ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2003年11月28日(金) ブルドッグ

監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:ヴィン・ディーゼル
    ラレンズ・テイト
    ジーノ・シルヴァ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
ショーンはロスの敏腕麻薬捜査官。7年間追い続けたメキシコ最大の麻薬組織のボス、ルセロを逮捕したものの、その後「ディアブロ<悪魔>」と呼ばれる謎の男が台頭、情け容赦ないディアブロによって最愛の妻・ステイシーが殺されてしまった。
ステイシーの復讐を誓ったショーンは、自ら「魔物」となって地の果てまでディアブロを追う事を誓った―


【感想】
トリプルX(2002年11月1日の感想参照)でセンセーショナルなXスポーツアクションを見せてくれたヴィン・ディーゼルの最新作は、妻の復讐の為には手段を選ばない敏腕麻薬捜査官の復讐劇。

前作「トリプルX」では、ワルだったけど実は正義感が強いいいヤツで、アメリカ国家安全保障局のエージェントになるという話で、今回は今現在は敏腕麻薬捜査官ではあるものの、かつてはストリート・ギャングで手のつけられないワルだったという設定。すんごい似てるんだけど、アプローチが逆なのねん。

アクションも迫力あるし、話の展開もよどみなくてダレる部分もない。
良く言えば「毒にも薬にもならないなかなか良く出来たアクション映画」って所ですが、今回のヴィン・ディーゼルの役ドコロが微妙に観客の共感を得られないと言うか・・・
簡単に言ってしまえば「キャラクターに面白味がない」って感じでしょうか。

それもこれも、ヴィン・ディーゼル演じるショーンと相棒捜査官デメトリウスが元は相当のワルだったという設定なのに、まるで毒気を感じさせないからじゃないかと思うんだよね。
妻の復讐に立ち上がったショーンは、手段を選ばずに昔のギャング仲間に助っ人を頼むんだけど、このギャング時代の仲間ってのは今もワルで更正出来てなハズなのに、ただのお人よしにしか見えない。
凄みもなければ怖くもなくて、「仲良しクラブ@いいヤツ3人組」が頑張る話になっちゃってる。(苦笑)

ディアブロの正体を探るプロセスやルセロとの丁々発止、アクションシーンの見応え度はなかなかうまくまとまってて楽しめるんだけど・・・あまりキレイにまとまり過ぎるアクション映画ってのは面白味に欠けるんだろうなぁ〜
・・・展開や設定が破綻してると吠えまくるくせに、良く出来てても面白くないなんて、じゃあ一体どーすりゃいいんだ?ってツッコミ入れられそうなんですが。(^_^;)

囮捜査でヤクの売人が自分の妻に直接手を下した男だと知って逆上するシーン、ここはゾクゾクしたわ!
現場が収束した時に見せるショーンの放心したような表情―彼、心理面の表現もなかなかイケてる♪ものの…

ダメ出しする程の欠点もなければ、特に強くオススメしたいポイントも見つからない・・・凡庸なアクション映画。





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2003年11月27日(木) 精霊流し

監督:田中光敏
出演:内田朝陽
    松坂慶子
    酒井美紀、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
海を見下ろす長崎の家で育った雅彦は、優しい母が望むバイオリニストを自分もまた夢見て、単身上京して学ぶ事になった。母の妹・節子が後妻として嫁いだ先・鎌倉に住まわせてもらい、そこで節子の義理の息子・春人と出会う。
時は流れて大学生になった雅彦は、自動車修理工場でのバイトに明け暮れ、母も既に他界、母の思いのこもったバイオリンも、今は部屋の隅にホコリをかぶっていた。そんなある日、叔母の節子が突然離婚して故郷の長崎に帰る事を決めた。


【感想】
「精霊流し(しょうろうながし)」とは、長崎のお盆の風物詩・・・というのは誰でも知ってますわね。
さだまさし氏が「グレープ」時代に大ヒットした楽曲タイトルでもある。でもって、この映画は長崎出身のさだまさし氏の同名タイトル小説の映画化。映画のロケもほとんど長崎県内で行われた、正に超ウルトラスーパーご当地映画ってヤツだ。

主人公「雅彦」は長崎から単身上京して、バイオリニストになるべく勉強をするもあえなく挫折する。これはさだまさし氏ご本人の経歴と全く同じで、きっと原作本は私小説的要素も強いんだろうと推測出来ます。
(その後の展開はまるでご本人とは関係ないんでしょうけどネ)

時代設定は昭和30年代〜40年代前半、全編ノスタルジック感を押し出して「昔の日本」を再現させようという苦労が偲ばれますが、どーもぴよには映画全編を通して「ピン」と来るものがありませんでした。(^_^;)

結構「泣かせ」な作りしてて、節子を演じた松坂慶子も随分熱演してるんだけど、やっぱ彼女に娘役をそのままやらせるのにはムリがあるでしょうに・・・しかも、役ドコロが高島礼子の妹役だよ!?ぴよは映画見てから公式HP見たんだけど、公式HP見るまでずっと松阪慶子は高島礼子の姉役だと信じて疑ってなかったわよ。配役にムリあり過ぎるってば。

んで、この節子がまた踏んだり蹴ったりの人生で、彼女と彼女の周りには「これでもかー」と次々と都合良く不幸な出来事が襲い掛かるのだ。ぴよの隣に徳光さんがいたら、間違いなくハンカチ握り締めてうなずきながら涙しまくってるランクの不幸度が満載(苦笑)

そんな「不幸のデパート」節子@妹が歌うような口調で語る。
『私ね、信じてる事があるの。自分に正直に生きていれば、苦労はするかもしれないけど後悔はしない・・って♪』
んー。不幸のデパートに言われても説得力があるんだか、ないんだか。(^_^;)

