企業「東洋水産(マルちゃんブランドでお馴染み)」をモデルにし、原作では実名を使用しているそうですが、本作では「東輝水産」と名前を変更してあります・・・映画も実名使っても問題ないと思うんだけどな。って言うよりもむしろ東洋水産さんにしてみれば、是非実名使用してもらいたいんじゃないかしら?(^-^;

高杉氏の原作は社名の実名使用しているくらいだから、きっとこの話はある程度事実に則っているんでしょうね。
映画のエピソードのどの部分が事実でどの部分がフィクションなのかは知りませんが、もしこの映画に登場する川本以下、社長や現地法人社長やその他の邦人社員のような素晴らしい人材ばかりが揃っている企業だとしたら・・・東洋水産さんはそりゃー鼻が高い事でしょう。

もうとにかく在り得ないレベルの人徳者揃いですヨ。
在り得ないレベルの人徳者揃いなので、巨悪のアメリカ企業にまんまとハメられちゃいますし(をい)
しかも、まんまとハメられたのに揃いも揃ってバカが付く程のお人好し。このお人好し揃いの企業が何だかんだで持ち堪えたんだから、よっぽどアメリカさんはマヌケと言うのかツメが甘いと言うのか・・・(こらこら)

いや、そーいう事ぢゃなくて(^-^;
要するに「企業で人を動かすのはマニュアルや巨大な力や資金ではなく『真心・誠意・思いやり』なんですヨ」という話なんだろうな、「どんなに大企業になっても初心を忘れず、信頼し合う姿勢と信頼に応えられる能力を持った人材を育てていく事が大切なんですヨ」という話なんだろうな、って思ったんですけどネ。

まあそんな訳で、とにかくいい話です。
倒産寸前の企業経営者の方が見たら、涙が怒涛のように流れて「俺も明日から東洋水産さんを見習うぞー!」くらいは思っちゃいそうな素晴らしいお話です。勿論文句の垂れる箇所なんてあるわきゃーありません。

でも・・・この作品、どうして「映画化」なんでしょう?
NHKさんにお願いして「プロジェクトX・2時間特別編」という形で製作してもらったり、はたまた演出上手な民放さんにお願いして2時間特番枠で作っても、全然事足りるんじゃないかと思うんですが。
確かにとてもいいお話ですが、わざわざこの作品を1800円払って映画館で見る人がどれくらいいるんだろうか?
少なくとも、一番映画を見に行く年層がターゲットにするネタではありませんよね?

役者の演技は良かったですね。中井貴一氏ってこういう誠実なサラリーマンの役がとてもよく似合う。
その他のキャストも芸達者揃いで見応えもありますし・・・でも「映画」と言うより「2時間TVドラマ」って感じ。
見て損はないですが、DVDレンタルでも充分なんじゃないか?って気はしますなぁ(^-^;







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2006年01月30日(月) シリアナ

監督:スティーブン・ギャガン
出演:ジョージ・クルーニー
    マット・デイモン
    ジェフリー・ライト、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
CIA諜報員ボブは、息子の大学進学を機にキャリアに終止符を打つ決意をする。野心家弁護士ベネットは、アメリカの巨大石油会社合併の調査を依頼され、某社に優位になるように遁走する。エネルギーアナリストのブライアンは、ある事件がきっかけでアラブの石油王ナシール王子の相談役となる。パキスタン人青年ワシームは中東の油田に出稼ぎに来ていたが、石油会社の合併騒ぎで一方的に解雇され、生きる希望を失いかけていた・・・


【感想】
ソダーバーグ監督「トラフィック」のメンバーが再集結して作った、全米を震撼させる驚愕の社会派サスペンス。
監督・脚本はトラフィックでアカデミー脚本賞を受賞したスティーブン・ギャガン氏。勿論製作にソダーバーグもクレジット。
トラフィック同様、本作も全く別の場所でそれぞれ違う思惑で動いている人間達をバラバラに見せ、全く関係のないハズの登場人物達が微妙に絡み合って、最終的に「石油の利権」という大きなうねりに呑み込まれるまでを描いて行きます。

まあ・・・一言で申し上げるとですね、


すんげー判りにくい!


最終的に何が言いたいのかは勿論判るんですが、とにかくそこに辿り着くまでが見てて疲れる!疲れる!
全米では衝撃的なネタらしい?んですけど、言っちゃ〜何だが「こんな事、知らない人が本当にいるのかよ?」と思うくらい当たり前の「世界の常識@巨悪の米国」を題材にしているんですよね。

これはごくごく個人的な感想なのかもしれませんが、最近立て続けに「イスラム教」「コーランの教え」に関する書物を読んでいたので、パキスタン人青年のエピソードのくだりは非常に興味深く見ていましたね。
本作、アメリカさんが作った映画にしては「イスラム教徒」「イスラム原理主義」に関して非常に丁寧に、そして好意的に描かれていたんじゃないかと思ったのですが。

コレ書くと世界中から非難轟々になりそうなんだけど・・・
最近イスラム教に関する書物を色々読んでいて、彼らの主張にすごく同調している自分がいるんですよ。イスラム教って元来とても素晴らしい教義でしてね、確かにテロというのは絶対にやってはいけない行為ですが・・・ぶっちゃけ「アメリカ同時多発テロ、やられてもしゃーないんちゃうん?」くらいの気持ちになっちゃってましたから(^-^;
「アメリカなんてなくなっちまえ!」と、イスラム教徒やアラブ各国の皆さんが呪ったって仕方ない状況と理由がある。

その、「アメリカなんてなくなっちまえ!」と呪われる状況と理由を「判りにくく」説明してくれている作品だな、と(笑)

「トラフィック」の時は、あのバラバラに提示したエピソードが「麻薬」という大きな1つのうねりに呑み込まれて行く様子が非常にドラマティック且つ衝撃的だったんですが、本作はそれが単なる「ドキュメンタリータッチ」の枠を出ない。
ダラダラとエピソードが流れるだけで、全く衝撃もなければドラマ性にも乏しかったように思う。

