ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年08月31日(火) ネコのミヌース

監督:フィンセント・バル
出演:カリス・ファン・ハウテン
    テオ・マーセン
    サラ・バンニール、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ティベは心優しいものの引っ込み思案で人と話をするのが苦手なダメダメ新聞記者。ある日彼は木の上で途方に暮れてる女の子に出会い助けてあげた。その晩から何故かティベの家に住み着くようになった彼女=ミヌースは、実はどういう訳だか人間の姿になってしまったネコだったのだ。ティベの私設秘書になったミヌースは、町の野良猫ネットワークを駆使して次々特ダネスクープ情報をティベに提供、ティベは一躍一流記者に。ところがある日、町の有力者エレメートさんのとんでもない情報をミヌースが持って来て・・・


【感想】
オランダ児童文学者アニー・M・G・シュミット氏の同名小説の映画化。本国オランダでは100万人以上の観客を動員、オランダ・アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀女優賞を受賞した「ネコ好きさん」にはたまらない一作。
ちなみにタイトルになっている「ミヌース」というのは、オランダ語で「タマ」とか「ミケ」のような意味です。

この作品、今年初めに東京に遊びに行った時にチラシを見つけてすっごい公開を楽しみにしてたんだけど、名古屋ではようやく先週土曜日に公開になったばかり。
先週土曜日公開なのにモーンングショーとレイトショーの1日2回しか上映しない。しかもたったの1週間の公開予定。他の地域では既に上映終了してるみたいです・・・ナンデデスカー!?(涙)

児童小説が原作なだけに、話は誰が見ても判り易いファンタジーちっくな人間(とネコの)ドラマになってる。
引っ込み思案なダメダメ記者は、ミヌースと出会い勇気をもらって成長する。わんさかネコちゃんが登場して絵的にも可愛くて楽しくて、主人公のキャラも愛らしくて魅力的。楽しいエピソードを繋ぎながら勧善懲悪の大団円に驀進して行って、ラストは誰もが大納得のお約束ハッピーエンド♪
簡単に言っちゃえば「王道ディズニー映画@オランダ版」ってトコロでしょうかね。

ディズニーっぽい作品ではあるもののオランダで作った低予算作品なだけに、ディズニー作品程の洗練された作りではありません・・・が、逆に妙に安っぽいB級な作りが、妙にこの作品の色に似合っていてぴよは気に入りましたね。

内容はこの際だから度外視して下さい! ←いきなり(笑)
とにかくネコちゃんが登場しまくります!ネコ好きさんはこの映画を見逃してはいけません!
(ほとんどの地域が公開終了してるので、DVDが出たらチェックしてやって下さい。涙)
猫ちゃんの口元や微妙な体の動きにCG使ってるみたいですが、それがハリウッドで製作されるよーなわざとらしいパフォーマンスではなくて「自然なネコの動きのデフォルメ」程度のソフトな使い方に抑えてあるのもネコ好きには嬉しい限り♪

ディズニーがこの作品を作ったとしたら、きっと猫ちゃんに人間のような動きをCGで加えて「擬人化した猫」に仕立て上げていたと思うんだけど、この作品はネコの動きはあくまでネコらしくして、「擬猫化した人間」のミヌースをネコと人間の橋渡し役にしているトコロが好感持てるんですよ。
ネコ好きさんにとって「擬人化された動きのネコ」なんて興味がない。あくまでも「猫らしい仕草」の部分に世のネコ好き達が刺激されるというのを、この映画制作者達は実によく理解している。
きっと猫好きさんが集まってこの映画を作ったに違いないわっ♪

てな訳で、この作品のオススメ度はあくまでも「ネコ好きさんにとって」という大前提。
どうしてティベはミヌースを当たり前のよーに受け入れてるのか?とか、この2人が結婚したら子供はどーなる?とか、そーいう瑣末な事に(瑣末なのか?苦笑)こだわっていてはいけません(^-^;

子供が見ても大人が見ても、猫が好きなら必ず満足出来ます!それだけはお約束します!!







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2004年08月29日(日) ステップ・イントゥ・リキッド

監督:デイナ・ブラウン
出演:ブルース・ブラウン
    レイアード・ハミルトン
    デイブ・カラマ タジ・バロウ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
プロ、アマチュア、世界の有数サーフスポット、地元サーファーが集う小波の立つ浜や湖、生まれて初めてサーフボードに乗る子供、28年間1日も休まずにサーフィンを続ける男・・・世界中の海とサーフィンを愛する人達にカメラは迫る。


【感想】
サーフィン映画の最高傑作と謳われた「エンドレス・サマー」の製作・監督を手掛けたブルース・ブラウン氏が製作総指揮を取り、息子のデイナ氏がメガホンを取り製作したという親子合作のサーフィン・ドキュメンタリー。
柳の下に3匹目のどじょうを狙った本作、映画館に行くといつもとかなり雰囲気が違ってました。
周りはほとんど「いかにも!」なサーファーさん達ばかり。小太りでサエないぴよは浮きまくりですだ(涙)

映画冒頭、「特殊撮影(CG)は使っていません!」「スタントは使っていません!」というテロップが流れましてネ、こりゃーまるまる「マッハ!!!!!!!!(←!マークは8つネ♪)」と同じぢゃねーか、と思わず苦笑しましたが(^-^;

サーファー達の人間技とは思えない素晴らしいサーフシーンは圧巻!
ハワイ・オアフ島にある世界有数サーフスポット「ノース・ショア」のパイプラインを楽しげに次々と乗りこなすサーファー達の美しい事と言ったら!サーフィンをした事がないぴよでも思わず「おおぉぉぉぉ」と声をあげる程です♪

プロ・サーファー達のインタビューとサーフシーンだけを延々と繋ぐだけでは、ただのサーフィン・ビデオクリップですけど、数多くのサーフィンを愛するアマチュア達にも沢山スポットを当て、また決してサーフィンに向いていない土地に住みながらも「何とかしてサーフィンを楽しもう!」と湖でサーフィンしたり船を出して大型タンカーが立てる波に乗ろうと必死になる人、サーフィン中の事故で下半身不随になりながらも、尚もサーフィンを愛し続けて波に乗ろうとする人等、様々な立場や境遇のサーファー達を広く紹介して行きます。

ぴよ個人的に気に入ったエピソードは、オーストラリアの無冠の天才プロ・サーファーの話と、従軍先のベトナムで乗った波が忘れられずに、30年振りに息子を連れてベトナムまでサーフィンをしにいく親子の話。
特にベトナムのエピソードに出てくる、初めてサーフボードに乗った現地の子供達の満面の笑顔の可愛らしさと言ったら!
タヒチとイースター島もよかったなぁ〜♪どちらもぴよが憧れて止まない島だけに、壮大な自然が織り成す波の美しさ、島の素朴な住人達との心の交流、夕焼けに染まるモアイ像の神々しさは筆舌に尽くしがたい感動があります。

と、褒めちぎってる本作ですがー・・・
映像は素晴らしいと思うものの、基本的に(つーか、ほとんどが)サーフィンしてるシーンを繋いでいる訳ですから、どうしてもスクリーンに映し出される映像が単調にならざるを得ない訳で。
簡単に言っちゃうとだんだん眠たくなって来るんですよね(苦笑)
サーファーならずも楽しめるように工夫されているとは思うけど、結局人や環境が変わってもやってる事はサーフィン。
最初の内はサーフィンシーンに「おぉぉぉ!」と声を出してうなっても、それが延々続くとダレちゃうんだよねー

ドキュメンタリーって、ありのままをそのまま見せれば成功って訳じゃない。
かと言って、あまり作為的なモノも鼻白む・・・何とも評価の難しいカテゴリですよねぇ(^-^;






