ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年09月29日(水) CODE46

監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:サマンサ・モートン
    ティム・ロビンス
    オム・プリ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
環境破壊の進む近未来。世界は隔離された安全な都市部と「外の世界」に分けられ、都市部での居住・出入りは一部の許可された人間だけに発行される「パペル(パスポートとビザを兼ね備えたようなもの)」によって厳しく管理されていた。パペルの発行と管理をしているスフィンクス社・上海工場でパペルの不法持ち出し事件が発生。調査員のウイリアムが上海を訪れてマリアという女性が犯人だと判ったものの、彼は社に虚偽の報告をしてしまったのだ。


【感想】
イギリス人監督マイケル・ウィンターボトム氏の新作・・・って、この方の他の作品見た事なかったです(^-^;
キャストは「マイノリティ・リポート」でプリコグ役が記憶に新しいサマンサ・モートンと、オスカー俳優ティム・ロビンス。
ちなみにタイトルの「CODE46」は「法規46」という意味のよーです。

この「法規46」というのは、同一遺伝子を持つ者は血縁と考えて結婚・妊娠をしてはいけませんよという法律なんだけど、同一遺伝子って何ぞや?と思って見てたら、どーやら近未来なのでクローン技術が進んでいて、クローン出産?で全く同一の遺伝子の人間がいるので、そのクローン同士の親・子・孫世代まで同士は結婚や妊娠をしないようにという事らしい。

で、本作ですが。
サマンサ・モートンとティム・ロビンスというカップル、非常に違和感があるんですわ ←いきなり
不正事件の捜査に来た調査官が、犯人を見つけるものの犯人に一目惚れ?して虚偽の報告をするという出会いなんですが、どー見ても一目惚れしてるって感じしないし、サマンサ・モートン演じるマリアという女性のドコにそんなに強烈に惹かれるモノがあったのか、ぴよにはさーっぱり判らなかった。
恋愛モノで最初がつまづいちゃうと、その後もずーっと違和感引きずって見なくちゃいけなくなるのが辛いんだな。

で、当然ですがタイトルから考えるに「同一遺伝子を持つ者同士の恋愛」が話の核になると思うのですが、この作品にはまるで恋愛らしい匂いが感じられないのが超痛いのですわ(^-^;
執拗にセックスしようと頑張りますが(笑)、そこには恋愛映画らしい華やいだ色香やトキメキは感じません。
むしろ見ていて痛々しいというか寒々しいというか・・・決して「切ない」訳じゃないのがミソ(をい)

「恋愛映画を見に来た」という気持ちで見ると肩透かし請け合いですが、映画のテーマはあくまでも「現代社会の膿」をさらけ出す事にあるのかな?と考えると、なかなか判り易い作りになってると思う訳です。
それはパペルの取得権を始め、特権階級と貧者との差別や政府に完璧に管理される社会システム等、今既に世界中のアチコチで問題になっている様々な事象を、「近未来」というオブラートに包んで観客に見せている・・・この部分が本来監督さんが見せたかったモノだったんじゃないかなぁ?と思うんだけど。

それにしてもこの「近未来」というオブラート、薄過ぎて滅茶苦茶安っぽいですわ(笑)
大体からして舞台が上海である必要が全くないのよネ。それなにの何故舞台が上海?って考えた時にぴよがまず思った事は「予算がないから『近未来都市』と呼ばれてる上海を舞台にしただけか?」とな(爆)
いくら近未来都市と呼ばれてるからって、ただフツーに上海撮って俯瞰映像でちょこっとCG使っちゃったりして周りを砂漠にしたくらいで「近未来でーす♪」って言われてもなぁ・・・せめて中国人の有名俳優使うくらいしてもらわないと(^-^;

と、映像から恋愛模様から小物からオチまで、終始「中途半端感」のぬぐえない作品でしたわ。
きっと予算がなかったんだろーなー。予算ないけどSF撮りたかったんだろーなー・・・気持ちは判るけど、中途半端な近未来恋愛モノ作るくらいだったら、本来見せたい部分をもっと強調してストイックな話にしてさ、いっそ架空の国の現代劇にしちゃってもよかったよーな気がするんだけどネ。

って、見せたいモノが「恋愛」だったらシャレになりませんがな(^-^;
勝手に「現代社会が抱える膿」とか言っちゃって、全くとんちんかんだったらぴよは立つ瀬ありませんや(笑)






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2004年09月28日(火) 隠し剣 鬼の爪

監督:山田洋次
出演:永瀬正敏
    松たか子
    吉岡秀隆、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
時は幕末、東北の小藩・海坂藩に仕える片桐宗蔵は、久し振りに再会したかつて片桐家に女中奉公していた「きえ」の変わり果てた姿とその後の婚家での冷遇振りに業を煮やし、ついには強引にきえを自宅に連れ帰ってしまった。
そんなある日、海坂藩江戸屋敷で謀反事件が発覚。幕府に知れるのを恐れた藩は首謀者達を秘密裏に処刑・処分したが、その中にかつて片桐と兄弟弟子だった朋友・狭間弥市郎がいたのだ。藩の家老は狭間と片桐の関係を疑い、その疑念を晴らしたいなら片桐自らの手で狭間を処刑せよと命じるのだった。


【感想】
2年前に「たそがれ清兵衛」が大ヒットし、アカデミー賞にノミネートされてレッドカーペットに足を踏み入れた山田洋次監督が、柳に下に2匹目のどじょうを狙った?またしても時代劇ものでメガホンを取った新作。
本作は「たそがれ清兵衛」と同じく藤沢周平氏の原作。氏の同名作品に、同じく氏の短編「雪明かり」を組み合わせて脚本に仕立てたんだそーだ。
と、エラそーに書き出しましたが・・・ぴよはアレだけ売れまくった「たそがれ清兵衛」未見です(^-^;
だから本来この作品は「たそがれ〜」と兄弟作品的なモノなんだろーなー、「たそがれ〜」見てないヤツが見るべき映画じゃないんだろーなー・・・と思うんですけどネ。すいません。今度レンタルして来ますぅ(涙)

そーなのだ・・・
市井ではすっかり「山田洋次=たそがれ清兵衛」という記号が出来ているようですが、「たそがれ〜」を見ていないぴよにとって山田監督というのは「寅さん」以外のナニモノでもないのです。

てな訳で、とにかく「寅さんシリーズ」で培ったセオリーが、今作にはそのまま丸々溢れんばかりに生きています。
思いっきりラブラブ光線出しまくってるのに、なかなか最後の詰めに持っていけないもどかしい恋愛、
不器用なまでに真っ直ぐで、真っ直ぐ過ぎてうまく世渡りが出来ない朴訥な主人公、
人を愛し、親を愛し、兄弟を愛し、友を愛し、そして国を愛し憂う純真な人の心、
全編に散りばめられた滑稽な笑い、そして主人公達の無垢な心に打たれて落とすであろう観客の涙・・・
どれ一つを取っても「寅さんの心・日本の心」をそのまま時代物に写し取ったような作りになってました。

だから「時代物」というカテゴリなんだけど、それ程時代考証とかに振り回されないで、あくまでも人間ドラマの部分に大きくスポットを当てた作りになっています(これは「たそがれ〜」もそうなんでしょうか?)
田舎っぺ面の松たか子(をい)の百姓姿はなかなか堂に入ってるし、不器用で出世しそうにもない下級武士の片桐というキャラは、永瀬クンの寡黙でストイックだけどちょっぴりお茶目な雰囲気とピタリと合う。
そして吉岡クンは何を演じても同じ・・・って、ぴよは何書いてんですか?(爆)

ところで秘儀「鬼の爪」ですが、まさかあーいう手だとはネ(^-^;
映画中、この秘儀を1番の剣の使い手だった狭間ではなく、どうして片桐が伝授される事になったのかがつまびらかにされていませんでしたが、あの秘儀は考えようによっては、片桐よりも狭間の方がよっぽど有効活用してくれたんじゃないだろーかと思うんだけどネ(苦笑)
きっと狭間に「鬼の爪」を教えてしまうと、余りに活用し過ぎて世を乱すと師匠は判断したのでしょうなぁ。

日本人で「私は寅さんが大ッキライだ!」という人、あまりいないでしょ。
見てて胸クソ悪くなるよーな作品じゃないし、むしろ誰が見てもホッと出来る心優しい作品だと思う。もちろんぴよも何だかんだで寅さんシリーズって大好き♪(映画館で見た事ないけど。苦笑)
だからネ・・・この作品を見て悪く思う人って少ないと思うんですよ。誰が見ても「山田監督らしい人情モノ」という及第点が付けられる、いかにも山田監督が撮った作品だなぁ〜という満足感が得られると思うんすよ。


