ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2005年01月31日(月) 渋谷物語

監督:梶間俊一
出演:村上弘明
    南野陽子
    遠野凪子、他
オススメ度:☆+


【あらすじ】
昭和20年9月、特攻隊の生き残りとして復員して来た安藤昇は、新宿の闇市でかつての仲間と再会。更に特攻隊同期の藤原とも再会した安藤は、新宿でテキヤ一家相手に自動小銃乱射事件を起こし淀橋警察に連行。この一件で安藤は裏社会に名が知れ渡った。時代を読んだ安藤は拠点を渋谷に移し、この地で次々とライバルの組を屈服させて、ついには昭和27年青山通りに念願の「渋谷興業」を設立。安藤グループは渋谷の頂点に立ったのだが・・・


【感想】
戦後の混乱期に渋谷で名を上げた伝説のヤクザ「安藤昇」氏の、復員後から「中井襲撃事件」までの昭和20年〜33年までの隆盛を描いた作品。
彼は出所後自らの手で組を自主解散させ、更には自分の半生を小説「激動」として発表。これがきっかけで芸能界入りして役者としても活躍、彼の名前で次々に映画化し本作は安藤氏に関わる90本目の記念すべき作品なんだそーだ。

えーと。
物凄く有名な方だそうですネ・・・実はぴよは全くこの方を存じ上げませんでした(^-^;
だってヤクザ映画って全く見ないし、アチラの世界にも全く興味ないから関連のTV番組すら見ませんし。

今年は第二次世界大戦終戦から60年という節目の年。
そんな訳で本作は単なる「ヤクザ映画」ではなく、この激動の戦後混乱期を生き抜いた熱き男達の軌跡を描く一大抒情詩みたいなもん?よく判りませんが、たぶんそんなモノだと思う ←映画見たクセにこのいい加減さはどーよ(苦笑)

たぶん彼の事を元々知ってて、彼の作品を何本もご覧になってる方には馴染みの事件ばかりなんでしょうけど、少なくとも今回初めて「安藤昇」という人物を知ったぴよにとっては、この作品はあまりにダイジェスト過ぎて事件を時系列に追っかけてるだけにしか見えなかったんだよね(^-^;
「安藤組」の組織の生い立ちを見せるという部分はドラマティックではあるものの、登場人物のキャラクターへの肉付けが弱過ぎて幹部達や安藤を巡る女達の描写がすごく上滑りな気がするの。

村上弘明氏がヤクザの親分さん役?ちょっとイメージ湧かないんだけど・・・と思って見始めたんだけど、これはこれでよかったよーな気がする。もっと言うと、わざわざ「ヤクザっぽくない役者」を起用したかったんだろうなぁ〜と思った。

そもそも安藤昇氏は既存のヤクザのような「着流しにドス」「背中に昇り龍」みたいなバタ臭い世界を嫌ったようで、服装は仕立てのいいスーツに中折帽、ドスは持たずにチャカ(拳銃)、指詰めや刺青・ヤクは禁止という、粋でオシャレなギャングスタイルを貫いている。
「ヤクザ役」としては村上氏は似合わないけど、スタイルのいい彼がダブルスーツに中折帽を頭に乗せて口元を少し吊り上げてニヤリ☆とする様子は、大層オシャレでカッコイイ♪少なくともこのスタイルの彼はハマってる。
ただし・・・48歳の村上氏が20〜33歳の安藤昇氏を演じるには、少々トウが立ち過ぎてますけどネ(^-^;

安藤昇氏の「特攻精神」や求心力、それによって栄華を極めた「安藤組」の成り立ちはよーく判ったけど、やっぱり人間模様の掘り下げをもう少し丁寧にして欲しかった。
ホントに「ダイジェスト!ザ・安藤昇」てな作品でしてネ、ぶっちゃけ言って映画を見終わって思った事は・・・

「で?何が言いたいんすか?」

ヤクザ映画としては大立ち回りシーンは地味だし、戦後の動乱期や人間ドラマを見せるには上滑りだし。
どこに視点を置けばいいのかわからなくて・・・正直言ってかったるかった(薄涙)
ただ、元々「安藤昇ファン」の方ならきっと満足出来るんでしょうね。出来るんでしょう。たぶん(たぶんかよ。苦笑)






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2005年01月29日(土) ソニー SONNY

監督:ニコラス・ケイジ
出演:ジェームス・フランコ
    ミーナ・スヴァーリ
    ブレンダ・ブレシン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
1981年、ニューオリンズの歓楽街に軍を退役したソニーが戻って来た。12歳から母親仕込みで男娼をし、その美貌とテクニックで「伝説」と呼ばれた彼が戻って来るのを、娼館を営む母ジュエルは心待ちにしていた。だがソニーは堅気になりたいと口論になる。長年娼館に出入りしているケチなコソ泥ヘンリーは、ソニーが堅気になるのを応援してくれるのだが・・・


【感想】
ぴよ大好き♪の俳優ニコラス・ケイジが初めて製作・監督に挑戦した作品。
「俺の映画なんだし俺の名前で客寄せすんだから、ぷちカメオ出演くらいはしなくっちゃな♪」てなノリでご本人もちょこっとだけ登場するんですが、これがまた・・・ズラが似合い過ぎ!(爆)
つーか、個人的には「ご主人様!痛めつけて下さいっ!!」の役をやって欲しかったんだけどなーと(うふ)

話は、ニューオリンズの娼館で子供の頃から男娼として生きてきた青年ソニー君が、何とかして這い上がって堅気として真っ当な生活を営みたいと苦悩するものの、世の中そんなに甘い訳ねーよな・・・ってな話です。

堕落したいわゆる「底辺の生活」を送る人間というのは、どこの国にもいつの時代にもいる。
そしてそういうズンドコ生活にどっぷり身も心も浸り切った人間というのはなかなか抜け出せない。
本人がいくら真っ当に生きて行こうと努力しても、必ずそれを邪魔するヤツが出てくるし、仮に自分の周囲が応援してくれても世間は彼の過去を知るやたちまち偏見の目で見るだろう。

そんな訳で、ソニーもやっぱり周囲に足をひっぱられ、周囲の偏見に晒されて、更には憧れだった「一般ピープル」がよっぽど自分よりも薄汚れていると知って絶望した彼は、やっぱり元の男娼暮らしに舞い戻って来ちゃう訳ですが。
彼も26歳という自分の年齢を鑑みて、自分の将来に多大な不安を抱えているのが痛い程判る。自分のおかんだってきっと若かりし頃はぶいぶい言わせた娼婦だったんだろーけど、今見る限りただの怪物にしか見えんし(コラ)、自分だっていつまでも「伝説」と呼ばれる立場でいられるハズもない。

ムダな抵抗なんだよね。
憧れのレストランに食事に行ったソニーのおかんとコソ泥のヘンリー、テーブルマナーやドレスコードがイマイチ判ってなくて店から浮きまくってる。店員から「マナーが守れないなら出てけ」と言われると、自分達のマナーの悪さよりも「コイツら、俺達がこんなズンドコ野郎だと思ってバカにしやがって!」みたいな逆恨みしてる(ようにしかぴよには見えない)
長年の劣悪な生活で身も心も完全におかしくなっちゃってる。ソニーはそんな風になりたくないと必死にもがくけど、生まれた時からそんな環境で育った彼には一般人に対する憧憬はあっても同化は出来ない。

だからどんなに愛しても、娼婦の彼女がかつて自分が憧れたのと同じように「何とかしてここから抜け出したい」と切実に願っていても、彼女が共に手を取り合ってここから逃げ出そうと涙ながらに懇願しても、結局ソニーには彼女の訴えは空しい抵抗にしか見えないんだよね。たとえ彼女と幸せになる事を一瞬夢見たとしても。

もうとにかく猛烈に空しいお話でして。
「所詮ヤクザもんはヤクザもん。そう安々と変われるハズねーぢゃん」という身も蓋もなければ救いようもない話なんですが、この結末を妙に納得出来てしまったぴよもまた、やっぱり歳を取り過ぎて世間ズレしちゃって、何かを諦めて生きているんだろうなぁ・・と思わざるを得ない訳で。

ソニーを演じたジェームス・ブランコ君、「スパイダーマンシリーズ」でトビー君の宿命のライバルであるボンボンを演じていますが、彼は本当に芸達者な役者さんだなぁと思いますよ。
しかもネ、結構いいカラダしてんのよぅ〜♪あの泣きそうなタレ目もおばちゃんのハートをガッチリ掴んでくれるしぃ♪
彼の今後の活躍を是非期待したいですネ・・・もーちょっと華のある役者さんだと申し分ないんだけど(をい)

ところでこの作品って、どういう方をターゲットにした作品なんでしょうか?
今正にズンドコ生活を送ってる方が見たら、悲観して思わず首吊っちゃいそうですけどねぇ(コラコラ)
よく出来た作品だとは思うけど、ニコちゃんがこの作品を作った意図がぴよにはイマイチ判らず。微妙〜(^-^;







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2005年01月28日(金) トスカーナの休日

監督:オードリー・ウェルズ
出演:ダイアン・レイン
    サンドラ・オー
    リンゼイ・ダンカン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
夫の浮気から離婚に・・・傷心を癒そうと友人からプレゼントされたツアーでイタリアへやって来た女流作家のフランシスは、トスカーナでたまたま見かけた古い屋敷に一目惚れして購入、そのまま移住する事になってしまった。改修工事の為に雇ったイタリア人棟梁と3人のポーランド人職人達、気の優しい現地の不動産屋、元女優のキャサリン、そしてローマで出会った色男のマルチェロ・・・様々な人々と交流しながら新たな自分探しを始めるフランシスだったが。


【感想】
アメリカ国内で200万部を超えるベストセラーになった小説「イタリア・トスカーナの休日」の映画化。
主人公のフランシスをダイアン・レイン、地元不動産屋の優しい紳士マルティニ役にイタリア語が堪能な英国人俳優ヴィンセント・リオッタ、ローマでひょんな事で知り合う色男マルチェロ役をイタイアでは猛烈な人気(らしい)GAPのCMモデルも務めるラウル・ボヴァ・・・って、要するにダイアン・レイン以外はロクに知らない役者さんばっかりなんですけど(苦笑)

