ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年02月28日(火) ウォーク・ザ・ライン 君につづく道

監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ホアキン・フェニックス
    リーズ・ウィザースプーン
    ジニファー・グッドウィン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
最愛の兄を不慮の事故で亡くし、父親に疎まれて育ったジョニー・キャッシュ。成長したジョニーは空軍を除隊すると、猛烈にアタックしていた初恋の女性と結婚するが、音楽の夢が捨て切れずにゴスペルバンドを作ってオーディションに向かう。ところがゴスペルはウケずに空軍時代に作った歌でデビューが決まったのだ。売れ始めたジョニーは、ライブで子供の頃からの憧れの女性ジューン・カーターと共演し、瞬く間に恋に落ちるのだが・・・


【感想】
今年のアカデミー賞に5部門ノミネート、ゴールデン・グローブでも主要部門受賞というピカピカの映画です!
ネタはここんとこ人気の高い?アメリカの伝説的ミュージシャンの半生をドラマティックに見せるというタイプ。
ところで今世界中に散らばるトップアーティスト達に多大な影響を与えたという「ジョニー・キャッシュ」の事を全く知りませんでしたヨ。こんなヤツがこの映画見ちゃーダメですか?(^-^;

んな訳で、ビバ!ドラッグ!! ←いきなり何を言うか

いやぁ〜・・・だって、カリスマミュージシャンってどーしてこんなにドラッグが好きなんでしょうか?
昨年オスカー主演男優賞を取った「Ray」ことレイ・チャールズもドラッグらりぱっぱ(コラ)でしたが、他にもドラッグ中毒者のアーティストを数え上げたら枚挙に遑(いとま)がないって感じでしょ。
んな訳で、ジョニー・キャッシュも御多分に漏れずドラッグに溺れて音楽界から消えるものの、克服して復活するのだ。

本作、歌を吹き替えなしでホアキン君とリーズ嬢が生歌・生演奏で頑張ってるそーですが、素晴らしいですネ!
「俺は音痴だから〜」とホアキン君はおっしゃってるそーですが、低音も響いてなかなか上手でしたよ。
ただ映画のラストでご本人さんの歌が流れるんですが、これは逆効果でしょう・・・ずーっとホアキン君はよく頑張ったなぁ!と思っていたのに、ご本人さんと比べちゃうと「うーん、やっぱりもう一歩かなぁ」になっちゃう。
逆に歌がヘタだからトークで間を持たす、というジューン・カーターを演じたリーズ嬢・・・歌上手過ぎですわ(笑)

「バカと天才紙一重」って言いますが、ジョニー・キャッシュも音楽に関しては天才ですが人としてバカたれです(をい)
かなりの偏執狂なのに、気持ちが他に動くと見向きもしなくなる。ほんの数回デートしただけの女を延々口説き落としてようやく結婚したのに、子供の頃憧れてた女性歌手と共演する事になって、しかも彼女に「アナタの歌好きヨ♪」なぁ〜んて誉められると「俺は元々コッチが好きだったし!」みたいにコロリと宗旨替えして、奥さんには目もくれない。
女性の共感度低いぞー!ジョニー・キャッシュ!!(^-^;

ちょっと残念だなぁ〜と思うのは、映画の作りが少し平坦過ぎてジョニーの心情の掘り下げが甘いという事でしょうか。
ジョニーの半生を時系列に追う、運命の女性との長年積み重ねた友情→愛情を見せる、子供時代のトラウマと父親との確執も見せて、ステージの様子、ドラッグ中毒の克服と再生・・・とにかくネタてんこ盛りでしてね。

「ジョニー・キャッシュ」という伝説のアーティストを余す事なく見せてあげたい!という気概は感じますが、頑張って見せ過ぎてどれもこれも中途半端な感じがしちゃうんですよね。
だから時間の観念とジョニーの気持ちの動きがうまくシンクロしていない。
予告編では「プロポーズをした回数:40回」「ステージ以外で会話をしなかった期間:10年」なんて書かれてますが、映画を見ただけではそんなに長い間ジョニーがジューンと共に過ごして来たという感覚にはならない。

ジューンへの偏執愛(をい)を主題に見せたいなら、思い切って父子の確執部分はバッサリ切ってもよかったのでは?
映画のタイトルだって「ウォーク・ザ・ライン」というくらいなんだから、脚本もフラフラしないで一本筋を通してネタをまとめ上げれば良かったのになぁ〜と思いますヨ(苦笑)








 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月26日(日) ホテル・ルワンダ

監督:テリー・ジョージ
出演:ドン・チードル
    ソフィー・オコネドー
    ニック・ノルティ、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
1994年アフリカ・ルワンダ。長年に渡り確執のあったフツ族とツチ族間でついに和平協定が結ばれようとしていた。外資系高級ホテルの支配人ポールは、近くフツ族の民兵によるツチ族虐殺が始まるという噂を耳にするものの、あり得ない事だと軽く聞き流してしまう。ところがフツ族の大統領が暗殺された事で事態は一変、フツ族によるツチ族大虐殺が始まったのだ。フツ族のポールはツチ族の妻と子供、そして近隣の住人を守る為にホテルに一時匿う事にするのだが・・・


【感想】
2005年のアカデミー賞の主要部門(脚本賞、主演男優賞、助演女優賞)にノミネートされて注目された作品。
注目されるのは大いにいい事なのだが、オスカーにノミネートされたお陰でフィルム代が高騰し、日本では余りウケない黒人の内戦ネタだから採算が取れないだろう・・・と、配給してくれる会社がなくなっちゃったそーだ。
それを映画好きの有志が署名活動をして、ようやく配給が付いて公開に漕ぎ着けたらしい。ほうほう・・・

そんな訳で、「ルワンダ」という国の名前は聞いた事があるけど・・・という、お決まりのパターン。(^-^;
ぴよのような「世界の出来事に無知過ぎるアホたれ」は是非見るべき一本ですネ♪←これもいつものパターン(笑)

ここのところ「予備知識なしで見るとさっぱりワカラナイ」という難しい社会派映画が流行っているようですが、本作の特筆すべきオススメポイントは、何と言っても「予備知識なしでも、どんなアホでも話が判る」という点でしょう。
映画冒頭でものすごーく判り易くルワンダの植民地の歴史と、それに伴う2つの部族の確執について説明があります。
説明は丁寧だけど説教臭くないし、ちゃんとエンターテイメントしながら見せてくれる。親切設計ですなぁ〜!