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2004年08月28日(土) 心の羽根

監督:トマ・デゥティエール
出演:ソフィー・ミュズール
    フランシス・ルノー
    ユリッス・ドゥスワーフ、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
ベルギーの小さな町で暮らすブランシェは、夫のジャンピエールと5歳になる息子のアルチュールの3人でつつましくも幸せに暮らしていた。ところがある日アルチュールが1人で出かけたまま行方不明になり、その後渡り鳥が集まる沼地で変わり果てた姿で発見されたのだ。
息子の死が受け入れられないブランシェは、アルチュールの姿を探しに毎日沼地に通いつめるようになったのだが・・・


【感想】
短編物やドキュメンタリー等を手掛けて来たベルギーの監督、トマ・デゥティエール氏の初長編作品。
作品はベルギー・フランスの合作ですが、舞台はベルギー。出演してる役者さんはぴよが知ってる方は出演してませんでしたが、本国ではきっとそれなりに知名度の高い役者さんなんだろーなぁ・・・と推察(^-^;

話を簡単に説明すると、息子を無くした母親がプチ狂っちゃって息子の幻影を見るよーになって、その後バード・ウォッチングが趣味のオタク青年と息子が死んだ沼地で知り合って仲良くなり、最終的に季節の移ろいと共に息子の死を受け入れて立ち直って行く・・・ってトコロなんでしょうな。

って、映画見たクセに物凄くいい加減な書き方してますが。
ぶっちゃけ言うと「よーわからん話だった」←吠えてんぢゃなくて、マジでわかんなかったんだってば!(苦笑)

いや、話の筋はいくら何でも判るんだけどネ、どーしてブランシェは立ち直れたのか?がわからんかったのよ。
「時間が解決した」って言われたら「あぁ、そーなんすか」としか言いようがないんだけど、少なくともこの作品はただ時間だけが彼女を癒すクスリになったという見せ方ではありませんでしたからねぇ。
要は、ブランシェに絡んでくる「鳥オタク青年」の位置付けとゆーのが、ぴよには判らなかった、と(^-^;
そこんとこが理解出来なかったら映画として破綻してるんじゃーねーのか?と(コレは明らかに吠えか?苦笑)

ただ、この作品には特筆すべき美点がある。
それは何と言っても映画冒頭のカワセミの捕食シーンから始まり、渡り鳥の小さな1コマからブランシェが亡き息子の姿を探して彷徨い歩くシーン等、とにかく映像が美しく瑞々しいのです!!
デゥティエール監督自身バードウォッチャーだそうで、鳥の生態や姿態を捉えた瑞々しい映像と言ったら・・・「鳥好き」にはたまらない涙モノの映像の数々がこれでもかー!と出て来ますヨ♪
鳥だけに留まらず、部屋の何気ない1シーンやカット割り等にも監督の美意識がふんだんに反映されています。

アルチュールが渡り鳥に興味を示し、映画冒頭で「渡り」について母親に尋ねたり、しつこいくらいに渡り鳥の生態シーンやカワセミの捕食シーンをアトランダムに見せる事で、アルチュールの心情や母親と息子との衝撃の別離、それに伴う母親の心の移ろい等の心理面をさりげなく示唆しようという演出は何となく判らなくもないのですが・・・

ちょっとぴよにはこの作品は難解でしたね。
万人受けするタイプじゃないけど、感受性豊かな方にはきっと心に訴えかけられるモノがあるんでしょう。うーん。







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2004年08月26日(木) スウィングガールズ

監督:矢口史靖
出演:上野樹里
    平岡祐太
    竹中直人、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
山形県のとある高校。野球部の応援ブラスバンドにお弁当を届けに行った友子達おちこぼれグループは、寄り道してる間に弁当を腐らせて吹奏楽部のメンバーを食中毒で入院させてしまった。野球応援に欠かせないブラスバンドを即席で作らなければいけなくなった吹奏楽部で唯一難を逃れた中村は、友子達に「ビッグバンドジャズ」のチームを組む事を提案。夏休みの補習授業がサボれると大喜びでこの提案に飛びついた友子達だったが・・


【感想】
TVドラマにもなり、人気爆発になった「ウォーターボーイズ」の矢口監督が送り出す「青春ど根性ドラマ」第二弾。
今作は水泳部じゃなくておちこぼれグループが奮闘してビッグバンドジャズのグループを作る話です。主演以下出演している生徒役の役者さんは全てオーディションで募った新人ばっかり。彼女達に長期間の猛特訓をして、劇中で彼女達が演奏している音はすべてアフレコなしの生演奏をしているというのも話題になってますよネ。

実はぴよは「ウォーターボーイズ」未見(しかもTVドラマも見てない)のでどういう内容か詳しくは知らないのですが、たぶんアプローチというか話の大筋は、今作もウォーターボーイズも似たりよったりなんじゃないでしょうか?
いい加減で飽きっぽい典型的おちこぼれ学生達が、不順な動機でそれまで興味すらなかった事にチャレンジする。最初はやる気がなかったものの、少しずつ上達して来ると俄然面白くなっていつしかやる気マンマンになっていた。しかし様々な障害が立ちふさがり困難を極める。それを乗り越えていよいよ感動のクライマックスへ!!
・・・どうですか?ウォーターボーイズも似たような展開ですか?

ウォーターボーイズではないですが、以前見てぴよがお気に入りだった作品「ロボコン」という映画も、全くコレと同じような内容になっているんですよね。
学生が集まって何かを成し遂げるという「青春映画」を作ると、どうしても似たような展開になるんだろうなぁ。
・・・てな訳で、たぶんこの映画を見たほとんどの人が「爽やかな感動!」「清々しい青春群像劇!」という感想を持つと思うのですが、ぶっちゃけぴよは「またこのパターンか」という気分で見てました(^-^;
すいませんねぇ。相変わらず根性ひねくれてますわ(苦笑)

展開が似たりよったりなので、エピソードの味付けとクライマックスの演奏シーンが映画の魅力と言えるでしょう。
大ホールでの桧舞台シーンは圧巻です!アフレコなしでやり遂げたという生演奏には誰もが「すげーなー!」と声をあげながら、つい劇場のシートで小さく体を揺らしてリズムを取る事請け合い♪

ですが・・・他の展開に絡むエピソードはあまりぴよの好みではありませんでした。
これは致し方ない事なんだろうけど、主人公の友子というのが「飽きっぽくていい加減なイマドキ高校生」という設定なので、彼女が絡むエピソード自体が彼女の魅力を引き出すというモノではなく「いい加減でちゃらんぽらんな友子」という部分をよりアピールするネタになっている為、正直言って「コイツ、感じ悪ぅ〜」という印象を受けてしまったのさ。
マイナス面を強調して書いてますが、小ネタで結構笑わせてもらえるから安心してよ!(誰に言ってんだか。笑)

そんな中ぴよが注目したいのは、トロンボーンを担当した内気な女の子「関口」を演じた本仮屋ユイカちゃん。
今までもTVドラマやCM等でチョロチョロと出演されているようですが(ぴよは全く知らなかったっす)、彼女はとっても可愛いし関口というキャラクターを実にウマク演じてましたネ!今後大注目だなぁ〜♪ホント可愛いヨ♪

ちょっとコラージュちっくな「イノシシ格闘シーン」や涙もろいアホ兄弟等、観客を楽しませようという矢口監督の遊び心をふんだんに盛り込んだ「誰もが楽しめる爽やかな青春群像劇」に仕上がってると思います。
が、ウォーターボーイズが大ヒットしているだけに、ウォーターボーイズを高評価されている方はどう見るでしょうか?
(ちなみにこの手の作品の定番役者・竹中直人氏には少し飽きて来ました。苦笑)