少なくとも、彼女は自分に本当に正直に生きて来たのだろうか?という疑問が残るのだ。映画中ではやたらと「自由奔放に生きて来た」と強調されていますが、ぴよの目から見て彼女の人生が自由奔放にはとても見えない。
愛する人と共に人生が歩めなかった彼女は、ヤケッぱちで結婚して、結婚後も男と遊びまわるただのインラン女のようにしか見えなかったんすけどねぇ(をい)
何か話に一本筋の通らない・・・煮え切らない物が残るような気がするんだよね。

が。
この映画で今更ながら1つ発見したものがある。

田中邦衛って、すんごい「癒し系」なんだね♪(爆)
普通「癒し系」って言うとマタ〜リした雰囲気の女優さんに使われる誉め言葉ですが、田中氏のあのひなびた顔を見ると、何故かフッと和んでいる自分がいるのだ。
正に「好々爺」という言葉がピタリとハマる、癒し系おやぢ・田中邦衛。

えーと。
何の感想だったっけ(をい)

いや・・・会場はかなり鼻すすって泣いてる方、多かったですよ。
きっと大抵の人は「感動した!」「泣いた!」っていう感想だと思うわ。
ごめん。ぴよの感動のツボにまるで空振ってただけだから。ぴよの感想はアテにしないで楽しんでチョーダイよ。(^_^;)






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2003年11月26日(水) 木更津キャッツアイ 日本シリーズ

監督:金子文紀
出演:岡田准一
    櫻井 翔
    薬師丸ひろ子、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
21歳にして余命半年の宣告を受けた「ぶっさん」―奇跡的な蘇生をして周囲を驚かせた半年後、ぶっさんはまだまだ絶好調だった。連日野球とビールに明け暮れていた所、氣志團が地元木更津で大規模なロックフェスティバルの開催を計画し、そこでキャッツ達が氣志團の前座としてステージに登場することに。
そしてひょんな事で知り合った、韓国パブで働く美女「ユッケ」と出合ったぶっさん。ユッケに運命的な恋をしたぶっさんの最後の夏が今始まったのだ・・・


【感想】
2002年1月〜3月にTBS系で放送された連続ドラマ『木更津キャッツアイ』の映画化。
映画化に当たり、スタッフはTV番組作成当時のチームそのまま、キャストもドラマ時代のまま起用しているらしい。
・・って、こんなドラマがあった事を全く知らなかったんですけどネ。(^_^;)
(どーやら映画の大ヒットに気分良くしたTBSが、各地方局で順次再放送を予定しているらしい)

TV番組でウケて→後の映画化、というパターンは「踊る大捜査線」等で既にお馴染みですが、基本的に「木更津キャッツアイ」はTV番組時代には、大して視聴率も高くなかったそーだ。(笑)
だったら何故今そんな低視聴率番組の映画化をする?
・・・これは、たぶん今になって超売れっ子になった「クドカン」こと、宮藤官九郎氏が脚本を担当していたという事がその大きな要因の1つになっているんだと思う。

TV番組時代はどうだったのか判らないけど、少なくとも映画版では色んな人がチョイ役で出演していて、芸能人好きなみなさんのハートを鷲掴みにしてくれている♪
誰がドコでチョイ出演してるかを、探すだけでも楽しめるでしょうな。うん。

話もね、結構面白かったよ!
ただのアイドル映画とはまるで違う・・・アイドルだろーが大物俳優だろーが、キャリアなんて関係ないねっ!やってもらう時にはきっちりやってもらおーぢゃないの!的、突き抜けた「おバカ感」が全編漂っていて好感が持てる♪


が。(←もうお約束になってますわね)


この映画は、TV番組時代の内容を全く知らない人が見てはいけないモノでした。

とにかく主人公グループ「木更津キャッツアイ」の人間関係や個々のキャラの横顔、設定、周囲のキャラの説明、状況、立場、諸々の説明が全く映画中にないのだ。
あくまでも「TV版のファンの方のために」という作りで押し通している。

よって、映画前半・・・もっと言えば映画のかなり進んだ所に来るまで、ぴよは誰が何で、何がどーなのかが全く把握出来ず、フィルムを巻き戻すように映画の展開が前後していくのをボーッと見ながら
(ちなみに映画館内は女子高生の大群がいて、一々キャーキャー騒いでいた)
ただただ「なんだろう?この異常な盛り上がりは…」と絶句するしかなかった。

ただ、やはりクドカンの脚本は面白いと思ったね。
なーんにもこの映画(TV番組)の知識のないぴよでも、結構楽しめる所は楽しめたんだから、やっぱり相当面白い話なんだろうなぁとは思うよ。うん。(かなり微妙な表現ですが。苦笑)

今後この映画を見る予定のある方で、しかもTV番組版を全く見た事がない方は・・・
とりあえず公式HPの『木更津キャッツアイ』とは?という項目だけでも読んでから見に行った方が賢明でしょう。






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2003年11月25日(火) ラスト サムライ

監督:エドワード・ズウィック
出演:トム・クルーズ
    渡辺 謙
    小雪、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
1870年代、日本の近代化に伴い政府軍に西洋式の戦術を教える為に来日した、南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン大尉は、政府軍に反旗を翻す侍「勝元」率いる反乱軍と対決するも瀕死の重傷を負う。勝元はオールグレンのスピリッツに心惹かれ、彼を自分の息子の村に連れ帰り傷の手当てをして一冬を共に過ごす事にした。
勝元の武士道精神に感銘を受けたオールグレンは、やがて1人の武士と固い絆で結ばれてゆく。しかし、2人の友情もつかの間、「サムライ魂」を貫くために、滅んでゆく運命を選ぶしかない侍たちの、最後の戦いが始まった。