世界中の(アメリカ国民以外の?)誰もが知ってる常識ネタを見せているんだから、どれだけドラマティックに「映画」として楽しませてくれるんだろう・・・と期待が大きかっただけに、コレはちょっといただけませんヨ。

まあ、回りくどい「ブッシュ政権批判映画」だと言うとドンピシャなんですが(苦笑)
本作を見て、イスラム教の教義やコーランについて少しでも興味を持ってくれる人が増えれば、そして彼らに対する偏見が少しでも減れば、もしかしたら何か違う動きが米国内で今後起こるかもしれない?・・・起こらないか(^-^;








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2006年01月27日(金) ミュンヘン

監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:エリック・バナ
    ダニエル・クレイグ
    ジェフリー・ラッシュ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック選手村にパレスチナゲリラ「黒い9月(ブラック・セプテンバー)」が押入り、イスラエル人選手団11名を人質に政治犯の釈放を求める事件が発生。人質11名全員死亡という最悪の結果となった。これに激怒したイスラエル機密情報機関「モサド」は暗殺団を結成し、この事件の首謀者11名の暗殺を開始する。暗殺団のリーダー・アフナーは次々と暗殺を実行していくのだが、次第に自分達のしている事に疑問を持つようになる。


【感想】
スピルバーグの新作社会派サスペンス。
彼は「E.T.」「インディ・ジョーンズ」「宇宙戦争」に代表されるSFモノと「カラー・パープル」「シンドラーのリスト」みたいな社会派モノを交互に作っていますよね。きっと彼の中で一つの枠(イメージ)に固執しないで、自分のやりたい「相反するジャンル」を交互に作る事で観客を楽しませようという意図があるんじゃないかと思うのですが。

ミュンヘン・オリンピック開催時に起こった悲劇を題材にして、「テロとその報復」という悪循環を赤裸々に見せる事で、世界に対して問題提起をしている・・・という趣向なんだろうなぁ、と思うのですが。

自身がユダヤ人であるスピルバーグがこのネタに敢えて着手したというのは非常に興味深いと思う。
当然だけど鑑賞前に想像してたのは「ユダヤ人万歳」な、一方的にパレスチナゲリラを批判する内容なんだろうなぁ・・・というトコロだったんですが、蓋を明けると決してそういうモノでもない。
むしろ「やられたからにはやり返せ!という考えはどうなのよ?」というメッセージの強い作品だったと思う。

主人公の暗殺団リーダー・アフナーは、最初の内は「自国の正義を貫く為に報復は当たり前だ」という姿勢でいる。
でも暗殺を続けて、次第に自分達の面が割れて今度は自分達の命が狙われるようになると、ようやく自分のしていた事が本当に正義なのかどうか疑問に思うようになる訳だ。
例え自国の罪のない人間を虐殺した相手だとは言え、所詮自分のやってる事も「単なる人殺し」ぢゃないか、と。

テロの標的になった事のない「日本」に住む「日本人」のぴよだから思うのだろうか・・・
「血に血で報復をすれば、更に相手も血を求める悪循環に陥るのは当たり前でしょ」
「どんな理由があろうが人殺しは人殺し。どちらかが断ち切らなければ終わらない事くらい判るもんでしょー」
と、醒めた目で見ているというのは。

結局「テロを起こす」「それに報復するのは当たり前」という感覚は、日本人には到底理解が出来ない事だと思う。
自国を失った事も植民地化した事もなく、単一民族・単一言語で島国根性丸出しに生きて来た日本人に、ユダヤ人の悲劇の歴史も、パレスチナ人の喪失感やユダヤ人に対する恨みも、理解出来るハズがない。
国民性・アイデンティティが違い過ぎるんですよ。

だから映画を見ていて「で、結局何をどうしろと言うのさ?」という疑問符しか残らない。
元々ユダヤ人達が住んでいて追われた場所なんだから、イスラエルという国が出来たっておかしくないと思う一方で、ユダヤ人達があの場所を追われて世界中に散り散りになってから何千年経ったと思ってるんだ!今更アメリカのご都合で取って付けたようにいきなり「イスラエル」なんて国を無理矢理作りやがって、フザけんぢゃねーよ!と憤るパレスチナの皆様の心情も判らないでもない。

でも「じゃあ殺しまくればいい」ってーもんでもないでしょ、と日和見日本人のぴよは思う。
堂々巡りだけど自分の中で答えが出ない。そしてこの映画も「じゃあどうすればいいのか?」という結論は出さない。
自分のしている事に疑問を持っても、だったら何が最良の手段だったのかは誰にも判らず終いなのだ。

ただ、この映画の「もしかしたら一番のキモ?」と思ったのはラストシーンのショットですね。
コレは超ネタバレになるので文字を隠しますが(以下、ネタバレしたくない方は【】内ドラッグ禁止)

自分でも答えの出ないモサドの暗殺団リーダー・アフナーが佇む背後にいつまでも写る【WTCビル】の風景。
結局血を血で洗うユダヤ人絡みの中東のゴタゴタの影に暗躍するのは【強大なアメリカ】なんだろうと。
ユダヤ人問題に限らず、世界の戦争を常にリードし続けた上にちゃっかり儲けているのはこの国なんだろうと。
だからあんな悲劇が起こってしまったのだろう・・・かの国にしてみれば「飼い犬に手を噛まれた」というトコロだろうと。

上記の【】内をドラッグした方もしなかった方も、ラストシーンの風景だけは見逃さないようにしましょう(^-^;







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2006年01月24日(火) 単騎、千里を走る。

監督:チャン・イーモウ
出演:高倉健
    リー・ジャーミン
    ジャン・ウェン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
長年の確執から10数年も会っていない息子が不治の病で余命いくばくもないと知り、高田は息子がやり残した仕事である中国奥地の仮面劇「単騎、千里を走る。」の撮影を、息子の代わりに自分が撮影しようと中国大陸に向かった。
ところが息子が撮影を約束した踊り手は、犯罪を犯して刑務所にいると知る。中国語が判らずに迷走する高田だったが、高田の熱意に心打たれた現地の素朴な人々は、何とか彼の願いを叶えようと遁走するのだった。