ウォーターボーイズを見てないぴよがアレコレ言うのはお門違いってーもんですネ(^-^;
はい。すんません・・・今度レンタルして来てちゃんと見てみます。うぅ。






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2004年08月23日(月) ヴァン・ヘルシング

監督:スティーヴン・ソマーズ
出演:ヒュー・ジャックマン
    ケイト・ベッキンセール
    ウィル・ケンプ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
19世紀ヨーロッパ。記憶を無くしたモンスター・ハンターのヴァン・ヘルシングは、バチカンから密命を受けてドラキュラを退治する為にトランシルバニアにやって来た。この地で代々ドラキュラと戦ってきたヴァレリアス一族は王女のアナを残すのみ。アナと共にドラキュラを追うが、その頃ドラキュラはある計画の為に恐ろしい実験を繰り返していたのだった。


【感想】
ユニバーサル映画史上、世界興行収入NO.1!世界41ヶ国同時公開し、その全ての国で初登場1位を獲得したという、とにかく話題に事欠かない超大物ファンタジー・アクションアドベンチャー映画!
主人公ヴァン・ヘルシング役は米国PEOPLE誌の「世界で最もセクシーな50人」に選ばれたヒュー・ジャックマン。相方のアナ王女役はお色気ムンムン美女ケイト・ベッキンセール。

この作品、ユニバーサル映画がかつて世に送り出したモンスター総出演の集大成になってます。ドラキュラ、ウルフマン、フランケンシュタインはそれぞれユニバーサル映画が随分稼がせてもらった人気モンスター。
そいつらを今までの作品とは違うイメージのキャラクターに仕立てて、更にブラム・ストーカー氏の名作「吸血鬼ドラキュラ」では60歳のおっさんという設定の「ヴァン・ヘルシング教授」を、うーんと若くてセクシーなお兄ちゃんにしてニューヒーローとして蘇らせようという、なんともゴージャスな企画です。

てな訳で、ヒュー・ジャックマン様 めちゃめちゃセクシー♪

あぁ・・・ヒュー様の愛くるしい瞳、ニヒルな笑顔、色香漂う無精ヒゲ、もうサイコーっすよ!!
ヒュー様ファンならずも、今作の彼を見たら「あぁん♪」と声を上げたくなるでしょう。えぇ♪(萌)

映像もいかにも「大作アクションアドベンチャー」らしい手の込んだ作り。
スティーブン・ソマーズ監督は「ハムナプトラ」シリーズを手掛けた事で知られていますが、本作もハムのスタッフを再集結させるに留まらず、「スターウォーズ・EP1」を手掛けたスコット・スクワイアや「パールハーバー」を手掛けたバン・スノウが参加して、現代の最先端視覚効果をこれでもかー!と堪能させてくれます。

でもネ、内容自体はかなり薄っぺらいっすよ(←いきなり吠え)
まずからしてヴァン・ヘルシングが過去の記憶を無くしているという設定、全く必要ありませんしネ。記憶を取り戻すにはバチカンで神の名の下、モンスター退治をすればいいって・・・どうしてそーいう発想になるんだか訳わかんねー。
ドラキュラのお子達はどーして自力誕生出来ないの?それも今ヒトツわかんない。まーコレがわかんないって言っちゃうと話全部が破綻しちゃうから、ツッコミ入れちゃーマズイのかもしんないけど(^-^;
・・・等々、ツッコミどころ多いし、見せ場の連続技で話の薄いのを強引に押し切ってる感は否めないよね。

でもネ、話薄っぺらくても見て楽しけりゃ〜問題ないんすよ。だからこの作品は大成功の部類だと思うヨ♪
ヴァン・ヘルシングの相棒がちょっと情けないヤツってのも王道だし、アホな飛び道具がバンバン出て来て思いっきり笑っちゃうし、ドラキュラは妙に人間臭くて愛嬌あるし、ドラキュラの嫁チームはおっぱいプリプリだし♪(笑)

衣装や小道具も相当手が込んでて見てて楽しい。
ドラキュラ主催の晩餐会の様子なんてステキですわよー!豪華絢爛で溜息モノですわ。先にご紹介したおっぱいプリプリ嫁チームの衣装も、まるで中世の絵巻物から飛び出して来たかのよーな愛らしさ♪
誰が見ても楽しめる、絵だけで間が持たせられる、正に「脳みそカラッポ・アクション・アドベンチャー」

コ難しい事考えないで、たまには「いかにもな娯楽映画」を楽しみたい!って方にはオススメ太鼓判の一作。
トリッキーな展開のサスペンスや社会派問題作ってのも面白いけど、やっぱ映画館のスクリーンや音響があってこそ楽しめる娯楽映画ってのが、ハリウッドの本道だと思うんだよねー。

てな訳で、こーいう作品は是非映画館の大スクリーンで観て欲しいですネ♪







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2004年08月22日(日) 華氏911

監督:マイケル・ムーア
出演:ジョージ・ブッシュ
    マイケル・ムーア、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
疑惑のフロリダ地区選挙戦を封じ込めて第43代アメリカ合衆国大統領になったジョージ・ブッシュ。9月11日のあの忌まわしい同時多発テロが起こった時、彼は視察先の小学校で一報を聞いた後7分間もまんじりともせず椅子に座って子供達と絵本を読んでいた。父の代からサウジの富豪ラディン一族と密接な関係を結んでいたブッシュは、ラディン一族の厄介者・オサマが引き起こしたこのテロを、何の関係もないイラクに強引に結び付けてイラクに「侵略戦争」を仕掛けたのだ!


【感想】
この映画知らない人って世界中にいないでしょ?第57回カンヌ国際映画祭でパルムドール、国際批評家連盟賞をダブル受賞して、映画祭では上映後に25分間もスタンディング・オベーションが止まらなかったという「ブッシュ大嫌い監督」マイケル・ムーア氏の渾身のドキュメンタリー!

ってね、
まず言わせてもらうけど、この映画はドキュメンタリーとは言えないでしょう。
今まで色んなマスメディアが流して来たニュース映像の都合のいい部分を繋ぎ合せて、それにムーア氏が超偏見に満ちたナレーションを被せて皮肉ってるだけですから。
多少自分で取材してる映像出てくるけど、借り物の映像繋ぎ合わせて「ドキュメンタリー」だって名乗っちゃったら、それこそ「2ちゃん」で散々出回ってる「コラージュしまくりフラッシュ」なんて、全部「ドキュメンタリー」としてカンヌやアカデミー賞でノミネートされちゃうヨ(笑)

ぴよは常々アメリカのやり方には批判的でして。
ブッシュの言い分も「はぁ?何言ってんだこのおっさん」だし、イラク侵略(敢えて侵略と呼ばせてもらおう)も、自由の為とか何とか耳障りのいいお題目並べてるけど、実際の所イラクの石油利権欲しさと復興産業・軍需産業の甘い汁を吸おうという凶行だとしか評価してないし。

それにしても、この映画はイケてないと思うよ。
まずからして「結局ムーアは何がしたい訳?何が言いたかった訳?」って思ったんすけどね。
ブッシュを叩きたいだけ?だったら貧困ゆえ志願兵にならざるを得ない状況というのはブッシュ一人のせいじゃなくて、この国が抱えるもっと根深い問題がある訳で、話ズレてると思うんだよね。

映画冒頭でゴアvsブッシュの疑惑のフロリダ選挙戦の顛末を延々と流したり、テロ対策を何も取っていなかった事をバッシングしてるけど、これって見方を変えるとまるで「ゴアが大統領になっていればあのテロは起こらなかった」と言いたい?
んな訳ないとぴよは思うんだけどねぇ。ゴアが大統領になってたとしてもあのテロはやっぱり起こってたと思うよ。もっと言えば、ゴアが大統領になってたとしても結果は報復戦争してたと思うよ。サウジじゃなくてイラクにね(笑)