要するに「とってもハリウッド映画な作り」なんですね。
世間的には「ハリウッドらしい作り」と言うと、特に映画通の方々の間ではどちらかと言うと揶揄する時に使用される事が多いと思うのですが、少なくとも本作に関しては賞賛する為に使用したい!
だって・・・知らねー国の知らねー部族の内戦ネタなのヨ?すんごい掘り下げて難し〜い「判る人には判る」作りになんかされちゃった日にゃ、ぴよみたいなアホは訳が判らずに眠たくて仕方なくなっちゃうっしょ?(苦笑)

「事実の映画化」なので最終的にはどうなるのか結果は判っているものの、見せ方がサバイバル・サスペンスって感じで、とにかくエンターテイメントしていて単純にハラハラ・ドキドキと楽しめるのもいい。
ハラハラ・ドキドキのサスペンス映画として楽しめ、そしてそれが「事実」だという重みも感じさせてくれる。

主人公のホテル支配人ポールは、最終的に1200人を超える人々の命を助けた「英雄」となったが、最初から彼は英雄を気取ってみんなを助けようとしていた訳ではない。
自分の家族さえ助かればと思っていたら、勝手にアチコチから逃げてきたヤツらがホテルに集まっちゃって、結果的に家族を守ろうと思うと皆も守らなきゃいけない・・・みたいな状態に陥っちゃった、という感じ(笑)

でもこの感覚って判らなくもないな、誰だって非常時には自分と自分の家族さえ助かれば!って思うよな。
だけど成り行きで他の人も匿っちゃった以上、段々責任も感じるし「どーせならみんなで助かりたい!」って思うようになるのも自然の感情なんだろうな・・・って、映画を見ながらスゥーッとポールの気持ちに入り込める。

この作品がもしコ難しい社会派を気取った作りだったら、きっとアメリカでも受け入れられなかっただろう。
アホのアメ公(←だから差別用語だっつーの。苦笑)に判らない・ウケない作品だったらオスカーにノミネートされる事もなかっただろうし、そうしたら日本で公開される事もなかっただろう。
そうなると、ルワンダという国でどんな悲劇が起こったのかを知る事もなく、考えさせられる事もなかった。

だから、この作品を「B級ハリウッドのお涙頂戴な作り」と批判する人もいるようだけど、ぴよはこれで良かったと思う。

たかだか10数年前の話なんですよ。しかも今も「解決した」とは言い切れないと思うんですよ。
それに・・・ぴよみたいに「関係ない国の争い事」程度にしか考えずにロクに手を差し伸べなかった大国や国連の体制を動かすには、判り易い娯楽映画としてでも「ルワンダ」という国の事を世界にアピールしなくちゃいけないと思うんですよ。

そんな訳で、「ルワンダ」という国や民族を知らない方、是非本作を見に行って下さい!
見て、知って、そして少しでも考えて下さい。ぴよも色々考えさせられました。







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月21日(火) イノセント・ボイス 〜12歳の戦場〜

監督:ルイス・マンドーキ
出演: カルロス・パディジャ
    レオノア・ヴァレラ
    ホセ・マリア・ヤピスク、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
1980年、中米エルサルバドルは政府軍と反政府ゲリラとの内戦下にあった。11歳の少年チャバが住む村は政府軍とゲリラ側の勢力境界線上にあり、最も戦火の激しい地域だ。父親がアメリカに単身亡命してしまい、母親からはチャバが頼りだと常日頃言われているものの、子供らしく学校に通い、恋をし、友達と遊びを楽しむチャバ。そんな子供らしい日々もあとわずかしか残されていない・・・12歳になると強制的に政府軍に連行されて兵士にさせられてしまうのだ。


【感想】
2005年アカデミー賞外国語映画賞メキシコ代表作品(残念ながらノミネートまでは行ってない)
本作はロス在住の無名の新人俳優オスカー・トレス氏が、自身の体験を元に脚本を書き、たまたま仕事で出会ったメキシコ人監督ルイス・マンドーキ氏に脚本を自分から売り込んで映画化に到ったそうだ。
オスカー・トレス氏・・・俳優としての目は出てなさそーだが(をい)、ひとまず世に名前が知れましたネ♪

そもそも「エルサルバドル」という国、名前は聞いた事があるけどどこにあるのかすら知らなかったし(苦笑)
だから当然だけど内戦があった事も知らなかった。でもぴよのような「世界情勢をなぁ〜んも知らんアホたれ」は、こういう作品は進んで見るべきだと思いますよ。

今も世界中のアチコチで30万人もの子供達が戦場で「兵士」として戦っているそうだ。
それは必ずしも彼らが望んだ事ではなく、国や諸事情で「強制されて」兵士に作り上げられている状況がある。
この映画に登場する主人公チャバも、そしてこの映画に登場する全ての子供達も、行きたくもないのにムリヤリ強制されて政府軍に連行されて兵士にさせられてしまうのだ。

とにかく子供が犠牲になって行く様子を見るのは辛い。痛ましい。
連日の銃撃戦で家の中まで銃弾が飛び交う中、チャバの隣に住む幼馴染みの女の子が流れ弾に当たって亡くなってしまうシーンは冷静に見ていられなかった・・・小学校の校庭に政府軍がやって来て、高学年になった子供達の名前を呼び上げて(本来は12歳で強制らしいが、中には12歳未満の子供もいたようだ)連行するシーンも・・・恐怖のあまり失禁したり、突然の連行劇にただただ泣きながらトラックに載せられて連れ去られる子供達。見ていられない。

ところでこの映画、そんな痛ましいシーン満載なんだが、意外な事に余り「泣ける」という程でもない。
子供達の日常が淡々と綴られて行くんだけど、勿論連日の銃撃戦で疲弊もしているんだろうが、案外こんな状況下でも子供というのは娯楽を楽しんで「子供らしく」生きているモノなんだなぁ、というのが正直な感想。
まあ・・・この「子供らしい」様子が、逆に「12歳(徴兵される)」という年齢に達する恐怖感を煽るのかもしれませんが。

で、この映画から何を受け取り感じるのかが問題なワケですわ。

映画の主題としては「子供達が戦場に兵士として巻き込まれる悲劇」を見せたいのだろうか?
でもぴよにはそういうメッセージは余り伝わらず、一番ガツンと来たキモは「アメリカの介入」という部分でしたねぇ。