【感想】
「HERO」「LOVERS」等でお馴染みのチャン・イーモウ監督の新作。
彼が長年憧れ続けた高倉健さんとタッグを組んで製作したという、チャン・イーモウ渾身の一作!ってな感じでしょうか。
チャン・イーモウも憧れてたらしいが、ぴよも実は子供の頃から健さんが大好き♪学生時代に「夜叉」という映画が公開になった時に、友達に一緒に見に行こうってあちこち散々誘ったのに、誰も乗って来てくれなくてさー(涙)・・・仕方ないからママを誘って見に行きましたよぅ!←バカ

さて、そんな訳でチャン・イーモウ監督の気持ちはよーく判る。
彼はきっと「健サンがどんなにステキな人なのか、どんなに俺が憧れ続けた人なのか、皆に判って欲しい!」という、たぎりまくる熱意で脳味噌が溶けて流れて行ったんでしょう(をい)
よーするに「俺が憧れ続けた健サンの為の、健サンがステキに見える映画」になっていたなー・・・という事ですよ。

だってね、健サンったら雪深い海辺の寒村で猟師なんかやっちゃってるんですよ!
出来過ぎですよ!まるまる健サンぢゃーないですかっ!!
すっごく朴訥なんですよ。そんで俯き加減でボソリと「自分はぁー・・・」って言っちゃうんですヨ!
健サン、ありがとぉぉぉぉーーーーーーーっ!! ←だからバカですってば(苦笑)

そんな健サンがステキ♪なロードムービー&素朴な中国の田舎の皆さんとの心の交流劇。
オイシイものをぜぇーんぶ詰め込んで、日中友好に一役買ってくれる事請け合いのファンタジーでしたね♪

・・・じゃあ、文句垂れる場所なんてないじゃないか<自分

と思うんですけどねぇ。なんでしょう?何か「しっくり来なかった」って言うのか。
何だか「出来過ぎ」「狙い過ぎ」って感じがするんですよ。中国人キャストは殆ど素人さんを起用して、演技力がない分そのままの素朴さを生かす事で雰囲気を大切にしているそうなんですわ。
監督のこの狙いはバッチリ生かされていたと思いますよ。

でもね、コレ言うとすごーくイジワル発言みたいでアレなんですが・・・
中国の方って「日本人」ってだけでかなり嫌な顔しますよ。半端な田舎に行けば行く程それが顕著になるんですよね。
ぴよが今まで出会った中国人って大体2つに分かれるんだよな。「日本人と判ったらとことん金を搾り取る」タイプと「日本人と聞いただけで相手の人となりは全く見ないで闇雲に嫌う」タイプ。

だから、高田の気持ちを知ってガイド料を受け取らない通訳なんて考えられないし、田舎の村で高田を歓迎して村民総出でお食事会をするシーンなんて「この食事代、後から高田に請求書が回るな」と思いながら見てたんですわ(笑)
(ぴよのパパが、生前仕事で中国の田舎に行った時に実際経験しているんですよ。えぇ)

中国人蔑視するつもりもないし、中国が嫌いでも中国人が嫌いでもないですよ。
でも実際の中国人と現地で多少なりとも関わった事のある日本人が見たら、この映画に出て来る人達は絵空事にしか見えないんじゃないかと思うんですわ。
確かに田舎の素朴で屈託のない笑顔の人民達は沢山いるハズ。でも会う人会う人誰もが善人過ぎるのは、余りにも現実とギャップがあるよなぁ・・・と思わずにはいられない。

まあね、ココをあんまり突っ込んじゃうと「だったら健サンみたいなオヤジ、日本に何人いるんだよ!?」って言われるとぐうの音も出ませんからね・・・まあ「どっちもどっち」のイーブンって事で(笑)
これが「対・中国」の話でなければ、ぴよも素直に心温まるヒューマンドラマとして見れたと思うんですが、多少は摩擦を知っている(自分がそれを体験している)国が相手の話だったが為に、ファンタジーの中に自分の知っている「リアル」を重ねてしまって勝手に白けちゃった・・・って事ですわ。

中国人や中国に対して全く知識のない方でしたら、本作を見て必ず感動にうち震える事でしょう!
多少は日中摩擦を肌で経験している方は・・・本作のような関係になれる日を夢見ながら楽しみましょう(^-^;







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2006年01月18日(水) 天空の草原のナンサ

監督:ビャンバスレン・ダバー
出演:ナンサル・バットチュルーン
    ウルジンドルジ・バットチュルーン
    ツォーホル(犬)、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
モンゴルの大草原に住む、とある遊牧民一家。夫婦と6歳になる長女ナンサ、妹とまだ幼い弟の5人家族だ。寄宿学校から戻って来たナンサは、洞窟で子犬を見つけて連れ帰った。ナンサは子犬に「ツォーホル」と名付けて可愛がるのだが、父は飼う事を許してくれない。ある日ツォーホルとはぐれてしまったナンサは、遊牧民のおばあさんから「黄色い犬の伝説」の話を聞かされるのだが・・・


【感想】
全国の「幼女ファン」の皆様、こんにちは! ←この書き出しはマズいだろ(苦笑)
予告編でナンサちゃんの真っ赤なホッペを見て、「コレは幼女フェチ(←だからぁ〜)として見逃してはいかん!」と、喜び勇んで見に行きましたよーだ!

真面目に本作のあらましを書くと、
「らくだの涙」で世界的に認知度の上がった新鋭ドキュメンタリー監督ビャンバスレン・ダバー氏の新作です。
本作は実在するモンゴルの遊牧民一家に密着して、ドキュメンタリータッチで撮影しながら、一応ドラマとして内容を構築しているという・・・「半・ドキュメンタリー/半・創作ドラマ」な作品です。

本作を一言で語ると「究極の癒し映画」ですか。

とにかく子供達の素朴で愛らしい様子は、幼女フェチじゃなくても思わずにっこりしてしまう事請け合いです。
それに、ナンサが出会う子犬の「ツォーホル」の可愛らしい事と言ったら!犬嫌いの人が見ても、この映画を見た帰りに思わずケンネルに寄って子犬を衝動買いしてしまいそうな魅力を放っていますヨ!