ところで「たそがれ〜」を見ている人にとって、この作品は「たそがれ〜と一緒やんけ」と思うんでしょうか?(^-^;










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2004年09月24日(金) 感染

監督:落合正幸
出演:佐藤浩市
    高島政伸
    南 果歩、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
経営危機にも関わらず多くの入院患者を抱える古い病院。医師も足りず医療器具も底をつき始め、運び込まれる急患の対応すら出来ない状況。そんな状態である入院患者が急変し、対処に当たった外科医の秋葉と内科医の魚住らだったが、小さな聞き間違いが元で患者を死なせてしまった。秋葉らはその場に居合わせた看護婦達と医療事故を隠蔽しようとするが、その直後に急患で運び込まれたまま放置されていた患者が、不気味な異変を起こし始めたのだった。


【感想】
「リング」「呪怨」等、次々とハリウッドでリメイクが製作されてすっかりジャンルとして定着した「ジャパニーズホラー」
東宝さんが6人の監督を選定して送り出す新レーベル「Jホラーシアター」の第一弾。今作と「予言」の2本が同時公開で発表されますが、ぴよは「感染」のみ試写会で鑑賞。
これって2本で1800円って事だよね?劇場公開されたら「予言」だけを見る為に1800円出さなきゃいけないって事か・・・どうやらDVDレンタルまで「予言」はお預けになりそーだな(苦笑)

元々ホラーは得意な分野じゃないので、何を持ってして評価すりゃいいのかぴよにはよく判りませんが、少なくともホラーというからには「怖いか・怖くないか」というトコロが判断基準になるんじゃなかろーかと思う訳です。

てな訳で本作ですが、少なくともぴよには「怖くなかった」が「気持ち悪かった」
気持ち悪い、というのもホラー評価としてはアリなんでしょうか?よく判りませんが、相当グログロであろう急患の様子を敢えて映像としてスクリーンで見せなかったのは製作者の良心なのか?はたまた具体的に絵を見せてしまうよりも観客に絵を想像してもらった方がより恐怖感が増すだろう、という演出だったのか?
ただ「気持ち悪ぅ〜!」とは誰が見ても思うハズ・・・って事は、ホラーとして「気持ち悪い」ってのもアリなのか(^-^;

話の内容は簡単に言うと「院内感染の恐怖」を描いた作品なんですが、なかなかヒネった脚本です。
とある謎の病原体がどういう経路を辿って感染していくのか?という謎を、感染の恐怖映像でビビらせながら見せて行くんだけど、決して「キモい絵で観客がビビればそれで良し」という破綻した展開ではなく、映画前半で提示されたあるエピソードをうまくクライマックスに絡めてどんでんオチを付けている辺り、なかなか技アリで面白い話だなぁ〜と思ったネ。

いつも思う事なんだけど、特にジャパニーズホラーにありがちな演出・・・全く映画の内容と関係のない意味のない不気味なだけの映像、コレは必要あるんでしょうか?
今作でも何度も無人のブランコが揺れている映像が差し挟まれているんだけど、コレは内容に関係あったの?
もしかしてぴよが無理解なだけで、この映画のオチに必要なヒントか何かが隠されていたの?

意味ありげにキツネのお面被ってるガキとか、脳挫傷?で入院する青年とか・・・まあ、内容に絡む事柄だけしか見せちゃいけないってルールがある訳じゃないからいいんだけどサ、本筋のプロット自体がこれらの無意味な映像を差し込む事で、最終的に安っぽく感じちゃうんですけどねぇ(苦笑)

要するに演出がクドイんだなぁ。
クライマックスのどんでんオチはかなり「ほぉ〜!」と感心させてもらえたんだけど、その後のシメがあまりよろしくないよーな気がしたんだな。
佐藤浩市氏の様子だけで終わっておいてもよかったんじゃないの?アノ後の羽田美智子嬢の部分は全部カットしちゃった方が、スッキリまとまって余韻が残ったんじゃないかと思うんだけどなぁ・・・

そう考えると、かつてぴよが相当ビビった「リング」は、本当に素晴らしい作品だったなぁと思う。
あの作品を超えられるジャパニーズ・ホラーに未だにお目にかかれないな、というのが正直な気持ち。







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2004年09月23日(木) ぼくセザール 10歳半 1m39cm

監督:リシャール・ベリ
出演:ジュール・シトリュク
    ジョセフィーヌ・ベリ
    マボ・クヤテ、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
セザールは学校では目立たないちょっと太めを気にしてる男の子。出張で出かけた父をてっきり警察に逮捕されたものだと勘違いし、学校中に噂が広まってセザールは一躍人気者になってしまう。ところがセザールの勘違いだと判って評判はガタ落ち。そんなセザールに声をかけてくれたのは、親友モルガンと2ヶ月前に転校して来た美少女サラだけだった。
そんなある日、モルガンが生き別れになっている父親を探しにロンドンに行くという決意を語った。親友モルガンの願いを叶えようとサラとセザールの2人は小さな冒険を計画。かくして子供3人の珍道中が始まるのだが・・・


【あらすじ】
舞台・映画等で幅広く活躍を続ける役者リシャール・ベリ氏が監督・脚本を手掛けた作品。
主人公のセザール役は「バティニョールおじさん(2004.1.6鑑賞)」で初めて主役を手にし、その高い演技力を評価されたジュール・シトリュク君。ヒロインの美少女サラ役を演じたジョセフィーヌ・ベリ嬢は、何と監督さんのご息女だそーですよ。

子供も10歳にもなると、実は大人が考えているよりもずっと世の中の事を判ってるしきちんと物事考えてる。
自分だって10歳の頃は「大人は全然判ってくれない!」と散々悪態ついてたクセに、いざ大人になるとそんな事はすっかり忘れて子供扱いしてしまうというのはどーしてなんだろう?
そんな子供時代の頃の子供の視点を、実に瑞々しくこの作品は見せてくれます。

その視点や物の考え方は大人のソレと全く変わらない。冷静でシニカルで現実的な視点のセザール少年は、大人達が大切な話になると子供を蚊帳の外に追いやってしまう事や上から見下ろして「坊や」と呼ぶ事、自分に対して敬意を払ってくれない事を日々不満に思ってるのだ。
映画はずっとセザールの心の声をナレーションにして、全てセザールの視点で撮られているんだけど、どれもこれもシニカルでユーモアたっぷりに、でも子供を理解しようとしない大人達へ警鐘を鳴らし続けている。

そうは言っても所詮は10歳の子供。普段はクールでクレバーな親友モルガンが雷が怖くて泣き出したり、楽しみにしてたエロビデオも途中で眠りこけたりするエピソード等は実に微笑ましくて、この年齢の少年の大人的な部分と精神的に未熟な部分のアンバアランスさを実に巧みに見せてくれます。
いや・・でも女の子はやっぱり精神的に成長するのが明らかに男よりも早いね。サラが「アタシを喜ばせてくれる人〜♪」と言ってセザール達にコーラを買いに行かせようとするくだりなんて、「おぉ〜!」と唸ってしまいましたわ(笑)

話は前半がセザールが出張した父親を「刑務所に入ってしまった」と勘違いして大騒ぎになるエピソードが中心、そして後半は親友モルガンの父親を探してロンドンに行く小さな冒険がメインという2段オチになってます。

ぶっちゃけ言ってかなり中途半端(つーか強引)に話をまとめちゃってて、結局父親と共同経営者とのトラブルは何だったのか?ネタが放り出しっぱなしだし、ロンドン珍道中も結局都合よく現れた親切なおばはんの仕切りで物事がビシバシ進んじゃって「あれれ?」の連続なんですが(苦笑)、この映画で主張したい事がこれら部分じゃないという事はどんなアホでも判るので、それほど気にはならなかったです。

この作品に登場する大人達に、偏狭な悪人はいない(ロンドンの公園に出てきたヤツは別な)
パパはセザールの叫びを受け入れ反省して、仕事の事やお金の事もきちんと子供に説明するようになるし、モルガンの父親は突然現れた我が子を受け入れて、子供達に「キミ達のお兄さんだよ」と優しく語り掛ける。
サラの父親は相変わらずのハイテンションで彼女を苦笑させるものの、そこには子供への溢れる愛が見え隠れする。