簡単に言っちゃえば「バツ1女性の癒しと再生ムービー」な訳ですが、誰もが想像したトーリの苦悩があって、誰もが想像したトーリのエピソードがあって、誰もが想像したトーリの大団円を迎えるという、もう本当にありきたりなステレオタイプの話でしてネ、とにかく安心して楽しめる事請け合いの一本です。

ステレオタイプなのは話の展開だけじゃなくて、登場するキャラクターもみーんなそう。
アメリカ人が想像する(日本人もか?)典型的な「イタリア男」達がわらわら現れて、イメージ通りのくっさーいセリフをわんさか言ってくれる・・・のがイタリア人じゃないぴよからすれば楽しいったらありゃしない♪
マルチェロが「君の瞳で泳ぎたい」って大真面目な顔でフランシスに語った場面では「あり得ねー!」って大笑いしたけど、アメリカ女のフランシスもやっぱり全く同じような反応をしてるのには更に笑ったワ。

イタリア・トスカーナ地方の美しい風景がこれでもかー!と登場して、旅行好きには目の毒な映像の数々。
更にみんなで食卓を囲んで食べるイタリア料理の美味そうな事と言ったら!!あの飯食うためだけにイタリアに行ってもいいかも〜♪くらいには絶対に思えちゃう。

それにしても、あれだけ生活力がある「社会的には成功してる女」でも、やっぱり幸せになる為のキーワードは「彼氏」がいるかいないか、「女として誰かに愛されるか」って事だというのは考えさせられます。
ダンナに浮気された挙句に離婚→更には虎の子の自宅まで元夫に持ってかれて踏んだり蹴ったりのハズなのに、懲りるドコロか彼女の夢は「トスカーナの家で結婚式を挙げて家族を作る事」ってのはスゴイよな。
ぴよだったら「もう結婚なんてコリゴリ。男は色男を金で買えば済むんだし、アタシこれからは弾けてやるわっ!」くらいには思いそーなんだけど(これもかなりの危険思想ですが。笑)

どんなに社会的に成功しても、やっぱり女の幸せってのは「男」がもたらしてくれるんですかねー。
せめて「成功した独身男性」にも女性に愛される事に幸せの活路を見出して頂かないと割りが合いませんな(笑)







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2005年01月27日(木) 五線譜のラブレター De-Lovely

監督:アーウィン・ウィンクラー
出演:ケビン・クライン
    アシュレイ・ジャッド
    ジョナサン・プライス、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
1920年代パリ、この地に遊学していたコール・ポーターは社交界のパーティーで「パリで最も美しい離婚女性」と噂されるリンダと運命の出会いをする。ポーターはリンダに自分がゲイである事を告白するが、彼の才能を理解し愛したリンダは彼の性癖をものともせず、ポーターは自分の性癖を受け入れてくれたリンダと結婚する事を決意するのだが・・・


【感想】
音楽家人生40年余りの期間に870曲もの作曲をし、数々のブロードウェイ・ミュージカルや映画音楽を発表し、今も尚伝説の人と呼ばれる「コール・ポーター」の半生を、彼の作った名曲ナンバーに乗せて見せる伝記ミュージカル。
コール・ポーター役をケビン・クラインが、そして彼のミューズでもあり名プロデューサーでもあった妻リンダをアシュレイ・ジャッド嬢が好演しています。

コール・ポーターの半生を、彼の作品を著名なミュージシャン達に歌って躍って頂きながら見せるミュージカル仕立てになっていて、この「ゲストミュージシャン」の豪華さを楽しむだけでも金払う価値充分です!
ナタリー・コール、エルヴィス・コステロ、ロビー・ウィリアムス、シェリル・クロウ、e.t.c.・・・往年のファンの方々(往年かよ)がご覧になったら悶絶死しそーなすんごい豪華なラインナップ!ホントにすげー!

話は死を目前にしたポーター氏が、友人?の演出家と共に自分の半生をミュージカルの舞台として鑑賞するという構成になっていますが、コレはいわゆる「人生の終末に記憶が走馬灯のように・・・」というのを「ミュージカル舞台鑑賞」というスタイルで見せているようです。
もしかしたらこの演出家は神様か天使のような存在なのかも?劇中ポーターが「これは気に入らない」と口を挟むと、演出家が「君に文句言われる筋合いないよ。舞台は演出家のモノだ」という意のセリフを言う場面がありますから。

さて、そんな訳で肝心のポーター氏の半生ですが。
上のあらすじにも書いたけど、ゲイだった彼は自分の才能を見出してくれた「リンダ」とう女性に出会う事で、この業界でようやく花開く訳ですわ。リンダもスゴい女で、ポーターがゲイだと告白しても顔色一つ変えずに「ま、この業界の人ってそーいうの多いしネ」くらいのノリであっさりと受け入れてしまいます。

ポーターはリンダという「ミューズ」を得る事で成功したものの、じゃあリンダの方はどんな気持ちだったんだろう?
最初は確かに彼の才能に惚れ込んだリンダだったけど、やっぱり女性として愛を得たかったんではないだろうか?と思わずにはいられない。
ダイヤモンドの原石を見つけ、それを磨き上げて本物の輝きを与える。確かに、原石(ポーター)が自分の力とプロデュースでみるみる輝いて名声と富を得る様子を見ているのは満足感があったでしょう。

でも、いざ名声と富を得て輝きを放つようになったダイヤが、その輝きに慢心してやりたい放題するようになると、明らかに彼女は困惑する。
彼に自信を与え、彼の才能を開花させる事に懸命だった彼女は、ポーターを甘やかし過ぎてしまった。ポーターのあまりに奔放な様子に業を煮やして、今まで散々褒め称えた彼の才能を「たかが音楽」と言い放つシーンは、本当に彼女の切ない思いを伝える名シーンだったと思う。

リンダの服装、髪型から艶やかで躍動感溢れる舞台の様子まで、非常に洗練された映像だし見てて楽しい。更に脚本も秀逸でミュージカルとしても楽しめるしドラマ性にも富んでいて魅力的♪
万人ウケはしないけど、いわゆる「大人が楽しむミュージカル」としてオススメな一本だと断言出来るんだけど・・・

なんだろう?このB級感わっ!?
ホントにすっごく質の高い作品だと思うのに、どーにもこーにも「小品」な印象ですよ。
何て言うのか・・・「洗練されてるのに泥臭い」って言うのかなぁ?全然言ってる事が逆なんだけど(苦笑)、本当によく出来たミュージカルだと思うのに、何かバタ臭いっつーか安っぽい感じがするっていうのか。

何とも不思議な作品なんですが、映画としてもミュージカルとしても楽しめる1本です。大人の方にオススメ♪







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2005年01月26日(水) ブエノスアイレスの夜

監督:フィト・パエス
出演:セシリア・ロス
    ガエル・ガルシア・ベルナル
    ルイス・シエンブロウスキー、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
父が危篤という知らせを聞いて20年ぶりに故郷ブエノスアイレスに帰って来たカルメン。かつてこの地で起こった軍事クーデターにより、夫も生まれたばかりの子供も失い監禁・虐待を受けた彼女は、その事がトラウマになり人を愛せず異性と肌を触れ合う事も出来なくなった。そんな彼女の楽しみは男女の営みを壁越しに聞く事。ある日友人に電話をかけたカルメンは、留守番電話に吹き込まれた男娼グスタボの声に感じるものがあり、彼を呼び出したのだが・・・


【感想】
ガエル・ガルシア・ベルナル君の最新主演作。映画チラシの写真からしてワクワクさせてくれるぢゃーないですか♪
しかも本作はR-18指定ですよーん。わーい!ガエル君のすんごい濡れ場とか見れちゃうわけー!?←アホ
監督は本作が長編映画デビュー作となるフィト・パエス氏。パエス氏は本国では著名なミュージシャンとしても知られているそうでして、本作の音楽も担当しているよーです。
ついでに言うと主人公カルメン演じるセシリア・ロスの旦那さんだったりする。

過去に辛いトラウマを持つカルメンは、自分が男性と体を触れ合う事は出来ないけど、他人がエッチする声を聞く事で興奮して自慰行為をするというのが趣味だったりする。
で、その趣味を楽しむ為にたった2週間だけの帰郷なのに、家族に内緒で「自慰行為専用アパート」を借りる。
この人、病んでるっていうより人として何か間違ってますヨ!
自分の父親が危篤だっつーんでわざわざ20年ぶりに帰郷したんだろ?2週間くらい自慰すんの我慢しろっつーの(爆)

で、そんなオバちゃんの自慰のオカズに呼ばれたのが、ガエル君演じる男娼グスタホ。
彼は厳格な軍人家庭に育ったものの、田舎暮らしがイヤなのか?ブエノスアイレスに出て来て男娼をしながら、最近ではモデルデビューも果たして気分は前途洋々。退役軍人の父には「家の面汚しだ」と怒られるものの、稼いだ金は両親に渡して親が不自由のない暮らしが出来るように気遣う、とっても心の優しい男の子です♪

ところで、オバちゃんがガエル君の声にうっとりしちゃうのは納得出来ても、ガエル君演じる「男娼グスタホ坊や」が横柄で妙な性癖のカルメンという年増に入れ込む理由がさっぱりわかりません。
カルメンのトラウマから来る影のある態度が、ミステリアスに映ったのでしょうか?
それにしても、少なくともスクリーンから感じる「カルメン」という女は、どう見てもダブルスコアで歳の離れた美少年から惚れられるような容姿でもなければ、愛されるような性格でもありません。

なかなかサスペンスな展開で(でもオチはほとんどの人が途中で判ると思う)、その「衝撃の展開」で観客をびっくりさせつつアルゼンチンという国が抱える忌まわしい過去と、それによって数奇な運命を辿る男女の悲哀を見せて「愛とは何ぞや」という事を提示しようというのでしょうか・・・
ぶっちゃけ言って、ぴよにはこの映画の言いたい事がさーっぱりわからなかった(^-^;

そもそもアルゼンチンという国についてよく判ってないので(歴史背景なんぞほとんど何も知らん)、映画中のカルメンのセリフでいきなり「監禁された時」「政治犯として捕らえられ」と言われてもピンと来ないんですわ。

で、更に思わせぶりに色んな伏線が張られているんだけど、それも要領を得ないっつーか・・・カルメンが聴覚に異常に鋭くて「声」だけに性欲を感じるというのは、きっと暗い独房に長い間監禁されていたという事を強調したいんだろうし、亡き夫の従兄だったという主治医との意味ありげなやり取りも、監禁生活時代に何かあったんだろうなぁ・・・という事を想像させてはくれるものの、編集?演出?脚本?が散漫としてとりとめなく、観客に非常に伝わりにくい作りなのよネ。

しかも・・・上に書きましたが、監督さんは「著名なミュージシャン」だそうで、本作の音楽も担当されているよーですが、はっきり言ってものすごーく音が浮いてるんですってば!(^-^;
イマドキ「火曜サスペンス」でもこんな陳腐なBGM聞けませんよ。シーンと音楽が全然合ってないし!!