愛らしい子供&小動物、そしてめくるめくモンゴルの大自然。
子供に癒され、子犬に癒され、そして大自然に癒され・・・コレ以上何を求めるのかー!←このパターン最近多いワ

そんな訳で、非常に「かったるい」です。
遊牧民の日常を淡々とナチュラルに見せてくれるので、すっごく「緩い」です。
少なくとも、めくるめく展開の「ハリウッド映画」がお好きな方には決してオススメ出来ません。

でも、何だか「イイモノを見た」という気持ちにさせられる不思議な作品ではありますね。
遊牧民の素朴な生活を淡々と見せつけて旅情を誘いながら、「輪廻転生」にまつわるネタをうまく絡め、尚且つあくまでもドキュメンタリーとしての姿勢は保ち、誰もが「癒された!」と思わされるという、非常にバランスの取れた作品だったなぁ〜!と、構成の上手い作品だなぁ〜!と思わされましたね。

簡単に言えば「眠たくなる」んですよ(コラ)
余りに「癒し度」が高くなると、人って眠たくなるんです。少なくともぴよは眠くなるんです!

もちろん膝をつねったりして、何とか寝ないで最後まで見ましたが・・・睡魔との闘いは厳しかった。(^-^;

でも非常に質の高い、ちょっとお目に掛かれない魅力を放った「ドキュメンタリーっぽい」ドラマです。
「黄色い犬の伝説」のネタがいつ生かされるのか?と思ってたら、ラストのラストでナンサちゃんがとっても可愛い独り語りをしてくれるんですよ・・・このシーンを見た誰もがにっこりする事でしょう。

本作をご覧になる方は、前日までに体調を整えて充分な睡眠を取った上でご鑑賞下さい。
ぴよのように、半端に寝不足な状態で見るのとは全く違う感想が得られる事でしょう(薄涙)






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2006年01月17日(火) パーフェクト・マン

監督:マーク・ロスマン
出演:ヒラリー・ダフ
    ヘザー・ロックリア
    クリス・ノース、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
シングルマザーのママと妹と3人家族の女子高生ホリー。下らない男と恋愛しては失恋→引越しを繰り返すママに着いて行くのにうんざりしていたホリーは、新しく引越した先で今度こそ安定した生活を送りたい!と一計を案じ、友達の叔父さんをモデルにしてママにお似合いの「パーフェクトな男性」をでっち上げて、手紙やインターネットを駆使してママに恋愛気分に浸ってもらう事に。ところがウソにウソを重ねる内に、ママの恋人は自分が捏造していると言えなくなってしまい・・・


【感想】
1月13日〜17日までサイパンにぷちバカンスしてました。
てな訳で、サイパン−名古屋間(帰りの便)の機内上映で鑑賞した映画の感想など。
本作、日本公開の予定が立っていないようです。ですから今の所邦題が判らないから「The Perfect Man」という原題で感想をUPしますが、今後邦題が判り次第タイトル変更しますのであしからず。

本作はアメリカで爆発的人気のティーン・セレブ「ヒラリー・ダフ」主演のアイドルラブコメだそーだ。
すいませんねぇ。ヒラリー・ダフ嬢を全く知りません。日本のティーン・セレブすら知らないぴよが、海外のティーン・セレブまでカバー出来るハズがないんですよ。
ちなみに他の出演者もぜーんぜん知らん。クリス・ノースという濃い顔のおじさまは「Sex and the City」なんぞにもご出演なさっているそーなんですが、「Sex and〜」シリーズ見た事ないんですわ。えぇ。ほんとーにすいません(^-^;

てな訳で、話はクソでした。←いきなり何を言うか(苦笑)

いやぁ・・・何でしょうねぇ。腹が立って仕方なかったですねぇ。
そもそも子供の教育そっちのけで、男のケツばっかり追いかけ(しかもクズ男ばっかり)、挙句失恋すると「新しい冒険」とか訳わかんない事言って子供巻き込んで引越しを繰り返すシングル・マザーですよ。
アホですか、このオンナ。いくら子供に対して愛情があったって、これぢゃー子供がグレない方が不思議ですわ。

と、娘のホリーに同情していたら、親が親なら子も子でしたわ。
最初の内は許せる範囲だったホリーの捏造劇も、度を越して他人振り回して迷惑掛けまくるまで行くと話は別。
大体からして、何の承諾も得ずに同じ町に住んでいる友達の叔父の写真を勝手に利用して、もし自分の知らないトコロでばったりママとその叔父さんが道ですれ違ったらどうするつもりだったんでしょうか?
何もかもが理解に苦しむ行動&エピソード&設定。完全に破綻してると言っていいでしょ。

散々捏造しまくってママをコケにしておいて、挙句の果てにママにウソがバレた時のホリーの言い分が
「ママには強くカッコよく生きて欲しい」←みたいなおキレイなセリフ
・・・はぁ?そんなセリフでママが立ち直っちゃうくらいなら、もっと前に訴えておけよ、と。

ってか、映画冒頭で「ママは自分の事ばっかりで子供の事を考えてくれない!」って娘に訴えられてるにも関わらず、全く聞き入れもせずに引越しを繰り返している「超ド級のバカ母」ですよ。
今更「強く生きて」なんて言われた程度でサックリ改心してるようじゃーお話になりません。
最後に何となく「大団円」になって行く様子を見て、溜息しか出ませんでしたねぇ。アホな話ですわ。