子供の声にきちんと耳を傾ける事、そして子供に愛を持って対峙する事の大切さを決して説教臭くなく、笑いの要素をふんだんに取り込んで表現している秀作だと思いますネ。
今作は文部科学省選定作品だそーですが、かなりキワドイシーンありますヨ。国も随分柔軟になったんでしょうか(笑)








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2004年09月22日(水) 天国の青い蝶

監督:レア・プール
出演:ウィリアム・ハート
    マーク・ドネイト
    パスカル・ブシェール、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
10歳のピート少年は末期の脳腫瘍で余命いくばくもない状態だった。そんなピートの夢は、南米に生息している美しい青い蝶「ブルー・モルフォ」を捕まえる事。ピートの母親は、彼が尊敬する昆虫学者アランに「南米に連れて行って欲しい」と懇願するが、アランに「ブルー・モルフォを採集するには時期が遅過ぎるし車椅子の少年にはムリだ」と断られてしまう。
しかしピートの並々ならぬ情熱と決意を知ったアランは、何とかしてこの少年の最後の夢を叶えてやろうと、ついにピート母子を連れて南米に行く事を決意したのだった。


【感想】
10年程前に実際に起こった奇跡の物語を映画化したもの。
予告編見てかーなーりー期待していた一作で、しかもその後TV番組「奇跡体験!アンビリーバボー」でもこの話が取り上げられていて、ピート少年のモデルになった方や実際の昆虫学者さんのインタビューも放送されましてネ、いやがおうにも気分は盛り上がるっちゅーモノですわ♪

そんな訳で、ぴよが期待し過ぎたのがよくなかったのかもしれません(謎)

この作品、実に中途半端な作りだったんですわ。とほほですわ。
まずからして登場するキャラクターのどれもこれも魅力なさ過ぎなんですわ。「魅力がない」というよりも「人間味がない」とでも言うのか・・・特に主人公のピート少年。余命いくばくもない末期癌の少年なのにまるで危機感や悲壮感がなく、まるでハイキングにでもやって来たかのようなお気軽な印象を受けるというのは余りに痛い。

更にピートのママがまたとんでもないキャラで、相当ムリ言って連れて来てもらったクセに、ヘビがキモいだの汚いだの臭いだの(そこまで言ってねーか。笑)文句垂れまくって大騒ぎ。ついには息子に「オマエが騒ぐと青い蝶が出て来ねぇよ!」と三下り半を付き付けられ(苦笑)、それでも自分の何が悪いのか全く判ってないというていたらく。
実際のこの少年の母親がどんな方なのか存じませんが、この映画見たら憤怒に耐えないんじゃないでしょうか(^-^;

キャラはともかく、話の構成がマズイと思うんだよなぁ。
この物語は「末期癌の少年と彼の情熱に動かされた昆虫学者が、苦労の末に南米で神秘の蝶を捕まえる」という事と、それによって少年の癌が消えて治ってしまったという奇跡の物語だったハズ。
キモは「青い蝶を捕まえる」という感動シーンに集約されるモノだとばっかり思っていたのに、肝心の青い蝶を手に入れるくだりがアレでは一体ドコに感動していいんだか訳わかんないじゃないか!

この映画のどこからどこまでが事実に則しているのかぴよは知らない。もしかしたら事実もこの通りなのかもしれん。
仮にこの展開が事実だったとしても、少なくとも映画では大胆に脚色してピート少年が自力で青い蝶を捕まえなければ、更に少年が青い蝶と出会う時はもっとドラマティックに青い蝶が登場してくれなくちゃ、観客に対して「少年が青い蝶と出会った事で神秘体験(癌が消えた)をした」という感動が伝わらないと思うんだよね。
ラストなんて「なぜだかボクはまだ生きている」って・・・それだけかいっ!(^-^;
アッサリし過ぎだっちゅーの!アッサリっつーか何のヒネリもないっつーか、もうちょっと何とかならんのかい!

救いは美しい南米の自然と昆虫・動物達の様子か・・・って、コレも「HNKスペシャル」や「世界ふしぎ発見」の方がよっぽど生き物や自然の捉え方が巧みだよなぁ〜という程度ですし。
しかも話の中にこれらの映像が全く絡んでない。唐突に映画中に映像を挟み込んでるだけじゃ芸がなさ過ぎでしょ。

ネタ自体かなり感動出来る(泣ける)話のハズなのに、どうしてこの製作スタッフは素人でも思い付きそうな簡単な演出すらしなかったのだろうか?ぶっちゃけ「アンビリーバボー」を見た時の方がよっぽど感動したわよ(^-^;
きっとフジテレビがこの映画作ったら、これでもかー!としつこいくらい泣かせで感動的な演出してくれると思うわネ。

フジテレビさん、この映画のリメイク権買いなしゃい(爆)






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2004年09月21日(火) ヘルボーイ

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ロン・パールマン
    セルマ・ブレア
    ルパート・エヴァンス、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
第二次世界大戦末期。ナチスが世界を破滅させようと魔界の門を開こうとした所を、アメリカ軍によって急襲されて失敗。真っ赤な猿のような「悪魔の子」が残された。この異形の赤子を連合軍のブルーム教授が連れ帰り、秘密裏に組織されたFBI超常現象調査局内で我が子として大切に育てられた。
それから60年後の現代、成長した「悪魔の子=ヘルボーイ」は半魚人のエイブら特殊能力を持つ異形の者達と共に、ブルーム教授指揮下で怪奇事件の解決にあたる秘密エージェントになっていたのだ。


【感想】
「スパイダーマン」「ハルク」等、アメコミ映画化のブームに乗ってまたまたアメコミのダークヒーローがスクリーンに登場。
監督は一貫してゴシックホラーを撮り続けているメキシコ出身の奇才ギレルモ・デル・トロ氏。主人公ヘルボーイを演じるのは、数々の名作にクレジットを連ねる名脇役ロン・パールマンが初の主役をゲット!
とは言うものの、あまりに特殊メイクが凄過ぎて誰が演じてるかスクリーン見る限り判りゃしませんがネ(笑)

「ハルク」の時も思ったけど、決して見てくれがカッコイイだけがヒーローじゃないってのがアメコミの面白さ。

それにしてもヘルボーイ、いくらなんでもチョンマゲはなかろーて(爆)

「カッコよくない」じゃなくて「カッコ悪い」ヒーローってのはどーなの!?(^-^;
しかもヘルボーイ君、角があるのがカッコ悪いと随分気にしてらっしゃるご様子ですが、それよりまずその胡散臭いチョンマゲを何とかしようよ・・・つーか、誰かツッコミ入れてやれよ!!

更にすげーおちゃっぴな風貌のクセに(謎)プライドが高く、スタンドプレーが大好きなヘルボーイ君、悪魔の子なのに人間に育てられたからなのか妙に人間臭い。
大好きな女の子にモジモジとラブレター書いたり、ヤキモチ妬いたりして意気地なしの小心(爆)
本当は心優しいヘタレ系だけど、ヒーローになると凄いんです!ってのがアメコミの王道のようですが、ここまで徹底してコメディセンス満載なのは珍しいんじゃないでしょうか?

怪僧ラスプーチンやナチスのオカルト結社、異形のモンスター等「その手のモノ」が大好きな男の子が大喜びしそうなネタも満載で、ちょっと陳腐な「混沌の7体の神オグドル・ヤハド」を始め、絵的に「うおぉぉぉ!」という感覚は余りなかったのですが(もしかしたらこのCG部分は見せ場なのかもしれん。苦笑)、このちょっと安っぽい怪物達とチョンマゲヒーローのバランスがある意味絶妙だったんじゃないかと思うのです。

監督さん、この作品に原作から心酔なさってるそーでして。
非常に監督さんの気合と愛を感じる作品なのですが、余りに気合が入り過ぎてネタがまとまってない感じです。
「アレも見せなきゃ!コレも出さなきゃ!」と、自分の好きな物をとにかく見せて見せて見せまくってやろうという気概は充分に感じるものの、ネタを詰め込み過ぎて展開にスピード感がないので正直言ってダレます(^-^;
設定をもっとタイトにするか、それともエピソードをもっと大胆に端折って、上映時間2時間弱・・・1時間半くらいに出来ないモノだろーか?何しろこの作品、上映時間2時間20分弱もあるんすよ。そりゃダレるって(笑)