期待してた「R-18ネタ」もどーって事なくて(くそぉ〜・・・)
ぴよはかなり肩透かしな作品だったのですが、ですが、ですが、

ガエル君は猛烈に可愛かった!彼のファンだったら見て損はないです♪ホントに可愛いのよぉ〜♪←やっぱアホ







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2005年01月25日(火) セルラー

監督:デヴィッド・R・エリス
出演:キム・ベイシンガー
    クリス・エバンス
    ジェイソン・ステイサム、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
高校の生物教師ジェシカは、ある日突然家に押し入って来た男達に拉致・誘拐されてどこかの家の屋根裏部屋に監禁されてしまう。部屋にあった唯一の電話は主犯格の男に叩き壊されてしまうが、何とか配線を接触させると見知らぬ誰かの携帯に繋がったのだ。繋がったライアンという青年に必死で自分の状況を説明するジェシカ。最初はいたずら電話だろうと相手にしなかったライアンだが、緊迫するジェシカの声にただならぬものを感じ、彼女を救出する為に遁走するのだが・・・


【感想】
「L.A.コンフィデンシャル」でオスカー女優となったキム・ベイシンガー主演最新作。
偶然繋がった1本の電話が織り成す息詰まる犯罪サスペンス・・・と聞くと「フォーン・ブース(2003.9.8鑑賞)」みたいだなと思うんだけど、何と脚本の原案を書いたのはフォーン・ブースを書いたラリー・コーエン氏。
この方、よっぽど電話を使った話がお好きなよーです(笑)

さて、奇しくも2日続けて「携帯電話を使ったサスペンス物」を鑑賞する事になったのですが(昨日は「着信アリ2」)、こちらの作品の方が断然面白かったですね。

まずテンポがよくてダレない。最初は何が起こってるのか主人公ジェシカにも観客にもさっぱり判らないんだけど、映画が進む内に彼女の周辺の状況や置かれた立場、そして犯人像と目的等の情報が徐々に明るみに出てくる。
見せ方がウマいんだよね。ある意味手垢の付いた展開ですが、それをどれだけスマートに飽きる事なく観客の興味を惹いて見せていくかが勝負とも言える訳で、本作は脚本が非常にしっかりしていてウマいなぁ!と思ったな。

最初に映画のあらすじを聞いた時は「電話が繋がるなら警察に電話すりゃいいじゃんか」と思ったんだけど、電話は粉々に壊れてて中の配線部分もバラバラになってる状態の物を、理科の教師という事で多少電気系統にも明るいとう設定?(でも生物教師だって・・)の彼女が、ちぎれた配線をモールス信号みたいにパチパチと接触させてたまたま電話が繋がった相手に助けを求める、という展開になっている。

まあ、こんな事あり得ませんがね(笑)
でもこの作品のウマい所は、誰が聞いてもあり得ない設定だからたまたま電話を受けた青年ライアンも最初はまるで信じないという所ね。
「イタズラ電話にしちゃ手が込んだ設定だネ」とライアンは軽くあしらって電話を切ろうとするんだけど、この電話を切られたら次いつ繋がるか判らないジェシカは必死な訳で、ジェシカの必死な様子に段々ライアンも「まさか・・・ねぇ?」と疑問に思い、それが段々確信に変わる様子を見せる→観客にもスクリーンを通して同じ体験をしてもらって、このあり得ない設定を鵜呑みにさせる、という手法を取っています。

だから本来穴だらけのハズの設定や状況がその後続いたとしても、もうその頃にはライアンも観客も「何だってアリ!」というトランス状態に持ち込まれてて、こーなったら製作者側の独壇場(笑)
やりたい邦題やられてるんだけど、観客はただただライアンと共にクライマックスへ向けてガンガン行くしかない訳。
これはもう「脚本勝ち」としか言いようのない・・・見終わって時間が経って冷静に考えてみると「んなアホな」と思うんだけど、映画見てる間は全く違和感を感じさせないというのはスゴいですヨ!

ただ息詰まるサスペンスだけでは観客はダレる。緊張感というのはそんなに持続しませんからネ。
そういう観客心理も判っているのか?要所要所に笑いのツボを用意して上手に息抜きさせるように作ってあります。

と、褒めちぎってる本作ですが欠点はやはりある。
それは「是非金を払って見に行きたい!」と思う程の客寄せパンダ役者が出演していないという事でしょう(笑)
するとどーなるか・・・日本での上映館の数も少なく宣伝費もかけないからメディアで取り上げられる機会も減る。
当然だけど興行収入もそれ程見込めないし、話題にもならずに闇に埋もれる(苦笑)

B級ちっくな小品の秀作としてかなりオススメしたい1本なのですが・・・これは「見た人勝ち」ってヤツでしょう。
映画館でもしこのタイトルを見かけたら、是非足を運んで見てください。なかなかよく出来た作品ですヨ!
(本作は2005年2月26日から全国ロードショー予定)






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2005年01月24日(月) 着信アリ2

監督:塚本連平
出演:ミムラ
    瀬戸朝香
    吉沢悠、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
保育士の杏子は久し振りに恋人尚人がアルバイトする中華料理屋に友人と飲みに行った。そこでどこかで聞き覚えのある着信メロディを耳にする。その夜中華料理屋の主人が変死し、ルポライターの孝子は1年前に世間を震撼させた事件との関連を探す。そして杏子の携帯にもあの着メロが流れた・・・事件を追う内に、台湾の廃坑で起きた忌まわしい事件に辿り着いた孝子は、杏子・尚人と共に台湾の廃坑へ向かうのだが。


【感想】
2004年1月に柴咲コウ主演で公開された「着信アリ(2003.12.27鑑賞)」の続編・・・なのですが、そもそも何故この作品の続編が作られたのか不思議で仕方なかったんですよね。
前作を見た時に「なんぢゃこりゃ」としか思えなかったし・・・そんなに話題だったんですか?と思って公式サイトで調べたら、台湾・香港・韓国等で大ウケだったみたい?
しかもハリウッドからリメイクオファーまで来てるとか・・・確かに携帯電話を使ったホラーというのは非常に斬新なアイディアだと思うし、ネタ自体は面白くなる要素を沢山持っているので、ハリウッドで洗練された脚本に仕立ててリメイクしたら、もっともっと面白い物になる可能性は充分に秘めているとは思うんだけど。

てな訳で、前置きが長くなりましたが本作。

まずこの作品を見る上で最も重要な事は「必ず前作を先に見ておく事」、これに尽きるでしょう。
「自分の携帯に死の予告電話がかかって来る」というネタさえ知ってればいいという訳じゃないです。
前作に登場した人物やアイテムが何の説明もなく「これは知ってて当然の情報」として今作登場して来るので、前作を見てないと「赤いアメがどーかしたの?」「中村由美が行方不明?」「美々子ちゃん?誰っすか?」という、?マーク乱発状態になってしまいます。

そういう前作のオチネタに絡む人物やアイテムに対する説明を一切排除し、いきなり降って沸いたように「台湾の廃坑」とやらが出てくるから、判りにくいったらありゃしない(苦笑)

実は前作と今作の両方見ても、未だにぴよ自身よく判っていないのですが・・・(^-^;
要するに元々この「死の予告電話」というのは美々子ちゃん親子のアイディアではなく、台湾の少女「リー・リィちゃん」が始めたいう事になるんですよね?←って誰に聞いてるよ?(笑)
するってーと、美々子ちゃんちは「あら、こんな呪い電話が台湾に出回ってるワ。一丁アタクシ達も乗ってみる?」みたいなノリだったという事でしょうか?(^-^;

ま、いいや。
どーせアジアでウケたから、今作舞台を台湾にしてみたかっただけだという事でしょ。
そもそもリー・リィちゃんが生きてた時代に携帯電話なんてないんだから、辻褄合わないしな(笑)

辻褄と言えば、どーして日本で死んだハズの友達が台湾の廃坑村に妙な状態で現れるのか?とか、赤い飴玉はリー・リィちゃんとは関係ないのに何故台湾の某所・某人の口から出て来るのか?とかツッコミどころは満載ですが(苦笑)、少なくとも前作よりはおちゃらけ度が減って(ホルマリン漬けも出ないしネ)まともなホラーを見せようという気概は感じます。
一応今作の「台湾ネタ」だけに限定して言えば、それなりに辻褄も合ってると思うし。

それを前作の「美々子ちゃんネタ」と強引に繋げようとするから訳がわかんなくなる。
いっその事、前作の事はすっかり忘れて「台湾ネタ」だけに絞って見せてくれた方がスッキリすると思うんだけど。
そもそも舞台を台湾にするから前作と繋がらないんだよな。どーして台湾なんだろ?廃坑だったら日本にだってあるんだしさ(実際ロケは北海道の夕張炭鉱でやってるみたいだし)、最初から日本の夕張炭鉱を舞台にして、美々子ちゃんか中村由実に関連する人物の話という事にした方が、よっぽど前作との繋ぎがいいと思うんだけど。

一応今作のキモは「死の予告電話が自分にかかって来ても、回避する方法がある」という事が判った事。
それからもう1つは「懲りずにこの作品はまだ続編を作る気でいそうな予感がする」という事(をい)

え?役者の演技?
知らんよ、そんな事。興味もないし(コラコラ)
ミムラちゃんだったっけ?ぴよはぜーんぜん彼女を知らなかったんだけど、主役張るには花がなさ過ぎですな。
ついでに言うと、瀬戸朝香ちゃんと誰デスカ?台湾の役者さん・・・夫婦には絶対に見えません。えぇ(笑)