要するに、これは「ヒラリー・ダフ」というティーン・セレブ嬢が可愛らしく見えればOKなんだろうと。
ヒラリー嬢が一生懸命頑張って(方向性は全く間違っているが)、ちょっぴりワガママだけど憎めないカワイコちゃんで、本当はママも子供の犠牲になっちゃったちょっぴり気の毒な人で、だからどんなバカ母でもアホ娘でも所詮は美人母娘のやる事だから万事OKぢゃん♪みんなに愛されて当たり前ぢゃん♪みたいな話です。

まあ・・・お軽く見るラブ・コメ、最後がハッピーなら何でもアリ♪でOKな方なら、本作はなかなか楽しめるでしょう。
全く知らなかったぴよが見ても、ヒラリー嬢は本当に可愛らしいお嬢さんでしたから。可愛い女の子は得よねー(^-^;







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本作の邦題が「パーフェクト・マン」だと判明しましたので訂正しました。

(2006.4.27)





2006年01月11日(水) スタンド・アップ

監督:ニキ・カーロ
出演:シャーリーズ・セロン
    フランシス・マクドーマンド
    ウディ・ハレルソン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
夫の暴力に耐えかねて、2人の子供を連れて故郷・北ミネソタに戻って来たジョージー。2人の子供を養う為に、最近ようやく女子労働者も受け入れる事になった炭鉱に就職するものの、男社会の炭鉱で執拗な嫌がらせとセクハラに悩む。だがシングルマザーで長男を産んだ彼女は「アバズレ」のレッテルを貼られ、同僚も友人も家族さえも理解してくれない。孤立無援の中、ジョージーは会社を相手取って訴訟を起こす決意をするのだが・・・ 


【感想】
クララ・ビンガムとローラ・リーディによる共著「集団訴訟」の映画化。
本の映画化というよりも、そもそもこの原作が事実を元に書かれているので、「事実の映画化」と考えていいでしょう。
主演は「モンスター」でオスカーを手にした記憶も新しいシャーリーズ・セロン。監督は「モンスター」とオスカー像を競い合った秀作「クジラの島の少女」のメガホンを取った、女流監督ニキ・カーロ。

「事実を元にした」「アメリカの様々な差別に苦しむ女性が」「立ち上がる話」
この3つのお題で誰もが思い出すのは、ジュリア・ロバーツが念願のオスカーを手にした「エリン・ブロコヴィッチ」でしょ。
「エリン〜」が割と明るくハイテンポなイメージだったのに対し、本作は非常に重くずっしりと描かれている気がします。

今ではどの国でも当たり前になった「セクハラ訴訟」の先駆けになった事件の映画化ですので、重くなって当たり前だと言われればその通りなんですが、本作は「セクハラ訴訟」自体を見せるよりも、そこに到るプロセスとジョージという女性が抱える問題と周囲との軋轢、感情の行き違いや誤解と偏見、更にどん底からの脱却という「ヒューマンドラマ」にした事で、より観客が入り込み易く、共感を得られるように作られていました。

言い方は悪いけど、シャーリーズ・セロン嬢はおキレイなのに「汚れ役」がとても似合う。
「モンスター」の演技も素晴らしかったけど、本作の「アバズレのレッテルを貼られ、家族にまで蔑まされた女」というキャラクターも、非常にジョージという女性の内面まで入り込んだ「生きた演技」を見せてくれましたね。
彼女の生い立ち自体が複雑なので(知らない方はネットで調べりゃー直ぐにヒットしますワ)、こういうちょっと難しい複雑な心理状態の女性にセロン嬢は共鳴し易いのかもしれません。

ほかの出演役者も豪華なら演技も秀逸。でもどんなにいい役者を使ってもクソ映画は山ほどある。
本作は「ヒューマン」という柱がしっかりしていて、軸のブレない秀逸な脚本と監督の力量も評価大でしょうね。
あんまり書くとネタバレになっちゃうから何ですが・・・組合総会?みたいなシーンで、ジョージーのパパがスピーチする場面があるんですが、このシーンはマジ泣きしましたヨ!

女性の共感度が高いのは当たり前ですが、是非男性にも多く見てもらいたい作品です。
炭鉱の男達は、ただ闇雲にジョージーをいじめた訳じゃない。彼らだって生きる為に必死になってる。
それに誰も彼もがいじめてた訳じゃない。ちゃんと女性の社会進出を認めて受け入れている男性だって存在していた。

そういう背景もきちんと描き込んだ上で、「女性の頑張るムービー」です。
決して一部フェミニストの為の作品ではないですヨ。食わず嫌いしないで是非鑑賞してみて下さい♪







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2006年01月10日(火) Mr.&Mrs.スミス

監督:ダグ・リーマン
出演:ブラッド・ピット
    アンジェリーナ・ジョリー
    ヴィンス・ヴォーン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
南米で出会い情熱的な恋の末結婚したスミス夫妻。結婚して5〜6年経った今はちょっと倦怠期気味だ。そんなスミス夫妻には共に相手に隠している秘密があった。何とお互いが敵対し合う組織の殺し屋だったのだ。
あるミッションを遂行中にスミス夫妻はバッティングし、お互いの真実の姿を知ってしまう。顔を知られたからには相手を殺さなければならない。リミットは48時間、スミス夫妻の壮絶な戦いが始まる!


【感想】
ようやく見ましたよぅ〜! ←最近この書き出し多いっすね(^-^;
11月にカンボジアに行った時に機内上映でやってたんだけど・・・何故か映画冒頭辺りで寝てしまった!
機内上映で寝るなんて事、本当に今までなかったのに。よっぽどつまんなかったのか?と自問自答しながらも、話題の2人の共演作をスルーする訳にはいかないので、今頃になってようやく鑑賞。

要するに「お気楽極楽痛快ラブコメアクション」な話ですわねぇ。
ハリウッドでウケて当然。アンジー姐さんとブラピの組合せでコケたらシャレになりませんし。
ってか、あの2人がこの作品をきっかけに付き合い出した・・・というニュースを聞いた時は「宣伝用のガセネタか?」と思ったモノですが、本当にそのまま付き合ってますネ。こっちのネタの方が驚きですよ(笑)

あの「ボーン・アイデンティティー」を撮ったダグ・リーマン監督作品なので、アクションが面白くない訳がないんですよ。
当然だけどこのメンバーで撮影してんだから、資金もさぞかし潤沢だった事でしょう・・・BMWは吹っ飛ぶ、豪邸も吹っ飛ぶ、アンジー姐さんも吹っ飛ぶ!ガンファイトも肉弾戦も何でもござれの大盤振る舞いだ!どーだ!参ったか!