【感想】
この冬鳴り物入りで登場のトム・クルーズの新作は西南戦争をモデルにした明治期日本が舞台。
大体からして外国人の描く日本って本当にとんちんかんだし、予告編見て思ったのが「うっわー・・金のかかったクソ映画の予感」ってトコロだったんだけどね(をい)

いや。
意外に面白かったっすよ!!(←こーいう評価はこの手の映画には非常に珍しいです。はい。)
時代考証や諸々はツッコミどころ満載ではあるものの、よくある「日本を小バカにした」捻じ曲げた表現って訳ではなく、すっごく「じゃぱん」が好きで、この時代のじゃぱんがこーだったらいいなぁ♪っていう愛が映画に感じられたわ。

「ラスト サムライ」とは渡辺謙が演じた「勝元」の事。
ハリウッド映画だからトム・クルーズが主役なんだろーけど、実際の映画の主役は明らかに渡辺氏だった。

彼がね、すっごくいい演技してましたわ!
今ハリウッドでは「オスカーの助演男優賞ノミネートもあるか!?」等と噂されているようですが、是非ノミネートしてあげて欲しいですねぇ。英語の発音も相当勉強されていたんぢゃーないでしょうか?ネイティブ・アメリカン・・とは言い難いけれど、それでもこれだけの英語セリフをよどみなく情感たっぷりに表現したんですから拍手喝采モノでしょう。

日本が鎖国を解いて西洋文化を受け入れ、そして近代化の波に乗る事=古き良き伝統文化を捨てる
勝元率いる近代化から日本を守るサムライ軍団=日本の良きモノを残し守る者達
・・という図式になってて、これは余りにも単純過ぎるよなぁ〜とも思わなくはないですが、映画の展開上こうした方がサムライ軍団に観客が肩入れしやすくなっているので、まあ百歩譲って認めてやるか・・(笑)

ただ、どーも納得行かなかったのは最後の決戦の意味は本当にあったんだろうか?と。
大体からして、オールグレンは南北戦争時に無謀な指揮を取ったが為に、ムダに兵士を見殺しにする事になった上官を激しく嫌っていたハズ・・・勝元が選択した最後の決戦は、正にコレと同じ事ではないだろうか?
テメーの武士道をまっとうするために、自分を慕って集まって来た僅かな仲間達をムダに殺す事になると判っていて、どうしてオールグレンは彼に共感出来るのか?

お上の為に生き、お上の為に死ぬ・・という日本古来の考え方をアメリカ人にも判り易く表現したい、という事だったのかもしれないし、単に近代兵器に立ち向かう「サムライ刀」のカッコいい戦闘シーンを見せたかっただけなのかもしれないし・・・よく判んないんだけど、でも戦闘シーンは迫力があってカッコよかった♪(をい、どっちだよ。苦笑)

日本語のセリフが多く(当たり前だけど)、日本語セリフには当然英語字幕が出ます。
アメリカでは字幕映画はウケないという話を聞いた事があるんですが、本国での評判はどうなんでしょうか?

トム・クルーズよりも渡辺謙の演技の方が断然良かった。トム、頑張れよー!(笑)






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2003年11月22日(土) マトリックス レボリューションズ

監督:ラリー&アンディ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス
    ローレンス・フィッシュバーン
    キャリー=アン・モス、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
救世主の予言がプログラムの一環だったと知らされたネオは、マトリックスと現実界の境に迷い込んでいた。トリニティーとモーフィアスは預言者オラクルの手助けを得てネオを救出する。ネオは自分が運命を選択しなければならないと悟り、マシン・シティに向かう事を決意した。だがトリニティと共に乗り込んだロゴス号に、ベインに憑依したスミスが現れたのだ・・・
一方ザイオンにはいよいよセンティネルズの大群が迫っていた。人類とマシン、ネオとスミスの決戦の時がやって来る―


【感想】
いよいよマトリックス3部作の完結編。今更書くのも何ですが・・・映画は世界同時公開で、公開時にはキアヌが新宿にやって来て一緒にカウントダウンしてましたわよね。主人公が本国アメリカではなく、日本にやって来てカウントダウンするというのを見るだけでも、映画製作者側から見て日本のマーケットをどれだけ重要視しているかが伺えます。
公開初日、実はぴよは関東方面に旅行中だったので(はっきり言うとディズニーランドだ)、よっぽど新宿まで駆け付けて映画見て、いざとなったらタクシーで舞浜のホテルまで戻ろうか・・・くらいに思ってたんですが(ちょっとウソ)

さて。
映画は完結しました。

映画を見終わって、劇場を出る時に周りの人達の反応を見ていたんですが、みな一様に微妙〜な顔付きで無言だった人が多かったです。
普通この手の映画を見終わった後というのは、一緒に観に行った人に「面白かったねー!」とか「スゴかったぁー!!」とか、みんな活き活きとした目で今見終わった映画について楽しげに話す光景が見られるものですが、何故か「釈然としない」という表情をされていらっしゃる方が非常に多かったよーに思う。

ぴよもその1人だったのですが、完結編を見てまず思った事は「この監督さん達が見せたかったモノと観客がこの映画で見たかったモノに、あまりにも温度差があり過ぎた」という事でしょうか。

「マトリックス」という映画がこれだけ世界的にウケたのは、兎にも角にもCGとワイヤーアクションを駆使した、今までにない斬新で衝撃的なアクションと戦闘シーンの部分に観客が喜んだに他ならない。
よくこの映画は「キリスト教的世界観を云々」と評されていますが、監督達が最もこの映画で語りたかった「世界観」の部分を楽しみにしている観客は、皆無に等しかっただろうと思う。誰も小難しい宗教的世界観など必要としていない。みんながこの映画に求めていたのは、ひたすら「カッコいい戦闘シーンとアクション」だったのだ。