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2005年01月22日(土) 舞台よりすてきな生活

監督:マイケル・カレスニコ
出演:ケネス・ブラナー
    ロビン・ライト・ペン
    スージー・ホフリヒター、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
売れっ子劇作家ピーター・マクガウェンは大の子供嫌い。仕事はスランプ続きの上に妻のメラニーは子供が欲しいとせっついて来る。おまけに隣家が犬を飼い出してギャンギャン吠えるから夜もロクに眠れずイライラ。
そんなある日、近所に足の不自由な少女エイミーが引越して来た。大喜びでエイミーの子守りを買って出るメラニーに苦々しく思いながら書斎に逃げ込むピーターだったが、「新作戯曲の台本に出てくる子供にリアリティがない」とダメ出しを食らっていた彼は、エイミーを観察する事で子供の表現を膨らまそうと思い付くのだ。


【感想】
ロバート・レッドフォード氏が製作総指揮を取った作品。
監督は今作が長編映画初メガホンとなるマイケル・カレスニコ氏。彼が脚本も手掛けてます。

内容は、子供嫌いの劇作家がひょんな事から近所のガキと交流するようになって、いつの間にか子供嫌いを克服してるという単純明快なモノなのですが、この映画の示唆するモノは「子供嫌い=自分が大人になり切れてない」という記号。
かつては「怒れる若者」と呼ばれたピーター、既に若者ではなくなっていても精神的にはまるで成長していない。世間のアカにまみれて大人の世界は知っていても精神的には大人になり切れていないという中途半端なオッサンにとって、リアルな子供というのは理解不能でうっとおしい脅威の対象でしかないのだ。

そんな半端な「大人子供」のおっさんがリアルな子供と交流する事で精神的に成長して行くという、よくありがちなステレオタイプのヒューマンドラマなんですが、ピーターが劇作家だという設定を楽しませようという趣向なのか?彼のセリフが一々ウィットに富んでいてかなり笑わせてくれます。
かつての(今もか?苦笑)ウディ・アレンを彷彿とさせてくれますね。もしかしたらかなり彼を意識してるのかも?

展開もオチもミエミエの話なので、一生懸命エピソードを膨らまそうという努力は痛い程判るのですが、ボケた嫁のおかんや偽ピーター等の「いてもいなくてもどーでもいいよーなキャラ」は思い切って全部バッサリ切っちゃって、ピーターとエイミーの交流部分やピーターの心境の変化をもっと丁寧に見せてくれた方がいいんじゃないの?と思ったんですが(^-^;

ついでに言うと、ピーターは英国人で今はLAに住んでるという設定なんだけど、これも意味ない感じするなぁ。
英国車にこだわっていたりLAっ子を皮肉ったりするだけで、ピーターというキャラの肉付けにそれ程魅力が増しているとも思えないし「子供嫌い」という部分の強調にもなっていないし。
これってもしかしてピーター演じるケネス・ブラナーがアイルランド出身だからってだけの理由なのか?

散々書いてますけど、見てる時は結構楽しかったんですよ。←今更何を・・・(笑)
話の内容事態が面白かったんじゃなくて、単にピーターのセリフや様子に笑ってたんすけどネ。要するにケネス・ブラナーが上手かったって事なのかしらん?
個人的には嫁のメラニーを演じたロビン・ライト・ペンの方がステキに見えたんだけどナ。

いや、本当に決して悪くない作品なんだけどなぁ・・・ぶっちゃけ言って「TVドラマレベル」程度だったし(コラ)
TVで見る分には充分大満足出来るけど、映画館で金払って見るとなるとちょっと物足らない感じなんだよね。








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2005年01月21日(金) オペラ座の怪人

監督:ジョエル・シュマッカー
出演:ジェラルド・バトラー
    エミー・ロッサム
    パトリック・ウィルソン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
19世紀パリ。オペラ座では毎夜華やかなショーが繰り広げられる一方、ファントム(怪人)による奇怪な事件が頻発して劇場の人々を恐れさせていた。オペラ座の寄宿生クリスティーヌは「音楽の天使」からレッスンを受け、そして美しいプリマへと成長する。クリスティーヌの幼馴染みラウルがオペラ座のパトロンになり、たちまち恋に落ちる2人。ところが「音楽の天使=ファントム」もまたクリスティーヌを愛し、彼女を地下洞窟へ案内すると自分と共に生きるように願い出るのだったが・・・


【感想】
1986年にロンドンで初演、その後世界18ヶ国100都市以上で大ヒットの超ロングランを続け、全世界8000万人以上がその素晴らしい舞台に酔いしれたという、天才作曲家A・ロイド=ウェバー氏が送り出す「オペラ座の怪人」の映画化。
ぴよもさすがに「オペラ座の怪人」の話の大筋は知ってたんですがね、ミュージカルは見た事ないんですヨ。
だから本作がミュージカルとどれくらい細かい部分で内容が違うのかはわからないんですが、ミュージカルも見たという友人の話では「映画冒頭からチョロチョロ出てくる『1919年のパリ』は映画オリジナル」だという事らしい。

んな訳で本作。
予告編でもゾクゾクしたけど、最初に1919年のオペラ座から本筋の舞台となる1870年代のオペラ座へ蘇って行くシーン、あの誰もが耳にしたら忘れられないテーマソング「ジャーン!ジャジャジャジャジャーン!←これぢゃわかんねーヨ(笑)」が流れた瞬間、冗談抜きに全身に鳥肌が立ったワ!!

とにかく美しい!装飾、美術、衣装、何もかもが余りに美し過ぎるし、何度聞いてもウェバー氏の作曲したあの数々の名曲がスクリーンの映像に被る度に「あたしゃー何てスゴイものを見てるんだぁっ!」という感動が・・・

でもネ、
これはすごく意外だったんだけど、セリフの8〜9割くらいは歌なんですよ。
歌がセリフになってる。ミュージカルだもん、歌がセリフになってるのは当たり前じゃん!とも思うんだけど、でもコレは映画なんですよ?映画ならではのフツーのセリフ回しや展開がもっと占めてると思ってたのね。
イメージ的には「シカゴ(2003.3.13鑑賞)」くらいの分量。あくまでも映画としての「演技」の上に歌を載せて観客を楽しませるというエンターテイメントにしてあるとばっかり思ってたんだけど、この作品は本気でミュージカルの舞台をそのままスクリーン化してあげましょう!ってな感じでした。

それがダメな訳じゃないんだけど、正直言ってミュージカルを見慣れてないぴよが見ると、内容に入り込むのにすごく時間がかかるって言うのかさ、それより何よりエミー・ロッサムちゃんが・・・彼女は7歳から大舞台でパバロッティやドミンゴと共演して来たというだけあって、そりゃーお歌がお上手なのですが、映画全般通して彼女の演技が非常に硬くないですか?
もっと言っちゃうと表情に乏しい・表現力に乏しい。もっと簡単に言うと「大根」←をいをい(^-^;

だって驚いてる表情も恐怖にひきつる表情も嬉しそうにしてる表情も苦悶してる表情も、ぜーんぶ目を見開いてるだけで同じに見えちゃったんですけどー(^-^;
で、彼女の演技がヘタだから(をい)なのか脚本に問題があったのか、クリスティーヌというオンナが、ファントムに求愛されれば嬉しそうに尻尾を振り、そしてハンサムなラウルに求愛されればまた尻尾を振るという「単なる尻軽オンナ」にしか見えなかったってのが・・・言い過ぎ?(苦笑)

今作、主役格の3人(ファントム、クリスティーヌ、ラウル)は吹替えなしの生歌で勝負してるらしいですが、本当に3人ともよく頑張ってて上手なんですよ。
勿論クリスティーヌ演じたエミー・ロッサムちゃんも上記に書いた通り、とてもお上手でした。
でしたけど、元々オペラ座のプリマを張ってたカルロッタ嬢をプリマの座から引き下ろすにはちと物足らない。もっと言うとクリスティーヌよりもカルロッタの方が明らかに声量もあるし歌も上手く感じる(爆)
カルロッタを演じたのはミニー・ドライヴァーですが、これはさすがに吹替えなのかな?それにしても、せめてエミー・ロッサムよりも確実にヘタクソな人に吹替えてもらわない事には、オペラ座の観客も映画館の観客も納得出来ないでしょう。

随分ダメ出ししちゃってますけど、でもとにかく迫力はある。
やっぱ音楽がスゴイ!衣装も美術もスゴイ!少なくともこの映画はDVDじゃなくて、映画館の大スクリーンといい音響で見なければ意味がない「スーパーエンターテイメント」である事には間違いがない!

・・・微妙な感想になっちまいましたが(苦笑)、一般公開されたらもう1回くらいは見に行くよ。うん。







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2005年01月20日(木) レイクサイドマーダーケース

監督:青山真治
出演:役所広司
    薬師丸ひろ子
    柄本明、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
我が子を名門中学へ入学させたい3組の家族が、塾講師を雇って湖畔の別荘に合宿にやって来た。並木俊介は受験に疑問を持ちつつも、娘の為に別居中の妻と仲の良い夫婦を演じていた。その別荘に何の前触れもなく並木の愛人・英里子が現れて仰天する並木。夜になって英里子の投宿しているホテルへ密会する為に訪れたものの、英里子に会わず引き返して来た。ところが別荘に戻ってみるとホテルにいるハズの英里子が部屋で死体になっていたのだ。「私が殺した」という妻の美菜子の言葉に愕然とするも、事態は思わぬ方向へ動き出すのだ。


【感想】
人気推理小説家・東野圭吾氏が2002年に書き下ろし、たちまちベストセラーになった「レイクサイド」の映画化。
氏の作品は大好きで、文庫化された作品は全て読んでます♪・・・という訳で、文庫化されてない本作は未読(笑) でもミステリーはオチや犯人探しが楽しみなんだから、どーせなら原作読む前に映画見た方が、映画としては楽しめるしネ♪

と、軽く負け惜しみを言ったトコロで(苦笑)


ここから先は未見の方は読まない方がいいかもしれません。
ネタバレする気はありませんが、察しのいい方は記述を読む事で犯人が誰か判ってしまう可能性があります。





登場人物は3組の親子と塾講師。主人公・並木の愛人が妻によって殺害される。ところが殺害場所が合宿会場であり、且つその3組の中でもとりわけリッチな医師ファミリーの所有する別荘だったが為に「警察に知られたら私達の子供が中学に合格しなくなる!マスコミに書きたてられたらシャレにならんっ!」ってー事になって・・・てな展開な訳ですが。