ま、それ以上でもそれ以下でもないので、後はどーでもいいですわ。
話は誰もが予想した通りの粋から一歩も出ませんし、ただ派手なアクションシーンと、ちょっぴりエッチでラブなシーンを組み合わせて「こんなカッコいい夫婦ってどーよ!」で終わりですから、この映画のどこを吠えればいいと言うのか。
この美男美女を見ながら溜息付いて、アクション楽しんで、それ以上の何を求めるんぢゃぁぁぁー!

そんな訳で、非常にIQの低い「わっかりやすぅ〜い痛快ラブアクション作品」なので、付き合い始めてまだ日の浅いカップルから倦怠期で一緒にいるのが退屈なご夫婦まで、あまねくお楽しみ下さい♪って感じですネ。

今日の映画感想は随分お軽くなっちゃいましたネ。まあこの作品の質に合わせてっちゅー事で(笑)








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2006年01月08日(日) ロード・オブ・ウォー

監督:アンドリュー・ニコル
出演:ニコラス・ケイジ
    イーサン・ホーク
    ブリジット・モイナハン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ソ連崩壊前のウクライナに生まれたユーリーは、家族と共にNYに移住し、両親が営むレストランで働いていた。ある日ロシア人ギャングの銃撃戦を目撃したユーリーは、自分が成すべき仕事はコレだ!と戦場に武器を供給する仕事を始める。天性の商才があったユーリーは「ソ連崩壊」という追い風に乗り、瞬く間に世界有数の武器商人となった。だがそんなユーリーに、インターポールのバレンタイン刑事が背後から忍び寄るのだった。


【感想】
実在する5人の武器商人の話をまとめて1人のキャラクターに作り込み、「フィクションでありながらノンフィクション」というリアルな架空の武器商人「ユーリー」の半生を描いた作品。
映画の内容的にアメリカでは製作資金が得られず(当たり前だろう。苦笑)、結局カナダでようやく資金繰りが付いて製作されたという、何ともこの映画に似合うユニーク且つシニカルなエピソード付きです。

社会派ドラマなんだろう・・・と思って見に行ったら、ニコラス・ケイジ扮する「ユーリー」が自分の半生を独白しながら時系列に見せていくという趣向の「なんちゃって自伝モノ」でした。
ニコちゃんファンのぴよにとっては、最初っから最後まで「ALLニコ出ずっぱり状態」なので大満足ぅ♪

まあ・・・全然楽しくない話です(^-^;
この映画見て「面白かったー♪」という感想の人は恐らくいないだろうと思いますが、少なくとも見て損はない。
楽しくも面白くもなく、しかも何の救いもなく更に鑑賞後は何とも絶望的な気分にまでなってしまうのだが、それでも絶対に見て損はない「考えさせられる作品」だと思いましたね。

本作は「反戦映画」とも取れるのかもしれないが、少なくとも映画中に説教染みた反戦スローガンや、銃器所持反対を声高に叫ぶような野暮なセリフは1つも出て来ない。
それどころか、主人公のユーリーは「世界の12人に1丁銃を持っている計算になる。残る課題は1人1丁の世界だ」とまで言ってのけているのだ。
要するに反戦とは全く逆の動きを見せて・・・「何が諸悪の根源か?」を遠回しにチクチク刺すという趣向。

世間では、「反戦モノ・米国コケ下ろしモノ」と言うとマイケル・ムーア監督のようなわざとらしい「直撃ドキュメンタリー」がウケているみたいだけど、ぴよはムーア監督の作品よりもよっぽど本作の方が説得力もあるしリアルに感じるし「怖いなぁ」と思わされましたネ。

怖い話だが、実にユーモアたっぷりにシニカルに見せてくれて飽きない。
ニコちゃんの語りやセリフの一つ一つがまた絶妙で、随分笑わせてもらったんだけど・・・でも薄ら寒くなる程怖いのだ。
ユーリーは「死の商人」「戦争王」とまで呼ばれる大物武器商人だが、「たまたま武器を売る才能があったから」この商売をやっているだけで、彼自身には多少の良心の呵責はあろうが「罪の意識」というモノからは程遠い。

夫が武器商人だと知って詰め寄る妻に、ユーリーは苦しそうに(でも決然とした口調で)妻に語るのだ。
「(武器商人をやっているのは)金の為じゃない。才能なんだ」
・・・このシーンがぴよには一番恐ろしいと思ったし、武器商人達の本音であり、尚且つ今後もこの商売は益々栄える事があったとしても決して絶える事はないだろう、と実感させられる一言でしたね。

ウクライナだけでも、1982年〜1992年の10年の間で320億ドル以上もの武器が盗まれてどこかに行ってしまったという事実があるのを、日本人(世界中の人)はどれくらい認識しているのだろうか?
しかし、インターポールはそれだけの大規模な犯罪がありながら、今だ1人も逮捕したり告訴したり出来ていないのだ。

その理由がこの映画を見れば判る。空恐ろしい現実に目を背けたくない方は、是非本作をお見逃しなく!







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2006年01月04日(水) ハリー・ポッターと炎のゴブレット

監督:マイク・ニューウェル
出演: ダニエル・ラドクリフ
    エマ・ワトソン
    ルパート・グリント、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
クィディッチ・ワールドカップ決勝戦で「闇の印」が現れて人々は恐慌を来たす。そんな中で始まった新学期、魔法学校では100年振りに「三大魔法学校対抗試合」が行われる事になり、危険を伴うので17歳以上しか応募資格を与えない決まりになった。各校から代表者が選ばれた後、何故か14歳のハリーが4人目の代表者として「炎のゴブレット」が選んだのだ。
学校中から「抜け駆けだ」と非難を浴び、親友ロンまでもがそっぽを向く。孤立無援のハリーはどうなるのか?


