監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:サマンサ・モートン ティム・ロビンス オム・プリ、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 環境破壊の進む近未来。世界は隔離された安全な都市部と「外の世界」に分けられ、都市部での居住・出入りは一部の許可された人間だけに発行される「パペル(パスポートとビザを兼ね備えたようなもの)」によって厳しく管理されていた。パペルの発行と管理をしているスフィンクス社・上海工場でパペルの不法持ち出し事件が発生。調査員のウイリアムが上海を訪れてマリアという女性が犯人だと判ったものの、彼は社に虚偽の報告をしてしまったのだ。
【感想】 イギリス人監督マイケル・ウィンターボトム氏の新作・・・って、この方の他の作品見た事なかったです(^-^; キャストは「マイノリティ・リポート」でプリコグ役が記憶に新しいサマンサ・モートンと、オスカー俳優ティム・ロビンス。 ちなみにタイトルの「CODE46」は「法規46」という意味のよーです。
この「法規46」というのは、同一遺伝子を持つ者は血縁と考えて結婚・妊娠をしてはいけませんよという法律なんだけど、同一遺伝子って何ぞや?と思って見てたら、どーやら近未来なのでクローン技術が進んでいて、クローン出産?で全く同一の遺伝子の人間がいるので、そのクローン同士の親・子・孫世代まで同士は結婚や妊娠をしないようにという事らしい。
で、本作ですが。 サマンサ・モートンとティム・ロビンスというカップル、非常に違和感があるんですわ ←いきなり 不正事件の捜査に来た調査官が、犯人を見つけるものの犯人に一目惚れ?して虚偽の報告をするという出会いなんですが、どー見ても一目惚れしてるって感じしないし、サマンサ・モートン演じるマリアという女性のドコにそんなに強烈に惹かれるモノがあったのか、ぴよにはさーっぱり判らなかった。 恋愛モノで最初がつまづいちゃうと、その後もずーっと違和感引きずって見なくちゃいけなくなるのが辛いんだな。
で、当然ですがタイトルから考えるに「同一遺伝子を持つ者同士の恋愛」が話の核になると思うのですが、この作品にはまるで恋愛らしい匂いが感じられないのが超痛いのですわ(^-^; 執拗にセックスしようと頑張りますが(笑)、そこには恋愛映画らしい華やいだ色香やトキメキは感じません。 むしろ見ていて痛々しいというか寒々しいというか・・・決して「切ない」訳じゃないのがミソ(をい)
「恋愛映画を見に来た」という気持ちで見ると肩透かし請け合いですが、映画のテーマはあくまでも「現代社会の膿」をさらけ出す事にあるのかな?と考えると、なかなか判り易い作りになってると思う訳です。 それはパペルの取得権を始め、特権階級と貧者との差別や政府に完璧に管理される社会システム等、今既に世界中のアチコチで問題になっている様々な事象を、「近未来」というオブラートに包んで観客に見せている・・・この部分が本来監督さんが見せたかったモノだったんじゃないかなぁ?と思うんだけど。
それにしてもこの「近未来」というオブラート、薄過ぎて滅茶苦茶安っぽいですわ(笑) 大体からして舞台が上海である必要が全くないのよネ。それなにの何故舞台が上海?って考えた時にぴよがまず思った事は「予算がないから『近未来都市』と呼ばれてる上海を舞台にしただけか?」とな(爆) いくら近未来都市と呼ばれてるからって、ただフツーに上海撮って俯瞰映像でちょこっとCG使っちゃったりして周りを砂漠にしたくらいで「近未来でーす♪」って言われてもなぁ・・・せめて中国人の有名俳優使うくらいしてもらわないと(^-^;
と、映像から恋愛模様から小物からオチまで、終始「中途半端感」のぬぐえない作品でしたわ。 きっと予算がなかったんだろーなー。予算ないけどSF撮りたかったんだろーなー・・・気持ちは判るけど、中途半端な近未来恋愛モノ作るくらいだったら、本来見せたい部分をもっと強調してストイックな話にしてさ、いっそ架空の国の現代劇にしちゃってもよかったよーな気がするんだけどネ。
って、見せたいモノが「恋愛」だったらシャレになりませんがな(^-^; 勝手に「現代社会が抱える膿」とか言っちゃって、全くとんちんかんだったらぴよは立つ瀬ありませんや(笑)
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