まあ、毎度毎度書いてるんだけど、登場人物が出揃ったトコロで「コイツがトラップ、んでコイツが犯人だな」と目星がついてしまい(笑)、そしてそれはやっぱり当たっていたりなんかして(^-^;
犯人が誰か当てるという「推理ゲーム」的な要素があるのは勿論ですが、この作品は「犯人当て」だけを楽しむ作品ではないというトコロが東野氏の作品らしいヒネリが利いています。

犯人当てではない、この作品のキモになる主題部分が何かをここに書くと「犯人は誰か?」というネタバレになってしまうので書けませんが、現代社会が抱える大いなる闇の部分をかなりシニカルかつ辛らつな展開で表現しています。

芸達者な役者を揃えているので、演技に関しては文句垂れる箇所はあまりありません。
更に「レイクサイド(湖畔)」という設定を印象付けるかのように、青みがかった美しい映像が多く、撮影・演出・映像処理に対する監督さんのこだわりを随所に感じさせてくれます。

でも、見終わってみてなーんか煮え切らんのだ(苦笑)
気持ちいいネタじゃないからってのが一番だと思うんだけど、それだけじゃない何か納得出来ないモノがあるのよ。
よく練られた話だと思うんだけど(これはきっと原作の出来がいいんだろう♪)、やっぱり「原作の映画化」という制約の中で作ってるからなのか?限られた上映時間の中で人間関係を見せ、伏線を張り、トラップを掛け、真相を見せて主題を明らかにしなければいけないという「てんこ盛り状態」になっちゃって、キャラクターの肉付けがおざなりになってる感が否めないからかもしれないなーと思う。

筋立て的には本当によく出来てると思う。
けど、どうしても煮え切らないモノが残る・・・何をどうすればよかったのか?と問われると困るんだけど、もしかしたらこの作品は映画化に向いていない題材だったのかもしれないな、という気がしなくもないのよね。

この映画見て、スッキリいい気分になれる人はまずいないと思うし。
誰が見てもやるせない気持ちになるネタだったし(^-^;







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2005年01月19日(水) シルヴィア

監督:アリソン・オーウェン・アレン
出演:グウィネス・パルトロウ
    ダニエル・クレイグ
    マイケル・ガンボン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
アメリカの裕福な家庭で育ったシルヴィア・プラスは、詩人になる事を夢見てケンブリッジ大学へ進学する。そこでイギリス人大学院生テッド・ヒューズの詩に感銘を受けたシルヴィアは、パーティーでテッドに出会いたちまち2人は恋に落ちた。卒業と共に結婚し、その後テッドは小説家として名声を手に入れる。ところがその頃からシルヴィアは、自分の創作意欲が湧かないイライラとテッドの女性関係への疑いが募り、心が蝕まれていくのだった。


【感想】
アメリカ人で知らない人はいないという、伝説の女流詩人シルヴィア・プラスの半生を描いた作品。
主人公シルヴィア役をぴよ大好き♪グウィネス嬢が好演。テッド・ヒューズ役のダニエル・クレイグという役者さんの事は知りませんが、彼女が最後に暮らしたロンドンのアパートの階下に住む心優しい老人役に、ハリポタシリーズの3作目からダンブルドア校長先生役を演じているマイケル・ガンボン氏がキャスティングされています。

まず内容は置いといて(←いきなり内容すっ飛ばしですか。苦笑)
とにかくグウィネス嬢がめっちゃくちゃ可愛い!猛烈に可愛い!彼女の衣装も超ツボ!ヘアスタイルもゆったりした巻き毛が顔にかかって愛らしさ炸裂♪
本作の衣装を担当したのは「エデンより彼方へ」や「恋におちたシェイクスピア」でアカデミー賞最優秀衣装デザイン賞を受賞したサンディ・パウエル女史。本作でもその才能は如何なく発揮されていて、1950〜60年代の清楚で上品な令嬢風の衣装がグウィネス嬢の美しさを際立たせるように効果的に演出されています。

さて、ぴよはよく知らなかったシルヴィア・プラスという方ですが・・・
要するに才能もあり感受性も名声欲も強かった事が災いして(?)、同じ土俵だったハズの夫のテッドが先に名声を得た事で精神のバランスを崩してしまったよーです。
彼女の「名声を得たい」欲望と「夫からの愛を得続けたい・夫の愛を失いたくない」という思いが、逆に彼女の心を蝕んで夫を遠ざけるという皮肉な結果になってしまうくだりは、同性として切ないモノがありました。

彼女が嫉妬に狂うシーンは本当に恐ろしい。
「嫉妬」という負のパワーを激情に駆られてそのまま相手にぶつければ、相手はどういう反応を示すかなんて誰もが想像に難くないし、シルヴィア本人だってよく判っている。
それでもぶつけずにはいられない彼女の胸中を思うと、胸が締め付けられるような思いでいっぱいになります。
そして自分も若い頃はこういう事をやって失敗したなぁ・・と溜息が出たりなんかして(苦笑)

幼い頃に父親を亡くした事による愛の喪失感と渇望感が、ようやく手に入れた愛を失いたくないという熱烈な思いへ通じ、更にはその愛を失った事で心の闇と対峙して詩の創作へ昇華させていく。
彼女のトラウマ、彼女の豊かな才能と感受性、彼女の心の闇、叫び、そういうものがストレートに観客に飛び込んで来る、非常に練られたスマートな脚本だなぁという印象が強いです。

「詩人の半生」というだけあって、脚本家は随分苦労したでしょう・・・シルヴィアやテッドが語るセリフ一つ一つの言葉の表現の詩的で美しい事と言ったら♪文芸作品が好きな方には相当ツボに来る事間違いなしです。

作品自体は非常に丁寧だけど地味な作りなので、エンターテイメント好きさんにはウケが良くないんじゃないかと思うけど、セリフ回しの美しさを楽しんだり衣装や役者の演技を楽しんだり、はたまたシルヴィア・プラスという女性の生き様に共感したり同情したり出来る人にはかなりツボに入るんじゃないかと思いますネ。
ぴよはエンターテイメント好きですが、それでもこの作品はかなりお気に入りですヨ。

何しろ・・・グウィネス嬢が猛烈に美しいですから♪







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2005年01月18日(火) きみに読む物語

監督:ニック・カサヴェテス
出演:ライアン・ゴズリング
    レイチェル・マクアダムス
    ジェームズ・ガーナー、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
病院で療養生活を送る老人性痴呆症の婦人を毎日見舞う老人は、今日も物語を彼女に読み聞かせていた。それは1940年の夏に南部の小さな町で出会った若き男女の物語――休暇を過ごしに都会からこの町にやって来た17歳のアリーは、地元の製材所で働く心優しい青年ノアと出会い恋に落ちた。だが楽しい日々は長く続かない。金持ちの令嬢アリーとノアは余りに身分が違い過ぎ、アリーの将来を心配する彼女の両親によって2人は引き裂かれてしまうのだ・・・


【感想】
全米1200万人が涙し、あれだけ世のおば様方を涙させた「マディソン郡の橋」の興行収入をサクッと抜いてしまったという、正に鳴り物入りの熱烈純愛映画のご登場です。
原作は「メッセージ・イン・ア・ボトル」「ウォーク・トゥ・リメンバー(2003.1.7鑑賞)」に続いてこれが3作目の映画化となる「お涙小説の巨匠@ニコラス・スパークス」氏のデビュー作。
ちなみに「ウォーク・トゥ〜」は見たんだけど、こーいうかったるい話って余り好みじゃないので「メッセージ〜」は見てないんだよネ・・・だったらどーしてこの作品を見たのか!?<自分(苦笑)

さて、そんな訳で本作も直球ど真ん中な「泣かせラブ映画」です。
何のヒネリもありませんし、一応展開的には「実はネ・・・」というオチネタがあるのですが、これは別に観客に対して「まさかそんな事だっただなんて!!」等と驚かそうなんて気は毛頭ありません。
仮にそんな気があったとしても誰も驚きません。つーかほぼ100%誰もが先の展開が読めるハズですから。

要するに、先の見える当たり前の展開を見せておいて、それでも泣いて頂こうという作品な訳です。
頭使う場所なんて皆無ですから、ただただ見せてくれる物語を素直に見て、そして素直に泣けばいいのです。
・・・どうしましょう。感想が終わってしまいました(爆)

これでは余りに陳腐な感想なので、もーちょっと書き足しておきましょう(^-^;

ぴよが一番お気に入りのシーンは(←いきなりコイツは何を言い出すか?笑)
再会したアリーがノアに連れられて行く「白鳥てんこ盛りスポット」のシーンです。
こりゃー掛け値なしにスゴい!どーやって撮影したんだろ?この白鳥達は実際にここにいるの?つーか、この映画全般に言えるんだけど猛烈に風景が美しいんですよ!
映画冒頭からその圧倒的な映像の美しさにはノックアウトされっぱなしでしたわネ♪

後ね、アリーのママが語る自分の昔話のシーンにはジーンと来ましたネ。
彼女のエピソードは誰もが納得出来る話だった。でもこの作品では、あくまでもママの話は一般的な幸福論としての象徴的な例として取り上げていて、そのエピソードに対して「でもみんなが求めているのは永続的な愛だよね?」という対比する意図で使われていました。

でもネ、
多少は酸いも甘いも嗅ぎ分けたおばはん(←ぴよの事だよ。あぁ、そーだよ。涙)から言わせれば・・・
「青臭い事言ってんぢゃねーよ!永遠の愛なんてある訳ねーだろ!金だヨ、世の中金がモノ言うんだヨ!」

嗚呼・・・すいません。
純粋な心の方、どうかこの映画を見て素直に感動して下さい。そして永遠の愛を賛美して下さい。

そしてぴよのよーなひねくれモノのアナタ・・・一緒に腐りましょう。そーしましょう(涙)






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2005年01月17日(月) 妹の恋人

監督:ジェレマイア・S・チェチック
出演:ジョニー・デップ
    メアリー・スチュアート・マスターソン
    エイダン・クイン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
12年前に事故で両親を亡くしたベニーとジューン兄妹。妹のジューンは両親を亡くした後に精神障害を患い、兄のジューンは常に目が離せない状態で恋愛もままならない。ある日、ベニーの代わりにポーカーに参加したジューンは賭けに負けて、ポーカー仲間の家に居候している厄介者のサムを引き取る事になってしまう。サムは文字の読み書きもロクに出来ない風変わりな男だが、ジューンはそんなサムに興味を持ち始めて・・・