政府軍側にアメリカの軍隊が介入して来て、チャバ達の住む村にもやって来る。
子供達にガムをあげてからかったりして、相変わらず陽気でノータリンのヤンキー野郎どもだが(差別発言ですなぁ)、米軍はふんだんに武器を政府軍に提供して(もっと言うとちゃっかり売り付けてんだろ)内戦を煽っているワケですよ。
アメリカというのは世界有数の武器商人ですから(←コレも差別発言?苦笑)、世界の戦争・内戦に米国あり!逆に戦争をやってもらわないとオイシイ商売上がったりな国でしょ。

「世界の警察」を気取るアメリカが、実は戦争を煽って戦場にここぞと駆け付けて儲けるという縮図。
更に痛ましいのは、アメリカ介入でにっちもさっちも行かなくなった人々は、家族を助ける為に自国を滅茶苦茶にした張本人の米国に亡命して稼がなければいけないという悲劇。

戦争・内戦というのは、やっている国は確実に疲弊し、労働力が減り、国が貧しくなる。
そしてアメリカは武器を売り付けて儲け、安い労働力を貪り、弱体化した国家を掌握して、さも自分達が助けてやったんだという我が物顔でのさばり英雄を気取るのだ。
チャバ達に選択肢は多くない。政府軍の兵士として無駄死にするか、ゲリラの闘志として無駄死にするか、さもなくばアメリカに亡命してすがって生きて行くしかないか・・・

アメリカ大好き!米国万歳!という方、この感想は読まないで下さい・・・って、今頃書いてもなぁ(苦笑)







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月20日(月) 県庁の星

監督:西谷弘
出演:織田裕二
    柴咲コウ
    佐々木蔵之介、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
野村聡は県庁のキャリア公務員。プライドが高く仕事は完璧なマニュアルを作り上げてバリバリこなす超上昇志向。しかも婚約者は地元大手建設会社の社長令嬢と人生順風満帆。県の新たなビッグプロジェクト「特別養護老人施設建設」を足掛かりに更なる出世を目論む野村は、県の目玉である民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれて得意満面。ところが野村の研修先は客もまばらな三流スーパー、更に彼の教育係は年下のパートの女性だというのだ・・・


【感想】
桂望実氏著の同名小説の映画化。
と言うよりも、今邦画で最も観客を動員させられる男優×女優の話題の初共演作!と書いた方が判り易いでしょ。
「踊る大走査線」シリーズで実写邦画の観客動員数記録を打ち立てた織田ユージ君、それからドラマ・映画に出ずっぱりの視聴率女王!柴咲コウちゃんの共演ですから、これで客が入らなかったらシャレにならない!

予告編をご覧になった方なら想像付くと思いますが、
話のネタ(と言うかジャンルですかね)は「エリート公務員とパート女のロマコメ@社会派風味」
そして予告編を見て大体の展開の予想はしていると思いますが、本当にアナタが予想したまんまの話です(笑)

磐石ですネ!(きっぱり)
そして「磐石です」以外には言いようのない、本当に驚くほど予想を裏切らずハズさない「磐石な作り」です。
織田ユージ君はきちんと織田ユージ君のまんまですし、柴咲コウちゃんはきちんと柴咲コウちゃんのまんま。踊るシリーズではノンキャリの熱いだけが取り柄の警察官ですが、本作ではエリート公務員で一見冷酷に見えるキレる男の織田クン。
でも織田クンは織田クンですよ。誰もが想像する「織田クンが演じるエリート役」を全くハズしません。

そして柴咲コウちゃんもそれは同じ・・・ってか、この2人って本当に演技してんのかなぁ?
余りにも2人共キャラが変わらないから、もしかしたらセリフをただ素で読んでるだけなんじゃねーか?と思っちゃうヨ

まあそんな訳で、誰が見ても楽しめます。楽しめない訳がありません。
誰もが予想した通りで、誰もが期待している通りのモノがそのままなんですから、楽しめない訳ありませんヨ。
内容について触れる気すら起こらないし、内容に触れた所で書く事は「磐石です!」しかありませんから。(^-^;

世間的にはきっと相当ヒットするんじゃないか?って気がします。
「公務員体質」については元々結構叩かれてるネタですし、しかもそれを改革しようというのが織田クンですもの♪
今更こんな事書くのは何ですが、ぴよは織田クンがかなり好き♪だからこの映画はコレで全然OKですよ。

だって織田クンは相変わらずカッコイイし、他人行儀な喋り方がシャイで生真面目な男って感じで萌えるわぁ♪オフの服装はぷちダサいけど(をい)、織田クンのファンだったら絶対に楽しめますからっ!!

まあ・・・でも「2時間特番ドラマ」で充分な内容と作り。真面目な映画好きさんには敢えて勧めはしませんよ(苦笑)







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月17日(金) 歓びを歌にのせて

監督:ケイ・ポラック
出演: ミカエル・ニュクビスト
    フリーダ・ハルグレン
    ヘレン・ヒョホルム、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
8年先までスケジュール一杯という天才指揮者のダニエル・ダレウスは心身共に疲労の限界を超え、心臓発作で倒れた事がきっかけになり現役から退き、7歳まで過ごした故郷の村にひっそりと帰って来た。名前を変えてデビューしたので故郷の人々は彼がこの村出身だとは気付かずに、有名な指揮者が村にやって来たと興奮気味。静かな余生を送るつもりが、村人からの熱心な勧めに応じて「聖歌隊」の指導をする事になってしまうのだが・・・


【感想】
昨年のアカデミー賞・外国語映画賞にノミネートされたスウェーデンの作品(受賞はしませんでした)
監督は18年振りにメガホンを取ったというケイ・ポラック氏。主人公の天才指揮者を演じた役者さんは本国ではかなり有名な役者さんだそうですが、スウェーデンの有名俳優サンは流石に判らん・・・(苦笑)

簡単に言っちゃえば「音楽で人の心を一つにする」という話です。
それに加えてもう一つ重要なファクターとして、「故郷にトラウマを持った男が敢えて故郷に戻って来て、人々の心を掴んで人を愛し愛される歓びを知る」という事も挙げられるでしょう。
もっと簡単に言えば「幼少時代のトラウマからの解放」という感じか。