FBIの新人捜査官マイヤーズを演じるのは、イギリス人俳優ルパート・エヴァンス君。新人です。
彼、なかなか可愛いよー!ヘタレ系で母性本能くすぐる顔立ち♪ぴよの好みかもー!今後注目したいわぁ〜♪
それからヒロインを演じたセルマ・ブレア嬢、「キューティーブロンド」でエルのライバル役やってましたが、彼女も実は結構好きなんだよナ♪あの泣きそうなのに妙に迫力のある目ヂカラは魅力だと思いますだ(^-^)

映画同様、ぴよの感想もまとまりのないモノになってしまいました(爆)
まあ「オカルト・コメディ・ヒーロー物」という、今までにない新しいセンスの作品としてそこそこ楽しめると思います。






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2004年09月20日(月) トゥー・ブラザーズ

監督:ジャン=ジャック・アノー
出演:ガイ・ピアース
    ジャン=クロード・ドレフュス
    フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
1920年代、カンボジアの密林に仏像を求めてやって来たイギリス人冒険家・エイダンは、あるトラを撃ち殺した。このトラには2頭の子トラ(クマルとサンガ)がいたのだ。やんちゃなクマルはサーカス団へ売られ、おとなしいサンガは総督の幼い息子が引き取るものの、ある事故がきっかけで息子と引き離されて、父親の手によって知事へ献上されてしまったのだ。
それから1年後に数奇な運命を辿ったこの子トラ兄弟は再会する。それはトラの決闘遊戯の対戦相手だったのだ。


【感想】
「小熊物語」で動物ファンの心を鷲掴みにしたジャン=ジャック・アノー監督が、他のジャンルの作品も撮ってみたもののどーにも売れないので(をい)、初心に戻って得意な動物モノで返り咲いて来た一作。
と、エラソーに書きましたが、実は予告編見た時には勝手に「ディズニー映画」だと勘違いしてました(^-^;
(だってこーいう類の作品って大抵ディズニーじゃない?苦笑)

この作品が決してディズニー物ではない、ディズニー物とは明らかに違う部分というのは「動物に喋らせない」という事だと思うんすよ。この作品がもしディズニー映画だったら、間違いなく子トラのクマルとサンガがド喋ってる事でしょう。
そーいう卑怯な手を使えば簡単に説明出来る「トラさん達の心情」を、敢えてセリフなしに表情や動きだけで見せてくれたという部分は、ぴよ的にかなり高評価です♪

とは言うものの、あくまでもトラ達の心理描写は「人間が思う所のソレ」ってヤツでして(笑)
これがツボにハマる人はサイコー楽しい1作になるのは間違いないです。実際ぴよも結構ツボにハマったクチで、トラさん達見ながら心の中で勝手にアテレコしまくってたんすけどネ♪(でもコレって大抵の人がやると思うヨ)

特に中盤のクライマックス、クマルとサンガがお互い兄弟とは気付かずに決闘するシーンはスゴイ!
やるかやられるかの死闘を繰り返し、いよいよ!というトコロで2頭の目が合った時にお互いの目を見て去来した過去の幸せだった日々・・・このシーンは泣ける!と言うか、出来過ぎで笑える!(爆)
お互いが兄弟だったと判った瞬間からの「子供時代に戻った俺ら」の様子の微笑ましさったらサイコーっすよ!

妙に人間臭い感情表現のトラ達ですが、やってる事はネコ科ならではの動きだったりして、それがまたネコ好き心を刺激してくれちゃってねー・・・この監督さん、動物モノ映画(もしくはネコ)が好きな人の心理を非常に上手について来る方だとお見受けしましたが(笑)

と、動物好きゴコロを存分に刺激してくれる本作ですが、地味に人間も登場してるのでチェックしなくちゃいけません。
主演のガイ・ピアース(実は結構好きだったりするサル顔俳優♪)、相変わらずサル顔がイケてる中途半端なトレジャーハンター役です。上には「冒険家」と書きましたが(公式HPがそーいう位置付けをしてたので)、発掘前のカンボジア・アンコールワットの仏像を片っ端から盗掘する、遺跡好きのぴよを激怒させる相当感じ悪いヤツです(^-^;
彼の理屈「誰の目にも触れずに朽ち果てていく遺跡なら、せめて俺が掘り出してその美を周知に晒してあげよう」←ここまで感じ悪い言い方はしてませんが、ぴよにはそう聞こえたってー事です(苦笑)

遺跡好きに言わせてもらえば「人目に触れずに朽ちて行く遺跡は、そのまま朽ちさせてあげて下さい」
遺跡というのは、作られたその場所にあるからこそ価値がある。仏像の頭だけを切り取って人様に見せる、ましてやそれで金儲けをしようなんてーヤツに、こんな大層な理屈付けられたらたまったもんぢゃーねーよっ!ってな感じです(怒)
風化して朽ちて行くのは仕方のない事。だってそういう歴史を経てその仏像は「遺跡」になったんですから。

・・・と、映画の内容と全く関係のない事をつい熱く語ってしまいました(^-^;
少なくとも「動物映画」としてはかなりの秀作です。
かなりクサい&あり得ない展開のオンパレードですが、そんなモノは気にならないくらい動物好き満足度は高いハズ!







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2004年09月17日(金) アラモ

監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:デニス・クエイド
    ビリー・ボブ・ソーントン
    ジェイソン・パトリック、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
1836年、メキシコ支配下のテキサスでは独立運動が激化。義勇軍がアラモの砦を占拠した。若き司令官トラヴィスは義勇軍リーダーのジム・ボウイと対立。そこへテネシーからやって来た「熊殺し」の異名を持つ英雄クロケットが加わり士気が高まるものの、数千の兵を持つメキシコ軍を相手にたった200人足らずの義勇軍、その兵力は余りに違い過ぎた。
トラヴィスは何度もヒューストン将軍に援軍を頼むものの、ヒューストンは首を縦に振らなかった。援軍の得られない絶望的状態の義勇軍の前に、ついにメキシコ軍は総攻撃をかけて来たのだった。


【感想】
1960年に名優ジョン・ウェインが初監督&主演で製作された映画「アラモ」のリメイク。
リメイクって訳でもないのか?元々この「アラモ砦の伝説」というのは、アメリカ建国史においてかなり有名なエピソードだそうですので、きっと本国のみなさんにとっては子供から大人まで誰もが知ってる話なんでしょう。

だから何も説明なんて必要ないんでしょうネ。
日本人の、しかもアメリカ史なんてまるっきり知らない(ぶっちゃけ南北戦争の事を少し知ってるかも?程度ですヨ)ぴよにとっては、映画冒頭から中盤辺りまで、さーっぱり訳わかんなくて眠くて仕方なかった(^-^;
この映画を鑑賞する前に、是非公式HPのストーリー部分だけでも読んでおいた方がいいでしょう(笑)

ジョン・ウェイン作のアラモに比べ、どーやら本作の方がより史実に忠実に作られているようです。
(もっともぴよはジョン・ウェイン作の方を見てないので、コチラがどれくらい史実と違うのか判りませんが)

てな訳で(そーいう訳だからって事でもないんだろうけど)、ジョン・ウェインが演じた「伝説の英雄・熊殺しのクロケット」を、本作ではなんとビリー・ボブ・ソーントンが演じております。
ビリー・ボブ・ソーントン、結構好きな役者さんなんですが・・・熊殺しとか川をひとっ飛びする程の屈強な勇者にはとても見えないというのはどーしたもんなんだか(^-^;
しかも彼がアラモにやって来たそもそもの理由ってのも、選挙に負けて面白くなーい!って状態の時に、以前ヒューストンから聞いた「テキサス共和国建設」の話を思い出して、政治的野心でやって来たに過ぎなかったんだからお笑いですわ。
クロケットがアラモの義勇軍達に「もう戦争は終わったんだよネ?」と聞いた時のマヌケな顔はステキです(笑)

戦争映画としての迫力がどーだったとか、そーいうのはぴよの好みの話じゃないのでおいといて(コラ)、前半ウトウトしながらも一応中盤以降はきちんと鑑賞したんですがねー。
なんでしょう?映画を見ながら「何故今この映画を作るんだろ?」「この映画が言いたい事は何?」と終始思ってました。

おバカのぴよが見た限りでは、この「アラモ砦伝説」の話というのは、元々メキシコ占領下だった土地に勝手にアメリカさんが入植して来た挙句、メキシコからこの地をぶんどってやれ!と戦争をけしかけて、アラモ砦で孤立した義勇軍が助けを呼んでも「おまへら人柱になれ」と見捨て(ひー)、当たり前のように全滅させられると「リメンバー・アラモ!」とか言いながらメキシコ軍をやっつけて「俺達、超COOL?超クレバーってヤツぅ〜?」と意気揚々としている話かと(爆)

大義の前に少数の犠牲を払うのは当たり前なんだヨ。死んだ後でみんなで伝説にしてあげるからネ♪って話?
オイシイ利権のある土地だったら、他の国にいいようにさせるの勿体無いからアメリカさんで頂きましょ♪って話?
こっちからけしかけたけど、やられたからにはやり返すのは基本だよネ♪だって俺達アメリカだもんっ!って話?