だからこんな判りにくいオチにしないで、もっと判り易い勧善懲悪モノにしてしまった方が、見終わった後気持ち良く映画館を後にする事が出来たと思うんだよね。
この映画製作者達は、自分達の作った映画のどの部分が観客にウケたのかを見誤ったのか、それともウケている部分は重々承知の上で、敢えて本来自分達が伝えたかった世界観を優先させるという選択をしてしまったのか・・・

少なくとも、この映画製作者達の選択は間違いだったとぴよは思う。

センティネルズの大群がザイオンを襲撃するシーン等、かなり映像的に楽しめるシーンもあったものの、根本的に映画全般のアクションシーンでネオ、トリニティ、そしてモーフィアスの3人をバラバラにしてしまったのは、絵的に完全に失敗していると思う。この3人がトライアングルを組んで型を決める姿こそが、観客がスクリーンで見たかったモノなのに・・・

結局何だったのかよく判らないまま映画が終わってしまって(大体からして、前作の内容をすっかり忘れてたさ。苦笑)
どーも釈然としないぴよは、見終わってから小1時間くらい考え込んじゃいましたわよ(^_^;)
以下、ぴよが「要するにこういう事だったん?」と思った事を白抜きで書いておきます。ウルトラスーパー超ネタバレなので、まだこの映画を見ていない方は決してドラッグしないようにして下さい。
・・とは言っても、ぴよの解釈が間違ってるって事も充分考えられますが(笑)

結果的に、1作目が余りに面白過ぎたのかもしれない。





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以下、ぴよなりのこの映画の解釈。(超ネタバレに付き、未見の方はドラッグしない方が身の為だ。笑)
尚、この解釈がまるで違いますよ!というご意見の方は是非ご一報ください。勉強させて頂きます!!


まず、ネオは何だったのか?という疑問がぴよの中に沸き起こった。
1作目からずーっとネオは人間だと思って見ていたんだけど、人間だったとすると辻褄がどうしても合わない。ではネオもスミスと同様プログラムだったのか?と考えると、それでもやっぱり辻褄が合わない部分が出て来る。

そこで思い出すのが、ロゴス号に乗り込んだ時に現れるベインに憑依したスミスの存在だ。スミスはプログラムだけど、人間の体に憑依する事が出来るのだ。・・・とすると、ネオもまた人間の体を借りたプログラムだったのではないだろうか、という事だ。ネオが人間に憑依したプログラムだったとしたら、すべての辻褄がスッキリとする。

オラクルはネオに「お前とスミスは同じものの表と裏だ」というような事を言う。

まずこの映画は、マシンが人間を支配し、マトリックスという仮想現実の中に人間を住まわせる事で制御しようとしていたものの、マトリックスの存在を確信した少数の人間達がそこを飛び出し、ザイオンという聖地に移り住んでマシンの支配から人間を解放しようと運動している・・・という設定だった。(だよね?)

そもそもスミスの存在というのは、マトリックスという仮想現実の秩序を守って、人間が暴走しないように監視する役割として作られたプログラムだったハズ。ところがそのプログラムも、時として作り手の予想もしないくらいの暴走を始める。

そこで現れるのが「救世主・ネオ」という名の救済プログラムの存在。
ネオが完全なプログラムであっては、暴走したスミスというプログラムを押さえ込む事は出来ない。予想の付かない暴走プログラムを制御させるのに必要なのは、マシンでは決して得る事のない人間の感情「愛」「勇気」「平和を望む心」といった無限大の可能性を秘めた神秘のパワーだ。

その為にはネオというプログラムは人間の体の中に憑依させ、人間としての感情をプログラムに習得させなければいけなかった。それにはネオ自身が自分が実はプログラムなのだという事を知っていてはマズいし、ましてや愛を得る為には人間達にもネオがプログラムだという事を悟られてはうまくいかない。
だからネオにも周りの人間達にもあくまでも「自分は人間なのだ」と思い込ませておく必要があったのだ。

簡単に例えると、マトリックスはOSで、スミスはウイルス監視プログラム(ウイルスバスターみたいなヤツね)、ところがその監視ソフトが時々妙な暴走をしてOSをおかしくしてしまう為に、ネオをいう修正パッチプログラムが作られた・・・てな具合でしょうか(笑)

ザイオンで「戦争は終わった!」と喜ぶ人間達だが、結局はマシン内の暴走プログラムの制御をするのに、ついでだから小うるさいハエどもにも参加させてマシンの恐ろしさを教えてやっておこうか・・・あんまり不穏な動きをするんぢゃねーぞ、という「お灸を据えられた」だけの話だったという事か。
ザイオンは守られたけど(つーか、たぶんマシン・シティの方では最初から全滅させる気はなかったんだろう)、終わってみればやっぱりマシンの支配から逃れられた訳ぢゃーないですしねぇ。

なーんか・・考えると、すっごいオタクな映画ですよね、コレ。(笑)
本来こんなに世界的にウケるネタじゃないハズなのに、あの革新的CGアクションシーンにみんなが引きずられて、こんな思わぬお祭り騒ぎになっちゃったっていう事だったんだろうなぁ・・・






2003年11月21日(金) 最後の恋,初めての恋

監督:当摩寿史
出演:渡部篤郎
    徐静蕾(シュー・ジンレイ)
    董潔(ドン・ジェ)、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
自動車メーカー・イムラ自動車の上海支社に転任して来た早瀬高志には、辛い過去があった。婚約者が自分の親友の運転する車でドライブ中事故を起こし亡くなったのだ。1度に愛と友情を失った早瀬―あれから半年、彼の時計は止まったまま生きる気力を失っていた。
とある事がきっかけで知り合ったホテルのフロント係の女性ミンと、彼女の妹リン。早瀬の心の時計はミンの言葉によって再び動き出した。ミンもまた早瀬を思うが、彼女にはもう時間が残されていなかったのだ・・・