主人公が、どうしていい思い出の1つもない故郷を人生の最終地点として選んだのか?そこのトコロが映画中では説明がされていないので、見ていてずっと違和感があったのですが、映画のラストシーンを見て「故郷は彼のトラウマでもあり、そして彼の原点でもあったんだな」と納得した(納得させられた?)・・・という感じがしました。
映画冒頭のシーンとラストのシーンが実に気持ちよく呼応しています。

主人公は「他人と接するのが苦手・人を愛した事がない」という設定のようですが、映画を見る限りかなり他人と上手にコミュニケーションが取れているように思えますヨ(苦笑)
確かに言葉で詰め寄られるとタジタジになって口ごもってしまうので、誤解を受け易いタイプではあるものの、少なくとも彼の真摯な態度は大方誤解される事もなく、村人達に支持されて愛されていく。
村人の信頼を勝ち得た彼に嫉妬したり、あらぬ誤解を抱いて反発する人間も多少出て来るものの、この程度は「予定調和」の粋を出ていないと思うねぇ。

とは言え、トラウマを抱えているのは主人公だけじゃなくて、村人達もそれぞれ人に言えない悩みや葛藤を抱えている人達が結構いて、きっと「心に痛みを持つ者同士」だったからこそ、主人公ダニエルと共に「音楽」で心結ばれて解放されて行ったんだろう・・・明らかにそういう意図を感じる演出が上手にされていましたネ。

圧巻はやっぱり「歌」のシーン。
ガブリエラが歌うコンサートシーンもステキだったけど、何と言ってもラストの会場が一つになるシーンは感動ですヨ♪
スクリーンを見ながら、ハッ!と気付いたら知らず知らずの内に自分も口を「アー」っと開けてましたから・・・もーちょっとで声まで出すトコロでしたよ。アブナイ、アブナイ(^-^;

素朴で素直な村人達、不器用だけど一生懸命なダニエル。
そして映画の作りも素朴で素直で一生懸命だけど不器用だったりする(笑)
結構淡々とエピソードが繰り広げられるので、正直言ってちょっぴり間延びする感がありますし、ダニエルが不器用過ぎるのか脚本が不器用過ぎるのか(をい)、ダニエルの心の動きに対して説明不足な感は否めません。

それでも、この映画の大きな柱「音楽が人の心を一つに結ぶ」「愛で音が結ばれる」部分にブレはありません。
不器用だからこそ、人に訴えかけるモノも真摯に感じたのかもしれない・・・

「器用貧乏」なハリウッド作品を見慣れている方には少々退屈かもしれませんが(苦笑)、見る価値は充分にあります!








 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月15日(水) フライトプラン

監督:ロベルト・シュヴェンケ
出演:ジョディ・フォスター
    ショーン・ビーン
    ピーター・サースガード、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
突然の夫の事故死に動揺を隠せない航空機設計士のカイルは、6歳になる娘のジュリアを連れてベルリンから故郷NYに帰る事になった。母子と夫の遺体を乗せて飛ぶハイテクジャンボジェット機E-474、それは皮肉にもカイルが設計を手掛けた最新鋭ジェット機だったのだ。悪天候の中ベルリンを飛び立ったE-474の機内、ついウトウトとして目覚めたカイルは、隣にいたハズの娘がいなくなっている事に気付きパニック状態になるのだが・・・


【感想】
ジョディ・フォスター主演最新作・・・って言うか、既に公開終了間近ですね(あわわ)
実は本作、既に見た友人達が口を揃えて「クソ映画」と言うので(コラ)自分の中でスルー決定していたんですが、シネコンに映画を見に行ったら直ぐに見られる映画がコレしかなかったので「まあ・・・ネタとして見ておくのも悪くないか」と思い鑑賞決定した次第。(^-^;

確かに「クソ映画」呼ばわりされても仕方ないですなぁ〜! ←またしてもいきなり結論言うか(苦笑)

要するに「密室サスペンス」なんですが、とにかく全てにおいて設定が破綻しているんだもんなぁ〜
破綻している部分を数え上げたらキリがない。逆に破綻していない部分はドコだ?と聞かれても答えられない。
とにかく見事なまでに辻褄も設定も展開もハチャメチャ、何もかもが矛盾と偶然に彩られて、余りにも潔く、余りにも完璧に破綻しまくっている!という「逆パーフェクト作品」ですわ(笑)

本作に対して「コレは余りにもヒドい」とクレームを付けた航空会社があったそうですが、確かにクレームを付けられて当たり前レベルな能無しで横柄で危機管理の出来ていない非常識キャビンアテンダント&機長。
ぴよは旅好きなので年に何度か飛行機には乗りますが、中国東方航空だってコレ程ヒドくはないだろう(コラコラ)

もっとも、クルーよりももっと非常識なのは主人公の「ヒステリックママ」
テメーの居眠りが原因で娘がいなくなったのに、辺り構わず吠える・叫ぶ・癇癪を起こすのオンパレード。挙句の果てに機内でアラブ人客を見かけると、いきなりテロリスト誘拐犯呼ばわりの大立ち回りまでこなしてしまう差別主義者。加えて自分の娘を捜索する為には機内の客は全員席に縛り付けておくのが当たり前、更にキャビンアテンダント一同は他の客を放置して全員が娘の捜索をするのが当たり前だと考えている、思い上がった選民意識。うーん・・・パーフェクトですっ!(爆)

こういう「バカ母」というのは、世界共通なんだろう・・・と言うか、もしかして世界基準でコレが「母の正義」だと認識されているのだろうかと思うと背筋がゾクゾクしますなぁ。いやはやちょっとヒネったホラー並みの怖さですヨ(^-^;

と、散々書き殴りましたが・・・意外に面白かったです。 ←今更何を言うか(苦笑)

いやホントに。矛盾だらけの破綻しまくりの話なんですが、「エセ・サスペンス」として見せ方はちゃんとエンターテイメントしていて、基本的に誰が見てもきちんと楽しめるように作られているんですよ。
セットも金が掛かっててちゃんとしてますし、「在り得ねーよ!バカモノッ!」とツッコミを入れつつも、ちゃんとハラハラドキドキさせてくれる見せ方はしているんですわ。

根本的にネタは決して悪くなかったんだろうと思うんですわ。
密室サスペンスとしてもっときちんと設定を練り込めば、もう少しマシな作品になっただろう可能性はある。
しかしながら、この話の設定の基本「何故わざわざこの飛行機を設計した家族がターゲットになったのか?」という動機が全くないので、ネタのスタート地点で完全に破綻しちゃっているというのが痛過ぎます(笑)