ぴよってひねくれてるのか?ひねくれてるんだろーなぁ(^-^;
でも、本当に何が言いたいんだかさっぱりわかんない作品だったんだもん。

この作品のタイトルって「イラク」とか「バグダッド」って名前だったっけ?(をい)






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2004年09月16日(木) SURVIVE STYLE5+ (サバイブ スタイル5+)

監督:関口 現
出演:浅野忠信
    小泉今日子
    岸部一徳、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
殺しても殺しても蘇って来る妻を、それでも懲りずに何度も殺し続ける男・石垣。観客に催眠術をかけたまま殺し屋に殺されてしまう催眠術師・青山。催眠術をかけられたまま解けなくなって、自分が鳥だと思い込んで暮らす男・小林と戸惑う家族。空き巣をして暮らしている3人組の男達。いつも同時通訳を連れて行動する、ロンドンからやって来た殺し屋・・・
決して交わるはずのない彼らの運命が時に絡み合って、そして驚愕のクライマックスを迎えるのだ!


【感想】
今TV広告業界でその名を知らない人はいないという「CM界の若き重鎮」、CMプランナーの多田琢氏とCMディレクターの関口現氏がタッグを組んで映画界に殴り込みをかけた本作。
ナニゲに出演者が超ゴージャス!上記の出演者リストに書いただけに留まらず、今芸能界でキラ星のよーに輝き続けるトップ俳優から誰もが1度ならずもスクリーンで見た事のある名脇役、更にはイギリス人俳優「ヴィニー・ジョーンズ(スナッチ等に出演)」まで参加したという、正に鳴り物入りの一作です。

有名企業CMを数々手掛けて世界的にも評価の高いコンビが作る作品とあって、映画冒頭から延々と続く独特のカット割りとキッチュで超こだわったセット&色彩の妙は見モノ!
浅野忠信サンのおうちなんてスッゴイよー!ぴよ個人的に「浅野サンにはこーいうおうちに住んでいてもらいたいなぁ♪」と思うような、本当に「夢の浅野家」の様相を呈してますから(笑)

話はバラバラな5つのエピソードをアトランダムに見せて行って、最終的にどこかで何かが繋がっているという方式。
しかも映画の見せ場が【クリスマス・イブ】なんですよ(←ネタバレになるから隠しました)
これって・・・もしかして思いっきり【ラブ・アクチュアリーのパロディ!?】だよね?(^-^;

とまあ、映画を見ていて思った事は「昔どこかで見た事があるような既視感的作品だなぁ」という事。
ギャグが超ベタなんだよね。このユーモア感ってちょうどぴよが子供の頃に見ていたアニメだったり、お笑い番組だったり、バラエティ番組のコントでやってたような類のモノとピッタリ被ってるんですよ。

だから映画見ながら「コレって次はこーいう展開になったりしてナ♪」とか「オチはこーだったりしてナ♪」と思ってると、本当にそのまんまズバリ思ったとーりの展開になっちゃう(苦笑)
これはぴよの世代だからズバリ的中しただけで、今のティーンエイジャーの皆さんが見たら「ウッソー!」っていう展開だったんでしょうかねぇ?

どっちにしろ、ぴよ世代前後(〜上もアリか?)は「なんだか懐かしいよなぁ〜!こーいうのって♪」と思い、そして今若者時代を謳歌しているみなさんは「スッゲー面白いぢゃーん!こんなのあり得ねーって!!」と新鮮なユーモア感覚を楽しめるという趣向なんじゃないだろうか?と。

ま、褒めちぎってます(謎)がネ、最初の内は懐かしい感覚に大笑いさせてもらったものの、それが延々続いて想像してた先の展開がことごとく当たっちゃうと、段々しつこく感じて飽きて来ちゃうんだな(^-^;
映画見てる間はかなり面白いと思ったのに、見終わった後は「大した事なかったか?」という気にさせてしまうのだ。

不思議な作品だなぁ〜!(こらこら)







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2004年09月15日(水) コラテラル

監督:マイケル・マン
出演:トム・クルーズ
    ジェイミー・フォックス
    ジェイダ・ピンケット=スミス、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
マックスは12年間真面目に勤務しているタクシー運転手だ。今日乗せた客は敏腕女性検事のアニー。どうやら仕事でストレスを抱えているらしい彼女を励まして、彼女から名刺を貰ってちょっぴりウキウキ♪彼女を下ろした直後にタクシーに乗り込んで来たのはヴィンセントと名乗る中年の男だった。彼は今夜中に5件回りたいからこのタクシーを貸切にして欲しいと、法外な金額を提示して来た。気を良くして取引に応じたマックスだったが、実はヴィンセントは腕利きの殺し屋だったのだ!


【感想】
トム・クルーズ主演最新作の本作は、「中年の殺し屋でしかも悪役」という今までにない設定の役柄に挑戦!と話題に事欠かない一作。既に予告編やポスターも出回ってますから、トムの無精ヒゲ+白髪頭に驚いたファンも多い事でしょう。
何でもジャパンプレミア試写会ではトムが5000人の観客と握手会をするとかしないとか?

タイトルの「コラテラル」と聞いてまず思い浮かんだのは、2002年に公開になった「コラテラル・ダメージ(2002.4.11鑑賞)」
コチラの作品の感想で「コラテラルの意味は『テロや武力行使による2次的災害』の事です」と書きましたが、今作ではそういう意味ではなく「とばっちり・巻き添えを食う」というような意味合いで使われているようです。
(少なくとも作品中、字幕を付けた戸田奈津子サンはそのよーに翻訳してらっしゃいました)

要するにタクシー運転手がたまたま乗せた客が殺し屋で、ソイツの巻き添え食ってエライ目に遭っちゃったヨ!という、これはあくまでもタクシー運転手側の視点に立った撮り方をしている作品という訳です。
だから簡単に言うと、この作品の主人公は殺し屋役のトムではなく、タクシー運転手役のジェイミー・フォックスという訳なんですネ・・・って、コレもまた以前トムが冠になってた作品「ラスト・サムライ」と同じパターンじゃないか!(笑)
よーするに、トムは「決して主人公ではないが主人公を食うような役がお好き♪」って事なんでしょうか?(^-^;

てな訳で本作ですが(前置きが今回も長かったなぁ〜!すんまそん!!)
結果的に言うと、トムはジェイミー・フォックスを食えませんでしたネ。トムが冠の本作ですが、やっぱりオイシイのはジェイミーの方だったという悲しい結果に終わってしまいました(爆)

ネタは「オチは見えててもスリリングで見せ場が多いサスペンス」というカテゴリになるんじゃないかと思うのですが、決してアクションシーンが派手とかカーチェイスがスゴイとか、はたまた火薬多用で爆発しまくるという見せ場ないです。
作品の重点を置いている部分は、あくまでもアクションやサスペンス部分ではなく、タクシー運転手のマックスと殺し屋ヴィンセントの2人が会話しながらお互いを制しようという、丁々発止の心理戦部分だと思われます。
ある意味「密室劇」に近い物がありますね(決して密室劇ではありませんが)

てな訳で、ハリウッドお得意の強引な展開がズラズラと続いてツッコミどころ満載なんですが、特に派手なアクションもないのに意外とダレずにグイグイと話に引っ張られて、何となくそれなりに楽しめちゃったりしたのが不思議でした。
(何言ってんだか訳わかんねーなー。苦笑)

トムは今回最後の最後まで身も蓋もない悪役に徹していて、ある意味期待を裏切ってくれましたネ!
今までのハリウッド作品の経験則から行くと「大物役者が悪者を演じる時は必ず最後はいいヤツに寝返るハズ・・一体いついいヤツに転換するのかなー?」と思って見ていたんですが、結局最後までワルを貫いてくれたのは嬉しかった♪
きっとトムも「今後のオレの役者人生の中で、悪役も出来る幅の広い役者だとアピールしなくちゃ!」という思惑で、今作の役を引き受けたんだろうと容易に想像が付くのですが・・・

