2006年02月28日(火) |
ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 |
監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:ホアキン・フェニックス リーズ・ウィザースプーン ジニファー・グッドウィン、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 最愛の兄を不慮の事故で亡くし、父親に疎まれて育ったジョニー・キャッシュ。成長したジョニーは空軍を除隊すると、猛烈にアタックしていた初恋の女性と結婚するが、音楽の夢が捨て切れずにゴスペルバンドを作ってオーディションに向かう。ところがゴスペルはウケずに空軍時代に作った歌でデビューが決まったのだ。売れ始めたジョニーは、ライブで子供の頃からの憧れの女性ジューン・カーターと共演し、瞬く間に恋に落ちるのだが・・・
【感想】 今年のアカデミー賞に5部門ノミネート、ゴールデン・グローブでも主要部門受賞というピカピカの映画です! ネタはここんとこ人気の高い?アメリカの伝説的ミュージシャンの半生をドラマティックに見せるというタイプ。 ところで今世界中に散らばるトップアーティスト達に多大な影響を与えたという「ジョニー・キャッシュ」の事を全く知りませんでしたヨ。こんなヤツがこの映画見ちゃーダメですか?(^-^;
んな訳で、ビバ!ドラッグ!! ←いきなり何を言うか
いやぁ〜・・・だって、カリスマミュージシャンってどーしてこんなにドラッグが好きなんでしょうか? 昨年オスカー主演男優賞を取った「Ray」ことレイ・チャールズもドラッグらりぱっぱ(コラ)でしたが、他にもドラッグ中毒者のアーティストを数え上げたら枚挙に遑(いとま)がないって感じでしょ。 んな訳で、ジョニー・キャッシュも御多分に漏れずドラッグに溺れて音楽界から消えるものの、克服して復活するのだ。
本作、歌を吹き替えなしでホアキン君とリーズ嬢が生歌・生演奏で頑張ってるそーですが、素晴らしいですネ! 「俺は音痴だから〜」とホアキン君はおっしゃってるそーですが、低音も響いてなかなか上手でしたよ。 ただ映画のラストでご本人さんの歌が流れるんですが、これは逆効果でしょう・・・ずーっとホアキン君はよく頑張ったなぁ!と思っていたのに、ご本人さんと比べちゃうと「うーん、やっぱりもう一歩かなぁ」になっちゃう。 逆に歌がヘタだからトークで間を持たす、というジューン・カーターを演じたリーズ嬢・・・歌上手過ぎですわ(笑)
「バカと天才紙一重」って言いますが、ジョニー・キャッシュも音楽に関しては天才ですが人としてバカたれです(をい) かなりの偏執狂なのに、気持ちが他に動くと見向きもしなくなる。ほんの数回デートしただけの女を延々口説き落としてようやく結婚したのに、子供の頃憧れてた女性歌手と共演する事になって、しかも彼女に「アナタの歌好きヨ♪」なぁ〜んて誉められると「俺は元々コッチが好きだったし!」みたいにコロリと宗旨替えして、奥さんには目もくれない。 女性の共感度低いぞー!ジョニー・キャッシュ!!(^-^;
ちょっと残念だなぁ〜と思うのは、映画の作りが少し平坦過ぎてジョニーの心情の掘り下げが甘いという事でしょうか。 ジョニーの半生を時系列に追う、運命の女性との長年積み重ねた友情→愛情を見せる、子供時代のトラウマと父親との確執も見せて、ステージの様子、ドラッグ中毒の克服と再生・・・とにかくネタてんこ盛りでしてね。
「ジョニー・キャッシュ」という伝説のアーティストを余す事なく見せてあげたい!という気概は感じますが、頑張って見せ過ぎてどれもこれも中途半端な感じがしちゃうんですよね。 だから時間の観念とジョニーの気持ちの動きがうまくシンクロしていない。 予告編では「プロポーズをした回数:40回」「ステージ以外で会話をしなかった期間:10年」なんて書かれてますが、映画を見ただけではそんなに長い間ジョニーがジューンと共に過ごして来たという感覚にはならない。
ジューンへの偏執愛(をい)を主題に見せたいなら、思い切って父子の確執部分はバッサリ切ってもよかったのでは? 映画のタイトルだって「ウォーク・ザ・ライン」というくらいなんだから、脚本もフラフラしないで一本筋を通してネタをまとめ上げれば良かったのになぁ〜と思いますヨ(苦笑)
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