せめて怨恨ネタか・・・いっそ「本当にママは狂っていた」というオチなら納得出来たかも!(をい)









 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月14日(火) 博士の愛した数式

監督:小泉堯史
出演:寺尾聰
    深津絵里
    吉岡秀隆、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
新しいクラスを受け持つ事になった数学教師の「ルート先生」は、何故自分が「ルート」と呼ばれるかを語り始めた。それは彼が幼い頃、シングルマザーの母が家政婦として働きに行った家の主・・・交通事故の後遺症で「80分しか記憶が続かない」という障害を持った天才数学博士と出逢った事がきっかけだった。博士に「ルート」と名付けられ、数字と数学の美しさ・奥深さを教えられたルート母子は、博士と3人で和やかな日々を過ごすのだが・・・


【感想】
「第一回本屋大賞」受賞作、小川洋子氏著のベストセラー小説の映画化。
コレを「雨上がる」で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した小泉堯史氏が監督、主演の博士を「登場しただけで泣ける」癒しの演技をさせたら天下一品!の寺尾聰氏、家政婦役はこれまた「まったり癒し系」の深津絵里嬢が演じています。

世間的にもかなり評判のいい作品なので楽しみにしていたのですが、コレは悪く言われようがない。
そもそもキャスティングからして「癒し度」満点ぢゃないですか。寺尾氏が記憶障害を持った心優しい博士を演じる、という辺りで既にかなり卑怯ですよ(笑)
彼がスクリーンに登場して穏やかに目を細めるだけで「な、泣かなければっ!」って気になりますもん。(^-^;

原作はどういうアプローチなのか知りませんが(原作未読)、本作は大人になって数学教師になった「ルート先生」が、生徒達に自分の名前の由来を語る「回想形式」で物語の本筋が語られていくという手法を取っています。
コレが観客にすんなりと「数学と数字、数式の奥深さ・楽しさ・美しさ」を伝えるのに効果的になってる。

冷静に考えると「特に感動する程のモノでもない、どうって事ない話」だったと思うのですが(をい)
博士の語る「数字にまつわる話」「相手に関係する数字を絡めた話」がことごとく詩的で癒される。数字を愛する博士は一見すると他人とのコミュニケーションが苦手のように見えて、実は人間をも深く愛して慈しむ「褒めの達人」だったりする。

容姿に褒めるトコロがなければ服装や髪型を褒めろ・・・とはよく言われるものですが、人間は自分の本質部分をさりげなく褒められる事が実は一番嬉しい、というのを博士はよく判ってらっしゃる。
初対面で相手の本質なんか見えっこないが、自分の足のサイズを「実に潔い数字だ」と言われたり、何でもないアホ面のガキが(をい)「賢い心が詰まっていそうな頭だ」と言われてなでられたら、誰だっていい気分になるに決まっている。

人と人とのコミュニケーションを「数字」「数式」に当てはめて語ろうとすると、普通に考えれば理屈っぽくて小難しくなるだろうと思うものだが、本作では逆に数字や数式を用いる事で、誰にでも判り易く情緒的な表現になってしまうという不思議。
多分現代のルート先生の授業の様子は、回想シーンの寺尾氏のやりとりだけでは説明不十分であろう部分を、観客に対して補完説明しているという役割も担っていたと思う。コレは本当にウマい。

「友愛数」や「完全数」という定義も、そんな数字が世の中に存在している事もこの映画を見るまで知らなかったけど、この映画がぴよの学生時代に公開されていれば、さぞかし数学が好きになれただろうになぁ、と思うと残念ですよ。(^-^;

本作、惜しむらくは「友愛数」の印象が強過ぎて、肝心の「博士の愛した数式」である「オイラーの法則」に関するエピソードと印象が少々薄く感じられてしまった事くらいだろうか・・・浅岡ルリ子サンの厚化粧があんなに強烈な印象を残してくれたというのに、肝心のエピソードが心に残らなかったのは返す返すも残念でした。(笑)







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月10日(金) マサイ −MASAI

監督:パスカル・プリッソン
出演:マイナ・マコ
    パルカシオ・ムンテット
    パウル・セケナン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
マサイ族の2人の少年ロモトゥーンとメロノ。裕福なロモトゥーンと貧しい羊飼いのメロノは身分が違うものの、2人は幼馴染みの大親友。ある年干ばつがサバンナを襲った。伝説の獅子ヴィチュアを狩り、そのたてがみを神に捧げると雨が降るという言い伝えが村にあり、ヴィチュア狩りの為に9人の青年が選ばれた。ロモトゥーンとメロノも選ばれたのだが、メロノの父親は働き手のメロノが家を空ける事を大反対。反対を押し切り先に出発したロモトゥーン達の後を追うメロノだったが・・・


【感想】
構想12年、撮影時間2000時間という、途方もない手間ヒマを掛けて撮影された作品。
監督のパスカル・プリッソン氏は、長くアフリカの地でドキュメンタリーを手掛けているそうで、マサイ族の皆さんと熱い信頼関係が出来ているそうです。そんな訳で本物のマサイ族の皆さんにご出演して頂いて「演技」してもらっているという、ドキュメンタリーのように見せてきっちり話の筋があるという「超ドラマ」という映画。

実はアタクシ、「民族モノ」が大好きなんですよ。
マサイ族の皆さんが写っただけで嬉しくて仕方なかったですねぇ♪
あの素晴らしい色彩感覚!ビーズのネックレスやバングルのオシャレな様子ったら!コレ見るだけで価値あるわぁ♪

で、内容なんですが、コレが意外な事に皆さんとっても芸達者。
きっと基本的な大筋部分は脚本らしいモノがあるんだろうけど、その場で語ってるセリフはアドリブなのかも?
まるで「本当にあった出来事に、撮影クルーが同行取材させてもらっている」という感じなのですが、ちゃんと筋立てて話が進んでいるトコロを見ると「脚本らしきもの」はあったのだろう、と思われます。