【感想】
1993年の作品。単に「若かりし頃の(いや、今も若くてステキなんだけど♪)ジョニー・デップが出演してる」という理由だけでレンタルして来たんですけどネ(^-^)
借りて見るまで知らなかったけど、ベニーといい雰囲気になるウエイトレス役でジュリアン・ムーアも出てます。

上記↑の「出演」の役者の順序ね、
ジョニーをまず先頭に書きましたが、原題は「BENNY & JOON」というんですヨ。
要するに話のキモは「心が病んじゃった妹を親の愛のように慈しむ兄貴との麗しい兄弟愛」だという事なんですが、邦題では当然だけどキャストの中で一番目玉のジョニー・デップを前面に出したモノに変えられちゃってます。

普段だったら「違うだろ」と吠える部分だとは思うんだけど、今作に限って言えば「この邦題でいいでしょ」でした。
要するに、この映画を盛り上げるのも楽しませるのもいい気分にさせるのも、何もかもジョニデが1人で担っていて、それ以外の部分は別段面白くもなかったという・・・(わー。今日も吠えてるぅ〜)

まずからして、精神病んでるという妹ジューンのキャラクターが全く掴みドコロがないんですわ。
確かに意味不明な行動を取ったり癇癪を起こしたりするトコロを見ると「あぁ、コイツどこかおかしいな」と思わせるキャラクターなのですが、兄貴があそこまで心配する程のレベルには見えないんだよね。
それよりジューンって何歳という設定なんだろう?少なくとも成人しているという設定だろうと思うんだけど、彼女の様子を見る限りでは訓練次第では充分に社会に適応出来るレベルに見えたんだけどなぁ・・・

兄貴のキャラクターがまた中途半端でね(^-^;
妹を思うが余りに社会と妹を隔絶してしまう「過保護な兄貴」というのはよーく判るんだけど、その割に妹の態度にブチ切れると相当ヒドイ言葉をジューンに吐きまくるし、妹が心配で旅行なんてとんでもない!と言いながらもサムが家にいるからという理由で(しかもサムの事を相当胡散臭い目で見てるクセに)、ラブな彼女との逢瀬を楽しむ為に深夜帰宅は辞さない。
・・・兄貴の方が精神病んでんぢゃねーの?(コラ)

そんな意味不明な兄妹の間に割って入って、次から次へとパフォーマンスを繰り出して観客を魅了するジョニデ♪
彼はいわゆる「一芸に秀でた天才肌の癒し系@でも社会不適合者」という役を演じていますが、何考えてんだかよく判らないよーな怪しい目付き、バスター・キートンやチャップリンを彷彿とさせる形態模写(役の設定もサムはキートンを敬愛しているという事になってる)、何もかもが素晴らし過ぎるパーフェクトな演技でした!!

・・・どーしてサムは親元を離れて従兄の家に居候していたのか?とか考えちゃダメみたいだけど(笑)

てな訳で、根本的に色んな部分が破綻しまくってるのですが、ただただジョニデの演技を楽しんで、更に見て胸糞悪い話じゃないですから(いや、素直に言えばかなりハート・ウォーミングなんですけどネ)先の見えたオチにホッとして♪

割といい話だと思ったんだけどなぁ・・・何でこんなに酷評してんだろ?(^-^;







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2005年01月13日(木) ボーン・スプレマシー

監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン
    ジョアン・アレン
    ブライアン・コックス、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
CIAと決別して忌まわしい過去を捨て、新しい人生をマリーと共に歩もうと決意したジェイソン・ボーン。――それから2年後のインド・ゴア。ボーンの記憶は戻らず、毎夜のように悪夢にうなされていた。ある日自分の身に危険が迫っている事を感じたボーンは、マリーと共に車で逃げた。ところが追いかけて来た暗殺者に、自分ではなくマリーが殺されてしまう。マリーを失った事で、ボーンは自分の悪夢の正体と正面から向き合う決意をするのだったが。


【感想】
マット・デイモンを一躍スターダムにのし上げた大ヒット作「ボーン・アイデンティティー(2002.12.9鑑賞)」の続編。
監督がダグ・リーマンからポール・グリーングラスにバトンタッチしたものの、出演者の多くは前作から引き継いでいるし、話も前作から2年後という設定で始まってます。

という訳で、またしても「コレって前作見てない人が見て判るんかいな?」と思いながら鑑賞したのですが、実言うと前作見てた時はぴよ自身が「は?だからどーしてそこまで執拗にボーンは殺されなきゃあかんの?」と思ってた・・・よーするに「見てもよく判らなかった」んですよ。えぇ。頭悪いし(涙)
逆に本作の方が「執拗にボーンを追い回して殺さなきゃいけない」理由が明確になってて判り易い。
ついでに言うと、前作見た時にイマイチすっきりしなかった「トレッドストーン・プロジェクト」の概要や人間関係が、本作を見た事でようやくきちんと理解出来た、みたいなネ(^-^;

てな訳で、前作はあまり面白いと思わなかったけど、今作はかなり満足。
それどころか、今作を見た事で「前作も結構面白かったのかも?」くらいに今になって思ったりして(笑)

ネタが「ボーンの過去探し」と「CIA内部スパイ」を上手に絡めてあって、ボーンが映画冒頭から何度も見るフラッシュバックで現れる過去の悪夢→自分の失った(思い出さなければいけない)過去にキレイに繋がるように構成されています。
前作から頑張ってくれたマリーが映画冒頭でいきなり殺されちゃうのは個人的にガッカリでしたけど、マリーという大切な人を失った事で「封印された過去の扉を自らが開いて真実を知る」というネタが俄然生きましたし、クライマックスでボーンがある女性に語るセリフにうまく繋げてあって、これはマリーには逝って頂かなければいけませんなぁ!と妙に納得(笑)

舞台がインド、ドイツ、イタリア、オランダ、ロシア、アメリカとめまぐるしく変わり、その国々の様子をチョロチョロ楽しませてもらえたのはとても嬉しいのですが、めまぐるしく変わるのは舞台だけじゃないから厄介ヨ。
アクションシーンやカーチェイスシーンもすんごくめまぐるしくて、どれもこれも「悪夢のフラッシュバック」状態。

実はそれ程得意じゃないマット・デイモン君のアクションを、すっごい緊迫感のあるハードなシーンに作り上げたいからという苦肉の策なのだろうか?と好意的に受け取って見てましたが、それにしても何やってんだか訳わかんない程フィルムをぶつ切りにして繋げちゃーいかんでしょ(苦笑)
しかも映画全般通して「手持ちカメラ」が多過ぎるんですよ。これだけでも映像が揺れまくって画面酔いしまくり。
映画冒頭のインド・ゴアの夜のシーンで早速画面酔いしてましたから(^-^;

ま、映像については文句もありますが、映画の構成や脚本に関してはかなり高評価です♪
この作品を見た事で、もう1度「ボーン・アイデンティティー」の方も見直したくなりましたね。
前作をご覧になってない方は先にコチラを見てから前作を見てもいいかも。理想としては「1作目→2作目→1作目」という順序で鑑賞すると、よりこのシリーズが面白くなるかもしれません。

・・・って、「シリーズ」って言っちゃったけどネ♪
そうよ。この作品は今後シリーズ化してジャンジャン続編が製作される可能性大!
前作を見てない人は、今の内に本作と合わせて鑑賞しておきましょう(^-^)






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2005年01月11日(火) オーシャンズ12

監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー
    ブラッド・ピット
    キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
オーシャン達に金庫破りされたカジノのボス・ベネディクトが、どこかから情報を仕入れてオーシャンと仲間達に「盗んだ金に利子を付けて2週間以内に返せ。さもなくば殺す」と脅してきた。大金求めてヨーロッパに飛んだ彼らの邪魔をして来たフランスの大強盗ナイト・フォックスは「世界一の大泥棒は誰か勝負しよう」と挑戦状を叩き付けて来る。そしてユーロポールの特別捜査官イザベラが彼らを追うのだが・・・


【感想】
2001年製作(日本公開は2002年)された「オーシャンズ11(2002.2.2鑑賞)」の続編。
監督もスタッフも、そして出演してる役者もみぃーんな前作から引き継いで、今作では更にNEWキャラとしてユーロポールの捜査官イザベラ役にキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、大強盗ナイト・フォックスに「クリムゾンリバー」のヴァンサン・カッセル等を起用して更にパワーアップ!

さてさて、本作ですが。
前作から数年後という設定になっていて、前作のターゲット「カジノの大ボス」が金を取り返しにやって来るというのが始まりネタなのですが、オーシャンと嫁さん(ジュリア・ロバーツ)の関係から始まって仲間達のプロフィールを全部端折っているので、前作を見てない人が見て判るんだろうか?と不安になります。
ちなみにこの段階で初見の観客が判っている情報は「ブラピとゼタ姐は昔恋人同士だった」という事だけ。

そんな「まさかこの映画見るのに前作見てない訳ねーよな?な?」的作りでガンガン押し切って行くので、前作を楽しんだファンには随分有難い話ではあるものの、前作を見てない人にはかーなーりー厳しいであろうと思われ。

前作以上の豪華キャストで繰り広げるので、ネタがアチコチに飛びまくって伏線張るのに忙しそうです(笑)
少なくともゼタ姐の活躍はお約束、おフランスの名優ヴァンサン・カッセルを担ぎ出しているので、彼の見せ場もふんだんに盛り込まなければ許されないわな。当然だけどブラピのショットはみんなより多めにネ!
あ、勿論ジョージおぢは渋めの流し目多用で♪そうそう・・・前作ではあまり目立たなかったけど、あれから随分マット・デイモン君も売れっ子になったから今回は出番沢山作らなきゃ!
ちょっと待ってよぉ〜!前作ショボイ役に甘んじたこのジュリア様をお忘れぢゃなくって?ゼタ姐出演でそれでなくても影が薄くなりそうなんだから、アタクシ今作では思いっきりヤラせて頂きたくってよっ!!