結果的に言うと、「トムの顔はやっぱり悪役には向かない」という事を、世界中の方々に知らしめる結果になってしまったんではないかと思う訳ですわ(苦笑)






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2004年09月14日(火) ヴィレッジ

監督:M.ナイト・シャマラン
出演:ホアキン・フェニックス
    ブライス・ダラス・ハワード
    エイドリアン・ブロディ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
深い森に閉ざされたある小さな村。ここは人々が自給自足しながら助け合う楽園だった。村に隣接する森には魔物が住んでおり、人を食うので決して森に入ってはいけないという掟があった。魔物と村人はお互いの地を脅かさない代わりに危険な目に遭わせないという契約を結んでいたのだ。
だがこの村に住む実直な若者ルシアスが、村の子供が病死した事がきっかけで、今後この村の病人を助ける為に禁断の森を抜けて「町」に薬を取りに行きたいと言い出したのだ。


【感想】
「シックス・センス」で世界中の大絶賛を浴び、「アンブレイカブル」ではアレ?と思い、そして「サイン」で完全に腰が砕けまくっちゃったシャマラン監督の最新作ですよ。いや、サインもウケる人にはウケてたみたいなんですがネ(^-^;
そんな訳で、期待半分・脱力気分半分で鑑賞。

基本的にシャマラン監督は「シックス・センス」がウケ過ぎちゃったのがよくなかったと思うんすよ。
この作品のバカ売れ状態によって、すっかりシャマラン監督に「サスペンスの大家」「どんでん返し王」というレッテルが貼られてしまい、そのお陰で彼は映画制作に臨むにあたり「何かどんでんオチを入れなければ!」という、ワケのワカラナイ縛りが出来てしまったよーに思う訳です。
いや、それはぴよを含む多くの観客の誤解と偏見でしかないのは重々承知してます。だから今回は「たとえオチがサイン状態でも絶対にぴよは怒らないゾ」と固く心に戒めて鑑賞しましたってば(苦笑)

(以下、もしかしたらネタバレ?になるかもしれないので未見の方はご注意)


それにしても【赤い頭巾被った「ナマハゲもどき」】が登場した時は「うっわー。またサインの二の舞かよー」とハラハラしたぴよですが、さすがに今回はそんなアホな展開ぢゃーなかったです。
あんなお粗末なモノ見せておいて大マジメに【「これが魔物です!本当にいたんです!」】なんて言われた日にゃ〜アータ、たぶん観客の8割は途中で怒って席立って出てっちゃうでしょ(爆)

今作、かなり辻褄が合うよーに工夫されてましてネ、例えばぴよがこの村最大の疑問だった部分・・・【村人は森に入らないだろーから秘密は守られるだろーけど、どーして「町」からは誰も森を抜けてこの村に来ないの?】という謎が、「はー。なるほどネー!これならかなり強引だけど納得出来るわー」というオチになってましたよ。
これだけでもこの作品はぴよ的に「サイン」よりも高評価ですよ(笑)

って言うか、全く期待してなかったせいなのか?実は「結構面白いぢゃん」って思っちゃったんだけど!!

絵の見せ方がウマイんだよね。村人が家畜の生皮剥がされた死体を見つけた様子なんて、ギャーギャー騒ぐんじゃなくて無言で固まってるだけなのよ。コレってヘタに悲鳴上げられるよりもよっぽど見てるこっちは恐怖感煽られますわよ。
赤が禁忌色で黄色が安全色っていう設定も(実は全く意味ないんだけどなぁ。苦笑)、映像的にとてもキレイだし観客の恐怖心を煽るのにとても効果的だったと思う。

ヒロインのアイヴィーを演じたのは、この作品が映画ではメジャーデビューになるブライス・ダラス・ハワード。
彼女、あの「ビューティフル・マインド」でアカデミー賞監督になったロン・ハワード氏のお嬢さんなんだそうですが、地味ながらも非常に愛らしく、更に演技も大物俳優顔負けの風格。今後の彼女の出演作は要・チェックかもしんないっすヨ♪
更に「戦場のピアニスト」でオスカー俳優になったエイドリアン・ブロディが知的障害のあるキワモノ役で登場。相変わらずお上手ですが、知的障害がある割にやる事がかなり理路整然としていて尚且つかなり陰湿。
彼のキャラクター設定がぴよにはよく理解出来なかったんですが、彼は実は知的障害じゃなかったって事なの???

と、色々ツッコミ出したらキリがないシャマラン監督作品ではありますが、この作品は結構イケてるんじゃないの?
要するにシャマラン監督は「どんでん返し王」ではないのです。
そこんとこをちゃーんと理解していれば、ちゃんとしたホラー・ファンタジーとして楽しめると思うんだけど・・・

って、またすっごい微妙な書き方しちゃったネ。だって本当に微妙な作品なんだもーん(^-^;






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2004年09月13日(月) やさしい嘘

監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
出演:エステール・ゴランタン
    ニノ・ホマスリゼ
    ディナーラ・ドルカーロワ、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
グルジアに住むエカおばあちゃんの楽しみは、新しい生活を求めてパリに移住した息子のオダールから届く便りだ。オダールの姉で長女のマリーナはオダールに嫉妬していて、マリーナの娘のアダはオダールおじさんから届く手紙をエカに読み聞かせるのが日課という穏やかな家族だった。
そんなある日、エカの不在中にオダールが事故に遭ったという連絡があったのだ。果たして警察に行って見ると既に亡くなっていた。エカを悲しませたくないマリーナとアダは、さもオダールが生きているかのように装う事にするのだが・・・


【感想】
「あいち国際女性映画祭」で鑑賞した作品。愛知未公開作品ですが、東京ではもう公開してる?
舞台はソ連崩壊後に民族紛争などで揺れ、経済的に困窮が続くグルジア。この国に住む3世代同居の女性ファミリーの家庭の事情に絡めて国の情勢もさりげなく見せるという、なかなか手の込んだ作りの作品です。

ロシアの医大を出たインテリの息子が自慢のエカばあちゃん。でも困窮を極めるグルジアではロクに稼げないと、息子のオダールは新天地を求めておフランスのパリに不法就労している。医師ではあるものの、所詮不法就労の身であるオダールは、建設現場で肉体労働をして日銭を稼ぐしかないという辛い立場だったりする。
こういう背景の補足のように、しょっちゅう停電したり突然水が出なくなったり、国の特産物を製造する会社であっても資金不足で操業停止していたりという「現代グルジアの実情」をリアルに(でも話からは浮かないようにさりげなく)見せてくれる辺り、後の展開にもうまく絡んでいて技アリの脚本だなーと思いましたね。

年老いたエカを悲しませたくない、という理由で嘘をつき続ける事になるマリーナとアダだけどそこにはそれぞれ色んな感情が混ざっていて、アダが良心の呵責に耐えられなくなって母のマリーナに抗議するくだり等、静かなエピソードが多いんだけどズシンと来る話でしたね。

なによりこの映画を素晴らしいものにしてくれたのは、エカを演じたエステール・ゴランタンの存在でしょう。
ゴランタン嬢(?)、なんと御年85歳にして映画デビューを果たしたという女優さん!デビュー作「故郷への道('99)」でアルビ映画祭最優秀女優賞を受賞あそばされ、その後もヨーロッパで数々の作品に出演する人気女優さんなんだとか・・・本作も撮影時にして90歳間際というご高齢でありながら、溢れる存在感と瑞々しい演技で観客を魅了します♪

そんなエカがクライマックスで見せる苦悩の姿と「やさしい嘘」にはグッと来ましたね。
先の展開ミエミエでも(コラ)、それでもジーンとさせるウマイ脚本だったと思う。
何もかも悟って穏やかな表情になったエカ、そしてアダが何を望んでエカに付き添ってパリまでやって来たのかをも知ったエカが手を振る優しい姿、嘆き悲しむマリーナを抱きしめる暖かく力強い手、とにかく「エカ一人勝ち」「ばあちゃんオイシイとこ総取り」の作品ですわ!(笑)

「地味な小品」という印象ですが、含蓄深い良作だと思いましたネ。
ぴよはこーいう作品結構好き♪







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2004年09月12日(日) ラミアの白い凧

監督:ランダ・シャハル・サッパグ
出演:フラビア・ビシャーラ
    マーヘル・ブサイベス
    ランダ・アスマール、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
イスラエル建国によって分断されたレバノンとの国境地帯にあるとある村。イスラム教・ドルーズ派のこの村に住む16歳の少女ラミアは、少年達と凧揚げに興じたり同級生の女の子と性の知識について話をしたりするごく普通の女の子だった。ある日村の長老会議でイスラエル側に住む従兄との結婚を決められたラミアだったが・・・