壮大なサバンナ、そして誇り高いマサイの戦士達。
彼らが信じる「伝説」を、スクリーンを通して体現出来る!という素晴らしい作品なのですが・・・

美術・セットは大自然、セリフは多分アドリブ、後は「民族好きの血が勝手に騒ぐ」という観客にお任せな「普通の物語」ですので、コレと言って特筆するような演出もなければヒネりも何もない。
本当に「野生の王国・物語編」といった感じですので・・・民族モノに興味のない人が見たら面白いんだろうか?(^-^;
ぴよは凄く面白かったんですが、映画館内に響き渡るような大いびきをかいていた方もいらっしゃいましたので(苦笑)、自分の中に確実に「民族好きの血」があると確信出来る方だけにオススメしたい作品ではあります。

いやぁ・・・でも、日本人では決して考えられないような風俗・風習、そして伝説、どれもコレも素晴らしい!
ラストでマサイ族の皆さんが行進していく様子がスクリーンに写った時・・・思わずジーンとして涙が溢れて来ましたヨ。

でも何度も繰り返し申し上げますが・・・「民族好き」の方だけにオススメしますから(^-^;







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月09日(木) プルーフ・オブ・マイ・ライフ

監督:ジョン・マッデン
出演:グウィネス・パルトロウ
    アンソニー・ホプキンス
    ジェイク・ギレンホール、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
天才数学者で師でもあった父が亡くなり、キャサリンは生きる気力を失っていた。父は天才ではあったが若い頃から精神的に病んでいて、晩年の5年はキャサリンが大学を中退して面倒を見ていたのだ。そんなキャサリンを密かに思い続けいていた父の教え子ハルは、彼女のささくれ立った心を優しく包み込んでくれたのだ。ところがハルと愛し合った翌朝、キャサリンがあるノートをハルに見せた事で・・・


【感想】
ピューリツァー賞、トニー賞等、数々の権威ある賞を受賞した舞台「プルーフ」の映画化。
しかも監督は「恋に落ちたシェイクスピア」でアカデミー賞総なめにしたジョン・マッデン氏。加えて出演役者は誰も彼もぴよが好きな役者さんばかり♪
これ見逃したらアホやろー!と思いつつ、実は公開終了前日(名古屋では)に駆け込み鑑賞。をいをい・・・

元が舞台劇だから、登場人物が少ないのでそれぞれのキャラクターの心情に入り込みやすいだろう、役者のセリフのやりとりで楽しませるタイプの話だろう、と当たりを付けていたんですが。

確かにサー・アンソニー・ホプキンスとグウィネス嬢のやりとりはスゴイ!
2人ともその演技力は折り紙付きですし、難しい会話のキャッチボールもよどみなくこなし、まるで本当の親子なんじゃないかと思える程のモノがありましたね。
特にアンソニー・ホプキンス氏の鬼気迫る演技・・・この人、本当にスゴ過ぎますから!長生きして下さいっ!(をい)

ところで、さーっぱりキャサリンに共感出来なかったんですが。(^-^;
これは別に共感出来なくてもいいんですよね?ってか、キャサリンに同調出来る女性って(男性は難しいだろう)一体どういう精神状態なんだろう?って考えちゃいましたがね。

だって、明らかに彼女「狂ってる」レベルでしょ。思いっきり精神病んでるでしょ。
本人「もし自分も父親みたいになったらどーしよう!」って心配してるみたいですが、既に父親超えてますよ(笑)
自分の父親の葬儀に「喪服+Gジャン」ってアリかよ!このシーン見ただけで「この女、完全にキチぢゃん」と思った常識人は多いだろうと思うんですがネ。
それに映画冒頭からずーっと延々ヒステリックに喚き散らしてるんですよ・・・こんな女、絶対に友達になりたくない。

そもそも美人でスタイル抜群(自慢げに常にヘソ出しTシャツ着てるしさー)な上に、天才と来てやがる。そんな天にニ物も三物も与えられた恵まれた女が、父親亡くしただの盗作呼ばわりされたからだのってキーキー喚いたって、同調も同情も出来るわきゃーねーっつーの!
こちとらデブスな上に父親は癌でポックリ逝ってやがるんだぜ!お前よりぴよの方が同情指数高いだろーがっ!

そんな訳で、同調も同情も出来ない「キチ女」の話なので、内容自体にそれ程惹かれるモノはありませんでした。
ですが、演技はやっぱりスゴい!大好きなハズのグウィネス嬢を呪いたくなる程、キャサリンというキャラクターはイヤ〜な鼻持ちならない女だったんですよ。←コラコラ
でも言い換えれば、観客にそこまで思われる程グウィネス嬢がキャサリンという役になり切っていたんだろうと・・・

結局何が言いたいんだかよく判らなかったんですが、少なくとも役者のいい演技を楽しみたかったら見て損はない!






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月08日(水) スキージャンプ・ペア

監督:小林正樹(総監督:真島理一郎)
出演:谷原章介
    アントニオ猪木
    ガッツ石松、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
2006年トリノオリンピッグから正式種目となった「スキージャンプ・ペア」・・・だが、ここまでに到る道のりは決して平坦ではなかった。北海道工科大学教授・原田があるきっかけから独自の仮説「特殊飛行体分裂論」通称・ランデブー理論を発表。しかし学会は見向きもしてくれない。コレを立証する為に、原田は双子の我が子に夢を託したのだ。1組のスキー板に2人が装着してジャンプする「スキージャンプ・ペア」、これこそが原田の打ち立てた理論の結晶だったのだ!


【感想】
今シーズン、4年振りにスキーを復活!友達と毎週のようにスキーを楽しんでるぴよです♪
いよいよトリノ・オリンピックが開催されますネ!ってな訳で、時期モノなので見ておかなければ・・・と思い鑑賞。

本作の元ネタは世界中で絶賛された真島理一郎氏によるCG作品だそーで(ぴよは全く知りませんでした)、ちょうど今年はトリノオリンピックも開催される事だし・・・って事で、実写+CGで「トリノオリンピッグ」の正式種目になるまでをドキュメンタリー番組として見せ、更にワールドカップ〜オリンピッグ決勝戦までの様子を映画化しています。
間違えてもらっちゃー困るのは「トリノオリンピッグ」です。「ク」じゃなくて「グ」です。ここポイントよ(笑)

要するに、とことんおバカネタを大真面目に見せて笑わせようという手法。
奇しくも昨日見た「PROMISE」は「大真面目に作ってるのに笑っちゃう」作品でしたが、本作は正にその裏をかいて「誰でも判るバカネタを、いかに大真面目に見せて笑わせるか」というやり方な訳です。

とにかく余りにもバカバカしい話を、どいつもこいつも大真面目にやってるんですよ。
最初っから最後まで、みんな真剣そのものでやっちゃってる。長野五輪金メダリストの船木サンや萩原弟、八木弘和サンなんかが大真面目な顔でインタビューに答えてるんですからスゴイ!(←ってか、よく出演したよなぁ〜!笑)
ガッツ石松氏は軽いネタとして流せるものの、アントニオ猪木氏なんてオイシ過ぎますよ!!(爆)

この作品のキモは、やっぱり何と言っても「スキージャンプ・ペアの飛行スタイル」と「クソ真面目な解説」でしょう。
とにかく「アホか!お前ら!!」な飛行スタイルに、実況と解説の2人がとてつもなくおバカなコメントを大真面目にやりあってる訳ですわ。もう余りにバカバカしくて腰砕けまくりですよ!(笑)

カルトなB級バカ映画(しかも猛烈な低予算モノ)がお好きな方だったら、絶対にツボに入る!!

