監督:三池崇史 出演:哀川 翔 渡部篤郎 鈴木京香、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 2001年横浜市八千代区。この地で小学校教師を勤めるの市川新市は、生徒にはバカにされ、家庭に帰っても家族中から小バカにされるダメ男。唯一の趣味は、子供時代の昭和53年に低視聴率の為7話で打ち切られたヒーロー番組「ゼブラーマン」のコスチューム作りだった。家の中でコスチュームを着て遊んでいるだけでは満足出来なくなった市川は、こっそりコスプレ姿で夜の街に出るようになったのだが、何故か怪しいヤツらと出くわし、何故か必ず乱闘するハメに・・・ ところが市川は全く気付いてなかったのだが、この怪しい奴らは地球侵略を目論む宇宙人が人間に寄生していたのだ!
【感想】 Vシネマの帝王・哀川翔の記念すべき主演100本目の作品。 主演100本目の作品メガホンは、是非タイム誌の「21世紀、最も活躍が期待される映画監督10人」にも選ばれた三池崇史監督に!というラブコールに監督も快諾、更に脚本は日本1忙しい売れっ子脚本家の宮藤官九郎氏に!というオファーも快諾され、夢のプロジェクトが始動と相成った訳ですわ。
哀川翔と言えば任侠系のストイックな役柄がイメージなのに、何故か主演100本目の記念映画がコスプレヒーロー物。 今まで数多く出演して来てすっかりイメージの定着した「ストイックでカッコいい漢(おとこ)」を、100本記念にして根底から覆すような「まるでダメ男」キャラで勝負して来たというのには驚きました! ある意味、100本目だから誰の記憶にも残るようなインパクトの強いキャラを打ち出したかったという意図もあったのか?
それにしても、何故コスプレヒーロー?(^_^;)
哀川翔は自分の役者人生の大事な節目になる作品がコレで、後悔はないのだろうか? しかもキャストもエラい豪華だったりするし・・・ 防衛庁特殊機密部の調査員役は渡部篤郎、宇宙人が憑依した人間役(しかもチョイ役)には柄本明、他にもゲスト出演でウンナンの内村クンやら教頭先生役に大林漣等、超豪華出演陣を布陣。
でもぴよが1番驚いたのは鈴木京香だね。 彼女がこの役を何故引き受けたのか今もって謎ですわよ。彼女の女優人生のステイタスやらキャラクターを根底から破壊し尽くすようなアホなコスプレ衣装・・・ファンの皆さんが見たら嬉しくて涙するのかか悲しくて涙するのか(苦笑)
結構笑えちゃうんだけどね(ここはさすがクドカンのすっ飛んだ脚本の技術?) 正直言って、「この映画、金出して劇場に見に行った甲斐があった?」と聞かれると首を傾げたくなるよーな作品なのさ。 (ぴよは試写会で見に行ったからタダで見てるんだけどさ。笑) 要するに、もし劇場公開して金払って映画見に行ったとしたら、果たして満足出来たんだろうか?という疑問。
確かに面白いんだよ。劇中の笑いのツボもしっかり観客を巻き込んで磐石だしさ、ここまでおバカなネタを、大真面目に大物俳優陣が演じちゃってるっていう妙も楽しめるしさ。 でも、この映画が1800円という金額に見合うか?と聞かれると「Yes」とは言えない・・・という、微妙な笑いなんだよな。
シリアスキャラにおバカをやって頂くというコンセプトはよく判るんだけど、何か中途半端な感がぬぐえないと言うか。
ただね、「ゼブラーマン」のキャラクターは魅力的ですわ。 よく練られてるし、劇中に出て来る「ゼブラーマン」の主題歌は、ヒーロー物主題歌の大家・水木一郎氏に歌わせちゃって、本当にこんなヒーロー物番組があったのかなぁ?と思わせる程の、細かい作りなんだよね。
何がダメなの?と聞かれると困るんだけど、余りに安っぽ過ぎて、映画のネタで笑ってるんだか、余りの「とほほ感」で苦笑してるんだか、自分でも訳わかんなくなっちゃってさ・・・
少なくとも、劇場公開映画としてこれでいいのか?と考えたくなるよーな微妙な作品なんだよね(苦笑)
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