石油利権の甘い汁を吸ってるのはブッシュ個人だけじゃない。
「アメリカ合衆国」という国自体が石油利権を制したくて、もっと簡単に言っちゃえば「イラク」という石油大国を我が物にしたくて、ブッシュが大統領になるもっと前から長年手をこまねいている状況だったんだし、サウジと戦争やらかすよーな危険を冒す事は、アメリカ国民の誰もが望んでいないというのは周知の事実でしょ。
(ま、この考え方も相当ぴよの偏見入ってるでしょうけど。でもムーアも偏見まみれだからいい勝負よネ?)
それを全てブッシュに被せるのはお門違いというもんだと思うんだよね。単なるコジツケにしか見えないよ。

長年のアメリカの膿を全てブッシュ一人のせいにしちゃうから、映画として意味不明になっちゃうと思うのよネ。
ブッシュに対する個人攻撃とブッシュだけに留まらない「アメリカ合衆国という国が長年抱える問題」をごっちゃにしちゃってる、と言うよりも敢えてアメリカ自身の問題をブッシュ一人のせいだと観客に錯覚させようと作為的に構成しているのが非常に鼻に付いて・・・結果的に「何が言いたいんだかわかんない」作品になっちゃってると思うのよ。

これじゃー「2ちゃん」のフラッシュの方がよっぽど筋通ってて面白いよ(苦笑)

確かにブッシュはとんでもねーヤツだ(笑)
それを面白おかしく見せてくれた作りは評価出来るけど、ドキュメンタリーとしての主張は軸がズレていて全くとんちんかんな話になってると思うし、この作りでは逆に「ここまでブッシュのせいにしちゃうのはちょっとねぇ〜」という「ブッシュ同情票」を集めかねない。ともするとブッシュの支持率をこの映画によって上げる危険すらある(^-^;

ムーアさん、国を憂う気持ちはよーく判りますが、この映画の作りでは逆効果だよ。
この映画でブッシュが同情票集めて再選されちゃったらどーするよ?(爆)







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2004年08月21日(土) アメリカン・スプレンダー

監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
出演:ポール・ジアマッティ
    ホープ・デイヴィス
    ジュダ・フリードランダー、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
クリーブランドの病院で書類係をしているハービー・ピーカーは、2度目の結婚も失敗に終わりサエない日々を送っていた。ある日サエない自分の日常をコミックにすれば面白いと考えたハービーは、コミックの脚本を書いて画才のない自分の代わりに友人で漫画家のロバート・クラムに絵を付けてもらった。こうして出版された「アメリカン・スプレンダー」は大反響を呼び、ハービーは一躍時の人となったのだが・・・


【感想】
1970年代から年1冊ペースで出版されている実在するコミック「アメリカン・スプレンダー」の原作者ハービー・ピーカー氏の半生を映画化。サンダンス映画祭グランプリを受賞した他、各種映画祭で話題になりアカデミー賞脚色賞にもノミネートされたという一作。映画にはハービー・ピーカー自身も、その周囲の人々も実名でそのまま登場しています。

そもそもこの「アメリカン・スプレンダー」というコミック自体が、ハービー氏が自分の事をありのまま実名で登場させているというシロモノで、この映画も実際のハービー、コミックの中のハービー、そして映画中で役者が演じているハービーという3人のハービーが作品中で交錯して行きます。
時に実在するハービーご本人と役者を被らせ、時に役者が演じているハービーとコミックの画像を被らせたりしながら見せていく手法は、なかなか斬新で面白い工夫がされているなぁ〜と思ったんだけどネ・・・

根本的に見ててあんまり面白くないんだな、内容自体が。(をいをい〜)
このハービーっておっさんが、元々ひねくれモノで皮肉屋でぶっちゃけ「性根が腐ってる系(←言い過ぎ)」、しかも風貌は小太りの薄らハゲと来てるもんだから、ぴよは見てるだけで「うげぇ〜」な訳ですわ(こらこら)
すいません・・・面白いと感じる方にはかなり面白い手合いだと思うんすよ。ぴよのツボじゃなかっただけっす。

ま、吠えついでにこの際だからじゃんじゃん書くけど(←懲りない性格です。はうぅ)
このサエないおっさんハービー氏ご本人が嬉々として映画中に登場するんだけど、どーも彼の様子が鼻に付くっつーか「イケてない俺様だけど、世間的には成功したと言われている俺様だけど、それでも所詮は病院の書類係をずっと定年までやってた訳だしねっ!ふふんっ」みたいな・・・うーん。何て言うのかな?「貧乏自慢・不幸自慢」みたいな嫌味な言い方に聞こえるのよね。

ぴよ、こーいうタイプダメなんすわ。よくいるじゃん?「どーせ私ってブスだから」って言いながら、実は誰かに「え?全然ブスなんかじゃないじゃん。可愛いじゃん」って言ってもらいたくて仕方ない手合い(苦笑)
あーいうタイプのブスとイメージが被るんだよなぁ〜(^-^;

で、結局サエない人生送ってて仕事も定年になっちゃって、老人仲間で集まって映画作ってさ、この映画が当たれば老後資金の調達もちょっと出来るし助かるよねー♪的作品な訳です(コラー)
見てて「こ、コレは・・・ヤツらの老後資金を提供するためのボランティア映画っすか?」としか思えない、ホスピタリティのかけらもないぴよにとっては「ナメてんのか、オヤヂ」状態な作品でして(笑)

ただ、出演してる役者はスゴい。
ハービー氏を演じてるポール・ジアマッティは相当役作りに力が入ってたと思う。彼も凄かったけど、一番スゴイと思ったのは何てったってハービーの職場の同僚「オタクのトビー・ラドロフ氏」を演じたジュダ・フリードランダーでしょう!
トビー・ラドロフ氏ご本人も映画中に登場しますが、まるで彼の生き写し!特徴のある喋り方、細かい体の動き方や仕草の一つ一つにいたるまで、「本当によくぞここまで赤の他人が演じたもんだ!」と拍手喝さいしたい会心の出来です。

役者がウマくなかったら、途中で席立って劇場出ちゃったかも。
つーか、実際に映画の途中で席立って出てっちゃった人がいたよ。あーあ(爆)







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2004年08月19日(木) 茶の味

監督:石井克人
出演:坂野真弥
    佐藤貴広
    我修院達也、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
山間の小さな村に住む春野家の人々。長男ハジメは恋に悩み、長女幸子は時々現れる巨大な自分の分身に小さな頭を悩ませていた。解決のヒントは母の弟・アヤノ叔父さんの話す昔話にあるかもしれないと思っている。現在専業主婦の母はアニメーターに復帰しようと、かつて伝説のアニメーターだった義父にアドバイスをもらいながら奮闘する日々。田舎で心理療法士をしている父は1人取り残された感を持ちながらも、今日も患者に優しく語り掛ける。
うららかな春霞のようなモヤモヤを抱える春野家の面々は、季節の移ろいと共に少しずつ変化して行くのだった。


【感想】
「鮫肌男と桃尻女」で鮮烈な印象を残した(と言われてる?ぴよはこの作品未見です)石井監督の最新作。
石井監督の作品には常連の浅野忠信、我修院達也に加えて出演役者の豪華さは話題になってますね。父・三浦友和、母・手塚里美、他にも中嶋朋子、武田真治、草薙剛クン等の早々たる顔ぶれがチョイ役で出演していて、ドコで誰が出演しているか探すのもまた楽しいかと。
ナレーションを担当するのは和久井映見。ご本人も三浦友和演じる心理療法士に通う患者役で登場してます。