【感想】
今更ですよ。よーやく見に行って来ましたわ。
もうそろそろこの映画も公開終盤でガラガラかなー♪と期待していったら、8割くらいの入りでしたね。こりゃーまだまだ当分は公開終了しそうになさそーだ・・・だったら別の映画見りゃよかったかなぁ(をい)
細々した説明は省きましょう。このシリーズの事を全く知らないって人もいないでしょうしネ。

原作未読のぴよですが、本屋に行けば「炎のゴブレット」がどれくらいボリュームのある作品かは判ります。
上下巻2冊で語られている壮大な物語が、たかだか2時間40分弱(これでも映画の尺としては長い方ですが)で表現しようという訳ですから・・・そりゃー忙しくもなりますわな。
簡単に言えば「原作のあらすじを忠実になぞったダイジェスト版」なんだろうなぁ・・・と。

一番驚いたのは冒頭の「クィディッチ・ワールドカップ」のシーンですよ。
前作までに(確か秘密の部屋だったか?)「内容に全く絡まないクィディッチのシーンならいらん」と書いたものの、映画冒頭の掴みとしてかなり面白くなりそーな絵を半端に見せておいて、いきなり肝心の試合シーンすっ飛ばしってどーよ?

確かにこのシーンで一番大切なのは「闇の印」が現れるというくだりだというのは判る。
それにしてもコレはいくらなんでも・・・だったら闇の印を出す場面を映画オリジナル脚本にして、もっと自然に見せてくれた方がよかったんじゃないの?と思うんだけどなぁ。
余りにも「原作の枠」に捕らわれ過ぎているんじゃーありませんか?

後さ、確か本作って「ハリーの初恋」も盛り込まれてて・・・って随分公開前に煽ってなかったっけ?
実は物凄く楽しみにしてたんすよね。楽しみにしてたのになんだよ、こりゃ!
・・・余りにもお粗末な「初恋」だから、いつ初恋してたのか判んなかったぢゃねーかよっ!!(^-^;
ハリーって14歳だろ?14歳の健全な男子だったら思い切ってヤッちまえ手ぐらい握ってみろよ!

それからさ、←まだ吠えるか
今作でようやく闇の帝王「ヴォルデモート」のお姿が登場した訳なんですが・・・想像を絶するお姿でしたワ。
原作の表現を忠実に再現するとこの作品の様相になるんですか?そーなんですか?
いやぁ〜、なんかハゲたショボい爺さんみたいなのが出て来たからびっくりしましたよ。ぴよが小さい頃に脳梅毒で鼻が落ちちゃったツルッパゲの爺さんが近所に住んでたんですがね、何だか懐かしい気持ちで見てましたヨ(苦笑)

まあ、物凄い勢いで吠えまくったんですが。
話自体はかなり面白かったですよ。絵もいい感じでしたし。
もう少しキャラクターの描き込みを丁寧にしてもらうと、話に厚みが出たんじゃないかなー?と思いますが。
でもこの「ダイジェスト版」にキャラの描き込みまで求めてしまうと、上映時間が5時間超くらいになりそーな・・・

だったら、思い切って原作本と同じく2作に分けて同時公開にしてもよかったんじゃないですか?
同時公開じゃなくても、2本まとめて撮って1年1本ペースで見せてくれた方が良かったんじゃないか?と思うんですよ。

きっと原作本はよっぽど面白い作品なんだろうと思う。
なのに、原作で語られている(であろう)キャラクターの説明、心と体の成長や心情の掘り下げが不十分な為に、単なるダイジェスト版になってしまうというのは余りに勿体無いと思うんですがねぇ。







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2006年01月03日(火) 東京ゾンビ

監督:佐藤佐吉
出演:浅野忠信
    哀川翔
    奥田恵梨華、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
ちょっと未来の東京の片隅、消火器工場で働くハゲのミツオとアフロのフジオは今日も柔術の練習に明け暮れていた。工場の近くには粗大ゴミから産業廃棄物、果ては不要になった人間まで捨てられて埋められているゴミの山「黒富士」がそびえていた。ある日、黒富士からゾンビが大量発生して東京は壊滅状態と化す。それから5年後・・・一部の金持ちによって作られたシェルター施設の中では、ゾンビと人間を戦わせる「ゾンビ・ファイト」が娯楽として楽しまれていた。


【感想】
花くまゆうさく氏の同名タイトル・カルトコミックの映画化。
浅野サンも翔兄ぃも好きな役者さんなので、その2人が初共演で(意外な事に今まで共演した事がないそーだ)、しかも予告編を見たら「翔兄ぃ@ハゲヅラ+浅野サン@アフロヅラ」・・・コレ見逃したらあかんやろ!ってな訳で鑑賞。

ここ数年、この手の「カルトコミック(カルト小説)」の映画化って本当に多いですね。
ぴよは特にカルトコミックには興味ありませんが、元々B級映画は大好きなので、比較的取りこぼしなく見てると思う。

この手の系統の傑作は、何だかんだ言っても「下妻物語」なんだろうなぁ〜と思う。
(ぴよは個人的に「地獄甲子園」を推したいトコロだが、誰も聞いちゃくれないだろう。苦笑)
絵作りの突飛さ、ハチャメチャながら筋の通った気持ちのいい脚本、テンポの良さとキャラクター作りの丁寧さ。どれもとっても今の所「下妻物語」を越える作品はないんじゃないかなぁ?どーでしょ?