【感想】
毎年この季節になると愛知県では「あいち国際女性映画祭」という催し物があって、日本初公開や愛知初公開の女性監督の作品が数多く上映されます(って、過去の感想にも何度も書いてます。笑)
んな訳で、今年も映画祭を見に行って来ました。
本作は日本初公開作品で、更にレバノン・フランスの共同制作という変り種。

舞台はイスラエルとレバノンの国境地帯。イスラエル侵攻(と言うか建国の際の国境線の線引き問題かも?)によって1つの村がイスラエルとレバノンに分断されてしまったという特異な状況下のお話です。
実際にシリア−イスラエル間にこういう状況の村があるそうですが、今作はレバノン人の監督さんによって作られた作品なので、舞台をレバノン−イスラエル間に変えてあります。

レバノンサイドに住む少女ラミアは、ある日弟達と一緒に国境地帯で凧揚げをしていて、風に飛ばされた自分の凧が有刺鉄線の向こうのイスラエル側に入ってしまう。それを地雷地帯を踏み越えて凧を取りに行った事で村では問題になり、長老会議によってイスラエル側へ嫁に出してしまえ!という展開になる。

これがねー、映画中で「ラミアを助ける為にはこうするしかない」というよーな会話があるんですが、どうして国境を越えた事に対する処罰がイスラエル側に嫁に出す事で解決するのかというのが、ぴよにはわかんなかったんですよね(^-^;

ちなみにイスラム教・ドルース派というのは、イスラム教の中でも特に閉鎖的な宗派らしく、この派に関する著書は様々出版されているそうですが、1つとしてドルース派の人間による編纂のモノはないそうです。要するに自分達の教義や信仰方針を全く外部に漏らさないようにしているという特殊な宗派なんだそーです。
で、ドルース派は調査によると、未だに長老会議なる会議や家長の独断によって結婚相手を決めたりしてるらしい。

どういう訳だかイスラエル側に嫁に出される事になったラミアは、これまたどういう訳だかイスラエル軍の国境警備に就いている兵士と恋仲になってしまう。
敵国の兵士を好きになってしまったラミアと、敵国の娘を好きになってしまったイスラエル兵士。
あぁ、麗しい「ロミオとジュリエット状態」な訳ですネ(^-^)

結構ベタな展開&ダレる系のエピソードなんだけど、日本人には全く馴染みのない国の、馴染みのない宗教・宗派の、馴染みのない状況下の話なので、結構「へぇ〜!」「ほぉ〜!」という新鮮な驚きが映画中に沢山散りばめられてます。
少なくともレバノン製作の映画ってぴよは初めて見たのですが、男尊女卑のイメージが強いモスリムの方々の、特に女性側の心理や力強い行動力、アケスケな性に対する考え方等、かなり驚かされる部分が多かった&その一端に触れる事がというだけでも「めっけもん作品」だったように思います。

ラストシーンは、見た人の感覚で解釈して欲しいという事だそーです。
(映画祭会場でライン・プロデューサーという役職の方がいらっしゃって、トークショーがありました)
それはラミアの現実と夢の交錯だと思う人もいるし、単なる夢だと思う人もいる。またはラミアの魂が成したファンタジーだと受け取る人もいるでしょう。
ぴよはラミアの現世から離れた魂と、イスラエル兵士の魂が呼応し合ったファンタジーだと受け取りました。
要するに「こうであったらいいな」と、観客がラストシーンを創作しちゃってOKな作品だそーですよ。

レバノンでは映画制作の土壌が確立されていないそうで、年間5本くらいしか公開されないそうです。
この作品をきっかけに、もっと日本にも広く中東諸国で製作された映画が紹介されるといいなぁ、と思いましたね。







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2004年09月03日(金) MASK DE 41<マスク・ド・フォーワン>

監督:村本天志
出演:田口トモロヲ
    松尾スズキ
    筒井真理子、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
倉持忠男41歳は自動車会社に勤める万年サラリーマン。妻はフラワーアレンジメントに夢中で娘2人は反抗期でロクに親と口も聞いてくれずに家庭崩壊寸前状態。家庭に自分の居場所がない忠男にとって唯一のオアシスは、プロレス仲間が集まる「カフェアリーナ」で仕事帰りに一杯やる事だけだった。
そんなある日、会社から南アフリカへ転勤の話を持ちかけられた。要はていのいいリストラだったのだ。家庭にも会社にもやるせない不満と怒り爆発の忠男は、家族にも内緒で会社を辞めてプロレス団体を作る決心をしたのだ。


【感想】
長くCM監督を勤め続けた村本天志氏の、長編映画監督デビュー作。
一捻りあるB級作品ではスタメン的俳優(←一応ヨイショしてるつもりなんだけど。苦笑)田口トモロヲ氏が、1年に渡り専属トレーナーについて肉体改造を施し、体重を13.5kgも増やして正に「闘魂」を自ら体現してみせた渾身のプロレス映画!
なんとクライマックスのプロレスシーンは、本当に田口氏がスタントなしでやりこなしているそーですヨ!

さてそんな本作、出演してる役者がかなりクセのある面白い役者さんや(役者じゃない人も出てるけど)、最近注目されて来てぴよ個人的にも「今後来るか!?」と密かに注目していた役者さんがゴロゴロ出てたりします。
特にぴよが注目したいのは、主人公・忠男の2人の娘役。伊藤歩ちゃんと蒼井優ちゃんの2人は共に自他共に認めるロリコン監督・岩井俊二氏(をい)のお気に入り女優さんですが、岩井氏の作るフワフワした少女感とは全く違うリアルで辛らつなイマドキの女の子を2人共好演しています。
脇を固めるメンバーも松尾スズキや小日向文世等の劇団出身の役者を起用、監督さんの好みが如実に出てますわネ

てな訳で(どんな訳?)
正直言って話自体はよーわからん話でした(^-^;
結構丁寧に作られてて、CM監督出身だけあってカット割りとか映像の作り方は面白いんですよ。
フラワーアレンジにハマってる妻が、生活の不安や夫への不信感からぷち狂ってく様子なんて、絵的にもすごくキレイだし面白いなぁと思って見てたんだけど、要するにエピソードが消化不良っぽいっていうのかな?ちょっと詰め込み過ぎな感じがしたんだよね。

忠男と妻は共に再婚同士で、2人の娘はそれぞれの連れ子。更に忠男には前妻が引き取った長男がいるという設定なんだけど、別にここまで複雑な人間関係にしなくてもよかったんじゃないかなー?と思うんだよね。
長女(忠男の連れ子)が次女に義母との確執について語るくだりがあるんだけど、ぴよにはこのエピソードが何を意味していたのかさっぱり判らなかったし、人間関係が複雑な分エピソードが増え過ぎて、どれもこれも収拾着かない間延びした感じがしたんですけどネ。

プロレス魂を見せてくれるくだりは面白かった。ぴよはそれ程プロレスに興味はありませんが、プロレスに興味がない人が見ても忠男達のプロレスに賭ける情熱はよく伝わるし、クライマックスのプロレスシーンは手に汗握る迫力ある映像で楽しませてもらいました♪

ただ、忠男達を振り回す「蛯脇」のエピソードは少しクドイ(←つーか単にぴよの好みじゃないだけ。苦笑)
後クライマックスの奥さんとのバトル?シーンはさっぱり意味が判らなかった。
プロレスを通じて家族の再生を見せてるの?家族の再生とこの奥さんのバトルには何か意味があるの?
娘達との関係も、どうして娘達が父親に優しい気持ちになれたのかちょっと判り難いし(特に次女)、全体的に「プロレスに賭ける情熱」という熱風と勢いで強引に引っ張っちゃってて、尻切れトンボな感が否めなかったっす。

小ネタ多めで結構笑っちゃうし思ったより楽しい映画なんだけど、どーも消化不良っぽい感じが残るんだなぁ。
長編映画としては今作がデビュー作らしいですから、この監督さんの次回作に期待してみましょうかネ・・・







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2004年09月02日(木) バイオハザード2 アポカリプス

監督:アレクサンダー・ウィット
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ
    シエンナ・ギロリー
    オデッド・フェール、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
T-ウイルスが漏洩したアンブレラ社の地下研究所「ハイブ」から決死の脱出をしたアリスは、研究員によって取り押さえられて意識を失ってしまった――それから36時間後。病院で目覚めたアリスが見たものは、T-ウイルスが蔓延したラクーンシティだった。アンブレラ社は事実隠蔽の為に核兵器によって町全体を消滅させるらしい。残された時間は4時間。アリス達は科学者の娘を救出して町を脱出出来るのか!?