【感想】
今最もホットなアジアンシティ・上海でオールロケを敢行した感動のラブ・ストーリー・・・って、ぴよはどんな映画なのか全く調べないで見に行ったんだけど(タイトルで恋愛モノなのは想像付いてたけどネ)、てっきり中国の映画だとばっかり思ってたんですわ。そしたら映画冒頭からいきなり渡部篤郎クンや石橋凌サンが出て来るからすっ飛んだ。
松竹映画だってさ。つーか、主演の俳優とどこの国の映画かくらいは調べてから見に行けってか?(苦笑)

上海に赴任したビジネスマンと現地の女性との恋愛って事で、女性陣は中国でもトップスターをご用意。現代中国新4大女優の1人と呼ばれるシュー・ジンレイちゃんと、映画「至福のとき(2003年2月5日の感想を参照)」でスクリーンデビューするやその高い演技力を評価されて、今最も注目される若手女優ドン・ジェちゃんを起用。
ドン・ジェちゃんは今回早瀬の中国語の先生役という事で、日本語のセリフも非常に多かったものの、かなりお勉強されたみたいで上手に話してましたわ。

中国語が全く話せない渡部篤郎クンと日本語の全く出来ないシュー・ジンレイちゃんに、どーやって恋愛レベルまでの意思の疎通をさせるか・・・中国語や日本語がダメでも、お互い英語だったら耳馴染みがあるしセリフも覚え易いだろうと配慮したんでしょう。渡部クンは英語が堪能なトップビジネスマン、そしてシュー・ジンレイちゃんは英語が仕事上必要不可欠な高級ホテルのフロント係という役ドコロにして、2人の会話を英語で通す事で問題解決してます。
コレだったら多少ヘタクソな英語でも、お互い母国語じゃないんだから仕方ないよネ♪って納得も出来る(笑)
・・あ。お2人とも英語の会話もなかなか堂に入っててお上手でしたわヨ。

話は超古典的ラブストーリーの王道。
恋人に裏切られて生きる気力を失った男がある女性によって再生する。姉妹が同じ人を好きになってしまう。お互い好きだと判っていてもなかなか進展しない恋。そして恋人の不治の病―過去に観客にウケた恋愛ネタをぜぇ〜んぶ1本に突っ込んでみました♪みたいな状態ですわ(笑)

そりゃ〜会場は鼻すする音があちこちで響き渡ってましたわよ。確かに泣けるネタですもの。
でもひねくれモノのぴよは「ふ〜ん」と思って見てました。ナニが「ふ〜ん」なのかと聞かれると困りますが、本当に映画見ながら「ふ〜ん」としか思わなかったのだから始末に困る。(^_^;)

役者の演技も申し分なかったしね、話だって古典ネタの被せ技だからハズす事は絶対にないんですよ。
ただ、見飽きちゃっただけなんだと思う。かつて同じようなネタの映画で散々泣いた時期もあったぴよにとって、この映画のストーリーは「どこかで昔見た事のある話」という印象しか残らなかったというのか・・・

素直〜な気持ちで見ればきっと泣けますよ、この映画。
だから恋愛モノ見て泣きたくて仕方ない人は安心して見に行って下さいな♪(笑)






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2003年11月20日(木) バッドボーイズ2バッド

監督:マイケル・ベイ
出演:ウィル・スミス
    マーティン・ローレンス
    ガブリエル・ユニオン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
南米の入り口・マイアミ市警は巧妙化する麻薬密輸に対し、取り締まり強化の特捜チームを編成し、マーカスとマイクの2人を着任させた。狙うは合成麻薬「エクスタシー」を大量にさばいている巨大シンジケートの壊滅だ。
ある日NYで連邦麻薬捜査局に務めるマーカスの妹・シドが休暇を取って帰省してきた。実はマイクとシドは密かに付き合っていたのだが、それをマーカスになかなか言い出せずにいる2人。ところがシドはもう1つ兄に隠している事があったのだ。それは今回の帰省は実は麻薬シンジケートへの潜入捜査の為だという事・・・


【感想】
今やハリウッドのドル箱映画製造工場と化したブラッカイマー&マイケル・ベイコンビ。このコンビが結成された記念すべき映画が1995年に公開されて大ヒットした「バッドボーイズ」なのはご存知の方も多いでしょう。
あれから8年、当時でも既にミュージシャンとして成功していたウィル・スミスとコメディアンとして人気の高かったマーティン・ローレンスだが、その後更にハリウッドのトップセレブにのし上がった2人の過密スケジュールを押さえて、見事に往年の名コンビを復活させた超話題の第2弾の登場!!
・・・って、知ったかぶって書いてますが、実はぴよは第1弾の「バッドボーイズ」見てないんですわ。(^_^;)

さて。
アクション映画ファンのぴよの持論として、アクション映画を観客がダレずに楽しめるのは1時間半が限度、長くても2時間以内であろう・・というのがあるんだけど、この映画の上映時間は堂々2時間25分。
ぴよが常々提唱している「アクション映画1時間半説」を実に1時間もオーバーしている大作なのだ。
理由の1つにブラッカイマー&マイケルコンビがこの映画に思い入れが深い事、そしてもう1つは主演の2人が8年の間に非常にビッグになったが為に、彼らのおいしいシーンを沢山見せたいという欲が出過ぎたんじゃないかと。

見せ場はブラッカイマーお得意のカーチェイス、爆破、銃撃盛り沢山のシーン。
アクション映画ファン大喜びの「CG処理なしの本物の爆破シーン」を謳い文句にとてつもない巨額を投入。車は300台以上、ビル、豪邸、集落を次々と破壊の限りを尽くして見せる超ド迫力映像の数々!!