・・・そんな作品です(なんだヨ、そりゃ。笑)

まあそんな訳で(だからどんな訳だよ)、前作同様今回も前半〜中盤ダレちゃって眠くて眠くて。
「元々前作ファン向けに作ってるクセに、この長い助走で一体何を見せるつもりなんだいっ!」とイライラしながら見ていたのですが、意外や意外・・・後半の「オーシャンの12人目の仲間」が登場して来た辺りからかなり面白くなりました。
しかも「えぇー!聞いてないよぉぉぉぉ!!」なゲストまでお出ましになって(これは劇場公開までは敢えてマスコミも触れないよーに気を遣っているのだろうな、と推測)、腰抜かしそうになったわヨ(^-^;

つーか、思いっきり内輪ウケ系ネ(苦笑)
前作はそれでも割とマジメに「クライム・サスペンス(コメディ?)」ちっくに作ってたんですが、今作は思いっきり内輪ウケ系に徹底して「ハマったもん勝ち」な作りに終始していました。
ぴよはかなり笑わせてもらえたのでOKだけど、こーいうのが鼻白む方も多いだろうから微妙と言えば微妙なんだけど。

ついでに言えば、散々楽しませてもらったのにネタの後片付けにも時間かかり過ぎヨ。
どーせ内輪ウケ映画なんだから、そんなに頑張って辻褄合わせしなくても今更誰も気にしないって(笑)







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2005年01月07日(金) 浮気な家族

監督:イム・サンス
出演:ムン・ソリ
    ファン・ジョンミン
    ポン・テギュ、他
オススメ度:☆+


【あらすじ】
弁護士の妻ホジョンは冷め切った夫婦関係に退屈していた。夫のヨンジャクは愛人の家に足繁く通い、義父は余命いくばくもない状態。姑も不倫をしており養子に迎えた我が子に接する態度は冷たい。深夜部屋で裸で逆立ちしているホジョンの姿を隣家の高校生ジウンが盗み見していた。それに気付いたホジョンは翌日ジウンの姿を見つけて後を追い、彼と共に映画館に入る。こうしてホジョンとジウンの関係は始まったのだが・・・


【感想】
「オアシス(2004.4.12鑑賞)」で脳性麻痺の女性という難しい役ドコロを体当たりで演技して話題になったムン・ソリが、オアシス撮影後に出演した作品。2003年の製作です。

ムン・ソリ嬢演じる主人公ホジョンは、元ダンサーだったものの結婚後は専業主婦になって、趣味でダンスを続けながら養子として引き取った我が子を育てている平凡な妻・・・という設定みたいなんですが、とにかく判りにくいんですよ!
映画が始まってからずーっと、延々と色んなシーンがバラバラと提示されるのですが、人間関係がはっきり判るまでに随分時間がかかったよーな気がする。判んないから見ててつまんない。←いきなり吠え(笑)

まあ・・判りにくかったのはぴよのおツムの問題かもしれないから置いといて。
映画のタイトル通り、登場人物がどいつもこいつも浮気しまくっている。ホジョンの夫は若いねーちゃんにゾッコンだし、姑も臨終間際の夫を放り出しておっさんとの逢瀬を楽しんでいる(でもコレは舅の死後明かされるんだけど)
そしてホジョンは結婚後の倦怠期でセックスも気持ち良くないと不満たらたら。それでなくても回数の減った夫との久し振りのセックスの後、夫の目の前でオ○ニーまでするという暴挙に出る(笑)

アンタ、いくら何でもそれやっちゃ〜アカンやろ(^-^;
お前がそんなだから夫も愛人作るんやで、と思わず言いたくなるような「割れ鍋に綴じ蓋」な夫婦。

家族とは何ぞや?夫婦とは何ぞや?という事を描きたかったのかもしれないんだけど(よーわからん)
血の繋がりのある親子でも(夫と舅・姑)、お互いが求め合って結婚したハズの夫婦でも、経済的時間的に満たされてそれが当たり前の形になってしまうと、既に見詰め合って慈しみ合う関係ではなくなっている。

子供が養子だという設定の意図が最初は判らなかったんだけど、映画をずーっと見てると何となく納得。
血の繋がりのないこの養子の息子だけが、唯一「家族」の絆であるという皮肉。
その「絆」を失った時、夫婦はその関係から自由に解き放たれて夫は新しい愛を求めて彷徨い、そして妻は新しい家族の構築の為に飛び立って行こうとする・・・という風に見えるのですが、どーもしっくり来ません。

根本的に、エピソードが面白くないんですヨ(爆)
過激な自慰行為シーンや性描写、ムン・ソリ嬢に今回も脱いで頂いて惜しげもなく美しい肢体を観客に提供する事に心を砕いているのはよーく判るのですが、根本的にエロければ面白い訳じゃないですから。
かなり重たいテーマを扱っているハズなのに、訴えかけられるモノがないと言うか判りにくいというか。

3流ポルノまがいの作りで展開もぬるぬる。
ムン・ソリ嬢ももーちょっと仕事選べばいいのになぁ〜・・・残念っ!







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2005年01月06日(木) スーパーサイズ・ミー

監督:モーガン・スパーロック
出演:モーガン・スパーロック
    アレックス
    Mr.D・アイザック、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
スパーロックは、TVで肥満に悩む2人のティーンエイジャーが「太ったのはハンバーガーが原因」とマクドナルド社を訴えたというニュースを見て釘付けになった。マクドナルド側は「自社の食品の栄養バランスと肥満に因果関係はない」とコメントしていた。(実際裁判は大量に食べた本人の責任として原告の請求を棄却)
どちらの言い分が本当は正しいのだろうか?――スパーロックは1ヶ月間3食全てマクドナルドを食べると人間はどういう変化を起こすのか?それとも起こさないのか?という実験を始める事にしたのだが・・・


【感想】
2004年のサンダンス映画祭で公開されるや、ファーストフード王国・アメリカを激震させたという話題のドキュメンタリー。
タイトルの「スーパーサイズ」は日本のマックでは販売されていないが、肥満大国アメリカではかなりポピュラーなサイズとしてどこのファーストフードでも(マックだけでなくバーガーキングでもネ)販売されていた。
ちなみにこの映画が上映された後、米マクドナルド社はスーパーサイズの販売を止めたそーだ。

そもそも日本人の考え方(と言うよりも一般常識的な考え方)として、「体を動かすよりも多くのカロリーを摂取すれば太る」と誰もが思うでしょ?
も1つ付け加えるなら「同じモノばっかり食い続ければ体にいいわきゃ〜ない」という事も知ってるハズ。
更に言えば、誰の目から見ても「マックは油を沢山使用している」「高カロリー食品だ」と判るハズ。
そんなモノを1日3食食い続ければ結果はミエミエぢゃん・・・という、予想すらする必要もない実験を映像で見せてくれて、今敢えて「ファーストフードはこんなに実害があるんですヨ!」という事をお披露目しようという作品です。

結果は見えてますから、スパーロック氏の食べる様子と並行して「肥満大国アメリカの実情」として、学校給食の驚くべき事実や街角インタビュー、ファーストフードの過剰摂取に警鐘を鳴らす各方面の知識者達のコメント、更に恋人が語る「スパーロックの変化」等を見せて行きます。

これらを見せる意図は、「勝手に大量に食って太ったヤツが悪い」という人々に対して「そーじゃないんです。アメリカという国は小さな頃からファーストフードに洗脳されていて、彼らの意思とは無関係に食べるように仕向けられているんです!」という事らしいのですが・・・ぴよにはただの難癖にしか見えんわネ(笑)

洗脳に関して言えば一理あるとも思う。
ただ、幼い頃に口にする食品というのはほとんどのパーセンテージで親がチョイスして与えている訳だから、洗脳以前に親の躾と家庭での食生活習慣の方がアメリカは問題なんじゃないかと思うんだよね。
「その親も洗脳されてんだもん」というトコロかもしれませんが、ある程度の年齢になれば知識も増えるし情報も入る、それより我が子を健康的に育てようという気持ちがあれば、そう安々とファーストフードで誤魔化すような事はしないし、してはいけないと誰もが思いますよネ?え?思わない?(^-^;

ファーストフードが怖い、とは思わなかったけど「アメリカ人の発想の展開や親達の感覚が理解出来ない」とは思った。
我が子のランチにお菓子だけ持たせたりコーラ1本だけだったりって・・・この国は明らかに病んでますヨ(笑)
フライドポテトとクリームのかかったスパ、オイルたっぷりのピザとパンケーキにスナック菓子の並んだ学校給食を平気で配膳する感覚、アメリカ人のママ達ってロクに手料理作ってないんじゃないの?としか思えない。

食品業界を守る為に政治と癒着している事等、なかなかいいトコロまで切り込んで行きますが、コメンテーターのウンチクが長い&多過ぎて途中ダレまくるのが何とも頂けません。
ただ、スパーロック氏が自らの体を張って作ったドキュメンタリーとしては「よく頑張ったネ」と褒めてあげたいですし、この作品によって少しでも肥満に対する危機感を持つ人が増えれば素晴らしい事だと思う。
偏見多めだとは思うけど、少なくともマイケル・ムーアの作品よりはこの作品の方が好感持てたね。

でもネ、この映画見た事で「マックはもう2度と食べないワッ!」とは思いませんでしたね。
結局肥満は本人の自己管理の範疇だと思う。実際スマートなアメリカ人だって沢山いるんだし。

という訳で、ぴよは今後もマックには行きますヨ♪諸悪の根源だと言われようがマックのポテトはウマい♪(笑)







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2005年01月05日(水) TAXI NY

監督:ティム・ストーリー
出演:クイーン・ラティファ
    ジミー・ファロン
    ジゼル・ブンチェン、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
メッセンジャーから憧れのタクシードライバーに転身したベルは、自慢の改造車を操って天才的テクニックと圧倒的なスピードで仕事をこなしていた。一方NY市警のウォッシュバーン刑事は、捜査は腕利きだけど車の運転はからっきしダメ。囮捜査でドジって上司に車の免許証を取り上げられてしまった。そんな所へ銀行強盗事件が発生して、ウォッシュバーンはベルが運転するタクシーに乗り込み現場へ急行。ベルを巻き込み大騒動に発展するのだが・・・