映画は、春野家のみんながそれぞれ抱えている悩みや葛藤等のエピソードを、オムニバスに見せて繋いでます。
エピソードの一つ一つは、それぞれは繋がってなさそーで微妙な部分でどこか繋がっているというヒネリのある作りだと思うのですが、見せ方がこの映画のほんわかしたカラーとマッチし過ぎて、映画見てる最中は明らかに繋がっていると誰もが判るシーン以外は「何でこのシーンが必要なんや?」と首を傾げたシーンもいくつか(苦笑)
エピソードの見せ方までが「春霞」のようにぼんやりしてるので、ただ何となく見てると「こりゃー監督が好きな事を全部詰め込みたくて強引にエピソードを作りやがったな」くらいにしか思わない人もいるかもしれないなーと。(^-^;
そういう意味では多分に作品の捉え方・受け取り方を「観客任せ」にした作りだと思う。

観客任せなフワフワとした表現だけど、決してつまらない訳じゃなくてエピソード自体がかなり笑える。見た人の好みで「笑いのツボ」は違うと思うけど、大笑いしたりクスッとしたり、時に苦笑したり(をい)・・・ぴよ個人的には長男ハジメが部屋で一人でパフォーマンスする「囲碁マン」と、アヤノ叔父さんの子供時代の話に出てくる寺島進サンがツボだったなぁ♪
それから何と言っても我修院達也氏のパフォーマンス!あの“〜♪山よ山よ!山よ山よっ!♪〜”は強烈なインパクトがありましたわねっ!
我修院達也氏、石井監督に見出されて見事に復活されましたわよねぇ。今の若い方には「若人あきら」って言ってもわかんないんだろうなぁ・・・ぴよの世代だとこの方は「我修院達也」じゃなくて絶対に「若人あきら」なんだけどネ(^-^;

クライマックスのCGがかなりショボくて面食らったんだけど(苦笑)、作品全体を支配するほのぼのした空気感と散りばめられた寒い笑いとのコントラストはなかなか面白く、いかにも「邦画らしい邦画」を堪能させてくれる一作だと思いますわ。

ラストのジイちゃんからの贈り物には胸が熱くなります。特に幸子に宛てた作品は秀逸!






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2004年08月16日(月) LOVERS

監督:チャン・イーモウ
出演:金城武
    アンディ・ラウ
    チャン・ツィー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
中国・唐の時代、凡庸な皇帝と政治の腐敗から各地で反乱勢力が台頭、その最大勢力「飛刀門」の討伐を命じられた県の捕吏・劉は、遊郭に潜んでいた飛刀門の刺客で盲目の美少女・小妹を捕らえた。どうやら彼女が前頭目の娘らしいと勘付いた劉は、同僚で武芸の達人・金に身分を偽り小妹を助け出した上で、飛刀門のアジトを突き止めるように命じた。
かくして目論み通り金と小妹2人は逃避行を始め、劉は金と密通しながら後を追うのだが・・・


【感想】
昨年「英雄-HERO-」でジェット・リー様にワイヤーアクションを施してぴよを激怒させたチャン・イーモウ監督が
(この出だしはマズイか・・・世間的には非常に評判がよく、ぴよも映画としては素晴らしいと思います。えぇ)
HERO製作スタッフを再集結させて送り出す武侠映画の第二弾。

HEROでも大絶賛でしたが、その映像美は今作も息を飲む程です。
ひとまず映画冒頭のチャン・ツィーちゃんの舞踏シーンは圧巻の一言!体めっちゃ柔らかいし異常に動きが良すぎて「まさかこのダンスシーンもチャン・イーモウお得意のCG処理なんすか?」と思ってちょっと調べてみたら、チャン・ツィーちゃんは元々ダンスをやってらっしゃったよーで、11歳で北京舞踊大学附属中学に合格し、在学中に全国青年ダンス・コンテストで優勝なさったという筋金入りのダンサーでした(^-^;
いやぁ〜・・・この冒頭の舞踏シーン見るためだけでも映画館に足運ぶ価値あるよ。マジで!!

話は前作「HERO」と全く逆。
HEROはお上に謀反を起こそうとするカッコイイ男(リー様♪)と、彼を取り巻く男女達のストイックな話でしたが、今回は謀反を討伐する方の立場の男を中心に、謀反を起こす美女との恋愛模様が中心に据えられています。
あくまでも筋立ては恋愛モノなんだけど、話を進める上で小気味良くアクションシーンを挿入して観客を楽しませてくれて、更に美しい風景・衣装・音楽・演出で一級のエンターテイメントに仕立て上げるという贅沢な作り。

今作もCGやワイヤーを多用したアクションシーンになっていますが、前作の「HERO」ほど嫌味な使い方をしていないので、ぴよはアクションシーンに関しては今作の方が評価は高いですネ。
特に映像的に素晴らしいと思ったのは竹藪でのアクション。中国雑技団の皆さんが(をい)スルスルと頭上から竹を伝って滑り降りて来たり、四方八方から竹が乱れ飛ぶ映像は、単に迫力があるだけでなくチャン・イーモウ監督の映像美に対するこだわりをまざまざと見せ付けられる思いでしたね。

今回もきっとロケ地にも随分こだわっているんでしょうねぇ・・・晩秋の紅葉した山並み〜雪が舞い降りて次第に辺りを白銀の世界に染める辺りの演出なんて、チャン・イーモウの真骨頂と言っても過言じゃーないでしょう!
今作の衣装にも相変わらずのこだわりが見える。セットやロケ地の風景に実にマッチした色と、品が良く格調高いデザインの衣装・・・舞踏シーンの衣装の美しさも筆舌に尽くしがたいですが、竹薮から「飛刀門」の一団がゆらりと現れた時の光り輝かんばかりの若竹色の衣装の美しさと言ったら!!

と、大絶賛の本作ですが・・・「恋愛映画」として考えるとどーでしょう?
少しパンチが弱い感じは否めませんね。クライマックスでもう一捻りあってもよかったよーな気がするよ。
後これは見た人の好みの問題だと思うけど、映像の美しさにこだわり過ぎた為に展開が少し冗長でぬるく感じて、めくるめく展開を期待するとすこーしだけダレる感じがしなくはなかったですね。

正直言うと「映像もアクションも素晴らしいけど、話自体はそれほど面白くない」←コラーッ!(^-^;
・・・あー。今日も吠えちゃったけどサ、でもこの作品は誰が見てもかなりの満足感が得られる秀作ですよ。
劇場に見に行って絶対に損はない作品です。これだけは太鼓判!






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2004年08月13日(金) サンダーバード

監督:ジョナサン・フレークス
出演:ビル・パクストン
    ソフィア・マイルズ
    ベン・キングズレー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
南太平洋に浮かぶ絶海の孤島トレーシー・アイランド。この島を拠点にジェフ・トレーシーとその息子達が「サンダーバード号」を操り、世界の災害救助活動を続けていた。トレーシー一家の末息子アランは、まだ14歳で子供扱いされて国際救助隊の一員に加えてもらえない事が不満。今日も勝手にサンダーバードのコクピットに入り込んで大目玉をくらってしまった。
ところがある日、ジェフ・トレイシーに逆恨みするフッドとその一味がジェフ達隊員を罠にはめて、まんまとトレーシー・アイランドを乗っ取ってしまったのだ。地球と国際救助隊の命運は島に残っていたアランに託されたのだ!


【感想】
1966年〜67年に放送されて日本中のボク達を夢中にさせ、その後も何度となく再放送が繰り返され、今も多くの熱烈なファンを抱えて関連商品等も世の中に出回り続ける「サンダーバード」
最初の放送がされたのはぴよが生まれる前だしねぇ、その後の再放送をチラッと見た事があったかも?程度の記憶ですが、ぴよの兄貴がお子様当時熱狂的なファンで、おうちにサンダーバードのプラモデルが恭しく並んでたのは記憶にちゃんと残ってますわ。んでこっそりプラモ触ったのが見つかって、兄貴にタコ殴りされたのも覚えてる(涙)

サンダーバードを見た事がない世代の人でも「国際救助隊」の名前や、サンダーバードがどういう内容の話なのか全く知らないという人は、まずいないんじゃないでしょうか?