アクション映画ファンのぴよにとってはヨダレ物でしたが、アクションにあまり興味のない人が見たらどーなんでしょう?
いくらド迫力で車が300台大破しても、所詮カーチェイスシーンというのは車が走りまくってぶつかって壊れて火噴いて・・・パターンが決まっちゃってますから、何度もしつこくカーチェイスシーンが出て来ると「もうええっちゅーねん」という気持ちになる人も結構いるんじゃないかと思ったんだけど。

ウィル・スミスとマーティン・ローレンスの息の合ったコンビぶりはさすが!と言うか、この映画のキャラは彼らのその後の映画界でのイメージを決定付ける物になったんじゃないかと思う。
それだけ役柄と役者のイメージがぴたりとハマっていたという事なんだろうな・・・

2時間25分という上映時間をダレずになかなか上手に料理してあったな、という印象はあるものの、やはり少し長過ぎるように思うね。シドが潜入捜査で金の運び屋をした時に現れるギャング団とのエピソード等は、思い切って全部端折っちゃって、もう少しテンポよく黒幕のあぶり出しに持って行ってもよかったんじゃないかと思う。
そうすれば、上映時間が2時間程度には収まったでしょう。

ま、見て損はない面白いアクション映画だと思いますわ。
当然だけどこの手の映画は劇場で見る事をアクション映画ファンとしてオススメします♪
何しろCG処理なしの本物のド迫力シーンですもの!いい音響と大きなスクリーンで見るのはお約束でしょ♪






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2003年11月19日(水) シャンハイ・ナイト

監督:デヴィッド・ドプキン
出演:ジャッキー・チェン
    オーウェン・ウィルソン
    ファン・ウォン、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
19世紀後半、中国・紫禁城―英国人によって皇帝の龍玉を盗まれ、龍玉の番人が暗殺された。番人の娘はアメリカ西部で保安官をしている兄・チョンに父の死と父の遺言が入った小箱を送り、自分は父の仇を討つ為に英国へ向かった。
父の暗殺を知ったチョンも父の仇討ち、そして事件の真相を知る為に、相棒のロイと共に英国に向かったのだが・・・


【感想】
ぴよ大・大・大好き♪ジャッキー・チェンの最新映画。この作品は2000年に製作された「シャンハイ・ヌーン」の第2弾で、メインキャストのジャッキー&オーウェン・ウィルソンのコンビが再結成!
実はぴよはオーウェン君も大好きです♪なので1粒で2度オイシイ映画という訳だ。ふっふっふ♪

前作では中国→米国という話の流れだったけど、今作では更に中国→米国→英国と舞台を展開させ、メインは英国でのドタバタになる訳ですが、ここらの流れは非常にスムーズでダレる所もなく、きっちり楽しませてくれます。

ここ数年、やはり寄る年波には勝てないのかジャッキーのアクションのキレに精彩がなくなったなぁ・・というのがぴよの私感でしたが、この作品はそこの所が非常に考慮されていて、本格的アクションで息もつかさぬド迫力!という見せ方ではなく、ジャッキーお得意の小道具を使ったり細かい手技&足技を駆使して見せる、エンターテイメント性の高い「見て楽しいアクション」になっている。

これはぴよ、非常に高評価!
大体からして相棒がオーウェン君な訳ですから、シリアスで迫力のあるアクションではオーウェン君が浮いてしまいます。彼にもアクションシーンでジャッキーと絡んで頂かなければいけないので、小道具を使った楽しいアクションでオーウェン君がすっとぼけてくれないと、彼の居場所がなくなっちまいます(笑)

いやぁ〜・・それにしても、オーウェン君のカマすボケぶりがジャッキーのキャラと非常によく合う♪
かつて「I-SPY(2003年4月10日の感想を参照)」でエディ・マーフィーと絡んだ時は、余りのチグハグさにぴよは泣きそうになりましたが、やっぱりオーウェン君はジャッキーくらいのちょっとおっとりした感じのキャラと絡んだ方が、断然魅力が引き立つし、オーウェン君だけじゃなくてジャッキーの魅力もふんだんに出ますわネ♪

英国を舞台にしたという事で「切り裂きジャック」をネタに使ったり、シャーロック・ホームズ、コナン・ドイル、そしてチャップリンを登場させて(しかもラストでは、チャップリンに口ひげを付けさせてアメリカに連れて行くという念の入れようだ!笑)観客を楽しませてくれたり、また傘を使ったアクションシーンでは名作「雨に唄えば」の代表的シーンを挿入。実に細かく観客を喜ばせる作りになってます。

難を言えば、本格的実力派アクション俳優ドニー・イェン(ぴよ、この方の活躍には今とっても注目しています)との一騎打ちシーンが今1つ物足らなかった事か。
彼との対決シーンを楽しみにしているアクション映画ファンは多かっただろうから(勿論ぴよもその1人)あんなにサックリ終わってしまうと、どうしても「やっぱりジャッキーったら年食って本格アクションに着いて行けなくなってるのぉ!?」って疑いたくもなっちゃうぢゃない!!(涙)

いやいや・・・でも久し振りにジャッキーの魅力がふんだんに溢れる楽しい映画でしたわ♪
ジャッキー&オーウェンのファンとしては是非また続編を作ってもらいたい所ですが、このコンビでこの時代設定のまま次回作のネタって作れるんでしょうかねぇ?
タイトルは・・・やっぱり「シャンハイ・モーニング」って事になるのか?(苦笑)







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2003年11月18日(火) 10億分の1の男

監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ
出演:レオナルド・スバラグリア
    ユウセビオ・ポンセラ
    マックス・フォン・シドー、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
「世界1強運な男」サムは、カジノを経営するだけでなく、秘密の地下室である“ゲーム”をおこなっていた。30年間一度も負けた事のないサムは、自分の特殊な能力と賭けによって得た莫大な財産を、地震で生き埋めになっている所を助けて育てて来たフェデリコに継がせるつもりだったものの、フェデリコはサムの元を逃げ出してしまった・・・それから7年後、フェデリコは飛行機墜落事故で唯一助かった強運の持ち主トマスに接触し、サムの行う「人生を賭けたゲーム」に参加するのだが。