本当はね、すんごい資金があったら・・・きっとあのアホな飛行スタイルの様子も「実写のCG処理」でもっとホンモノらしく作れたんだろうと思うのですが、やっぱり「低予算B級映画」なので、肝心のスキージャンプ・ペアの飛行シーンは安っぽいゲームのCG動画みたいになっちゃってましたね。残念ですわ・・・
まあ、考えようによっては「肝心なシーンが安っぽいCGだからこそ、B級ファンにはたまらない魅力♪」なのかも?

少なくとも真面目な映画ファンには絶対にオススメしません。
映像と内容を考えても・・・DVD化されるのを待って、「自宅で友達とビール片手に笑いながら鑑賞する」というスタイルが本作を楽しむ為の正しい鑑賞方法なのかもしれないですな。(^-^;







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月07日(火) PROMISE(プロミス)

監督:チェン・カイコー
出演:真田広之
    セシリア・チャン
    チャン・ドンゴン、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
遠い昔、神と人間が共存していた時代。親を亡くし生きる術を失った少女「傾城」は、目の前に現れた運命の神「満神」とある契約をする。それは「望むもの全てが手に入る。但し真実の愛だけは手に入れる事は出来ない」というものだった。
20年後、傾城は王妃となっていた。その頃無敵の大将軍「光明」は俊足の奴隷「昆崙」を伴い、反乱の企てから王を助け出すべく王城へ向かったのだが・・・


【感想】
「さらば、わが愛/覇王別姫」で世界中から絶賛を受けたチェン・カイコー監督最新作。
それより出演者の豪華さが既に話題ですよね。日本からは真田広之、韓国からはチャン・ドンゴン、香港からはセシリア・チャンとニコラス・ツェーという、この中の1人が出演してるだけでも充分客が入りそうなメンツを引っ張って来て1本の映画にするってーんだから大盤振る舞いだ!

実言うと、予告編見た時に「コレは・・・もしかして結構ヤバい(←トンデモ系)かも?」と危惧していたのですが、

ヤバ過ぎます!(笑)


一言で言うと「LOVERS+少林サッカー」
系統はLOVERSなんだけど、見せ方は少林サッカー。両方鑑賞された方なら「なんぢゃ、そりゃ」って思うでしょ?
正にその「なんぢゃ、そりゃ」なんですよ〜。こりゃーヤラれましたなぁ〜!あははははー(^-^;

映画冒頭、チャン・ドンゴン演じる「昆崙」が牛の前を走りまくってるシーン見た時の衝撃と言ったら!!
「こ、こ、これは・・・笑ってもいいシーンなんですかーっ!?」
「ってか、この作品ってアクション・コメディだったんすかーっ!?」
と、頭の中はグルグルしましてね。

その後もそんなシーン満載ですヨ!とにかく凄いんですから!!
期待した真田広之サンの華麗なアクションシーンなんて、冒頭とラストだけですよ。後はただの色ボケオヤジ状態(笑)
悪役のニコラス・ツェー君、実は密かなお気に入りなんだけど、ミッチー(及川光輝)みたいな怪しい人でした。
加えて言えば、ニコラス君演じる「無歓」が反乱を起こしたのがそもそもの事件のきっかけなのに、無歓の犯した反乱は無罪放免で王を殺した光明だけが処罰の対象になるってのは、どーいう法律なんだい?え?(^-^;

なぁ〜んか、色んな既存の映画のオイシイ部分をチョコチョコと繋げて、CGとワイヤーアクションでごった煮にしたような猥雑感がモリモリでしてネ。
チャン・ドンゴンが可愛いから許すものの(←超個人的な理由ですなぁ。あは♪)、日本が誇るアクションスターの真田サンをよくも色ボケオヤジにしやがったなー!みたいな怒号が聞こえてきそうなんですが・・・

ある意味、カルトなB級映画ファンにはかなりウケそうな予感です(笑)
この映画の1番凄いトコロは、何と言っても「散々笑わせるクセに、本気で大作映画を気取っている」という事ですよ。
お笑い芸人が必死になってネタを考えてコントをやってもちーっとも面白くないのに、大真面目に真剣に語っている素人のセリフの方がよっぽどツボに入って面白い!という事は世の中にままある。
本作はそんな「本人到って本気なのに、その真面目な様子が笑いを誘う」というカルトさに溢れています。

ぴよは「B級映画好き」なのでかなりこの映画は楽しかったですが、多分世間的には吠えまくられる予感大でしょう(^-^;

まあ・・・ちょっと持ち上げておきましょうか。
映像はキレイですよ。散々使い古された感じがまたB級っぽくてステキですし♪
衣装も「LOVERS」のパクリっぽくてキレイですし、アクションもとことんB級を貫いていてステキ♪←褒めてるつもりなのヨ

内容にツッコミ入れると可哀想なので、シメはやっぱり「チャン・ドンゴンは汚い格好でも可愛い♪」って事で(笑)







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月04日(土) オリバー・ツイスト

監督:ロマン・ポランスキー
出演:バーニー・クラーク
    サー・ベン・キングスレー
    ハリー・イーデン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
19世紀英国。孤児で救貧院に連れて来られたオリバー・ツイストは、仲間を代表して食事の量に不満を訴えた事で救貧院を追い出され、葬儀屋に奉公に出された。葬儀屋での不当な扱いに耐えられなくなって逃げ出したオリバーは、7日間かけて100Km以上離れたロンドンに辿り着いた。たまたま出逢ったスリの少年に助けられ、食事と寝所を与えてくれるスリ団の元締め「フェイギン」に拾われたオリバーだったが・・・