【感想】
2002年に映画化し、大ヒットを飛ばした「バイオハザード(2002.8.20鑑賞)」の第二弾。元ネタは同タイトルのゲームだというのは前作の感想の時に書きましたが、今作は前作のラストから36時間後という設定でスタート。
前作見てなくても映画冒頭で前作までの展開をミラ・ジョボちゃんが説明してくれるから、未見の方も安心して見てネ♪

今回のミッションは封鎖された町から4時間以内に脱出する事。そのためは、まず町に取り残されたT-ウイルスの開発者「アシュフォード博士の娘」を救出して、アシュフォード博士から脱出方法を教えてもらわなきゃーいけないという、ダブルミッション方式。うーん、今作も実にゲームちっく。

前作から引き続き主人公アリスを演じるミラ・ジョボちゃん、今作に臨むに当たり1日6時間×4ヶ月間という長期に渡り過酷な筋トレをこなし、完全肉体改造に成功。前作では添え物程度だったアクションシーンが、今作ではビシバシとアクションたたみ掛けで見せ場倍増!
・・・ですが、今作マッチョに成長してくれた分、お色気度が激減(涙)
ミラ・ジョボちゃん、アンジェリーナ・ジョリー姐さんでも目指してんでしょうか?だったら無駄な抵抗は止めた方がいいと思うんだけどなー。せっかく可愛い顔してんだから、アクションは添え物程度で「お色気お嬢ちゃん」やってた方が断然いいとぴよは思うんだけどー(^-^;

そんなお色気度が低くなったミラ・ジョボちゃんの代わりに頑張るのが、今作から登場のジル・バレンタインなるキャラ。
ジルは実際のゲームに登場する人気キャラクターだそうですが、彼女を演じたシエンナ・ギロリー嬢はなかなかめっけもんだと思うヨ。しなやかな肢体、力強い瞳、小気味良いアクション、でもほんのり漂わせる爽やかな色気はミラ・ジョボちゃんのよーなわざとらしさはなく(をい)好感が持てます♪

舞台が地下から地上へとフィールドが広くなった分、今作では前作を凌ぐスケールのデカイアクションと派手な映像が楽しめるようになっていて、絵的にも前作よりも格段にスケールアップしていると思う。
クライマックスの町爆撃シーンなんて、「デイ・アフター・トゥモロー」も真っ青の迫力!・・って、「デイ・アフター〜程度かよ」とか言っちゃいやん(^-^;

ですが、ちょっとネタ詰め込み過ぎの感はありますね。
今作ではゲーム的展開である「ミッションの遂行」と並行して、T-ウイルス誕生秘話と本来の効用、アンブレラ社が目論んでいるウイルス兵器開発の次ステージ「ネメシス計画」と「アリス計画」のサワリ部分を見せているのですが(要するにこの映画、Part.3が絶対に出来ますわよ)、1時間30分程度の短い上映時間中にこれだけのネタを見せ場アクションを交えつつ提示しなくちゃーいけないので、どうしても説明不足で観客が着いて行けなくなっちゃうんですよ。

「ネメシス計画」も「アリス計画」も、どーいうモノなのか今作ではその全貌は杳として知れない。
それでもいいのかもしれない・・・要するにこの作品は「Part.3への布石と、Part.3で活躍するキャラの紹介」だったのかもしれないな、それだったらちょっと訳ワカラナイ様々なモノも、次回作でスッキリすれば問題ないのかな?と、ぴよは強引に納得してみましたが(要は次回作も見ろって事ネ。笑)

でもサ、最初っからPart.3作るって決まってんならアナウンスしといて欲しいよなぁ〜。
コレ見ただけぢゃー何が何だか判んないんだもん。ちょっと不親切だよー(苦笑)






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2004年09月01日(水) テイキング・ライブス

監督:D.J.カルーソ
出演:アンジェリーナ・ジョリー
    イーサン・ホーク
    キーファー・サザーランド、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
カナダ・モントリオールで猟奇殺人事件が発生。FBIへの要請があり、天才的プロファイラーの特別捜査官イリアナ・スコットがこの地へやって来た。彼女のプロファイルによって捜査を進める内に第2の事件が発生。しかしこの事件にはコスタという目撃者がおり、彼の描いた犯人の似顔絵によって事件の犯人が19年前に事故死したと目されていたマーティン・アッシャーである事を突き止めた。マーティンは次々と殺した人間になりすまして生活を続け「他人の人生を乗っ取る(テイキング・ライブス)」事を繰り返していたのだ。


【感想】
イギリスの小説家マイケル・パイ氏の同名小説(邦題は「人生を盗む男」)の映画化。
タイトルの「テイキング・ライブス」というのは、「他人の人生を乗っ取る」の意。この作品中に起こる猟奇事件の犯人マーティン・アッシャーの所業を指しています。

とにかく出演キャストがすんげー豪華!
主人公の天才プロファイラー役はマッチョな姐さんアンジェリーナ・ジョリー。姐さんに絡む事件の目撃者コスタ役をイーサン・ホーク、事件のキーを握る謎の男役をキーファー・サザーランド。
それだけぢゃーないぜ!地元モントリオール警察のメンバーにオリビエ・マルティネスやジャン=ユーグ・アングラード等、フランス映画界の大物役者を起用。役者見るだけで映画見る価値アリ☆って感じです。


と、この映画の見ドコロの説明が終わったトコロで(え?)

出演してる役者は超豪華なのにそれが全く生かされていないという、とてつもなく勿体無い作りになってました(^-^;
キャラクターの描き込みが薄いし、話の展開も強引過ぎる&説明不足。まずからして主人公イリアナが天才プロファイラーだという設定が、エピソードとしてまるで生きていないのが痛過ぎ。
死体発見現場で横になる必要あるんすか?キモい写真見ながら飯食ってみたりして雰囲気だけは出してますが、根本的に彼女の言ってる事って決して「犯人像のプロファイル」じゃないと思うんすけどね。

途中で「19年前に死んだはずの息子を見かけた」とゆーおばちゃんが登場しますが、それが何故この事件と結び付くと判断したのかという説明もありません(もしかしたら映画中で説明されていたかもしれませんが、ぴよが気付かないくらいの密かなサインだったのでしょう。苦笑)

とにかく何もかもが説明不足で、観客が置いてきぼり食らってどんどん事件が展開して行くのですわ。
「何かよーわからんがコレはこーいう事だったらしいな。ふん」と思いながら見るサスペンスというのは、サスペンスとして完全に破綻していると言えるんぢゃーないだろうか???
犯人オチは映画見た人の95%以上は初期の段階で判っちゃうんだから(をい)、もうちょっとキャラクターの描き込みや説明に時間かけて、人間ドラマの部分を肉厚にしないと面白味がなくなっちゃうと思うのよネ。

ネタが猟奇殺人事件なので、被害者等の様子がそりゃーエグエグで映像的には「どひー!」な感じです。
決して「犯人(オチ)探し」の映画でないので、この作品はサスペンスではなくホラーなんだと割り切って見れば、かなりイケてるんじゃないかと思います。ぴよは何度も椅子から飛び上がりましたわネ。
(もっとも、ホラー好きさんが見たらこの程度じゃ〜満足出来ないと言われるかも?苦笑)

ラストのエピソードもねぇ・・・一生懸命ヒネって観客に驚いてもらおうと努力してるのは判りますが、なーんかエピソードとしてしっくり来ないっつーかサ。ぶっちゃけあのエピソードはなくてもよかったかもしんない。

と、ボロクソ書いてますが、イーサン・ホークは可愛いです♪(何を急に?<自分)
役者の演技は申し分なかったと思うよん。アンジー姐さんもおっぱいポロリしてくれるし(それは演技力ではない。笑)、舞台がモントリオールだからフランス語圏って事でフランス人名優揃えまくってるみたいですが、彼らもきっちり自分の役をこなしていて個々の演技は文句つけようがないです。

まーそれにしてもこれだけの俳優集めてこの作りとは、本当に勿体無い。
役者陣に問題はないので、どーやら製作者側が自分の仕事をこなし切れなかったとゆー事でしょう(笑)







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