【感想】
ぴよにはあまり馴染みのないスペイン映画。どーやらスペイン映画界ではトップスターが出演しているみたいなんだけど(あくまでも公式HPの自己申告)、どの役者さんもまるで見覚えのない面子揃いだったのですが・・・

ある所にカジノを経営している「世界一強運な男」サムと、世界中から集まった強運者達が自分の人生全てを賭けて勝負をするって話なんだけど、とにかく話の設定がさっぱりわかんない。(^_^;)

まずからして、サムに助けられて、サムの特殊な能力(人に触ると、触った人の運を全て吸い取る事が出来る)まで授けられて、挙句に莫大な財産の全てを相続させてあげるとまで言われていたフェデリコが、どうしてサムの元から逃げ出したかったんだかさっぱりわからない。

更にどうしてフェデリコはわざわざ強運の男を捜してサムのゲームに参加させようとするのか?
そのゲームのルール説明も映画中に全くないし・・・
そもそも、「他人の運を吸い取る」事がどうして出来るのか不明なんだけど、そんな事はどーでもいいらしい。
とにかく運は吸い取る事が出来るんですよー!という強引な設定で話が進んでいるので、映画がかなり進んでいても頭の中は?が飛び交い、何がどーなってんだかぴよにはさっぱり判らなかったんだけどネ。

ただこの映画が興味深いと思ったのは、目に見えない「運」というもの(存在するのかも不確かだよね)を、映像として見せようとしているところ。人に触るとその人の運がなくなったり、運を吸い取った人の写真を集める事で自分の運がどんどん強くなったりするというのは、かなり面白いアイディアだと思う。

結局この映画が何を言いたかったのかよく判らなかったんだけど、キーワードは「愛」なのかな?と。
相手を愛するが故、巻き添えにしたくなくて「君に対して愛がなくなった」と告げ、結果的に愛する者を救った男と、愛がなくなった事を相手に告げられなかったが為に相手の運の全てを奪って殺してしまった女。
共に強運を持つ2人だけど、「愛」という言葉を挟んで対極に描かれているんだよね。

1度は敗者になったトマスと、最後の賭けをする事をサムが了承したのも「そこに愛があるから」だった。
ナチスの強制収容所から生還したサムの話も「友情を取るか運を取るか」の二者択一だったし、結局友情よりも運を取ったものの、友達が大切に持っていたお姉さんの写真をずっと離さず持っていたサムは、やっぱり「愛」を捨ててしまった事を後悔していたのかもしれない。

・・・なるほど。
映画見ててもさっぱり判らなかったけど、この感想書いてたら何だか頭の中がスッキリして来たぞ!(をいこら)


シュールで摩訶不思議で全編にB級臭の漂う映画であるものの、なかなか含蓄深いモノがありますわ。
この映画、すでにブエナビスタ社がリメイク版の製作を決定しているそーですが、ハリウッドの洗練された脚本で作り直すとまた別の面白味も出て来るかもしんないっすね。






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2003年11月17日(月) すべては愛のために

監督:マーティン・キャンベル
出演:アンジェリーナ・ジョリー
    クライヴ・オーウェン
    テリー・ポロ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
裕福なイギリス社交界の美しい人妻・サラは、義父の慈善活動の功績を讃える盛大なパーティに出席した際、会場に乱入して来た1人の青年医師に目を奪われた。彼は自分がエチオピアで活動している非営利援助活動での窮状を真摯に訴えたのだ。冷笑する周囲の中、サラは青年医師・ニックの言葉に突き動かされるように私財を投げ打ってでも援助資材を調達し、そして自らがエチオピアに赴く事を決意したのだ。
ところが現地に行ってみて、彼女のささやかな慈善ではとても太刀打ち出来ない過酷な現実を知る。そしてニックのひたむきな姿勢にサラは惹かれ、ニックもまたサラの純粋な心に打たれ、2人は強烈に惹かれ合って行ったのだが・・・


【感想】
トゥーム・レイダーで鍛え上げられた姿態を惜しみなく晒しまくるアンジェリーナ姉さんの新作は、エチオピア、カンボジア、チェチェン、そしてイギリスを舞台に壮大なスケールで描き出す愛の一大抒情詩。
アンジェリーナ姉さんは、スクリーン外でも2001年にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使に任命され世界の難民キャンプを訪問するなど、救済活動にも積極的に取り組んでいて、この映画はそんな縁もあって彼女にとっては渾身の一作なんでしょう。

さて。
上記の前振りは全て公式HPからそっくり抜粋したよーなモノですが、

まずからして、アンジェリーナ姉さんが「イギリス社交界で生きる裕福な人妻」というイメージからかけ離れてます。(笑)
んでもって、どーしてニックと出会った慈善パーティーで1人あそこまで思い込みが出来るのかが判らない。
更に、赴いたエチオピアでのニックとサラの絡みから、どーしてここまで「愛」が飛び交っちゃうのかサッパリ判らない。

いきなりボロクソ書いてますが、エチオピア、カンボジア、そしてチェチェンという、世界3大難民キャンプの悲惨な状況の描き込みは丁寧だったので、ここの部分はぴよ的には好評価ですよ。

日本人のぴよにとってこれらの国の悲劇的状況は、TVニュースで見ながら「気の毒にねぇ」と口にする程度で、正直言ってそれが本当にどれくらい悲惨なのか実感する事はない。本当はこの映画の映像なんてまだまだ生っちょろいんだろうけど、少なくともTVや雑誌でチョロッと見た事があるよネ・・程度の知識だったぴよにとっては、この映画の映像はかなり衝撃的で考えさせられるものがありましたよ。