で、本作。
まず予告編からしてB級っぽかったよね。実は予告編見て「何で今頃サンダーバード?つーかめちゃ安っぽいやん」と思って半ばスルー決定だったぴよですが、何かこの猛烈なB級感が「おまへはB級好きだろ?ホントにスルーでいいのかい?」と誘われてるよーな気がして仕方なくて(今日も無茶苦茶言ってます。笑)、思わず劇場に足運んじゃいましたわよ。

いやぁ〜!スゴいよ!
とにかくB級映画ファンの方、この作品スルーしたら一生後悔するから!今すぐ劇場行ってチョーダイッ!(爆)
絵ショボいし話ショボいし悪役ショボいしのてんこ盛り状態ですぜ!ダンナ!!(こらこら)
しかも結構面白いでやんの!いやぁ〜参っちゃったなぁ〜♪

で、話の内容ってのが、国際救助隊がガキに救助されるという・・・サンダーバードのみなさんが活躍する話じゃなくて、サンダーバードの仲間に入れてもらえないガキが頑張る話になってます。
このパターン、どこかで見た事ありますね?そーです。世界中のおバカ映画ファンを魅了し続けるロバート・ロドリゲス監督が妙に張り切って3作も作ってしまったクソガキ映画「スパイキッズ」シリーズと、全くネタが被ってます。
だから子供達がスクラム組んで頑張る様子もまるまるスパイキッズ状態。ちなみに絵のショボさはサンダーバードの方が若干リードしていますネ。ロドリゲス君、頑張れぇ〜!(何をだよ。苦笑)

見せ場としては、ジェフの愛人と目される(をい)ペネロープ嬢のアワアワお風呂シーンと彼女の衣装!
ピンクがテーマカラーのペネロープ嬢、ワードローブが超イケてます♪60年代のコンサバスタイルで、でもテイストはあくまでも今のぴよ達が見てうっとりしちゃう感じネ。簡単に言えば「バービーちゃんちっく」
んで愛車は陸海空オールマイティー仕様のラブラブピンクのFAB-1号。ステキッ!しかも3台も持ってたよー!映画中では1台しか使われてなかったけど、あの庭に並んでた他の2台ももっとじっくり見たかったわーん♪

いやぁ〜!マジメな映画ファンには絶対に薦めないけどネ、とにかく楽しいB級映画ですから見て損はないっすよ!
話の内容なんてほぼどーでもいいです。楽しくてバカバカしくてショボいのがお好きだと胸を張って言えるそこのアナタ!この作品は絶対に見逃してはダメですわよ。うふふふふー♪

続編、もしかしたら出来そうだよね?見るよ、見るよ!絶対に続編出来たら見に行くよーん♪







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2004年08月12日(木) ディープ・ブルー

監督:アラステア・フォザーギル
    アンディ・バイヤット
声の出演:マイケル・ガンボン(ナレーション)
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
地球の表面積の70%を占める海。しかしその深海5000メートル超えの水域に入った人間は、実は宇宙を旅した人数よりも少ないのだ。大いなる海は人間に未知の世界を見せてくれる。それは群れをなしてジャンプを競い合うイルカ達や氷点下50度の世界で3ヶ月も絶食して卵を抱き続けるコウテイペンギン、危険と隣り合わせのシャチの狩りや孤独な海の旅人達がひっそりと集まる海の底・・・


【感想】
製作7年、ロケ地200ヶ所、撮影時間7000時間という、途方もない時間と手間と執念と奇跡によって撮影された超ド級のドキュメンタリー映画。製作はイギリスBBC放送。

身近に感じているつもりで実はまるで知らない海の世界。今までも数多くのドキュメンタリー映画は作られているけど、この作品ほど質が高く生物の生態を的確に捉え、更に美しい映像のドキュメンタリー映画にはそうそうお目にかかった事がないんじゃないだろうか?
まず映画冒頭の高波チューブシーンと、イルカの群れのジャンピングシーンでつかみはOKですヨ♪

貴重な映像を撮影するために、様々な分野のベテランカメラマン達の撮影チームを組むと共に、何百人にも及ぶ科学者達とディスカッションをして海の生き物達の生態を熟知した上で撮影に臨んでいるそうです。
その努力が報われて、科学者達から深海5000メートル超えの潜水が可能な潜水艇を提供してもらう事が出来、更にはこの映画の撮影で新種の深海生物を発見し、その姿を捕らえる事に成功したんだそーです。
実際に学会でこの映画の映像も使われているんだそーですヨ。スゴイ事ですよねぇ〜!

そしてこの神秘の映像に世界トップのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の素晴らしい演奏が被る。
ベルリン・フィルは今作で初めて映画音楽に演奏を提供してくれたんだそーですが、その壮大な映像と美しい旋律が絶妙なハーモニーを醸し出してくれていて涙モノですわよ!!
ぴよ個人的にお気に入りだったのはコメツキガニの群れに使われていたBGMだな。ユーモラスでとっても可愛いの!

更に威厳のある声でナレーションを担当してくれたのが、「ハリポタシリーズ」で故リチャード・ハリスの後を引き継ぎダンブルドア校長先生役を演じているマイケル・ガンボン氏。
ハマってるわぁ〜・・・ハマり過ぎてるわぁ〜。

逞しく大いなる海に抱かれて生きる海の旅人達。
弱肉強食の世界があり、自然の淘汰があり、人知の及ばない壮絶な生の営みが美しい映像と音楽に乗せて綿々と綴られて行く・・・心地良くて思わずウトウトしちゃう気持ちはよーく判りますヨ(苦笑)
でもぴよの隣で映画始まって5分からラストまで延々大イビキをかき続けるおっさん、お前は迷惑です!(^-^;

文句もつけようのない素晴らしいドキュメンタリー映像なんですがー・・・
ラストのシロナガスクジラのナレーション、アレはどーなんでしょうかねぇ?いらない気がしたんだけどなぁ。
これだけ美しい神秘の映像を見たら、誰だって「この素晴らしい海、大いなる海を守りたい」と思うハズ。
この作品の映像は、誰が見ても海と地球を守る大切さを強烈にアピールするだけの力がありましたもの。それなにの最後の最後で「グリンピースご推奨」みたいな野暮なナレーション入れちゃうからぁ〜・・・

こーいうのを「蛇足」って言うのよ。野暮なのよ、野暮。
このラストのナレーションがなかったら☆5つ確定だったのになぁ〜!