【感想】
「戦場のピアニスト」でオスカー取りまくったロマン・ポランスキー監督最新作。
誰もが一度ならずもタイトルを聞いた事のある、ディケンズの名作「オリバー・ツイスト」を映画化・・・って、既に何度も映像化されている名作を、どうしてわざわざ21世紀の今またしても映画化したのかよくわかりませんが。

まあ当然ですが、前作「戦場のピアニスト」が大ウケだったので本作の期待も思いっきり高まる訳で。
予告編の作りもイカしてましたよねー♪・・・って書き方で、もう何が言いたいのか想像つくと思いますが(苦笑)

非常に無難でフツーの「金の掛かった映画」、ただそれだけでした。←今日も相変わらず吠え

簡単に言えば、「美少年は人生の勝ち組」という話です。
誰でも美しいモノには優しい気持ちになれる。「美人とドブスのどちらを助けたいか?」と聞かれれば、見た目だけで選ぶとすれば100人中99人は美人を選ぶでしょ?(たまにカルトなフェチがいるから、100人全員とは言わないがね)
要するに「見た目がいいヤツは、どんな状況下でも不細工より絶対得をする」という事ですよ。

多分オリバー君は、見た目通りのとても清らかな心を持った少年だ・・・という設定なんでしょう。
ですが、ぴよは見ていて特にオリバー君が人並み外れた清廉潔白な少年だとは思わなかったし、むしろ自分だけオイシイ思いにありつけるチャンスが巡って来ると、それまでの恩を忘れて自分の過去をザックリと切り捨てる「世渡り上手な少年」にしか見えませんでしたが。

自分だけいい思いをしているオリバー君を、助けたフェイギン達が利用しない訳がない。だってオリバー君は、それまで散々フェイギンを慕っていたし、彼からスリのテクニックを嬉々としてレクチャーしてもらっていたんですよ?
金持ちの家にまんまと潜入出来たオリバー君を、強盗の手引きに使おうとしたフェイギン達に何の落ち度があろうか。
むしろフェイギン達にしてみれば、金持ち宅に潜入したオリバーを「でかしたゾ!」くらいに思って当然でしょ(笑)

まあそんな訳で、ぴよにはオリバー君への共感度は極めて低かったです。

時代考証や映像の美しさと緻密さは、さすがロマン・ポランスキー監督です。
内容度外視で美術やセットに関してだけ言えば、それはそれは素晴らしい出来の作品だったと思いますね。
ただ、この平坦で退屈で共感も思い入れも持つことの出来ない「昔名作だと言われた作品の焼き増し映画」の、美術以外のどこをどう評価すればいいのか・・・

オリバー役の新人子役「バーニー・クラーク」君は掘り出し物でしょう。
確かに彼は可愛らしいです。幼児フェチの方なら見て損はないと思いますネ(をい)







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2006年02月03日(金) ブラックキス(BLACK KISS)

監督:手塚 眞
出演:橋本麗香
    川村カオリ
    安藤政信、他
オススメ度:☆+


【あらすじ】
新人モデルのアスカは上京したばかりで住む所がない。先輩モデルの紹介で周囲から「ルーシー」と呼ばれる女性・カスミを紹介されて、彼女の家に居候させてもらう事になった。ある日アスカは、マンションの部屋の向かいにあるホテルの部屋で男性が殺害されている現場を目撃してしまう。その死体は奇怪な装飾を施されていた。この事件後、アスカとカスミの周囲で次々と連続猟奇殺人が起こるのだが・・・


【感想】
手塚治虫氏の子息で「ヴィジュアリスト」として知られる手塚眞監督の「ヴィジュアル・サイコスリラー」
ただの「サイコスリラー」じゃなくて「ヴィジュアル・サイコスリラー」だそーだ。違いはよくワカリマセン(笑)

そもそもスリラー&ホラー系が苦手な訳で。 ←だったら見るなよ<自分(^-^;
でもネタが「連続猟奇殺人」だから、きっと「犯人探しモノ」としても楽しめそうな予感がしたので、ちょっぴり期待しながら見に行ったのですが・・・コレは全然ダメでした。

とにかく話自体が全く面白くない。
エピソードも稚拙だし、見せ方も稚拙、編集も好みじゃなかったし、何よりオチと犯人像が全くダメダメ。
加えて言えば、主演2人の演技・・・特に橋本麗香嬢の抑揚のないつまらなそうな棒読みセリフには溜息しか出ませんヨ。
本作、主役クラス以外の脇を固める役者はかなり豪華なんですが、何だかただただ豪華俳優を無駄遣いしてるだけで、勿体無いとしか言いようがなかったですよ。特に草刈正雄氏の存在・・・ミスリード役にもならなければこの話の筋に本当に必要な役だったのかすら謎。嗚呼、勿体無い。

まず本作、色んな要素を盛り込み過ぎてるんですよね。
「ヴィジュアル・サイコスリラー」と言うくらいなんだから、猟奇殺人事件が軸になるのは当然のハズなのですが、肝心の軸ネタに対する伏線にもならない「女の友情」「恋愛」等をモリモリに突っ込んで、ちぃーっとも肝心の猟奇殺人に絡む伏線ネタが出て来ない。時々思い出したように伏線ネタが入るんだけど、どーにも印象が薄い。

結局蓋を開ければ「妙に手の込んだ死体映像」だけが華々しく登場し、内容はどれもこれも中途半端で全く面白くない。
面白くもないのにダラダラとエピソードが流れて、退屈で退屈で仕方なかったですよ。

「エグエグ死体映像大好きさん」には死体の絵を見るだけでご満悦になれるかもしれないですが、だったら過去いくらでも製作されている「理由なんてない。ただ何となく人が次々殺されて、主人公が怯えて逃げまくる」パターンの映画の方が、よっぽど気持ちよく楽しめる。
ネタがてんこ盛り状態、しかもどのネタも中途半端で主張なし・・・この状態で上映時間2時間超。コレは拷問か?(笑)

よっぽどカルトなB級スリラーがお好きな方以外には勧めませんよ。
一緒に見に行った友達も、退屈しまくって「居眠りモード」大突入でしたね。がっくり。







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加





 < 前の作品  INDEX  あいうえお順INDEX  次の作品 >


ぴよ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加