ただ、この映画の見せたいモノの焦点がボケちゃってたよーな気がするんだよね。
この悲惨な難民キャンプで突然降って湧いたよーな恋愛劇が、ぴよには非常に白々しく見えたのが痛かった。

男と女の不倫劇を正当化して美しく謳い上げたいだけのネタなら、こういう設定じゃなくてもいいような気がする。
逆に、この地球のあちこちで今も叫び続けられる難民キャンプの悲劇的状況を切々と伝えたいなら、陳腐な恋愛劇など差し込まないで、思い切ってドキュメンタリータッチで真面目な映画にしてしまってもいいんじゃないか?とも思える。

まあ・・考え様によっては、真面目なドキュメンタリーでは映画館にわざわざ足を運んで見てくれる人がいないだろうから、人気女優を使って恋愛映画ですよーとアナウンスして観客を集めて、そこで本来見せたかった「難民キャンプの窮状とそれを支える国連と非営利慈善団体の存在」をアピールした方が、より効果的だったという事だったんだろうか?

ラストの展開はちょっと予想外だったものの、やっぱりぴよには恋愛部分がこの映画のネタから
(つーか、すっかりぴよの中でこの映画のネタが「難民キャンプの窮状」だと決め付けちゃってますが。苦笑)
浮いちゃってるよーな感じがして、どーもしっくり来なかったんですけど。(^_^;)

でも、エチオピア、カンボジア、そしてチェチェンの悲劇的状況を知るきっかけにはなると思う。
そういう意味では若い人、それから世界情勢に興味のない大人にも見てもらった方がいい映画だとは思いますです。
・・・まあ、恋愛部分はぴよには興味なかったんすけどネ。(笑)






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2003年11月13日(木) アイデン&ティティ

監督:田口トモロヲ
出演:峯田和伸
    中村獅童
    麻生久美子、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
アマチュアバンドの登竜門番組で沸き起こったバンド・ブーム。数多くのアマチュアバンドがここからデビューし、そして束の間のブームが去った後にそのほとんどが消えて行った。
ブームの終焉後も変わらずロックを愛し活動を続ける奴らもいる。中島率いる「SPEED WAY」もそんなバンドの1つだ。ブームに乗ってメジャーデビューを果たしたはいいものの、ブームが去り彼らもまさに現実と理想の狭間で揺れ動いていた。


【感想】
92年に刊行された、今や日本のミュージシャンのバイブルとも呼ばれる「みうらじゅん」の伝説的コミックの映画化。
監督は今作が初監督となった、ミュージシャン&アーティスト&俳優とマルチな才能を開花させている田口トモロヲ氏。
また脚本は今正に旬の人気脚本家、「クドカン」こと宮藤官九郎氏、主人公「中島」役を元「GOING STEADY」の峯田和伸、バンドヴォーカル役を、ぴよが今かなり注目している歌舞伎役者で俳優業もこなす中村獅童が演じている。

時はバブル時代、爆発的人気を博したアマチュアバンドのオーディション番組「イカすバンド天国(イカ天)」の存在を覚えている人は多い事だろうと思う(少なくともぴよと同世代の人だったら)
そのほとんどはいわゆるデビュー曲がヒットしただけで消えて行った「一発屋」で、今では「あの人は今」系番組でその後の姿をたまに追いかけられる程度の存在になってる。

この映画の主人公・中島は、確かにバンドブームに乗ってメジャーデビューをしたものの、自身のロックを愛する気持ちがピュアだったが故、流行が去った後も時代に取り残されて現実と理想の狭間で苦悩する。
理想を追えば飯が食えない。売れる歌を作ろうと思うと自分の信念は貫けない。
映画は「一発屋バンド」の話だけど、テーマは人の普遍的な部分をうまく突いていると思う。

中島を演じた峯田和伸クンは、元「GOING STEADY」のフロントマンで、今若者のカリスマと呼ばれているそーですが…すんまそん、ぴよは全く知りませんでしたワ(^_^;)
でも、彼はなかなか可愛い顔してるわネ♪役者じゃないから演技は荒削りな所もあるけど、自分のスタンスとこの映画の役柄がマッチしているせいもあるのか、朴訥ながらも何か一本芯の通ったロックマンをリアルに見せてくれていたと思う。

映画を引っ張って行くのは、中島の前に現れた「ロックの神様」が語るご神託。
これは全てフォーク・ロック界の重鎮「ボブ・ディラン」の歌詞の引用なんだけど、彼の歌は結構難解な歌詞が多くて難しい…ものの、映画の内容と歌詞をうまくシンクロさせて、ディランを知らなくてもロックにもバンドにも興味なない人にも、誰にでも訴えかけられるメッセージをうまくチョイスしてあったと思う。


・・・が。(←これはもうお約束か?苦笑)

ちとエピソードが冗長だったように思うんだよね。
どの部分をどう削れば・・とは一口に言い難いんだけど、クライマックスのシーンに辿り着くまでが、ちょっと長過ぎたんじゃないかな?と思ったんだけどね。
製作者のこだわりと、よりメッセージ性を強めたいという気持ちの現れなのかもしれないけど、この内容で2時間近い上映時間はやっぱり長過ぎるように思う。もうちょっとエピソードを端折るか、各シーンのエピソードを短くして、上映時間を1時間半くらいに抑えれた方が、見ててダレなかったんじゃないかなーと思ったんだけど。

ある意味普遍的青春群像劇としては、なかなかうまくまとまっていたと思う。
でもまだまだ映画の作りとしては、監督サンのメッセージを伝えるのに拙い部分が多いように思うわネ。
田口トモロヲ監督の今後の作品に注目しましょうか。(^-^)







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