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2004年08月11日(水) 誰も知らない

監督:是枝裕和
出演:柳楽優弥
    北浦愛
    YOU、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
とある都内のアパートに越してきた母と4人の子供達。この子供達は全員父親が違う上に誰も戸籍がなかった。学校にも通わず家から一歩も出る事を許されない子供達の世話は、唯一外出を許された長男・明の仕事だった。
ある日、母親がわずかな金と明に宛てた「妹達をよろしく」と書いた手紙を残し、子供達を置き去りにして交際中の男の所に去って行ってしまった。初めの内はいつか母親が帰って来てくれるだろう待ち続けた兄弟だったが、ついに金も底をついて電気も水道も止められてしまったのだ・・・


【感想】
主人公・明を演じた柳楽優弥君が、カンヌ国際映画祭で史上最年少の最優秀男優賞を受賞して話題になった作品。
話のモチーフは1988年に東京・巣鴨で実際に起こった「子供置き去り事件」ですが、本作は4人兄弟が母親に置き去りにされて子供達だけで生活を始めるという部分だけを取り入れ、その背景や心理状態や概要等は全くの創作のようです。

ぴよには子供がいませんので、この映画に登場する母親の気持ちは正直言って判らないです。
加えて言えばぴよは家庭環境に問題がなく、親に置き去りにされた事も当然ですがありませんので、この4人の兄弟の気持ちも実際のトコロは理解出来ていないと思います。
そんな「どこにでもいるフツーの人」の内の1人の感想だと思って下さいよ(前置き長いか?苦笑)

とにかく「寒い話」なんですよ。

この作品、監督さんのインタビュー等もマスメディアで随分紹介されているので、「決して母親を悪者にしていない」「母親はしっかりと子供達に愛情を注ぎ、親子関係は決して悪いものではなかった」というアプローチがされているというのは、誰もが知っているでしょう。

でもね、
いくら親子関係が悪いものでなかったにしろ、やっぱり子供を置き去りにする母親は最低だとぴよは断を下す。
きっとこの作品を見た多くの人は「非嫡出子に対する世間の偏見が悪い。母親には同情の余地がある」とか、「褒められた行動ではないけれど、母親の子に対する愛情は本物だったし、子供達もそれを感じ取っているのがよく判る」とか言うんだろうなぁ〜(きっと製作者サイドもこの部分を強調したいんだろうなぁ)と思いますよ。

しかしながら、映画中に「お母さんは帰って来たの?」と聞かれて「もう戻って来ないよ。たぶん」と吐き捨てるように答えた時に明が見せた、あの恐ろしく暗い瞳にぴよは鳥肌が立ったよ。
母親の愛情だけを信じて待ち続けて、そしてそれが裏切られたと悟った子供の悲しさ。
どうして「母親には同情の余地がある」だとか「子供への溢れる愛情が見える」と言えるだろうか。
金だけ渡して子供を置き去りにした時点で、どんなにこの母親に美点や言い分があろうが、ぴよはやっぱり「親として根本的な部分が欠落した、ワガママでエゴイストでダメな母親」という評価にしかならなかった。
後の子供達の悲劇を見るにつけ、その思いは益々つのりましたね。

「明」を演じた柳楽クン、物凄く眼力のある役者さんです。
今回とてつもない賞を取ったのでどうしても色眼鏡で見てしまいますが、正直言って演技は素人臭い(^-^;
ただ、彼にはその演技のなさ(をい)を補って余りあるオーラを放っていましたねぇ。今後が楽しみですワ♪

で、延々と子供達の生活の様子を流して行くだけなので結構ダレる展開なんですよ(笑)
子供達の心境の変化をすごくゆっくりと見せて行くので、言い方を変えれば「とても丁寧な描写」なんですが、どうせ事実からはかなりかけ離れた脚本なんだろうから、ここはもっとメリハリのあるエピソードを繋いでもよかったんじゃないか?とも思ったんですけどね。

社会が悪いのか、母親個人が悪いのか、母親の上を通り過ぎて逃げて行った男達が悪いのか。
それとも誰も悪くなくて「これは運命だ」と言うのか。
正直言って製作者サイドが伝えたい「作品からのメッセージ」というのがぴよには判らなかった。

映画を見終わっても希望も何も感じられなく、ただただ「寒い」としか思えなかった。
でも「寒い」と思っただけでも、考えさせられるだけのモノをこの作品から受け取ったって事なのかな?






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2004年08月04日(水) ヴェロニカ・ゲリン

監督:ジョエル・シューマッカー
出演:ケイト・ブランシェット
    ジェラルド・マクソーレイ
    バリー・バーンズ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
1994年アイルランド・ダブリンに住むヴェロニカ・ゲリンは妻であり母であり、そしてサンデー・インディペンデント紙の女性記者だった。彼女はダブリンの子供が麻薬に溺れ売人が巨万の富を得ている現状を見て、麻薬犯罪の取材を始めた。
時としてその強引な取材方法に同業者達の失笑を買っていたものの、確実に麻薬ルートの真相に近付きつつあるヴェロニカに脅威を感じた組織のボスは、彼女を脅しにかかるのだったが・・・


【感想】
ジェリー・ブラッカイマー&ジョエル・シューマッカーのゴールデンコンビが送り出す一作。
ヴェロニカ・ゲリンはアイルランドに実在したジャーナリストで、彼女によってアイルランド国民は動き、そして司法までを動かしてついには法律改正にまで至ったという「現代の英雄」の実話の映画化。

話はヴェロニカが銃弾に倒れるシーンから入り、そこに至るまでの過程を振り返って見せていくという手法。
ケイト・ブランシェットという女優のイメージと、信念を貫き通して殉職したヴェロニカ・ゲリンという女性のキャラはうまくシンクロしていたと思う。ケイトの控えめでありながらも力強い演技は、相変わらず説得力があってウマいと思うなぁ〜

事実の映画化という事を大切にしたいからなのか、脚本や展開も淡々としていてヴェロニカ自身の葛藤や機微に余り突っ込んだ見せ方をしていないと思う。
唯一彼女の心情を窺わせるのは、組織のボスから電話で脅迫される辺りくらいだろうか?でも、これくらいの淡白な見せ方で充分だと思うよ。この手のネタを妙にウェットに見せられても逆に白々しい感じがするしネ。

この映画の感想とちょっと違っちゃうと思うんだけど・・・
映画を見てて、ぴよは何だかやるせないと言うか腹立たしいと言うか、複雑な気持ちになったのよ。

ヴェロニカという女性は、自国の麻薬に溺れて荒廃した状況を何とかしたいと果敢にも立ち上がった。
脅しが自分の身だけではなく、我が子にまで及ぶかもしれない状況になっても、その追求の手を緩める事はなかった。
素晴らしい事だと思う。ぴよにはとてもマネが出来ない。

でも彼女は自分の家族にまで害が及ぶかもしれない状況まで来て、どうして追求の手を緩めなかったんだろう?
国を愛して国の将来を憂い、果敢に巨悪に立ち向かう姿勢は本当に素晴らしいと思うけど、その信念を貫く事によってもし我が子を失ったり愛する夫を傷付けるような結果を生んだら、彼女はそれでも「私の信念は正しかったんだから、たとえ家族が犠牲になっても致し方ない」と言えたのだろうか?
結果から言えば犠牲になったのはヴェロニカ本人だけだったから「英雄」になったけど、これがもし脅迫通りに我が子が誘拐されて犯され、ヴェロニカ本人が生き残るような結果になっていたとしたら、世間の反応はまるで違ったものになったのではないだろうか?

こういう考えになるのも、そもそもこの話の結末が「ヴェロニカが銃弾に倒れた事によって法改正に至った」という経緯があるからに他ならない訳でして。

彼女が訴えていた事を、彼女が何度も脅されながらも報道している間に国や国民が真摯な態度で受け止めて危機感を持って対処していれば、彼女が命を失うという最悪の結果にはならなかったと思うのです。
犠牲者が出なければ動かない国民と政治。過去の歴史を紐解いても、いつも犠牲者・・・もっと言えば「生贄」「人柱」を立てなければ動かない人や政治というのは、もういい加減にここらで止めに出来ないのだろうか?
どうして人はいつも生贄を欲するのか?どうして国は人の命と引き換えにしなければ動けないのだろうか?