【感想】
リュック・ベッソンのドル箱シリーズ「TAXi」を、舞台をニューヨークに変えてリメイクした作品。
ベッソンが製作と原案を手掛けてるようですが、あくまでも「リメイク」なので従来の「TAXi」の続編ではないらしい。
主人公のかっ飛びタクシードライバー「ベル」役をカリスマ女性ラッパーのクイーン・ラティファ、相棒のウォッシュバーン刑事役を人気コメディアンのジミー・ファロン、そして強盗団のリーダー格「謎の美女」を演じるのは、この作品が映画デビューになるスーパーモデルのジゼル・ブンチェン@ディカプリオの元カノ

毎度の事ですが、なぁーんも下調べしないで見に行ったので(試写会で鑑賞)
タイトルを見ただけで勝手に「ダニエルとエミリアンの凸凹コンビがNYに行くんだネ♪」って思ってたじゃんね(^-^;

そんな訳で、話の内容はまるまる「TAXiシリーズ」ですが、役者と場所が変わっただけという作品です。
本当にそれだけ。まるまるそれだけ。
だから「TAXiシリーズファン」にはそこそこウケると思いますが、目新しいモノは何一つありません。
カーチェイスシーンもありきたりですし、ギャグも磐石と言えば磐石(でもぴよはぜーんぜん笑えなかった)、タクシーが「走り屋仕様」に変身するシーンは結構面白かったけど・・・ま、こんなもんかな?程度だし。

ある意味、ベッソン風な「いい加減でただ笑えればそれでいいじゃん」的スピリッツは踏襲されてましてネ(笑)
例えば、黒幕の意図やわざわざNYにやって来て銀行強盗を繰り返す(何故か3回やると最初から決めてる)理由などの説明は全くありませんし、ウォッシュバーンは女性上司とかつて恋仲だったという設定ですが、そのエピソードも中途半端で放り投げたままになってますし。
そもそもベルは「天才的ドライビングテクを持った女」という設定ですが、それとメッセンジャーとして自転車を上手に操るのは全く別の話だと思うんですよネ(苦笑)
しかも映画冒頭のスタントマンとベルを演じるクイーン・ラティファの体型が余りに違い過ぎるので、冒頭シーンと次のラティファ嬢がヘルメットを脱ぐシーンが絵的にまるで繋がってません(^-^;

そんな瑣末(なのか?)な事、どーだっていいぢゃんかよぅ!
笑えてスピード感があってスッキリすれば、ただそれだけでいいぢゃんかよぅ!!

・・・そう言い切れる方にはオススメ出来ます。はい。
ま、お正月ボケした脳味噌にストレートに飛び込んでくるバカ映画ですから。
アレコレ考えないで軽〜く楽しみたい、そんな時にはオススメの一本ですネ♪






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2005年01月04日(火) ボン・ヴォヤージュ

監督:ジャン・ポール・ラプノー
出演:イザベル・アジャーニ
    ジェラール・ドパルデュー
    グレゴリ・デランジェール、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
1940年パリ。美貌の女優ヴィヴィアンヌは、ある日しつこく付きまとっていた男を誤って殺してしまう。幼馴染みのオジェに助けを求めて男の死体を運んでもらうが、途中でオジェが事故を起こして殺人犯として逮捕・投獄されてしまった。
それから数ヵ月後の6月14日、ドイツ軍のパリ侵攻のドサクサで脱獄したオジェは、パトロンの大臣と共にパリから脱出したヴィヴィアンヌを追ってボルドーに向かったのだが・・・


【感想】
「シラノ・ド・ベルジュラック」でセザール賞10部門制覇という快挙を成し遂げたジャン・ポール・ラプノー監督が、8年の沈黙を破って久し振りにメガホンを取った新作。
美貌の女優ヴィヴィアンヌにイザベル・アジャーニ、パトロンの大臣には「シラノ・ド・ベルジュラック」にも起用されたジェラール・ドパルデュー、そして「8人の女たち」のヴィルジニー・ルドワイヤン、「E.T.」「パッチ・アダムス」「エリン・ブロコビッチ」等の名作に数々出演するピーター・コヨーテ等の豪華な役者を使って、正に満を持しての登場ですゼ♪

時代はナチス・ドイツ侵攻直前〜侵攻後のフランス。
その美貌を武器に男を次々と自分の思いのままに操るヴィヴィアンヌは、自分の殺人の罪を幼馴染みで自分にゾッコン惚れ込んでる事を百も承知のオジェに被っていただく・・・ってね、

まず、イザベル・アジャーニって今年何歳になるか知ってるぅ?
彼女は1955年生まれなんすよ。今年で何と50歳におなりあそばされるんですヨ!(撮影時は40代だったろーけどサ)
いくら若作りしても、いくら実年齢に見えない程(この人整形してないの?胡散臭い顔だけど。笑)美しいとは言ってもさー、やっぱ限界ってモノがあると思うんだよね。
本作でオジェを演じたグレゴリ・デランジェール氏はセザール賞最有望新人男優賞を受賞しています。確かに彼はとても魅力的で演技もウマく、賞を取ってもさもありなん!と納得出来ますが・・・

イザベル・アジャーニ、あんたいつまでこの手の役やるつもり?と、終始ツッコミ入れまくり(^-^;

まあ、確かにヴィヴィアンヌの役ドコロはイザベル女史(嬢とは言えまいて)にはピッタリな、自分のご都合で男をいいように使って「困った時はウソ泣きで通す」という、典型的な同性に嫌われるタイプのオンナを演じているのですが(笑)

当時の衣装、風景、風物、風俗、どれを取ってもジャン・ポール・ラプノー氏のこだわりを随所に感じさせてくれる映像作りになっていて、こーいう部分はぴよとってもお気に入りなんですけどネ、
それにしても、正直言って「ネタが散乱してて言いたい事が判らず、しかも面白くもない」ってのはどーもなぁ。

男女の機微を見せ、ちょっとサスペンスチックでもあり、時代モノでもあって、多少スリリングでもある。
良く言えば「オイシイとこ取り」なんだろーけど、展開はぬるぬるのユルユルだし、ヴィヴィアンヌが様々なエピソードに絡んで引っ掻き回す「狂言回し」を演じているんだけど、彼女がすごーくイヤなオンナなので共感には程遠い。
別にヴィヴィアンヌやオジェ他、この映画に登場する誰かに共感や感動を覚えて欲しいと思って作ってる訳じゃないのかもしんないけどサ、だったらこの映画が言いたい事って何なのさ?と言いたくもなる。

ジェラール・ドパルデューがいつ笑わせてくれるのかなー♪と期待しながら見てたぴよにも問題はあるけど(苦笑)

ただね、
いい役者を揃えてるだけあって、話はつまんなくても(をい)演技は素晴らしいと手放しで褒められます♪
逆に言えば、これだけの名役者を揃えてこれだけ美しい映像なのに話がコレなのか・・・という失望も。
フランス映画らしいと言えばそのトーリ、でも日本人にはなかなか受け入れられにくい作品なのは間違いないです。







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2005年01月03日(月) 花咲ける騎士道

監督:ジェラール・クラヴジック
出演:ヴァンサン・ペレーズ
    ペネロペ・クルス
    エレーヌ・ド・フジュロル、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
18世紀フランス・ルイ15世期、プレイボーイのファンファンはある娘に手を出したのが運のツキ、娘の父親が傷物にさせられたと逆上してムリヤリ結婚させられそうになった。ほうほうのていで逃げ出した彼は、占い師アドリーヌから「軍人になれば王女と結ばれる運命」と告げられて、結婚から逃れる為に軍隊に志願した。ところがアドリーヌは軍のリクルーターの娘で、誰にでも同じ占いをして志願兵を募っていたのだ。軍隊に合流する為に移動している途中、とある馬車が襲われていた所を助けたファンファン。実はこの馬車にはルイ15世の王女が乗っていたのだ!


【感想】
去年のカンヌ映画祭オープニング上映された「リュック・ベッソン」フィルム。
監督はベッソンじゃないですが、彼の子飼いの監督(コラ)ジェラール・クラヴジック氏。ベッソンは製作と脚本にクレジットされてますが・・・まあ「リュック・ベッソンの映画」なんでしょうねぇ。
本作は1952年にジェラール・フィリップ氏主演で公開された同タイトルの作品のリメイク。この作品は当時大ヒットして、ジェラール・フィリップ氏はその後この役名「ファンファン」がニックネームになった程。
ちなみに岡田真澄氏はジェラール・フィリップにあやかって自ら「ファンファン」と名乗ってるそーですわ。

良くも悪くも「ベッソンフィルム」って感じで(笑)
壮大な時代モノを期待してると思いっきり肩透かし食らいますが、「すっとこどっこいなベッソン映画」を期待している方には必ずや満足して頂ける作品だと胸を張って言える・・・みたいなネ♪
ちなみにぴよはこーいう「やたら衣装や小道具にこだわったバカ映画」は大好きです(^-^)

結構本格的なアクションシーンも盛り込んでる(こーいうのベッソン好きそう♪)割りには、妙ちきりんなキャラを登場させてコソコソ笑わせる(コレもベッソン風)辺りなんざぁ〜ある意味磐石とも言える作り。
1952年の作品を見てないからどれくらい本作と作風が違うのか想像付きませんが、少なくともこれはこれできちんとフランス風の嫌な笑わせ方(こらこら)に徹していて好感持てます。

最近ちょっと老けてショボくれたか?と思ってたペネロペちゃんですが、本作では実に魅力的なキャラを演じていて、彼女に対する愛を感じさせますネ♪
それよりファンファンを演じたヴァンサン・ペレーズ、彼の事を全く知らなかったんだけど、なかなかいいですヨ
ぶっちゃけ言ってそれほど花のある役者さんには見えませんが、アクションもソツなくこなしているし、軽妙な喋り、洒脱な物腰、そこはかとなく漂う品の良さ、どれをとってもかなりイケてます♪
今後彼の出演作品は努めてチェックしたいなぁ〜と思わせる、なかなかステキな役者さんでしたワ。

いかにもベッソンらしい「おフランスのB級コメディ」ですが、このおバカを楽しめない人も多いとは思う。
それでもステキな衣装にワクワクして、軽妙な語りとアクションを楽しんで、そして皮肉交じりのフランス小噺に苦笑しながらも「いかにもだよなぁ!」とにんまりする。
正に「脳みそカラッポにして絵とシャレを楽しむだけ」に徹する事が出来れば最強な作りになってますわね。

んな訳なので、絶対にみなさんにオススメ!とまでは言いませんが・・・
ぴよはなかなか楽しませて頂きましたわヨ♪







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