そんな訳で、なかなか本題に入りませんが・・・よーするに、本作も「もう1つ」といった感じか。

キャラクターはかなりいいですし、浅野サンも翔兄ぃもハマってますよ。
結構笑わせるシーンもあるし、映像なんて「結構」ドコロか「かなり」手が込んでたと思いますネ。
本人到って大真面目でシリアスなんだけど、ディティールで笑わせるという手法も磐石。いかにもこの手の作品らしい。

でも、これは個人的な好みの問題だと思うんだけど「ぴよはもう1つ乗れなかった」って感じです。
面白いエピソードも多いんだけど、どこか突き抜け切れていない感じです。ネタ自体が相当突き抜けてるのに、何かテンポが微妙に悪いというのか間延びするというのか・・・このアンバランス感がお気に召す方には最強なんでしょうが、ぴよには乗れない要因でしたね。

そもそもネタも内容も、相当「人を選ぶ」「万人受けしない」タイプの作品ですので、根本的にオススメなんて出来るわきゃーありませんがネ(笑)
特に義務教育を終了していないお子様年層には絶対にオススメしません。
相当エゲツないネタ、エゲツない会話が登場するので、この作品を見て真似するよーになったら目も当てられません。
もしお宅のご子息・ご息女が「友達と東京ゾンビ見に行って来る!」と言ったら、是非命懸けで止めて下さい(^-^;

B級カルトモノが好き♪という「大人の方」限定で楽しむべき娯楽映画ですワ。







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2006年01月02日(月) SAYURI

監督:ロブ・マーシャル
出演:チャン・ツィイー
    渡辺謙
    ミシェル・ヨー、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
貧しさ故、花街の置屋に売られた少女・千代は、下女として働いていた。ある日、自分の身の上の辛さに耐えかねて橋の袂で泣いていた千代は「会長様」と呼ばれる紳士に慰められ、彼が芸者を従えていたのを目にした千代は、自分も芸者になれば会長様に近付けるかもしれない・・・という夢を抱くようになる。15歳になった千代は売れっ子芸者「豆葉」に目を掛けられて「さゆり」という名で芸者デビューし、念願叶って会長様と再会するのだが・・・


【感想】
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします♪

てな訳で、2006年の第一発目はハリウッド製作・日本の芸者さん映画。
アチコチのサイトで色んな説明がされてるので、今更書くのも面倒だ・・・ってな訳で、本作のあらましや説明についてはどこかの親切なサイトでご覧になって下さいヨっと。←酒飲んで感想書いてるから、かなりいい加減っすよ。へへっ

この作品、色んなトコロで罵倒されまくってるそうですねぇ。
「全然日本ぢゃねーよ!」「衣装から所作、踊りも芸者ぢゃねーヨ!」「主人公を中国人が演じてどーするヨ!」等々

ま、そーいう事にこだわる方は「ドキュメンタリー日本・京都芸者の今昔」みたいなのを見てもらってですネ、


すげーキレイですよ!
チャン・ツィイーちゃんがお美しいのは言うまでもないですが、映像美へのこだわりは相当ですね。
アングルにも非常にこだわっているし、小さなシーン一つ一つまでもとても丁寧に撮られていて好感持てましたね。
「日本にこんな場所があったらステキだネ♪」って白人サンの誰もが憧れる「アジアの秘密な場所」の話ですよ。
これが日本の京都だとか新橋だとかって限定して考えたら負けですネ(笑)
それに音楽も壮大で詩的で優雅で決め細やかでステキでしたワ♪←さすがJ・ウィリアムズ!ビバ!!

チャン・ツィイーちゃんファンとしては、うーんとチャン・ツィイーを褒めたいトコロなんですが、ぴよは彼女よりも「さゆり」の子供時代を演じた「大後寿々花ちゃん」の方が評価は高いですね。
恐ろしい程の美少女ぢゃないですか!薄幸でありながら天性のカリスマを持つ、誰をも魅了する「さゆり」の幼少時代を彼女以上に魅力的に演じられる子役が世の中にいるんだろうか?

大後寿々花ちゃんには是非アメリカ留学して頂いてですね、ネイティブな英語を習得してもらって、将来ハリウッドで誰もがひれ伏す「日本から発信したハリウッド・セレブ女優」に育ってもらいたいものですよ。
事務所の皆さん、是非ご検討下さい(笑)

話自体は結構ミエミエな「芸者ガール・一代記」みたいなネタなので、それ程退屈もしないしそこそこ面白いし、だからこそなのか?日本人が見るには「まあ・・・どこにでも転がってそーな話だなぁ」程度ですが、
ぴよは個人的に、このラストは結構意外だったんですけど。
【以下、ネタバレの可能性大なので、未見の方は読まない方が懸命かと】



貧乏故に置屋に売られた少女。でもその類稀な美貌とカリスマとウィットに富んだ会話が出来る知性で、花街一の伝説の売れっ子芸者になったさゆり。
彼女の苦労と「芸者」という特殊な世界に生きて来た女の半生の締めくくりが「ハッピーエンド」ってのが、ぴよはなんだか面白味がなさ過ぎないか?と思っちゃったんですがね。 ←非常にひねくれ者なんですよ。えぇ(涙)

もっと言うと、実は勝手にラストを自分の中で考えてたんですよね。
「結局さゆりは会長にも見捨てられながらも、芸者としては一流になる。そして芸者を究めて桃井かおりを超える」
「いや、もしかしたら・・・会長に言い寄られるものの、涙を呑んで断り芸者道を究めて、桃井k(以下、略)」
そーいう、「芸者を究めて男を手玉に取って生きる、力強い伝説の芸者@でも淋しい生き物サ」みたいなラストを想像してたりなんかしたんですよ。考え過ぎですね。えぇ、考え過ぎました(笑)

勝手に想像して「フツーに大団円」だったからって、文句垂れるのはお門違いです。
だから本作はコレで全然OKなんだと思います。
って言うか、まともな感覚の人だったらこのラストじゃなきゃ納得行かないだろうと思いますよ(^-^;

「英語と日本語が奇妙に交錯してて不気味」とか、アラ探し出したらキリがないんで、そこらはザックリと忘れて映像美と役者の熱演を楽しむ「エンターテイメント」方向で評価してあげましょう。
非常に良く出来た「欧米人向け@日本っぽい(←あくまでも『っぽい』ね)ステキ映画」になっていると思いますネ。







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