映画の感想とはかけ離れてしまったかもしれないけど、ここまで考えさせられる作品というのには久し振りに出会ったような気がしますわ。
映画の作り云々よりも、たまには自分の中に問題提起するような作品を見るのも大切かな、と思うね。







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2004年08月03日(火) トリック大作戦

監督:バリー・ウォン
出演:チャウ・シンチー
    アンディ・ラウ
    ロザムンド・クァン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
マジメな会社員マンキッは社内のある女性社員と恋仲になった。ところがこの女性社員、実は社長令嬢で身分を隠して社員の内部調査をしていたのだ。どうやら彼女もマンキッに本気になってしまったらしいと知った彼女の婚約者は、「イケテル詐欺師」グー・ジンに依頼して2人の仲を裂こうと画策。グー・ジンはマンキッ父子の家に「実は自分は隠し子だ」と偽って転がり込み、マンキッ父子を引っ掻き回すのだが・・・


【感想】
1991年香港映画。日本未公開作品です。
レンタル屋に行ったら「日本未公開作品コーナー」ってのがあって、その棚に並んでたのねん。で、キャストを見てみると香港映画界のトップスター、チャウ・シンチー(少林サッカー)とアンディ・ラウ(インファナル・アフェア)が共演してる!
こりゃーもしかしたら隠れた名作!?つーかこの豪華キャストで日本未公開なんて勿体無い!ってな訳で早速鑑賞。

とにかくスゴイんですよ!
恐ろしい程古めかしくてバカバカしいウルトラスーパーおバカ映画!!
ギャグもベッタベタであり得ない展開のオンパレード、悪乗りし過ぎな古臭〜い香港ギャグ映画の超ど真ん中王道おバカコメディで、映像の古臭い感じも「懐かし〜い!」って思わず声を上げちゃう事請け合いですわ!

マンキッと社長令嬢の仲を引き裂こうと現れた詐欺師が、社内や家庭内で次々とトラブルを起こすのが見ドコロなんですが、正直言って彼のやってる事は直接カップルの仲を引き裂く効果を生み出している訳ではありませんのよ。
「仲を引き裂くための作戦」と銘打ってるけど、ただ観客を笑わせたら勝ち♪みたいなエピソードね。

で、この詐欺師が使う「謎のグッズ」や「秘密兵器」がスゴイ!
映画中盤で登場する超強力媚薬「どうにも止まらない(←アホみたいなネーミング)」を飲んだマンキッの様子には大笑いさせてもらいましたわ♪
クライマックスでこの詐欺師と対決する「トリック大王」との一騎打ちなんて腰砕けの連続だヨ!お互いが繰り出す秘密兵器の余りのバカバカしさ、更に秘密兵器が登場する度に解説されるナレーション、これって子供の頃に見た「タイムボカンシリーズ」の『今週のびっくりどっきりメカ』と同じノリだよぉ〜♪(←判らない世代の方、サクッと流してチョーダイ。苦笑)

話のまとめ方も強引でバタバタで、もうどーしよーもなく古臭い(実際古い作品だから仕方ないか)香港ギャグ映画なんだけど、今見ると逆にすっごい新鮮で楽しいんですわ。
そしてナニゲに出演している役者さんが超美形揃いなのもゴージャスで嬉しい♪アンディ・ラウなんて今よりもうーんと可愛くて、思わず頬擦りしたくなっちゃうくらいステキなのよー(萌)
今でこそ「インファナル・アフェア」で眉間にシワ寄せてカッコ良くてシブいお兄ちゃんしてるけど、10数年前はこんなお茶目な映画でアホな衣装着て京劇もどきのパフォーマンスしてたんだなぁ〜(この京劇シーンは必見!)

チャウ・シンチー&アンディ・ラウのファンの方、そしておバカ映画ファンの方は必見です!
この時代の香港映画のバカバカしさって、今からでは絶対に作れない独特の空気感があるよね。








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2004年08月02日(月) 永遠の片想い

監督:イ・ハン
出演:チャ・テヒョン
    ソン・イェジン
    イ・ウンジュ、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ある日ジファンの元に一通の封筒が届いた。中には1枚の写真と「逢いたい」の文字。ジファンは5年前のある思い出が胸に蘇るのだった・・・バイトしていた喫茶店に偶然やって来たスインとギョンヒという女の子。スインに一目惚れしたジファンだったが見事玉砕して、改めて友達として仲良くなって行った。次第にギョンヒに惹かれるようになったジファン、そしてギョンヒもまたジファンに友情以上の感情を持つようになるものの、スインとギョンヒにはジファンに隠している秘密があったのだ。


【感想】
「猟奇的な彼女」のマヌケな大学生「キョヌ」役で一躍人気俳優になったチャ・テヒョンの主演最新作。
またしても「お人よしで屈託のない笑顔が可愛い大学生」を演じています。だから「猟奇的な彼女」とキャラがめっちゃ被りまくってる・・・彼はこーいう役のイメージがすっかり定着してしまいましたね。
ジファンが一目惚れする楚々とした美女スイン役は「ラブストーリー」でお下げ髪が胸キュンだったソン・イジェン、お茶目で元気で底抜けに明るい「松たか子激似」のギョンヒ役は「ブラザーフッド」に出演していたイ・ウンジュ。

最初はコンサバお嬢スインに一目惚れしたものの、3人仲良しになってみるとお元気キャラのギョンヒに次第に惹かれて行くジファン青年。ジファンのキャラだったらそりゃーギョンヒの方がお似合いでしょう♪と誰もが納得。
だってギョンヒのキャラも「猟奇的な彼女」の主人公とめっちゃ被ってるんだもん(^-^;

「知り合うきっかけ→仲良くなって行く→3人の微妙なバランスが崩れる」までをエピソードで上手に繋いで見せて行きますが、最初の頃のエピソードが後のクライマックスで引用されていたりして、これがなかなか泣かせます。
つーかこの作品、久々に「号泣モード」で泣かせてくれる、泣き映画好きにはたまらない一本です!

スインとギョンヒの親友同士の関係というのが普通では考えられないくらいベタな感じで、ここまで仲良しってのはちょっと薄気味悪いよなぁ〜・・と思って見てたんだけど、ここまで仲良しなのにはきちんと理由が用意されていて、その理由がこの映画の重要なオチ(どんでん返し)に繋げてあるという、実に面白い展開です。

かなり練られた脚本でエピソードも魅力的、キャラも馴染み易くて完成度の高い作品だと思うのですが、ぴよ的にはこの映画のラストシーンはちょっとやり過ぎなんじゃないか?という気がしたんですけど。
絶対にハッピーエンドじゃなくちゃダメとは言わないけど、やっぱり恋愛映画ってハッピーエンドであって欲しい。
青臭いくらいの友情、微妙な均衡の取れた3角関係、お互い惹かれ合っても言い出せない思い、爽やかだけどもどかしい青春の残像のような話の結末は、やっぱりホッとするような幸せなシーンで締めくくって欲しいとぴよは思う訳です。

再開したシーンでこの映画を終わらせてもらった方が、そうする事でこの作品がたとえありがちな安っぽい恋愛話になってしまったとしても、ぴよには気持ちよく映画館を後にする事が出来たと思うんだよね。
観客を泣かせたい気持ちはよーく判るが、既にクライマックスで号泣してるんだからもういいやんか!てな感じ(^-^;

後、あの郵便局員の行動は理解出来んよ(ぼそ)
言っちゃ何だが、手紙は彼女が直接投函していた事にしても全然問題ない(つーか、その方が自然)と思うし。もっと言うと郵便局員に不法侵入させるくらいなら、彼女の弟が投函していた事にした方がしっくりすると思うし。
それからジファンの妹のエピソード、これは必要あったの?話の本筋に全く絡まないエピソードで上映時間長くするくらいだったら、いっそバッサリ切り捨てて上映時間1時間半以内に収めちゃった方がテンポがいいような気がするけどナ。

と、ツッコミどころも多々あるものの、韓国恋愛映画は質の高い作品が多いですね。
ベタでもたつく展開も「韓国恋愛映画」というブランドの魅力的な要素だと思いますし・・・とにかく泣かせる1本です!







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